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基本政策部会(第10回)

概要

日時:令和5年11月17日(金)10時00分から12時00分
場所:こども家庭庁14階共用大会議室
 
【オンライン配信URL】
https://youtube.com/live/EvR1Lm3gaKQ

議事

  1. 今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等
    ~こども大綱の策定に向けて~(答申)(案)について
  2. こども大綱に係る目標・指標体系の検討状況について(報告)

資料

議事録

秋田部会長:おはようございます。

時間になりましたので、ただいまより第10回「こども家庭審議会基本政策部会」を開始いたします。

本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、答申案について議論をいたします。

こども大綱の策定に向けた答申の中間整理について、9月25日の審議会総会での議決を経て、9月29日に公表をいたしました。

その後、10月に、委員の皆様の御協力を得て、こども・若者、子育て当事者等から意見を聴く取組を行いました。

御協力をいただきました委員の皆様に感謝、御礼を申し上げます。

9月25日の審議会総会では、こども大綱の策定に向けた答申については、部会での議決に委ねず、審議会総会で議決する事項とされました。

この審議会総会での決定に基づき、本日に意見を聴く取組を踏まえた答申案について議論を行った上で、この部会での議論を踏まえ、私と松田部会長代理から審議会総会に諮ることとさせていただきたいと考えております。

それでは、答申案につきまして、意見を聴く取組の結果を踏まえた修正案については、私と松田部会長代理の下でまとめましたので、事務局より御説明をお願いいたします。

佐藤参事官:官房参事官の佐藤でございます。

今日もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、まず資料1-1を御覧ください。

「こども・若者、子育て当事者等の意見を聴く取組の実施結果及びフィードバックについて」であります。

2ページ目を御覧ください。

10月に、委員の皆様方の多大なる御協力をいただきまして、小学生年代から20代のこども・若者の皆さん、子育て当事者の皆さんをはじめ、様々な方々から4,000件近い御意見を頂戴しました。

その内訳をそれぞれの取組ごとに記載をしています。

例えば1番のこども若者いけんの会は、こども・若者を対象とした公聴会でありますけれども、74人の方に参加いただき、154件の意見。

また、公聴会も、子育て当事者だけを対象とした公聴会は56人で121件、その他の方も含めて全体としても115人、185件の御意見を頂戴しております。

パブリックコメントも、こども・若者向けと一般向けとそれぞれ分けて行いました。

総勢で1,730件の御意見を頂戴しています。

また、こども若者★いけんぷらすを活用して、ウェブアンケート、オンラインでの意見交換、チャットでの意見交換、対面での意見交換、また、いけんぷらすの中でも初めての試みでありましたけれども、出向く型と言っていますが、児童館、児童養護施設、障害者支援施設に出向いて意見交換をしたり、ひとり親支援団体の親子とオンラインで意見交換もしました。

また、こども団体・若者団体からのヒアリング、経済界・労働界からのヒアリング、また国と地方の協議の場を活用して、全国知事会・全国市長会・全国町村会の方々との協議の場で意見を頂戴しました。

また、団体の方々からは、意見書という形での御意見も頂戴することにいたしまして、20団体から計255件の御意見を頂戴しているところであります。

これらについてまとめたものについて、これから少し御紹介をしながらお話をしますけれども、参考資料1-1にはその全ての御意見について資料として掲載をしてございます。

また、経済団体・労働団体のヒアリングとか、こども・若者団体のヒアリングの概要、パブリックコメントで各団体からいただいた意見書につきましても、それぞれ参考資料1-2、1-3、1-4に示しております。

4ページ目を御覧ください。

この4,000件に近い御意見について、事務局のほうで全て目を通しました。

私自身も4,000件全て読ませていただきました。

その上で、反映できるもの、反映できないもの、修文に結びつかなかったもの、様々なものがございますけれども、まず皆さんからいただいた意見について似ている意見をまとめました。

それについて意見を分類した上で、中間整理に書いていないことへの意見については答申案に反映する意見、また、修文には結びつかなかったけれども参考にさせていただいた意見、そして、中間整理に書いてある、既に含まれているような意見、それぞれについて、この資料で色分けもしながら、どこがどう変わったのか、どこに書いてあるのか、修文に結びつかなかった理由・考え方を書きました。

また、よいと思ったという意見も頂戴をいたしました。

見せ方についての御意見も頂戴をしました。

そういったものについても、この資料のほうでまとめてございます。

もともと、特にこども・若者を対象としたものについては、やさしい版を使って説明をしています。

そういう意味では、本文のどこに書いてあるかというところまでが、こどもや若者の皆さん、お読みいただいた方もいらっしゃいますし、年齢が低いこどもの場合は本文を読むところは難しい面もあったかと思います。

この資料は、こどもや若者向けのフィードバックの意味も込めて作成をしていますので、なるべくかみ砕いて分かりやすい表現を使いながら、皆さんから頂いた意見はしっかりここに書いてありますよ、皆さんから頂いた意見でこういうふうに変えましたというところを具体的に分かるようにまとめています。

5ページ目以降にそのまとめについてあります。

ここは事前に委員の皆様方に、日数が少なくて大変恐縮でございましたけれども、お目通しをいただいておりますので、一件一件の御紹介はこの場では差し控えますけれども、例えば5ページ目の「こどもまんなか社会について」については、やさしい版を見たこどもや若者たちからかなり多くの御意見を頂戴しました。

それをある程度グルーピングして左側にまとめています。

多くのものは、これまでこの部会の場で御議論いただいて中間整理の中に含まれておりますので、ここにしっかり書いてあるよ、皆さんの思いは受け止めているよということが分かるような形で書いています。

この資料全体のつくりは、左端に皆さんから出てきた意見、それはポイントとしてはこういうことですよねというところを真ん中に書いた上で、ここに書いてありますよ、こういう変えましたというふうに右側で、こちら側の回答というのですか、まさにフィードバックを示したものになっています。

6ページ目を御覧いただくと、右上に凡例も書いていますけれども、青い枠が今回反映をする意見になります。

それは後ほど本文を使いながら御説明をします。

緑色のものは中間整理に書いてある意見です。

頂いた意見の中で反映するものは青色ですし、中間整理に書いてあるよというふうに丁寧に御説明を差し上げるのが緑色ですので、青色と緑色はしっかりこどもや若者の皆さん子、育て当事者の皆さんの御意見を受け止めているものと考えています。

その上で、黄色のものが修文に結びつかなかったものでありますけれども、その例を少し御紹介します。

11ページ目を御覧ください。

左下に、例えば虐待防止対策について、こどもや若者の方々から、「虐待は誰にでも起こりうるが」と書くと虐待を擁護しているように見えるとか、どのような状況であれば虐待として支援の対象となるのか明確化してほしい、そういった御意見も寄せられました。

この御意見も含めてですけれども、中には自分は今虐待を受けているのだというようなことを吐露しながら御意見を言っていただいたこどもや若者の方々もいらっしゃいました。

これについて、ポイントという形で、虐待は決して許されないのだということとか、どういう虐待が支援の対象になるのかを書いてほしいと受け止めました。

その上で、右側に修文に結びつかなかった理由・考え方として、ここの項目では、例えば、虐待は特定の家庭だけで起こることではなくて、そういうことを誰にでも起こり得るという表現で言っているのですと。

その上で、決して許されるものではないと続けていることで、決して虐待を擁護しているわけではないということを示していますとか、どのような状況であれば虐待の支援の対象というのは、こども大綱に書くには少し細かなことでありますけれども、そうしたことについてはまさに法律があったり、手引というものに詳しく書かれていて、そこで明確化されていますということを丁寧にお伝えする、そういうつくりになってございます。

ぱらぱら見ていただいて、20何ページ目ぐらいにわたって、それぞれの項目についてなるべく丁寧にお答えをつくろうということでこの資料をまとめています。

その上で、29ページ目まで飛んでいただいて、皆さんがよいと言っていただいた意見もかなり多くございました。

事務局一同、拝見をしながら、審議会の先生の方々のおまとめですてきな中間整理がまとまったおかげだと思いますけれども、多くのこどもや若者、子育て当事者の方々がいい中身だとおっしゃっていただいたことは、我々としてもすごくうれしかったところであります。

少し御紹介をしますと、「こども大綱全体について」のところの左上ですけれども、こどもや若者から年齢ごとに合った取組をしてくれるのがよいという意見とか、右側の2番目ですけれども、様々な方面から支援があって、誰もが必要な支援を受けることができそうな点に魅力を感じるといった一般の方々の御意見。

また、もう一回左側に移っていただいて上から3番目ですけれども、こどもが権利の主体だと明確にきちんと記載されているのは非常によい、高く評価をしているといったこども・若者団体からの御意見もありました。

また、中ほどですけれども、こどもまんなか社会について、こども・若者からこどもまんなかの社会ができることがうれしい、こどもが大切にされていると感じるとか、その右ですけれども、こどもまんなか社会は、これまで意識されていなかったけれども、大綱が広がっていくことで日本がこどもを中心とした社会になっていくような気がする。

そうしたコメントももらいました。

「基本的な方針について」のところの右側ですけれども、これもこども・若者から、「こども・若者の成長に合わせて、おとなになるまでずっと支えます」、これはやさしい版で書いた基本方針の一つの説明ですけれども、支えてもらった経験のある人は将来支える側の人になれるので、こういう取組が増えるといいというようなコメントももらいました。

意見表明についても、こどもや若者自身から、意見を言いやすいような雰囲気をつくっているのがいいと思った。

また、こども・若者団体から、このように当事者、現場の声を届ける場がつくられたことに希望を感じていて感謝しているというコメントを頂戴しました。

次の30ページ目でありますけれども、資料の見せ方やアピールの仕方についても御意見を頂戴して、それはしっかり工夫をしていきたいと思っています。

例えば一番上ですけれども、こどもまんなかのことを知らなかったので、もっとアピールしてほしいとか、下から2番目ですけれども、こういうこどもや若者の声を聴く機会にもっとたくさんのこどもが参加できるように広報を行ったほうがいいと思うといった御意見も頂戴しました。

こういった御意見を踏まえて、しっかり今後とも対応したいと思っています。

31ページ目は、インターネットモニターの1万2000名近くの方々に対するアンケートを行った結果を記載しています。

こちらは後ほど御覧いただければと思います。

その上で、資料1-2を御覧ください。

こうした意見を聴く取組で出てきた意見を踏まえて、修正をした箇所について御説明をしたいと思います。

まず、1ページ目、2ページ目の目次を御覧いただきまして、この本文は全体として黄色いマーカーを塗っているところが意見を聴く取組で修文をしたところですけれども、項目の中でも、1ページ目の第2の(2)、基本的な方針のうちの一つの柱について、「とともに考えていく」となっていたものを「ともに進めていく」に変えています。

また、第3「こども施策に関する重要事項」の1、ライフステージのところです。

「ライフステージを縦断的に」と書いたところを、分かりづらいというお話もあったので、「ライフステージを通した」と変えています。

また、多くの方々から、体罰や不適切指導について御意見を頂戴しました。

2ページ目の一番上に、新たに「体罰や不適切な指導の防止」について項目立てをしています。

また、青年期の取組についても、大人になるまでのまだ脆弱な時期の若者に対する支援をしっかり書いてほしいという御意見もあり、「若者に対する相談体制の充実」ということを新たに項目立てをしています。

以下、具体的なことについて御説明を差し上げます。

まず、7ページ目の11行目であります。

こちらは、一般の方々から、こどもがいない人のこともちゃんと考えてほしいという御意見がありました。

これは、こどもがいない人にとって大綱がどういう意味があるのかということを示してほしいというふうに受け止めました。

もともとここは「全ての世代にとって」という書き方になっていたのですが、より分かりやすく、「全ての人にとって」というふうに修文をしました。

先ほどのフィードバック資料の中では、世代とかこどもがいるかどうかにかかわらず、こどもや若者が大切にされる社会は社会全体が幸せになるのだと、そうした思いでこのこども大綱を書いていますということを説明してございます。

続いて、次の8ページ目の32行目から35行目の辺りであります。

先ほども御紹介をしましたけれども、こども・若者団体の皆さんから、こどもや若者の意見を聴くだけではなくて、政策形成などへの影響力を持てるようにしてほしい、「影響力」というのがキーワードなのだ、これは入れたほうがいいという御意見を頂戴しました。

そのために、これまでの中間整理は「ともに考えていく」だったのですが、ともに進めていく、一緒にやっていくのだということが伝わるように、基本的な方針の表題そのものを変えるとともに、本文の中に「社会への影響力を発揮することにつながり」という文章を入れてございます。

続いて、10ページ目の29行目を御覧ください。

こちらは、都道府県の方から、ひきこもり支援についても記載をしてほしいという御意見がありました。

そのため、29行目のところに「ひきこもり」という単語を入れてございます。

続いて、11ページ目の36行目、37行目を御覧ください。

ここは、共働き・共育てだけを支援するのですかといった御意見がありました。

そのために、ここに、今は全世帯の3分の2が共働きとなっているとか、結婚や出産後も仕事を続けたい人が多くなっている、その中で両立を支援していくことが大事だということを丁寧に伝えるようにしてありますし、またフィードバック資料のほうでは、併せて独り親の支援についてしっかり項目立てをしていますというところも記載をしています。

続いて、12ページ目の2行目であります。

これは、全国知事会のほうから、子育ては有意義な人生の経験の場なので、「自らのキャリアを犠牲にする」といった表現ではなくて、前向きな表現にしてほしいという御意見がありました。

そうした御意見を踏まえて、「仕事などで自己実現をはかりつつ」というふうに修文をしてございます。

同じ12ページ目の22行目でありますけれども、これは、経済界・労働界のヒアリングのときに、地域ごとの多様なニーズに対して行政だけでは対応できないのではないのか、企業の役割もあるといった御意見を頂戴しましたので、「企業」という言葉を追記しています。

続いて、13ページ目の19行目、先ほど御紹介をした表題をまず「ライフステージを縦断的に」と言っていたのを「ライフステージを通した」と直しています。

ここは、「ライフステージを縦断的」という言い方が分かりづらいとか、あとは、これにも少し関連をしますけれども、カタカナ語が多くて意味が分かりにくい言葉があるので、分かりやすく書いてほしいというのがありました。

そのために、例えばウェルビーイングとかバイオ・サイコ・ソーシャルといった言葉も中間整理にはありましたけれども、そうした言葉は意味を追記したり、注釈に書いたりということで、全体的に整理をさせていただいています。

同じ13ページ目の29行目、「こどもの教育、教育の場」でありますけれども、こちらはこどもの権利に関して、学校の場をはじめ様々な場でもっと浸透を図ってほしい、認知や理解が進んでいない、そういった御意見を踏まえまして、13ページのところを「こどもの教育、教育の場において」というところで、広げるような形で修正をしています。

続いて、16ページ目の11行目から13行目は、黄色のマーカーが漏れていまして大変失礼をしました。

団体の方々から、小児慢性特定疾病から指定難病への移行が難しいので、切れ目なく支援をしてほしいというような御意見がありまして、そのため、16ページ目の12行目から13行目辺りを追記してございます。

同じ本文の16ページ目の「こどもの貧困対策」のところです。

こどもの貧困対策は最優先の課題の一つであり、後退することがないようにしてほしいとか、どのような状況にあるこどもや若者であっても支援の対象になることが明確に伝わる表現にしてほしいといった御意見がありました。

そのために、16ページ目の18行目から21行目のところ、こどもの貧困に関してさらに重要度を追記するとともに、27行目から32行目のところについても、文章をさらに工夫をしたり、追記をすることで、どのような状況にあるこどもであっても支援の対象となることが明確になるように修正をしました。

あわせて、こどもの貧困の関係は、17ページ目の7行目でありますけれども、塾にかかる費用を援助してほしいといったこどもや若者からの意見もありました。

そのため、17ページ目のところに「学習する機会の確保」というところを追記しました。

地方自治体が行う無料学習塾の支援等に取り組むということにしてございます。

続いて、本文18ページ目の23行目であります。

ここは、もともと「虐待により親子が傷つく前に」という文章があって、それについてこどもや若者から違和感がありますというコメントを頂戴しました。

そのために、「虐待が起こる前に」というふうに表現を変えております。

続いて20ページ目の25行目になります。

もともとここの文章は「閲覧するには望ましくない情報も氾濫し」とあったのですが、その定義が難しいのでクリアにしてほしいと言われまして、それで「こどもの健やかな成長を著しく阻害する有害情報」というふうに変えました。

また、ここは注釈をつけて、法令上の定義についても注で分かるような形に工夫をしてございます。

続いて、22ページまで飛んでください。

35行目であります。

幼児期までのこどもの育ちについては、障害のある子が通所する児童発達支援も追記してほしいという御意見が一般の方からありました。

この点、児童発達支援施設をはじめ、例えばほかにも乳児院とか、保健センターとか、様々な機関が含まれるので、ここに「こどもの育ちに関する関係機関」ということで、広く児童発達支援も含めて入るような記載ぶりにしました。

続いて、23ページ目の34行目であります。

これは、こども・若者の方から、また一般の方からもあったのですが、思春期の特性を書いているくだりで、もともと「家族・異性との関係などに悩んだりする繊細な時期と」あったのですが、異性だけに限らないですという御意見を頂戴しました。

そのため、ここのくだりを「家族・友人との関係や恋愛など」に修正をしました。

続いて、24ページ目の6行目を御覧ください。

ここは、一般の方、また、こどもたちからも意見があったと思います。

都市と地方で受けられる支援に違いが出てしまうのはよくない、地域間格差をなくしてほしいといった御意見がありました。

そのために、24ページ目の6行目に、「住んでいる地域にかかわらず」というような言葉を入れました。

同じ24ページ目の14行目であります。

こども・若者から、教科書をデジタル化すると荷物の負担も減っていい、紙とデジタルを使い分けができたらいい、そういう御意見がありましたので、「デジタル教科書」を表現として追記をしてございます。

少し飛んでいただいて27ページ目、2行目から7行目です。

冒頭に御紹介しました「体罰や不適切な指導の防止」について項目立てをしています。

こどもに対する暴力撲滅についてしっかり書いてほしい、学校における体罰とか不適切な指導は例えば自殺などにも結びつく場合もあるので、そこはしっかりと書いてほしいという声をかなり多くいただきました。

そのために、項目立てを新たにし、体罰はいかなる場合も許されるものではなく、法で禁止をされています。

また、生徒指導提要という文部科学省が教育委員会や学校に示しているものにおいても、体罰や不適切な指導はいかなるこどもに対しても決して許されないと示されています。

そうしたことを踏まえて、この趣旨の徹底とか、根絶に向けた取組強化を進めていくのだというところを新たに記載しています。

続いて、29ページ目の一番上の2行目から6行目辺りを御覧ください。

青年期の取組について、これは若者の方からですけれども、例えばメンタルヘルスに関してなかなか気軽に相談しづらいとか、カウンセリングを受けるのにも少し抵抗があるといった御意見があったり、そもそも青年期の取組が少ないのではないのかといったこども・若者団体からの御意見を頂戴しました。

そうしたことを踏まえまして、「若者に対する相談体制の充実」というものを1つ項目立てをしまして、子ども・若者総合相談センターなど、若者の様々な悩みを受ける相談体制の充実を図る。

また、心の健康や病気、支援・サービスに関する情報など学生を含む若者に周知をする。

そうした項目立てをいたしました。

体罰等不適切指導に関しては、関連して幾つかほかの部分においても追記をしてございます。

続いて、33ページ目の16行目を御覧ください。

もともとこの部分は「意見を表明することへの意欲や関心が必ずしも高くないこども・若者」という表現でありました。

ここについてこども・若者団体から、意見を表明することへの意欲や関心をそもそも高く持つきっかけがないことや、声を上げることにリスクや負の経験があるこどもや若者もいるので、そうした形の表現のほうがしっくりくるのではないかという御意見を頂戴しました。

このために、ここの部分について、「意欲や関心が必ずしも高くもていないこどもや若者が」といった形で修文をしました。

続いて、35ページ目の21行目になります。

ここは、「民間団体同士の連携強化」という文章であったのですが、ここは民間団体同士だけではなくて、行政と民間団体との連携も強化をしてほしいという御意見を団体の方からいただきまして、「行政機関と民間団体」という表現を追記してございます。

続いて、38ページに飛んでいただいて20行目であります。

これも団体の方からでありますけれども、こどもの権利について啓発をしていくためにも、自治体におけるこども条例の制定について国が支援をするべきだという御意見を頂戴しました。

このために、自治体こども計画の項目の中で併せて、「こどもに関する基本的な方針・施策を定めた条例の策定状況についての『見える化』を進める」といった文言を追記してございます。

その他、それに関連して、先ほど申し上げた体罰や不適切指導のところを幾つか書いたり、注釈のところを少し丁寧に書いたといった修文をいたしました。

私からの御説明は以上になります。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

中間整理につきましては、審議会総会で議決されています。

したがいまして、本日の部会での議論の対象は、ただいま事務局から説明のありました意見を聴く取組を踏まえて修正した部分、あるいは、意見があったけれども反映しなかった箇所に限ります。

それ以外の部分は、全て審議会総会で決したものであり、議論の対象とはなりません。

御意見のある方は、具体的な修文案を示す形で今日は御発言をいただきたいと思います。

意見のある方が挙手をいただくのですが、まず最初に、今日御欠席なのですけれども、谷口委員が参考資料を出されています。

その後、議事の進め方といたしまして、こちらに御意見の紙を出していただいた方にまず御発言をいただいた上で、自由に討議をしていくというような形で進めさせていただきたいと思います。

それでは、谷口委員の部分について代読をお願いいたします。

佐藤参事官:谷口委員からコメントを預かってございますので、代読をいたします。

本日は体調不良により欠席をさせていただいております。

参加できず、すみません。

こども大綱に向けた意見を聴く取組の結果について、資料を拝見させていただきました。

より多くのこども・若者の意見を聴き、反映させることによって、ますますこの大綱が「こどもまんなか社会」実現に近づいてきていると感じました。

また、私の仲間でもある遺児、障害家庭の学生である当事者から直接意見をお伝えすることができてよかったです。

こども自身、当事者自身もこのことについて考えることで、誰にも分かりやすい言葉も一層生まれてくることに期待をしています。

12ページのこどもの自殺対策について、自分で自分の道を終わりにしたいという気持ちに対して寄り添いながら、ほかの道を提案する人が必要だと思います。

そういう一緒に考える人、隣で考える人が必要です。

7ページ目、こども・若者に関わる人たちが分からないという部分については、いわゆる関係者のみならず、この社会のみんなで関わっていくと考えたいと思いました。

4,000を超える意見をまとめることは大変だと思いますが、全ての人たちが意見や考えを持つことから、こどもを真ん中にする社会が始まるのだと私自身感じました。

本日は欠席となりますが、引き続きよろしくお願いいたします。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、資料の3-1から3-5を順に御説明いただきたいと思いますので、資料3-1を御提出いただきました青木委員からお願いをいたします。

青木委員:ありがとうございます。

発言の機会をいただきありがとうございます。

また、たくさんの意見を取りまとめながら答申案の修文をされたという、本当に大変な作業をしていただきましてありがとうございます。

その上で、今回提示された答申案の中で、こういった修正をしていただければということで資料を出させていただきましたので、それについて説明をさせていただきます。

既にもう修正等がかなわないところもあるかもしれませんが、一応資料で提示したということでお伝えさせていただければと思います。

まず、14ページになります。

ここでの記載については、真ん中の16行目になりますが、「多様な体験・外遊びを含む様々な遊び」という記載の仕方だと、全てが遊びに含まれてしまうように見えるので、ここは体験活動と遊びというところの推進になりますので、修文案としては、ここにも記載させていただいておりますが、「自然体験、職業体験、文化芸術体験など多様な体験活動や様々な遊び」といった言葉に修正してもいいのではないかなと思っております。

続いて、29ページになります。

ここについては今回新たに追記されたところになりますが、ここについて少し気づいたところとしては、社会的な役割とか責任に対する不安を感じるであったり、ライフイベントに関わるような相談というものも支援が必要であろうということを前提に、この相談体制の充実というところが書かれていましたが、その記載において、単に若者の悩みや不安というよりは、ライフイベントを具体的に示して、例えば進路や人間関係の悩みとか、またそれを相談できずに孤独やストレスを感じているといったところを記載するとか、また、若者だけではなくてその家族への支援も当然必要になってきますので、家族といったところも明記をして対象に含めていくということがあってもいいのではないかなと思っております。

続いて、31ページの28行目のところに、こども・若者とともにといったところで、「権利の主体」という言葉があると、より伝わりやすいのかなと思ったところです。

続いて、32ページの7行目になりますが、ここの記載で、先ほど答申案の御説明の中でも、教育や養育の場を通じて自らの権利を学ぶという記載がありましたが、ここでもそういった記載を追記するほうがいいのではないかと考えております。

また、ここは当初は社会参画と意見表明の大切さを伝えるという言い方でしたが、やはり伝えるだけでは伝わりにくいなと実感をしております。

というのも、先日ヒアリングに私も同行させていただいたのですが、やはりまだまだこどもたちが権利の主体であるという理解や、意見表明ができるということの意義とか大切が実感できていないところもたくさんあると思うので、そういった意味では、伝えるだけではなくて実感できるような支援もやりながらその意欲を育んでいくという記載でもいいのではないかなと思いました。

続いて、35ページの16行目ですが、「キャリア形成ができる環境づくりを進める」という言い方になっておりますが、昨今、保育士や教員のなり手不足が教育現場では非常に課題になっている中で、職に対する魅力がなかなか伝わっていないというのを、私も教員養成、保育者養成に関わる中で感じているところです。

そういった中で、仕事の魅力を伝えて、向上を図り、発信していくというようなことも今後の方針の中に示されているといいのかなと思いました。

最後になりますが、「おわりに」ということで40ページになりますが、今回、先ほど御説明いただいた資料を見ますと、4,000件という本当に多くの意見をいただいている中で、なかなか全てが修文に反映できるものではなかったり、また、中間整理案に記載されていると読み込んだものも多いと思うのですが、その中でも意見を出した方にとっては、読み込まれているけれども、意図と違う部分があるということもあると思います。

そうした中で、せっかく意見を表明したのにやはり伝わり切っていないと伝わらないように、追記案としては、こども大綱が今回で完成ではないということで、「こどもまんなか社会」の実現に向けて政策を進めていく中で、意見を取り入れながら変わっていくものであるというような、今後もより発展していくものだということをメッセージとして伝えられればなと思い、こういった追記がもし可能であれば入れていただければと思った次第です。

私のほうから提示させていただいた資料についての説明は以上になります。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

一問一答形式ではなくて、自由に皆さんで御討議いただいた後で事務局から回答いただくという形にしたいと思います。

それでは、資料3-2を岸田委員のほうからお願いいたします。

岸田委員:発言の機会いただき、ありがとうございます。

そして、このたびは本当に大変な数の意見をお寄せいただいたことに対し、部会長、そして部会長代理をはじめ、事務方の皆さんの集約への御尽力に心から感謝いたします。

そして、今回の大綱の審議途中で広くこどもたちからも意見を聴取し、またそれを政府として全て読んだということ、そして反映を検討し、修文に結びつかなかった理由についても明示されたことは、この大綱にこどもを権利主体とするということを明記したことと併せて、この意見表明に対しての後ろ支えを政府としても取り組まれたということは、こどもまんなか社会へと変えていくための非常に価値ある一歩だと思っております。

意見を寄せられた中で、「こどもの権利を守ろうとする大人がいて、制度をつくろうとしていることは分かったけれども、そうではない大人は、誰がどうしていくん?」という14歳のお子さんの声があって、私はとても心に残りました。

我々や政府として、直接こどもから意見を聴くことのみにとどまらず、聞かれにくいこどもの声がこどもたちの日常の中で聞かれることが当たり前の社会になるために、まだ不断の努力が必要とされていると感じております。

こうしたことを踏まえまして、今回の答申案に対して6つ提案をさせていただいておりますので、駆け足で御紹介させていただきます。

1点目が、11ページ目の6行目、基本的な方針の(4)の点です。

子育ての支援とか、あるいは子育て当事者の皆さんのメンタルケアに触れた部分についてですが、こうした当事者の幸せや喜びというものがこどもの権利擁護のためにも必要であるということを付随して明示するために、「こどもの権利を理解し、こどもの声を傾聴するゆとりが持てるよう、また自身が」と追記することを御提案申し上げます。

2点目は、12ページ目の1行目、基本的な方針の(5)の部分です。

先ほど参事官のほうから、知事会からの御意見があって、子育てに対してはポジティブな、よいイメージを持っていくので、「キャリアの犠牲」という文言はないほうがいいのではないかという御紹介があって、この点は答申案では削除されているかと思いますが、当事者目線で改めて考えましたときに、実態としてキャリアの犠牲になるのではないかという不安を抱えるということは性の別を問わず現実問題として起きているという現実にはやはり即すべきなのではないかという意味で、この文言は残していただくほうが、より当事者目線に立つものとなるのではと思います。

ただ、一方で、子育てそのもののポジティブな側面ということはもちろん重要で、その意義が損なわれないようにするために、私が参加させていただいた公聴会の中でも、むしろ子育て経験は仕事にも生かせるものなのだ、そういったポジティブな、意義のあるものだということを記してほしいという御意見もいただいたところも踏まえまして、例えば、「自らのキャリアを犠牲にすることなく、むしろ子育て経験を仕事等に活かすなど自己実現をはかりつつ相互に協力」等の表現はいかがかなと思い、提案申し上げます。

3点目は、20ページの11行目、自殺対策の部分です。

この点について、私の参加した公聴会の中でも、自殺に関しての項目があっさりし過ぎているとか、あるいは自殺防止という表現ではない表現はないかというような御意見が寄せられていることも拝見し、冒頭の部分に以下のような文言を追記してはどうかと提案申し上げます。

それは、「こどもの総数が減少傾向にあるなか、小中高校生が自らの命をたつまでに追い込まれる自殺が増加傾向にあることは危機的である。

自殺は防ぐことができる死であるという認識に立ち、児童生徒の自殺は特に長期休業明け前後に多い傾向にあること、メンタルヘルスの知識などを社会で共有し、こども・若者の生きることへの支援を強力に推進する」といったものです。

自殺防止のみならず、生きることの支援が必要である、自殺というのは防げる死であるということを社会で共有することの重要性を大綱の中で明記する意義があるのではないかと思っております。

4点目は、23ページ目の18行目になります。

これは意見の(1)にも通じるものですが、乳幼児期の重要性、ライフステージの部分につきまして、「乳幼児期の愛着形成の大切さや、こどもを権利の主体と捉える観点からも、こどもの育ちそのものと密接不可分な保護者・養育者の支援が重要であり」というように、こどもの権利擁護の観点と保育・養育者への支援というものを結びつけた表現が適切ではないかということです。

そこに、併せて「ゆとりある養育・保育を実現する」ということを明記してはどうかと思います。

これは、こども権利主体性というものを擁護する上でも、こどもたちと接する者のゆとり、環境整備が重要であるという観点からの御提案です。

5点目は、26ページの9行目、いじめ防止のところです。

拝見していた意見の中からも、いじめの予防教育についてより書き込んだらいいのではないかという声や、お子さんからの意見で、いじめが駄目なのは教えてもらったけれども、じゃあどうしたらいいのかということをもっと教えてもらいたいといった意見が寄せられているということも拝見しました。

その上で、このパートの中で以下のような文言を追記してはいかがでしょうか。

「すべてのこどもは権利の主体であるという権利教育の一環として、こどもたちが互いの権利を守り、衝突を乗り越えて折り合いをつけるコミュニケーションの取り方など、いじめの予防教育を推進する」というものです。

この大綱で重要事項として掲げる権利主体であるという考え方は、自己の権利のみならず他者の権利も大切に守るのだということで、この権利教育がいじめ防止につながるものだということを、今後、権利教育を学校教育の中で教えていくに当たってもいじめ予防教育につなげていくということは重要な観点かなと思いますので、ではどうしたらいいのかという、人との折り合いのつけ方、コミュニケーションの取り方を教えてほしいという声は私自身も実際こどもたちから聞いておりますので、この辺をぜひ大綱で明記いただけたらと思うものです。

6点目は、29ページの37行目、地域の子育て支援や家庭教育支援の部分です。

意見を寄せられたものの中に、オンラインも活用した相談をというような声があったということも踏まえまして、この辺りに「オンラインも活用した相談やプッシュ型の情報提供を行う」ということと、これも併せて「こどもを権利主体と捉えた対話の在り方や発達の知識等、体罰によらない子育てに関する啓発を進める」といったように、こどもの権利主体と捉え、それを擁護するための知識とか対応の在り方の情報提供が権利の擁護につながるものとして、それを整備するという観点から文言の追記があってはいかがかなと思った次第です。

意見書で提出させていただいたのは以上なのですけれども、先ほど意見の御説明を聞く中で1点思うところがありまして、申し述べさせていただきたいと思ったのですが、参事官から御紹介のあった虐待の表現について、虐待は誰にも起こり得るけれども許されないものだという表現について、虐待は誰にでも起こり得るというのは、私も親御さんたちと接する中で、親目線であると、ここは一部の特定の家庭のものではなくて自分にも起こり得るのだから気をつけようという視点、あるいは支援する側が誰でも起きるのだからみんなで目配りしていこうという意味では、非常に意味のある表現だと私も思っていたのですけれども、これは実際、こどもたちからこれがどうなのだという声が出たのであれば、こどもたちの側からすれば、誰でも起きるのだと思うと我慢してしまう方向に向かうのではないかなという懸念を感じました。

その意味では、例えば今回、体罰や不適切な指導という点が新しく設けられましたけれども、それに対してはやはり許されない、法律でも禁止されているということを明示されていて、それを支持するものですけれども、虐待についても同様ですので、ここは誰にでも起きるものということを削除してもよいのかなと思いました。

これは皆さんの討議の中で検討いただければと思いますが、1つ追加で提案させていただきます。

長くなり恐縮です。

ありがとうございました。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

続きまして、資料3-3、木田委員のほうからお願いいたします。

木田委員:発言の機会をいただきましてありがとうございます。

弁護士の木田でございます。

資料3-3に従って意見を申し述べさせていただきます。

まず冒頭に、皆様からもお話がありましたけれども、今回、こども大綱に向けた意見を聴く取組として、こども・若者いけん会、公聴会、パブコメ、そして、こども・若者を対象にした意見聴取、各団体のヒアリング等々、幅広く実施されたことを歓迎させていただきます。

特に、こども・若者自身からの声を聞きやすいように、対面、オンラインと多様なツールを利用した取組がなされたことは、部会長、部会長代理、そして事務局の皆様の多大なる御尽力があってのことだと思います。

本当にありがとうございました。

今回聴かれた御意見は、こども大綱への反映の有無にとどまらず、こどもまんなか社会を実現していくという大きな目標の中で大変貴重なものであると考えておりまして、こちらの基本政策部会としては、今後もこども大綱に基づく施策の実施状況の検証・評価という所掌事務があると承知しておりますので、引き続き参照していくということをまずもって提案させていただきたいと思います。

それを踏まえまして、答申案への意見を書かせていただき、4つ挙げさせていただきましたが、修文に至るところについては2点であります。

まず1点目、こども・若者の権利主体性については、先ほど御説明を事務局からもいただきましたように、権利主体性の明記をしたことについて、複数の団体、当事者の方より肯定的な評価があったと承知しています。

他方で、パブコメの意見書で出された、「こども1万人意識調査報告書」というのを全員に恐らく送付されたかなと思うのですけれども、それを私も興味深く拝見しまして、それを読むと、子どもの権利条約、こども基本法について、10歳から18歳の男女のうち約6割がいずれの名称すら認知していないという結果が示されていることに驚きました。

こういったことを踏まえますと、こども基本法、条約の周知・共有ということについては政府としても積極的な施策が必要であると考えまして、例えばパブコメの意見で出されていた、こどもに関わり得る教育・福祉・司法・医療、全ての専門家を含む専門家の養成課程に、こどもの権利に関する教育を必修の履修内容として含めること、この部会でも幾度か出されてきた提案だと思いますが、それについても再び検討されるべきだと考えます。

また、答申案において、権利を基盤とした施策を推進するということも明記されていることも高く評価されます。

ただ、権利基盤型の社会というのを理念だけで終わらせず、目に見える形で実現させるためには、今後、こども大綱に基づき規定されるこどもまんなか実行計画において、各施策がこどものどんな権利を基盤としているのか、日本国憲法や子どもの権利条約を参照にしながら、具体的にどこの条文、どういった権利と結びついているのだということが明記されることが必要であると考えております。

そうした取組を通してこそ、こども自身が、自分が権利主体であることを生活の中で身近なもので実感することができる社会に近づいていくものと考えています。

2つ目に、権利救済のための取組です。

権利救済についてこの答申案で言及されていることは重要ですが、具体施策としてはまだまだ抽象的な規定にとどまっていると考えております。

今回の意見書でも、既に地方自治体において権利救済に関わっている複数の団体から意見をいただいております。

それを拝見しますと、地方自治体での取組は、財源に乏しくて十分な稼働ができていない状況もあるといったような指摘も見られます。

これを踏まえて、国において、全ての地方自治体でこどもの権利を基盤とするこどものオンブズパーソンなどの制度を設置するような指針の策定とか、財政措置も含めた支援を行うべきという指摘は傾聴に値すると考えておりますので、答申案の中の取組を後押しするという具体的検討内容に、こういった指針策定や財政措置も含まれるのかということは確認させていただきたいと思います。

さらに、個別救済については地方自治体でということが書かれているわけですけれども、地方自治体で個別救済がなされるとしても、国においてこどもに関わる施策や制度の見直しが図られなければ権利救済が果たされないという御指摘もごもっともだと考えております。

これにつきましては、こども家庭審議会において、まずはこども大綱の下で進められる施策の実施状況・評価について調査・審議を行うということが繰り返し説明されているところですけれども、その実施においては地方自治体の相談救済機関とも連携しつつ、具体的な権利救済事例等も踏まえた調査・審議や政策提言ができるような制度設計を今後構築することが必要だと考えております。

同時に、こども基本法附則第2条に基づいて公正かつ適切に評価する仕組みの整備として、政府から独立した第三者機関による権利救済の仕組みを整備する必要性・有用性については引き続き検討を継続するべきだと考えます。

3つ目に、こどもに対する暴力撤廃についてです。

今回、体罰や不適切な指導の防止について新たな項目が設けられたことを支持します。

他方で、本件については、外務省のほうでも公開されていますように、こどもに対する暴力撲滅行動計画が2021年に策定されております。

それについての言及がやはりあるべきだと考えておりまして、該当する38ページの34行目から35行目の部分に、「子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ」の参加国として暴力撲滅に取り組むとあるのですが、そこに「子どもに対する暴力撤廃行動計画の着実な実施を通じて」と、政府として制定した計画を明記することを提案させていただきます。

最後に、子どもの権利条約の実施に関してです。

今回、子どもの権利条約の実施に関連して、総括所見や一般的意見についても十分に検討の上対応するといったことが明記されたことは高く評価され、また、パブコメにおいても支持されたものと承知しております。

他方で、ここの部分の「必要に応じて一般的意見について十分に検討」という、この「必要に応じて」が子どもの権利条約の締約国として負った責務を踏まえると適さないのではないかということが複数の団体から寄せられておりまして、私もそのとおりだと思っています。

この部会においても、この「必要に応じて」は削除すべきと私は発言させていただいたことがありましたが、重ねてこの部分の削除を提案させていただきます。

いずれにしましても、国連子どもの権利委員会の総括所見の国内施策への適切な反映を含めた子どもの権利条約に関する調査・審議というのは、私どもの所掌事務となっておりますので、こども・若者当事者やこどもの権利に関する団体等の市民社会の皆様とも対話しつつ、この部会で主体性を持って今後も総括所見や一般的意見の内容についての検証・評価をフォローアップとしてやっていくことを提案したいと思います。

以上です。

ありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございました。

続きまして、資料3-4、定本委員からお願いをいたします。

定本委員:発言の機会をいただきましてありがとうございます。

実は、私の資料は、今週の火水木に青森で日本児童青年精神医学会がありまして、私は性教育をやりましょうというシンポジウムを企画しまして、そこで発表したのですね。

それで、この資料を読ませていただきまして、本当に多くの子育て当事者やこども・若者本人や関係の団体の意見がたくさん出されていて、それを丁寧にちゃんと受け止めて、それを資料できちんと出されるということで、事務方の皆さんやこの委員会の皆さんの御尽力というか、大変だったなと思いつつ、多くの意見を集約したよいものをつくっていただいていると思ったのですけけれども、ただ、意見を言う人たちというのはおおむね健康な人たちという感じだと思うのですね。

私が仕事で目にしている人たちは不健康そのものというか、もちろん不健康だけれども、この後、更生していく機会を持っている人たちなのですけれど、それで、この場でどういうことが実際に現実として起こっているかというのを伝えなければいけないと私も思いまして、火水木の今日なので時間がなくて、ちゃんと文書にまとめずベタな送り方をしましたけれども、このことを少し皆さんに共有させていただきたいなと思って送らせていただきました。

内容について、おおむねすばらしいもので、こどもと子育てをめぐる環境というのは本当に大変なのですけれども、多くの意見を聞いてよいものをつくるという意欲が見えまして、いいと思うのですけれども、ただ1点私が残念に思うのは包括的性教育ということを盛り込んでいただけなかったというところがございます。

包括的性教育については、盛り込むことを賛成の方と反対の方がおられて、どちらの意見もあるからという記載があったのですけれども、何を進めるにしてもいろいろな意見がありますが、国としてどういうことを大切にして、国としてどうやっていくか、そこには子どもの権利条約の人権を大事にする国家であるということをベースにして検討していただきたいと思いました。

これは「非行臨床における性の加害と被害」ということで、簡単に言いますと、女子非行少年というのはほとんどみんなが性の搾取の被害者なのですね。

家庭の中での性被害から家出をしたり、幼少時期に父親から性被害を受けて、思春期にその意味が分かって薬物に走る子もいます。

それから、家出をすると必ず性的搾取の被害に遭います。

そういうことで、女子の非行少年はほとんどみんなが性被害の人たちです。

それから、性加害少年を私はずっと見ております。

性加害少年というのは認知の偏りがすごく著しいということをここでお伝えしました。

とにかく反省をしている子がほとんどいない。

捕まってはいるのですけれども、反省していない。

その背景には、非常に認知の偏りというか、大体、同意を得ていたと誤解をしています。

それから、自分は悪いことをしていないということで、ずっと加害を否認し続ける子もいます。

あと、発達障害の子が2割弱ぐらいいるのですけれども、有害なSNSとかマスメディアに本当に小さい頃から触れていますので、そこで受ける性の情報をそのまま信用して、そのとおりに行動するという事例がたくさんありました。

本当に知らないということなのですね。

特別支援教育が日本では浸透してきまして、発達障害のお子さんも幼児期に診断されて、小学校、中学校、特別支援教育によってきちんとした良好なスキルをつけている事例もたくさんあるのですけれども、性についてのスキルを知らないことで、そういう子たちが本当にびっくりするような性加害をしているという事例もありまして、そういうことを防ぐためには教えないといけないのではないかということを伝えております。

もう一つは、私は、この4年間の少年鑑別所に来た子たちの中で、性加害の非行少年が57名、それ以外に非行少年が300何人かですけれども、その比較の調査をしたのですね。

そうしますと、性加害少年はそれ以外の非行、障害とか、窃盗とか、暴走とか、そういう子たちに比べて明らかな違いがありました。

何が違うかというと、性加害少年のほうがIQが高く、学歴が高く、高校を中退していないのです。

大学生も結構います。

あと、両親がそろっている。

赤いほうが性加害少年なのですけれども、明らかにIQが高いのです。

次のスライドですけれども、学歴も全然違いまして、高校も中退しない。

性加害以外の子たち、普通の非行少年は高校を中退しますので、そういうふうに学歴も全然違いますし、両親がそろっているという例も違います。

結局、一般の人たち、普通の学生・生徒のような顔をしているのが性加害少年なのです。

だから、学校にいる。

性加害をする子たちはずっと性加害をしますので、普通に社会人になるのですね。

社会人になって、もし発覚して逮捕されるということになりますと、そこで性犯罪者になるのです。

ですから、性犯罪者というのは、ほかの犯罪と違いまして、一般の犯罪よりもいろいろな人たちがいるのです。

だから、医師、教師、警察官、宗教関係者、そういう高学歴で社会的地位のある人たちも性加害をするという特徴があって本当に違うのですね。

だから、私の意見としては、その性加害の人たちは普通の生徒の顔をして学校にいるのですね。

なので、小学校の頃から発達段階に応じて、性について、そして、異性の性についてちゃんと教えていかないと、間違った認識、間違った認知をした上でそういうことを普通にやってしまう人たちがどんどん社会に出ていって、それで被害者が本当に多い。

あちこちに性加害があって、そこに被害者がいっぱいいるということが今起こっていて、それはジャニーズの事件でもそうです。

社会的な地位や名誉や収入のある人が加害者で、300何人の被害者を出したわけですから。

だから、そういう性加害者を出さないということ、学齢期に応じた包括的性教育を織り込むということを、私はこの調査から得た結果から急務であるとお伝えさせていただいたのですね。

それは多くの共感を会場でもいただいたので、今日はぜひ皆様に共有させていただきたいと思いまして、急遽、こういうベタな送り方でしたけれども、送らせていただきました。

これについては5年後の見直しということを目指しておりますので、今日は発言の機会を与えていただきましてありがとうございました。

よろしくお願いしたいと思います。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、資料3-5を御提出いただきました松本委員にお願いしたいと思います。

松本委員:その前に、チャットで貞広委員が御退出ということですけれども、もしあれでしたら貞広委員を先に。

秋田部会長:貞広先生、一言お願いいたします。

貞広委員:貞広です。

私、出なければいけないので、本当に全体的、一般的な意見です。

こうした策定の段階でこども・若者の意見が反映されるということ自体に、大変大きな意義があると思います。

秋田座長をはじめ事務局の方々の丁寧なお取りまとめ、またそのフィードバックに心より感謝したいと思います。

以上でございます。

申し訳ありません。

ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

それでは、松本委員、お待たせいたしました。

よろしくお願いいたします。

松本委員:皆さんおっしゃっておられますけれども、まず、お取りまとめの御尽力に大変感謝いたします。

特に、今、貞広委員もおっしゃっていましたけれども、こども・若者、あるいは各方面からの意見を聞いてフィードバックの形で資料を取りまとめられるというのは大変な時間とエネルギーを使うことだと思います。

この点についても、これまでのこども施策の進め方に一つ新しいものを付け加えたのだと認識しております。

今般のこども大綱の策定は、日本のこども政策の歴史において一つの画期だと、特にこどもの権利を基盤にして施策の方向づけを行うということで、この部会でもそういう大きな観点を合意した上で議論がされたということ自体、大変高く評価すべきだと思っています。

また、幾つかの論点も残っているのではないかというふうにも考えております。

資料に書いたことを補足する前に、部会長に本日の進め方について幾つか確認をしたいのですけれども、2点です。

1点は、私、事前説明のときに、かなり議論の時間がタイトであるし、資料をいただくのも遅れたから、週明けの予備も使うということを最初に決めたほうがいろいろな議論に余裕が出るのではないですかとお伝えをして、御検討くださいと言っていたのですけれども、それはそうしないで今日のみでやるという方針で進められるということでよろしいでしょうか。

秋田部会長:はい。

松本委員:分かりました。

その点については異論がございますけれども、そういう方針だということで了解しました。

2点目は、秋田部会長、冒頭、既にこども家庭審議会で一度答申案は決めているので、そこからの変更のみに議論を限定するという趣旨の御発言をされたように思うのですけれども、それは今日出された資料の黄色の部分以外のことは議論として扱わないという御趣旨でございましょうか。

秋田部会長:さようです。

既に審議会総会のほうで残りの部分は消しているので、黄色の部分に関してはヒアリングを基にまだそれを変える可能性があるという御説明をしていましたので、そこの修文について御意見をいただくということが今日の趣旨になってございます。

ただ、御提出いただいた紙については御意見として伺わせていただきます。

松本委員:承知いたしました。

例えば、8月ぐらいの部会では、10月にはいろいろな意見が出るだろうから、11月のところでもう一度、とにかく中間まとめを出してパブコメのことを先にやりたいので、その後でもうちょっと議論の時間を取りましょうという趣旨の方向づけがあったようにも記憶しておりますので、そこが変わったのだなと理解しておりますことと、そういう限定をかけることについては私自身は違和感を持っているとお伝えをしたいと思います。

ただ、お取りまとめの方針については、もちろん部会長がなさることですので、それは了解をいたしました。

秋田部会長:ありがとうございます。

松本委員:強い違和感だけは表明させてください。

そうすると、提出資料を見ていただいて、答申案についての1、2はもう既に取り扱わないということになるのかもしれませんけれども、1点目、「就労しているこども」の権利保障に関する記載について、2点目は「公教育の再生」という表現の見直しについて、いずれも前回の部会で、中間まとめをするときに修文案も出して、賛同意見もあって、そういう方向で検討するという形で引き取られたと理解しております。

ところが、今回の案には反映されていないので、黄色ではないので今から修文をするのが難しいということであれば、これはなぜ入らなかったのかということを御説明いただければと思っています。

委員会の席では、むしろこういう方向で修正しようという形で大体まとまった理解をしております。

これがまず、最初の答申案に関してということの意見であります。

続いて、今後の進め方ということです。

こういう答申案が出て、こども大綱が決まっていくということのその次ということで、幾つかの要望なり意見であります。

1点目で、こどもの貧困対策の明確化、特にこどもまんなか実行計画におけるということはぜひ意識をして我々も進めていかなければいけないのではないかと考えております。

前から申し上げておりましたけれども、こどもの貧困対策に関する記載が縮小している。

また、大綱として一つの看板を上げていたものが統合されるということで、若干見えにくくなっているという印象があります。

これが自治体にネガティブな影響を与える、自治体の施策が後退するということが起こることを強く懸念をしております。

もちろんそうではないという方向で進めるというのがこども家庭庁の皆さんも含めて全体の合意かと思いますけれども、やはり見えにくくなったというのも事実かと思います。

ですので、この点は、次回の見直しに向けて継続的に議論していくべきことだと思いますし、一方で、こどもまんなか実行計画を今後策定されるというときにかなりそこが分かるように、特に前の「子供の貧困対策に関する大綱」のどこがどういうふうに実行計画に流れ込んでいるのかという関係を示すような形で議論をしてまとめることが大変重要かと。

特に自治体の関係者、自治体の担当者の側からすると大変大事なことではないかと考えます。

これが1点であります。

2点目は、それと関わってですけれども、こどもまんなか実行計画あるいは指標の策定ということも含めて、各部会で議論をして、それを集約していくというプロセスをぜひ経ていただきたいということであります。

今回の中間整理の取りまとめも、中途からそういう形で方針を変更されたと思うのですけれども、その結果、各部会の議論が活性化していろいろな意見が出たと理解をしております。

ですので、各部会との関係を今後の議論においてもきちっと意識をしていただきたいということが2点目であります。

3点目は、それと関わるのですけれども、各部会の資料を拝見すると、かなりいろいろな論点が出ていて、それが今回の部分では答申案にあまり反映されていないところもあると思います。

ただ、今後議論を継続していくべきところがあるように思います。

また、先ほどの2点も含めて、この部会でも私自身もまだ議論が十分尽くされていないのではないかと感じるところもありますし、議事録において継続審議だと確認されていることもあります。

詳細は資料を見ていただいて、ここでは読み上げません。

そうすると、それはパブコメなども含めて、パブコメはフィードバックという形でかなり丁寧に整理はされておりますけれども、今後の議論に向けてどういうことが継続課題として残っているのかというのをちゃんと整理をして共有するというプロセスが必要ではないかというのが進め方についての意見であります。

かなりお仕事が増えることになると思いますし、すぐ明日というわけにもいかないとは承知しておりますけれども、次の見直しに向けて、人も替わることもありましょうから、工程の確認なり、継続的な議論が大事かと思います。

4点目でございますけれども、結局のところ、こども大綱ができて何がどう変わるのかということが見えにくい。

私も聞かれたときにうまく説明ができない。

方向づけについてかなり明確にしようという努力であるということはそうなのですけれども。

それで、今日の配付資料の1-1の中間整理案に対するアンケート調査を見ると、各項目は辛口のほうに評価が偏るのですね。

もう一つは、分からないというのが多い。

これ自体はこども大綱に対する率直な意見だと思うと、これで結局何がどう変わるのかということがイメージがつかないということが大きいのではないかと私自身は推察をいたしました。

そうなると、こどもまんなか実行計画等も含めて、ここは何がどう変わるのかということの具体策との関係で今後議論をする、あるいは公開して議論の俎上にのせることが、社会の関心事に応える上でも大事ではないかと思っております。

あと幾つか、まず岸田委員のほうから意見が出ました、犠牲という元の表現を残すべきということについて賛成をいたします。

あと、木田委員のほうから、子どもの権利条約との関わりで今後の施策をチェックしたり、関連づけを明確にしていくという趣旨の御発言がありましたけれども、これについても賛同いたします。

もう一点、答申案全体として、何々するとか何々を推進するという表現で書かれておりますけれども、この主語は国という理解でよろしいですねという確認です。

これは国のアクションプランということが前提になっておりますので、それぞれの文章には主語がございませんけれども、これは全て国だというふうに読むという理解でよろしいですねという確認です。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

今、資料を出していただいた皆様から御発言をいただきましたが、それ以外にもフロアやオンラインの方も挙手をいただきまして御意見いただいてから、全体について事務局のほうから御回答をいただきたいと思いますので、御意見がございましたら挙手をしていただけたらと思います。

いかがでございますでしょうか。

土肥委員:土肥です。

よろしくお願いします。

2点ございます。

まず1点目ですけれども、資料1-1の24ページのところに該当してきますが、こどもの意見を聴いて指標の設定や評価をしてほしいということが書かれておりまして、これが恐らく対応しているのが、もしかしたらほかのところでも出ているのかもしれませんが、参考資料1-4の団体からいただいた意見書の67ページのセーブ・ザ・チルドレンからの意見ではないかなと思います。

一番上の2行目からのところで書き加えの提案がされていますが、「目標に対する指標の設定や評価は、子どもの意見を取り入れながら実施する。

特に子ども参加については数値目標で目標を達成できたかを判断するのではなく、施策に携わった子どもの声やその後の変化なども評価指標とする」と書かれております。

これは、自分自身も会議の中で何回か発言をさせていただいていますが、こどもの参画や意見反映についてはインパクト評価とプロセス評価の2つの軸が必要ではないかと考えています。

どちらかというと、こどもの声を聴いたということ自体、あるいはどんな声が出たかということ自体は、施策にどんな好影響を与えたり、それが実際に行われたアウトプットの指標として取られることが多いと思うのですけれども、その後に、参加したこどもたちが、それに参加をして本当に自分の声が聴かれたかどうか、プロセスを評価することが必要ではないかなと思います。

このまま追記をするべきかどうかというのは議論が必要かなと思いますけれども、ここのところで、資料1-1ではもう既に書かれているというふうに記載はされているのですけれども、さらに頭出しをして書くということについては個人的に賛同するものであります。

2点目ですけれども、これは実際に自分自身がヒアリングに参加して、大綱のどこの部分というわけではなく、こどもの声を聴くときに留意しなければいけないこととして感じたことなのですけれども、実際に意見聴取をこの後、国だけではなくて地方自治体でもされていくと思いますが、その中で緊急性の対応が求められる声もあるのではないかなと思います。

例えば、今回のヒアリングの中でも、学校がいじめを隠蔽しているとか、既にDVを受けているとか、それで支援をしてもらえるような体制が整っていないという声も実際にあったのではないかと思っています。

そのときに、もちろんそれを政策に反映させることも必要ですが、それは既にそこで起こっている声として対応しなければいけないのではないかなと思っています。

これは、各自治体でもこどもの意見聴取をやっていくときに、こういった声が出たときに「政策に反映します」だと、こどもたちからすると、それは真摯に受け止めてくれていないのではないか、今すぐ対応してほしいということもあるのではないかなと思っています。

こうした声に対してどういうふうに対応していくのか、支援に結びつけていくのかということも意見聴取の中で考えなければいけないのではないかなと思いまして意見させていただきます。

以上2点です。

秋田部会長:土肥委員、ありがとうございます。

続きまして、有村委員、お願いいたします。

有村委員:発言の機会いただきありがとうございます。

また、秋田部会長をはじめ事務局の皆様、大変な作業を本当に短期間でどうもありがとうございます。

私としては、御意見をいただいたところに関して、3点お話をしたいと思います。

1点目は、資料1-2の18ページですけれども、「虐待が起こる前に」という言葉を使っていますが、「起こる前に」というと、予防の段階のニーズはかなりセンシティブで、カスタマイズした対応が必要で、そこがすごく差になっているところかなと思っています。

18ページ目の22行目、23行目のところは、つながりを考えて文章を作成してみたのですけれども、はまるかどうか、私自身も考えながら発言していきます。

23行目のところ、「推進等により、」で後ろの文章につながっています。

長いかなと思いますが、「進めていく必要がある。

」に続いて、これもカタカナ言葉を使っていいのかどうか迷うところなのですが、予防段階ということも含めてということ考えると、「マルトリートメント(不適切な養育)につながる可能性のある家族の支援ニーズをキャッチし、こどもや家庭の声を当事者の文脈を尊重して受け止め、子育ての困難や不安を分かち合うことで、子育てに困難を感じる家庭、こどものSOSをできる限り早期に把握し、具体的な支援を行う必要がある」というふうにつなげてはどうかな思いました。

この箇所のの前後で皆様から御意見がありましたけれども、そうだなと思って聞いておりました。

続きまして、29ページの冒頭のところで新しく付け加わったところなのですけれども、私自身も3人こどもを育てて、こどもたちにいろいろな学校の状況を聞く中で、言えるのか、言えないのか、迷っている子たちがいるのだなということが結構あるものだと思っています。

29ページの2行目から6行目まで伝えていただいているところなのですけれども、その後ろにもし可能であれば、「気づいた者が痛みや苦しみを代弁しやすい環境や、その受皿や対策へとつなげるための教育や職場、保育や子育て機関をはじめ様々な場でシステムの構築が必要である」というような書き方はどうかと思いました。

学校に行っているだけではなくて、様々な場所で受け止めていくことが必要かなと思ったので、こういう文言を提案させていただければと思います。

次に、ちょっと戻りますけれども、24ページのところです。

デジタル教科書について書いていただいて、これは便利なものだなと思って見ておりました。

資料1-1の15ページにもデジタル教科書について書いてある箇所があります。

そこを見て改めて思ったのですけれども、確かにデジタル教科書ということだけではなくて、使い分けについて、もっと便利な使い方ができるのではないか。

教科書をデジタル化すれば荷物の負担も減ってよいというのと同時に、紙とデジタルを使い分けできたらよいと書かれています。

これはもしかすると、ここをきちんと活用していくということも含めて考えたほうがいいのかなと思いました。

ですので、デジタル教科書のところでは、もともとの文章のところ、「デジタル教科書の活用などを進め」と記載されているところについて、24ページの14行目、「教職員が本来求められる役割に対してその力を存分に発揮できるように」というふうにつながってつなげられていますが、「教職員が」の前に、可能であれば、「一人一人のこどもの活動性を伸ばしながら」というような言葉を入れて、よりこれを活用したり、あるいはヘルプとか様々の思いを受け止められるような、あるいはこどもの特性に応じたような教科書の在り方なども考えてみてもいいのかなと思いました。

障害のところなども意見をいただいているところなのですが、こどもまんなか実行計画等を考えるときに、きちんとこちらは反映していかなければならない御指摘もあるかなと思って受け止めております。

以上でございます。

どうもありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、矢島委員、お願いいたします。

矢島委員:ありがとうございます。

私自身は追加の修文をお願いするものではありませんが、意見聴取と今回の修文案に関連して意見を述べさせていただきたいと思います。

今回、いただいた御意見を丁寧に整理し、答申案に反映していただいていると思います。

ただ、今回いただいた御意見の中には、大綱に記載する課題や方針や施策の枠組みよりももっと具体的な施策に関する御意見も少なくなかったと思います。

これらについては、今後大綱から計画へ、さらに自治体等における具体的な施策へブレークダウンしていく中で反映されるべきもので、放置されないように留意いただきたいと思います。

また、大綱全体については網羅的な内容になっておりますので、そういう意味で異論が出にくいという面もあったかと思いますが、先ほど松本委員も触れられた、意見聴取の資料の最後にあるアンケートの結果がこども・子育て家庭支援施策に対する評価を表していると思います。

評価は非常に低い、これからよくなっていくという期待も低い、このことをどう考えるのかということです。

私自身も、大綱は丁寧に取りまとめられていると考えていますだけに、大綱で幾らよい未来を描いても、現実的にこどもや子育て家庭の課題を解決することができず、評価を得られない。

このギャップに非常に心が痛みます。

この問題は、この後に説明される大綱の目標、指標の設定とも関連してくると思います。

鍵になってくるのは、今回の答申案の7ページ、8ページの修文にあるように、こどもや子育て家庭の意見は、この審議会や大綱が受け止めるだけでなく、政策形成への影響力としてきちんと反映されることが重要ということだと思います。

実際の個別施策の立案において尊重されることが重要であることを強調させていただきます。

5月から本部会で大綱の議論をしてきましたけれども、その間もこども・子育て家庭に関わる施策が次々と出されています。

その政策決定過程は非常に不透明であり、大綱で指摘する課題や方針に沿ったものであるのか、課題解決に向けて優先度の高いものであるのかが疑問です。

こうした政策決定が継続すれば、どんなにすばらしい大綱をつくっても意味がなくなってしまいます。

私自身も以前から年少扶養控除は復活すべきこと、高校生の扶養控除は維持すべきことは申し述べさせていただきましたが、今回の意見の中にも年少扶養控除の復活を要望する声がありました。

そうした具体的なニーズ、要望が届かないことが国民の大綱やこども家庭庁に対する信頼を損ない、ひいてはこども・子育て支援施策、少子化対策を無効化していくということに十分留意をいただきたいということを意見として申し述べさせていただきます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、村宮委員、お願いします。

村宮委員:発言の機会をいただきありがとうございます。

私のほうからは1点意見を述べさせていただきたいと思います。

意見聴取のフィードバックの意見の中に、具体的にはどういうことですかとか、この言葉の意味はどういうことですかという具体的な言葉を求めるような意見が幾つかあったと思います。

その点で一つ意見を言わせていただきます。

資料1-2の24ページの6行目、「住んでいる地域に関わらず」という修文の部分でございます。

全体的に、言葉の意味の注釈を加えていただけたり、具体例を提示していただいている部分が大変多くあって分かりやすくなったかと思います。

ありがとうございます。

この部分で、地域ごとの支援の差をなくしてほしいということで修文されたと思うのですが、住んでいる地域に全くかかわらないということは必ずしも可能ではないと思いますし、あと地域全部を同じ支援に統一することはなかなか難しいのではないかなと考えました。

そのことを踏まえまして、方法として、地域間の共有や、国から自治体への伝達を素早くすることが挙げられるかなと思います。

例えば、モデルとなる地域の取組とか国からの支援を伝達できるような関係性の構築や、実施できる具体的な手引を地域や自治体に送ることができれば、住んでいる地域にかかわらずとも同じような支援が地域によってその地域に合った方法で届けられるのかなと思いました。

意見としては以上なのですが、1つ、この場を借りて皆さんにお伝えしたいことがございます。

たくさんの資料をおまとめいただき、大変ありがたく思います。

私事なのですが、先日、「こども基本法から考えるこどもまんなか社会シンポジウム」に参加させていただいて、そのときにいけんぷらすのメンバーから発言がございました。

その中に、大人の皆さんがこどものよりよい未来について考えるという、その事実が知れるだけでうれしいという言葉がありました。

そのことを聞いて、私がこの基本政策部で意見していることとかシンポジウムで発言させていただくことにすごく大きな意義を感じたのですが、このような意見聴取とかその後のフィードバック、またそれを踏まえたさらなる意見聴取という段階を踏まえたこどもと向き合う姿勢を今後とも長期的に続けていけたらなと強く思いました。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

この後、修文案や御意見というよりも、それぞれコメントをいただきたいと思っております。

太田委員、お願いいたします。

太田委員:ありがとうございます。

修文案に関して1点述べさせていただければと思います。

これは非常に統計的な話になってしまって恐縮なのですけれども、答申案の11ページに、全世帯の3分の2が共働きになっている状況でというような表現がたしか入っていたと思うのですけれども、全世帯と言うと単身世帯も含まれて受け取られてしまう可能性もありますので、ここは明確に夫婦のいる世帯という書き換えたほうがよろしいかなと思います。

あと、意見としては、もう本当によくおまとめになったなというのがまず率直な気持ちです。

圧倒的な4,000にも及ぶ意見を集約していくことの大変さは、私もアンケート等を取った際に個別の意見をずっと読んでいって、それが多くの場合は錯綜していたり、1つの文章の中に複数の意見が交じり込んでいたりで、整理していくのは大変な面があったと思います。

それと同時に、先ほど矢島委員の意見に私は共感を覚えるわけですけれども、非常に具体的性が高い内容に関しては別途しっかりと記載をしておいて、実際の実行のほうに回っていくような仕組みはやっていただければなという思いがあります。

全体としては、非常にすばらしいものができているのではないかなと思いました。

以上です。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、清永委員、お願いいたします。

清永委員:清永でございます。

皆様がおっしゃっているとおり、私も事務方の方々をはじめ、この意見をまとめられたことを心から敬服しております。

1点、修文案に関してですけれども、資料1-2の33ページの16行目、「高くもてない」というふうに直していただいていますけれども、元の意見を見ると、「意見を表明することへの意欲や関心が必ずしも高くない」という表現は、そもそも高く持つきっかけがないとか負の経験があるといったようなことがあってというような御意見から直されているということですけれども、「もてない」という言い方が少し誤解を生むのではないかなと思いましたので、この御意見にあったとおり、「持つことが困難」というふうに、持ちたいけれども持てなかったといったようなところをもう少し丁寧に書く必要があるかなと思いました。

もう一点、修文案に関することではないのですけれども、大綱自体に言葉を尽くす必要はとてもあると思います。

ただ、具体的な方法みたいなものはこどもまんなか実行計画にきちんと落としていって、そこがいかに効果があったかという効果測定とセットできっちりと進めていく必要があると思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、櫻井委員、お願いいたします。

櫻井委員:ありがとうございます。

たくさんのこども・若者の意見をまとめてくださり、ありがとうございました。

幾つかこども・若者の意見を聴く会に参加をさせていただいて、本当に様々な意見があったり、こども・若者がいろいろな課題を抱えているのだなというところが知れて、私自身も勉強になりました。

1点意見をさせていただきたいところがございます。

資料1-1の6ページの「子育てに関する表現について」の部分です。

子育ては有意義な人生経験の場なので、自らのキャリアを犠牲にすることなくというところの表現で、先ほど資料3-2で岸田委員もおっしゃっていましたが、この部分を前向きにというところは私も賛同するのですが、やはり現状で言うと、キャリアをどうしても主に女性が諦めてというようなところもあるので、そこは消さずに、岸田委員が提案してくださったような文章にできるといいのではないかなと思いました。

私からは以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、新保委員、お願いいたします。

新保委員:ありがとうございます。

まず、こどもたちからの意見をしっかり聴いたというこの経験は、私たちはしっかり学んでおく必要があると思います。

ふだんこどもたちと接しているつもりであっても、私もいろいろなこどもたちと出会って話をしてみると、ふだんとは違う話をこどもたちがするということを改めて感じました。

とても貴重な経験であったと思います。

そして、資料1-1の形で丁寧にまとめていただいたこと、多分、役所の中で行政官の方たちがお互いに意見交換をしながら、4,000の意見をこういう形でまとめていったプロセスをこっそり覗いてみたいような気がいたしますが、このプロセスは大変だっただろうけれども、楽しかったのではないかなという気もいたします。

いろいろな省庁からこども家庭庁に集まってきた人たちが、今まで自分が経験したこととは違う形で、こどものテーマ、こどもの意見をまっすぐ受け止める機会を持てたということはとてもすてきな機会だったと思います。

そして、私たち審議会のメンバーたちはそれを学ぶことができているということ、そしてこれが公開されれば、広く社会の方々がそれを読むことができるということ、こどもから聴いた意見を読むことができるという状況ができること、これからも続けていかなければいけないかな。

少しずつノウハウが蓄積されてくると思いますし、これから基礎自治体などでも同様のことを目指してやるだろうと思いますので、それの参考になるような形で提示していくことが必要なのかなと思います。

もう一点は、黄色いところで直していただいた資料1-2です。

私は、こどもの貧困関係のことの部会に入っているので、資料1-2の16ページ辺りに、「今この瞬間にも」という、これは文章として珍しいと思いながらも思い切った文章で書いていただいて注目がなされること、特に貧困というテーマについてはこの表現はすてきだなと思って読ませていただきました。

その後、貧困によって幾つか起こる課題として、食事のこと、学習機会のこと、進学ということが書いてあります。

いずれも大事なことだと思うので書いていただく必要があると思うのですが、貧困家庭のこどもたちと話をしていてよく出てくるのが、クラブ活動をやめざるを得ないということです。

これがしばしば出てきます。

今までの貧困対策の書類にはあまり書かれてなかったかもしれませんが、「食事に困るこども」の後ろに、「課外活動への参加を諦めるこども」という表現を入れていただけると実態に近い形になるかなと考えます。

可能な範囲で御検討いただければありがたいと思います。

それぞれ御尽力いただき、ありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、原田委員、お願いいたします。

原田委員:ありがとうございます。

この答申案をまとめていただいてありがとうございました。

そして、僕も何回か意見の会に参加させていただいて、今まで意見を言うような機会がなかったと言っていたこどもたちが、こども家庭庁の事業を通してそうした経験をできたということは、目の前で見ていていいことだなと思いました。

今日の議論の中で1点だけ、虐待についての部分で意見がありますので、その部分について申し述べたいと思います。

資料1-1の11ページのところで、今回は修文には結びつかなかったとされていますが、「虐待は誰にでも起こりうるが」の部分です。

この記載自体が虐待の擁護に見える可能性があるという意見をいただいていますが、まず、こども・若者からいただいた意見というところでしっかり考えたいなと思いました。

虐待そのものは、恐らく親がいろいろな考えがあったとしても、こどもから見たら虐待ということで定義がされていると思います。

そのため、「虐待は誰にでも起こりうる」ということを第一に表現することは、こどもたちに対して誰にでも起こり得るから気をつけてねというメッセージのように見えてしまう可能性もあるのかなと思います。

こども・若者が虐待を大人側で擁護しているように、こどもたち側に責任があるかのように見えるということをなくすためには、本文の前後の段落を見ながら、まだ修正できる余地があるのではないかなと思います。

具体的には、本文の18ページの21行目のところの記載になっているのですけれども、「虐待は誰にでも」の前に、その後の文章、虐待は「決して許されるものではないとの認識の下、」と順番を入れ替えたりすることで、擁護せずに、かつ、誰にでも起こり得るという認識も共有できるのではないかなと思っていた次第です。

以上で意見は終わります。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

続きまして、堀江委員、お願いいたします。

堀江委員:ありがとうございます。

本日も遅刻という形で参加させていただきまして失礼いたしました。

まず、今回、いろいろな意見をまとめていただいて、本当に大変な作業だったと思いますが、お疲れさまでした。

私自身も実際に声を聴くということをこの場でしていきたかったのですけれども、実際は土日の参加というところが多かったので、家庭との兼ね合いで聴くことができず残念ではありましたが、実際に大学生の支援をしていく中で聞かれている部分もかなり入っている部分も出てきたかなというところで、すごくうれしく思っております。

私からは、前半のところで修文についてのお話ができなかった部分があったので、1点だけ修文についてと、2点意見をお話しさせていただきたいと思います。

1点目のところですけれども、御意見として18ページ目に出ていた青年期のところが少ないのではないかという意見に対して、大学での学びや仕事、結婚というところは入れていますよということは書いていらっしゃって、実際に改めて大綱を見てみると、仕事の後は結婚しかないのはすごく違和感を抱いた部分ではありました。

ただ、大枠として突然プライベートとの両立というふうに書くのは、すごくプラスになってしまうのかなと思ったので、1点書き加えが可能であればというところで感じた部分をお伝えしたいと思います。

大綱の28ページの就業のところですけれども、実際に若手社員向けの講座をやっていく上でも、仕事が忙し過ぎたり、将来が分からないことによって、仕事とプライベートの両立ということ自体に不安感を抱えていたり、仕事だけに寄ってしまうみたいなことも出てきているな、余裕がないことによって今後のことが考えられないみたいなこともできているなということを感じていますので、就労の支援というところに対して、9行目の文章の終わりの後に、「就労が継続できるだけではなく、趣味などを含めたプライベートと仕事が両立ができ、ウェルビーイングの実現ができるような支援を行う」というような一文を書き加えていくと、仕事、仕事、結婚みたいな感じだけではない、少しポジティブな印象になるのかなと思ったので、修文が可能であれば意見として出させていただければと思います。

2点目は、全体に向けてというところで、意見としては細かくは出てはいなかったのですけれども、例えば「異性」という表現をやめてくださいぐらいは出ていたかと思うのです。

「男女」の表現ですね。

今までの委員も発言として、「男女」ではなくて「性別に関係なく」とか「ジェンダーに関係なく」という表現にしてくださいというようなお話があったかと思うのですけれども、大綱を見ているとまだ「男女」というところが残っているなと思っております。

できるだけ可能な限り「性別に関係なく」とか「ジェンダーに関係なく」というような書きぶりに変更いただくと、恐らく若者の意見として出ている、「異性」と書かないでとか、「性別」と書かないでというところに関しての対応にもなるのかなと思っておりますので、一つ意見として言っておきたいと思います。

3つ目が、意見というか願いみたいなところもあるのですけれども、先ほどの委員からの発言もあったように、こういうことを大人が考えてくれていること自体、そして、こどもまんなか社会を目指していること自体がうれしい喜びなのですというお話があると思うのですね。

一方で、施策に対しての分からなさ、それが伝わっていないというところはすごくあると思うので、広報というのは、書いていただいていると思うのですけれども、今後の課題としてあると思います。

その中で一点願いとしては、こどもまんなか社会についてというところの全体の認知度を高めていくためにも、大綱をつくられたトップの岸田総理からもそういった御発言をいま一度いただきたい。

あとは、その内容や施策を伝えていく上では、例えば学齢期のタイミングで、今SDGsの授業があるかと思うのですけれども、それでかなり意識が広がったと思うので、そういった学齢期のタイミング、保育園からでもいいと思うのですけれども、SDGsのように、学校でこどもまんなか社会って何なのだろうとか、こどもが意見を言っていくというのはどういうことなのだろうというところを改めて考えていくような、教育の中に取り入れていくところが実際のアウトリーチになってくるかなと思っておりますので、そういったところはぜひ実施していただきたいなというところは願いとして思っていますし、やはりトップが発信していくことが一番効果的だと思っておりますので、ぜひと思っております。

以上になります。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

松浦委員、お願いいたします。

松浦委員:ありがとうございます。

ここまでお取りまとめいただきました皆様に心から敬意を表するとともに、お礼を申し上げたいと思います。

その上で、文言について、今までの御議論を聞いていて思ったことを2点だけ申し述べます。

1つ目は、先ほど原田委員からも御指摘がありました、「虐待は誰にでも起こりうる」という表現については私も違和感があります。

決して許されない虐待が起こるリスクを軽視してはいけないという趣旨だと思いますので、そういうことがはっきりと伝わるような文言に修正すべきだと思います。

もう一点は、細かい点ですけれども、太田委員から御指摘があった共働き世帯に関する表現については、何分の何というように数値まで示すのではなく、「共働き世帯が増加する中で」というような表現でも、趣旨は伝わるのではないかと思いました。

修文については以上でございますが、この大綱に関する取組において、大人とこどもが一緒に議論することの大切さを改めて認識いたしました。

大人がそれぞれ正しいと信じる意見をこれほど真剣にぶつけ合っていることを、こどもを含む多くの方々に知っていただけたこと自体にも、意義があると思っています。

また、意見がぶつかったとしても、目指すゴールは同じ「こどもまんなか社会」であるということも、ご理解いただければと思います。

もう一つ、私も意見聴取に参加させていただいたのですけれども、とても勉強になりました。

ものすごくメモを取りながら、こども・若者の皆さんの意見を拝聴しました。

親からむしろ逃れたい、親を何とかしてほしいという声、あるいは学校で被害を受けている、学校が対処してくれないという声など、本来こどもを支援すべき親や学校がむしろ加害側になっているという現実を思い知らされた面もございました。

現在の社会は「こどもまんなか社会」になっていない、だからこそ「こどもまんなか社会」を目指すのだという現状認識の下、今回の大綱は、あくまでも網羅的に「こどもまんなか社会」に向けた方向性を示すものだと認識しております。

ですので、そこをどうやって現実的にこどもまんなか社会につなげていくのか。

大綱はスタートであって、ここから先どう実務に落としていくのか、具体的に何人のこども・若者を支援できるのか、救えるのかということが問われてきますし、これからが正念場だと思います。

この点、私も当事者として考え続けていきたいと思います。

どうもありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、松田部会長代理、お願いします。

松田部会長代理:松田です。

私も、秋田部会長、ほかの委員の方々、それから事務局様と一緒に意見を聴く会にいろいろと参加させていただきました。

本当に様々な意見をいただきましたが、共通していることはこどもまんなか社会に関して皆様賛同していたと思います。

これは、こどもだけではなくて、大人の方もです。

そして、皆様の意見を聞いて、それが答申案のような文章の修正につながることは非常にまれなことであると私も思います。

よい意味でということです。

修文の箇所は一見すると少なく見えるかもしれませんが、これはすごいことだと私は思いました。

一例を挙げますと、どなたかが言いましたけれども、青年期の支援が少し少ないのではないですかと、それを複数のこども・若者支援団体から言われた点です。

私も参加していました。

その結果として、青年期の相談体制の充実という項目が追加される。

非常に大きな修正がなされたということは、ポイントではないかと思います。

こうしたプロセスを経てこども大綱というものが形成されたということに価値があると思います。

この答申案に記述されましたことがしっかりと実施されまして、こどもまんなか社会が築かれることを願っております。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

佐藤参事官のほうから、今までの御意見や修文の御提案もございましたので、御回答をお願いいたします。

佐藤参事官:事務局であります。

いただいた御意見については、部会長、部会長代理と御相談をしながら検討したいと思います。

御質問いただいた点に簡潔にお答えをしたいと思います。

まず前回の部会で、公教育の再生について、公教育の充実にとか、就労しているこどもについて項目を立てるべきという御意見があって、御議論があった上で、前回の部会では部会長一任となりました。

そして、部会長と御相談をしまして、まず公教育の再生に関してでありますけれども、不登校やいじめが増えたり、教師の長時間勤務とか教師不足、そういったいろいろな課題が顕在化していて、このままだと公教育が衰退しかねないと。

そうした危機感に対応するために、改めて世界に冠たる公教育とすることを端的に表す表現として、「公教育の再生」という表現が教育基本法に基づく教育振興基本計画でも用いられてございますので、「公教育の再生」という文言のままでいこうというふうに部会長からお話をいただきました。

また、就労しているこどもについてでありますけれども、まず家庭の経済状況から就労しているこどもへの支援については、こどもの貧困対策の項目において、こども・若者が質の高い教育を受けながら、最大限に可能性を伸ばして夢に挑戦できるとか、教育の支援、生活安定の支援、保護者の就労の支援、経済的支援、様々な支援をこどもの貧困の項目でも書いておりますので、家庭の経済状況から就労しているこどもに関して言えば、こどもの貧困の項目で受け止められる。

加えて、そのほかの就労しているこどもについてでありますけれども、労働者としての権利を守る観点からは、高校等で労働関係法令の教育の支援に取り組むということを記載しています。

また、労働者がこどもか大人かを問わず、もし労働関係法令に違反する事態を見つけられた場合は、当たり前ですけれども、適切に指導されているものと承知をしています。

このように現在の記載の中で読み込めるということで、部会長の御判断として項目立てをしないということでまず部会としてまとめ、そして、審議会総会で諮ったときにも特段の御意見はありませんでした。

続いて、主語に関しては「国」であります。

その次に、何人かの委員の方々から、例えば政策決定過程のプロセスの話とか、こども大綱を実行計画に落とし込んでいくことが大事だと。

また、こども大綱というのはスタートであり、具体の取組をしっかりやっていくというお話がございました。

基本政策部会にも様々な分科会・部会がこども家庭審議会の下に置かれています。

その下で今も現在進行形で様々な議論が行われておりますけれども、こども大綱が策定された暁には、まさにそれぞれの関係分科会・部会で具体的な御審議を進めていただく。

もちろん基本政策部会自身も、大きな大綱や実行計画のPDCAという意味では御議論をいただくことになってございます。

こどもの貧困が後退するのではないかと、例がありましたけれども、こどもの貧困部会長の新保先生が委員としてこちらにいらっしゃいますけれども、まさにそうしたことはこどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会で御議論を深めていただければということだと思いますし、関係各分科会・部会はそれぞれ議決権を持っていて、その分科会・部会の議決をもって審議会の議決とみなすということになっています。

こども家庭審議会は、様々なこどもや若者の意見に耳を傾けながら様々な御議論をいただき、そしてその施策や制度の改善提案をする、そうした権能を法令上も位置づけておりますので、関係各部会・部会において充実した御審議を引き続き賜れれば大変ありがたいと思っています。

最後に、新保委員のほうから、4,000件余に近い意見について事務局のほうでこの資料を考えたプロセスを見てみたいというお話をいただきました。

本当にありがとうございます。

私どもの担当の係は6人いるのですが、みんなで手分けをしながら、時に意見交換をしながら、どういうふうに対応ができるかというのを一生懸命考えてきました。

資料1-1のフィードバック資料をまとめるに当たって、私は部下から聞いた一番印象深いコメントをこの場を借りて御紹介したいと思います。

このフィードバックの資料自体がこどもや若者にとって分かりやすいものにしたいということを、僕もかねがね部下に話をしていました。

一生懸命それを考えてくれて、部下たちも土日も犠牲にしてというか潰して、いろいろな取組でこどもや若者の意見を直接聞いてきました。

この資料をつくるときに顔が浮かんだそうです。

あの子のこの意見について、こういうふうに書いたら分かってもらえるかなと、一件一件そういうふうに事務局のみんなで一生懸命考えながらこの資料をつくりましたので、この場で御紹介をしたいと思います。

私のほうからは以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

いろいろ御意見をいただきましたし、また、この形成過程においてこども・若者の意見を聴きながらそれを反映してきたことは大きな意味があったと思います。

一方で、先ほど松本委員や矢島委員からも御意見がありましたように、必ずしもこれが社会一般に周知されて高い評価を得ているという状況にはまだ至っていないという認識もありますし、それから、これが施策やまんなか実行計画のほうにどう反映されていくのかというようなところで、我々が検証・評価ではありませんが、ずっと見守っていかねばならない点はまだ多々あると考えております。

ただ、今回でおおむね議論が尽くされたものと思いますので、本日の議論を踏まえまして、修正につきましては部会長一任とさせていただき、私と松田部会長代理の下でさらに必要な修正を行った上で、既に11月22日に審議会総会が予定されておりますので、そちらのほうに諮ることとさせていただきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。

(首肯する委員あり)

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、特に御反対もないと思いますので、部会長一任とさせていただきたいと思います。

ありがとうございます。

最後に、こども大綱に係る目標・指標につきましては、審議会での議論も踏まえつつ、政府において検討することとされております。

その検討状況について、事務局より御報告をお願いいたします。

佐藤参事官:それでは、資料2の「こども大綱における目標・指標体系の検討状況について」という資料を御覧ください。

まず、今、部会長一任となりました答申案の37ページにおきまして、こども大綱が対象とするおおむね5年の間に達成すべき具体的な数値目標を設定する。

数値目標は、総花的に羅列するのではなくて、こども大綱の体系、柱立てに沿って設定をするのだということ。

また、指標として、こども・若者、子育て当事者の置かれた状況等を把握するための指標、また、数値目標にひもづく個別の施策の進捗状況を検証するための指標を設定するとされております。

資料2は、これを踏まえた政府における検討状況を御報告するものでございます。

答申案では、目指す社会として「こどもまんなか社会」が掲げられ、その具体的な姿をこどもや若者、子育て当事者の視点で御提示いただいております。

このため、目標につきましては、これらの具体的な姿に対応する項目を設定するとともに、総合的な目標として、こどもまんなか社会の実現に向かっていると考える人の割合を設定してはどうかと考えています。

これは、この資料の左から2番目の「目標(案)」に並んでいる目標であります。

例えば、ウェルビーイングの話とか、自己肯定感の話とか、下のほうに行っていただくと、結婚、妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっていると考える人の割合とか、そうした目標の案をまず記載してございます。

次に、右端を御覧ください。

こども・若者、子育て当事者の状況等を把握するための指標の例を記載しております。

これが全てではなくて、例でございます。

これまでの「子供・若者育成支援推進大綱」、「少子化社会対策大綱」、「子供の貧困対策に関する大綱」で掲げられた指標等を踏まえて設定をしてはどうかと考えています。

これらの指標は、目標とともに各施策を積み上げた結果としての社会全体が目指す方向に向かっているかどうかというのをしっかり計っていく。

そのために、この指標につきましても大変重要なものであると考えてございます。

これらが大綱における目標の指標であります。

最後に、右下の※の部分について御説明をします。

答申案の13ページでは、こども施策に関する重要事項に係る具体的な取組をこどもまんなか実行計画としてまとめるとされています。

このため、具体的な施策の進捗状況を検証するための指標につきましては、こどもまんなか実行計画に位置づけてはどうかと考えています。

また、こうした指標は、政府全体で進められている政策評価法に基づく政策評価とか行政事業レビューの取組の中でKPIが設定をされています。

そうした政府全体の取組との整合を図る必要があることにも留意をしながら、こどもまんなか実行計画の中でこの指標を設定していってはどうかと考えてございます。

最後になりますけれども、答申案の37ページでは、こども家庭審議会において施策の実施状況や数値目標・指標等を検証・評価し、その結果を踏まえてこどもまんなか実行計画を改定することで継続的に施策の点検と見直しを図ることとされまして、また、おおむね5年後のこども大綱の見直しに向けた数値目標や指標の充実について、こども家庭審議会において検討するとされています。

こども家庭審議会から答申をいただきましたら、それを踏まえて、年内にこども大綱、こどもまんなか実行計画を策定いたしまして、年明け以降、こども家庭審議会の下で、こどもまんなか実行計画の改定など、施策のPDCAを回すための調査・審議をいただきたいと考えておりますし、また重ねて申し上げますけれども、基本政策部会のみならず、関係各分科会・部会においても、施策の充実とか、各分野における政策の目標や指標についても御議論が深まることを事務局として期待をしております。

以上です。

秋田部会長:木田委員、どうぞ。

木田委員:木田でございます。

時間も超過している中で申し訳ございません。

資料2について討議事項ではないということは重々承知しておりますが、1点だけ指摘させていただきたいのは、私の紙にも書かせていただきましたが、目標・指標体系のところに、大綱の第2の「こども施策に関する基本的な方針」について言及がないのを危惧しています。

バックグラウンドとしてこの基本的な方針は全ての施策にあるものだという説明はいただきましたが、やはり明記していないと見落とされがちですので、答申案に、こども政策の基本的な方針の6つの柱として書いていただいたことがどこかに明記され、さらに1番に書いていただいた権利主体性については、こどもの権利が認知されていることですとか、こどもの権利が守られているための制度が構築されていることですとか、こどもの権利を基盤とした施策が推進されているといったようなことが目標にきちんと盛り込まれるべきことをあえて指摘させていただきます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

私も個人としては、資料2を拝見して、これで十二分になっているとは判断しておりませんので、この後、詰めていきたいと思います。

ありがとうございました。

審議会総会で答申が取りまとめられましたら、政府において目標・指標を含めてこども大綱の案の作成作業が行われることになりますけれども、審議会での議論をしっかりと踏まえて進めていただくようにお願いいたします。

なお、目標・指標の検討状況に、今も御意見を賜りましたけれども、御質問とか御意見がある方は、部会がもう押してしまっていますので、申し訳ありませんが、部会終了後、私のほうに御連絡や御意見をお寄せくださいましたら、私のほうからも政府に伝えたいと思っております。

最後に、こども大綱は、年内をめどに、総理を長とする閣僚会議であるこども政策推進会議において案が作成され、閣議決定をされることになります。

あわせて、こども政策推進会議で、こどもまんなか実行計画がこれから策定されることになります。

審議会会長として私のほうはこれから、毎年行われるこどもまんなか実行計画の改定、それから、おおむね5年後のこども大綱の見直しに当たっては、基本政策部会はもちろんでございますが、先ほどお話がございました各関係の分科会や部会でそれぞれの分野について議論を深めていただくことが非常に重要であると考えております。

個々の具体的な施策のところは各分科会や部会に委ねられると考えております。

この点を含め、今後の審議会での進め方については審議会総会において議論をすることにさせていただきたいと思います。

時間が押してしまいまして、まだまだ皆さんのほうで不安な部分や御意見もあろうかと思いますけれども、これから総会に諮りたいと思っております。

皆様の御意見やお知恵のおかげで、ここまでこども大綱をまとめてこられましたこと、いろいろなヒアリングにも御協力いただきましたこと、部会長として心から御礼を申し上げたいと思います。

それでは、本日の会議はこれにて終了といたします。

なかなかこの会議は時間どおりに終わったことがなく誠に申し訳ありませんが、本日も10分延長になりました。

皆様、どうもありがとうございました。

閉会といたします。

ありがとうございます。