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基本政策部会(第2回)

概要

日時:令和5年6月20日(火)13時00分から16時00分
場所:こども家庭庁長官官房第二会議室(霞が関ビルディング14階)
 
【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/wK3Y9mtjCTc

議事

1. 事務局より説明
2. 討議

  • 議題① こども大綱の構成要素及び枠組みについて
  • 議題② こども大綱で目指すべき社会像について
  • 議題③ こども大綱における基本的な方針について

資料

議事録

秋田部会長:皆様、こんにちは

ただいまより、第2回「こども家庭審議会基本政策部会」を開催いたします

本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます

本日の議事でございますが、お手元の議事次第に記載のとおり、こども大綱の構成要素及び枠組み、目指すべき社会像、基本的な方針について議論をいただきます

議事に入る前に、前回御欠席の村宮委員から一言御挨拶をお願いいたします

オンラインの村宮委員、お願いいたします

村宮委員:ただいま御紹介にあずかりました静岡大学3年の村宮汐莉と申します

第1回につきましては、急遽欠席することとなりまして、皆さん、御迷惑をおかけしました

申し訳ございません

今回からの参加となってしまうのですけれども、専門的な知識等は十分ではないかもしれないのですが、学生という若者の立場からどんどん意見を言わせていただけたらなと思いますので、どうぞよろしくお願いします

秋田部会長:村宮委員、どうもありがとうございます

若い大学生の声、楽しみにしております

それでは、2、議事に入らせていただきます

本日は、構成要素及び枠組み、目指すべき社会像、基本的な方針の3つについて討論をいたします

議題の2つ目と3つ目の間には10分間の休憩を予定しております

それでは、議題①について議論をいたします

こども大綱の構成要素及び枠組み、こども大綱のイメージにつきまして、事務局から御説明をお願いいたします

佐藤参事官:長官官房参事官の佐藤でございます

それでは、資料の御説明をいたします

資料1を御説明するのですが、それに入る前に、参考資料3-4、11番を御覧いただけますでしょうか

先週の16日にいわゆる骨太の方針が決定しています

まずそれを簡潔に御紹介してから資料1の御説明に入ります

骨太の方針は「少子化対策・こども政策の抜本強化」で1つ項目を立てています

大きく2つに分かれていまして、前半部分で、こども・子育て支援加速化プランの推進について触れられています

こども未来戦略方針が先週の13日火曜日に閣議決定しているのですが、それをこの骨太の方針に位置づけたものでありまして、中ほどの「具体的には」のところに、いわゆる加速化プランの中身が書いてあります

ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や、若い世代の所得向上に向けた取組、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進などが盛り込まれておりまして、これらは3年間の集中取組期間という期間の中で先行して実施するものという性格です

この中身についてもこども大綱に取り込んでいくものなのだということを小倉大臣が国会で答弁をしています

また、こども・子育て支援加速化プランは少子化対策の全てではなくて、まさに先行して取り組むものであります

少子化対策を含めたこども施策全体の基盤となるものが、今、この部会で御議論いただくこども大綱になります

参考資料3-4の3ページ目に行っていただくと、2つ目の小見出しで「こども大綱の取りまとめ」というものが記載をされています

最初のパラグラフですけれども、「こどもまんなか社会」を実現するために、幅広いこども施策に関するこども大綱を年内をめどに策定し、こども家庭庁が「こどもまんなか社会」を目指す新たな司令塔機能を発揮する中で、政府全体でこども施策を強力に推進すると書いています

その後に続くパラグラフは、こども大綱の下で進めていくべき主な施策を幾つか例示というか列挙しています

逐一の御説明は省きますけれども、ここ以来に載ってくるものも全てこども大綱の中で重要なパーツを占めるものになると考えています

その上で資料1に行っていただいて、構成要素や枠組みのお話をまず御議論いただきたいわけですけれども、こども基本法その他法律でこども大綱にはこういうものを記載しなさいと定められているものがありますので、その中身について御説明をします

資料1の上半分が、こども基本法第9条でこども大綱で定めるとされている事項です

ちなみに、細かな条文については参考資料2におつけをしているので、適宜必要な方は御覧をいただきながらお聞きいただければと思います

こども基本法第9条においては、こども大綱は、こども基本法に掲げる基本理念の下で、基本的な方針、重要事項、少子化社会対策基本法、子ども・若者育成支援推進法、子どもの貧困対策の推進に関する法律のそれぞれの各項、各号に列挙されている事項を含むものとされています

また、原則として具体的な目標、達成期間を定めるとなっています

既存の3つの基本法、少子化、子ども・若者、子どもの貧困の3つの法律で記載されている事項は、字が小さくて恐縮ですけれども、下に※でそれぞれ書いています

少子化のほうは、総合的かつ長期的な少子化の対処の施策の大綱としか書かれていないのですが、子ども・若者育成支援推進法でありますと、例えば教育、福祉、保健、医療、矯正、更生保護、雇用その他の各関連分野の施策、良好な社会環境の整備、社会生活を円滑に営む上で困難を有する子ども・若者への支援、国民の理解の増進、調査研究、人材の養成・質の向上、国際的な協力といったことが大綱に定めるものとされています

また、子どもの貧困対策のほうに関して言うと、指標ですとか、指標の改善に向けた施策、また調査研究も記載しなさいとなっています

こども大綱は、こうした既存の3つの大綱をホチキスするというものではなくて、この3つの基本法で定めるとされているものを含みつつ、こども基本法の基本理念の下で、基本的な方針や重要事項、施策の方向性などを示すものということです

そして、その施策の方向性に関しては、下半分に法律の中で基本的な施策とされているものがありますので、こうしたものも踏まえながら御検討いただくことになりますけれども、例えばこども基本法でありますと、こども等の意見の反映、支援の総合的・一体的な提供のための体制の整備、こども基本法や児童の権利条約の周知といったものが掲げられています

少子化対策基本法は、ここは詳しく書いていまして、雇用環境の整備、保育サービス、地域の子育て支援、母子保健医療、教育、生活環境の整備、経済的負担の軽減、啓発、こういったことが掲げられています

また、子どもの貧困対策のほうも、いわゆる4つの柱と言われていますが、教育の支援、生活支援、保護者の就労支援、経済的支援といったものが掲げられています

こうしたことを踏まえまして、おめくりいただきまして2ページ目で、こども大綱の枠組みとしてこうした形の枠組みが考えられるのではないかという案をお示ししています

左半分が案なのですが、その前に右半分で、参考までにまず既存の3つの大綱の枠組みを御説明します

それぞれ大綱の本文は参考資料におつけしていますので、それも眺めていただきながら、まず、子供・若者育成支援推進大綱については、今、画面で映っている3つプラス別紙となっています

参考資料3-2を必要であればお開きいただいて、2ページ目に目次があるので、その目次も少し御覧いただければと思うのですが、「はじめに」のところで現状や課題を整理されています

その上で、第2の基本的な方針及び施策のところで、5つの柱立てに沿って施策が記載をされた上で、第3の施策の推進体制のところでは、PDCAの話や調査研究の話が盛り込まれています

そして、別紙という形で、施策の具体的な内容がそれぞれの柱立てごとに記載をされています

続きまして、少子化社会対策大綱でありますけれども、参考資料3-1になります

こちらも2枚目に目次があるので、それも御覧いただきながら、こちらも「はじめに」のところでは現状や課題を整理されています

その上で、Ⅱでは「基本的な目標」という名前で目指すべき社会について記されています

そうした目指すべき社会の実現のための大きな基本的な方針がⅢで「基本的な考え方」として示されています

その上で、Ⅳで結婚前、結婚、妊娠・出産、子育てという4つのライフステージごとに施策の方向性が示され、Ⅴで「施策の推進体制等」としてPDCAや大綱の見直しについて記載をされています

別添1で、Ⅳのライフステージごとの施策の方向性の下での具体的な内容、別添2で数値目標が掲げられています

これが少子化の大綱です

子供の貧困の大綱は、参考資料3-3になります

こちらも3枚目ぐらいに目次があるので、それも御覧いただきながら、こちらも「はじめに」のところでこの大綱の目的を掲げています

その上で、第2のところで「基本的な方針」ということで、分野横断的なものと分野ごとと分けていますけれども、大きな政策の方針が掲げられていて、その上で第3のところで「指標」です

指標は具体的には別添になっています

考え方だけ第3に載っています

第4で「重点施策」ということで、先ほど御紹介した教育支援、生活支援、就労支援、経済的支援という4つの柱ごとに施策が載った上で、調査研究が別立てで一個立っていますけれども、最後、第6として「施策の推進体制等」としてPDCAが掲げられています

こうしたことを踏まえまして、資料1に戻っていただいて、今、画面に映っているほうのこども大綱の枠組みの案、左側ですけれども、細かな表題はまたここの場での御議論を踏まえながら、また走りながら考えていくものかなと思いますが、まず最初には「はじめに」という形で現状や課題を整理した上で、目指すべき社会像を提示いただくのではないかと考えています

その上で、第2では、目指すべき社会の実現に向けて、大きな基本的な方針としてどういった方針を掲げるかというところを載せるのかなと

この第1、第2については、本日後半で御議論をいただきたいと思っています

続いて、第3が「基本的な施策」でありまして、第2で示した基本的な方針の下で進める施策の柱立てと方向性を提示してはどうかと考えています

これは後ほど資料2で説明をします

第4が、取組として全体にわたって共通するものとしての「こども・若者の意見反映、こども・若者の視点に立ったEBPMの推進」です

第5として「施策の推進体制等」で、調査研究や点検・評価、PDCAの話を載せたらどうかと思っています

その上で、個別具体の施策については、別添1の形で施策の具体的内容を定め、そこは第3で示した基本的な施策の方向性に従って書いていくものかなと

また、この点については昨年度の内閣官房の有識者会議の第2次報告書でも言われていますけれども、毎年関係省庁にしっかりと実行してもらうことが大事だということがうたわれまして、それを踏まえますと、施策の具体的内容部分については、こども大綱を策定された後には、またこの基本政策部会の場で、その施策の進捗状況をチェックいただいた上で、改善の御提案をいただき、それを総理を長とする閣僚会議であるこども政策推進会議で毎年ローリング改訂をしていくということを想定しています

第1から第5の部分は今後5年程度を見据えたものとして、毎年毎年変えるということではないですが、別添1については毎年改訂をし、それを関係省庁の概算要求に反映をさせるとしてはどうかと考えています

そのときに大事になってくるのが目標や指標でありまして、別添2で成果目標や指標を掲げてはどうかと考えています

以上が資料1の御説明になります

先ほど申し上げた枠組みの中での基本的な施策の部分に関して、資料2をつけています

これは画面やiPadにも入れていますけれども、ちょっと見づらいので、お手元にもA3で紙を打ち出していますので、そちらを御覧いただきながらと思っています

資料2を作成した意図としては、こども大綱がどういった範疇のものなのかというところをまず一番最初に部会の皆様方で頭合わせをしていただいたほうがよろしいかなと思いまして、僭越ながら事務局のほうで作成をした資料です

一言で言えば、かなり幅広い分野を包含するものなのだというものを、ビジュアルで分かりやすいような形にしたものです

そもそもこども基本法に基づくこども施策の大綱なわけですけれども、基本法上のこども施策というのは、直接的にこどもや若者の健やかな成長や子育て支援を主たる目的とする施策だけではなくて、教育施策、雇用施策、医療施策といった、それに関係するような一体的に講ずべき施策も併せた形でこども施策として定義されています

なので、これら全体が包含されたものがこのこども大綱の中に盛り込まれるということになっています

資料2の上の文字で書いたところですけれども、大きな方向性に基づいて具体的な施策を提示していくわけですが、その際の考え方としては、まず、これまでの既存の3つの大綱の成果、また昨年度の内閣官房の有識者会議で、おととしの秋に第1次報告書という形で報告書をまとめて、総理に提言をしています

総理に提言したそのものは参考資料1-1にあるので、タブレットのほうで参考資料1-1も少し御覧いただきながらお話をお聞きいただければと思うのですが、8ページ目に「今後取り組むべきこども政策の柱と具体的な施策」が掲げられています

目次がなくて恐縮なのですけれども、おととしの秋に総理に提言されたこの報告書の中では、3つの柱立て、1つ目に結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を感じられる社会を目指す、2つ目に全てのこどもに、健やかで安全・安心に成長できる環境を提供する、3つ目に成育環境にかかわらず、誰一人取り残すことなく健やかな成長を保障すると、こうした柱立てで考えてはどうかという提言をいただいているところです

その下で、逐一の御説明は省きますけれども、少しぱらぱらスクロールいただくと、最初の結婚・妊娠・出産云々の柱で言えば、若い世代の不安などの解消とか、次のページでは経済的な負担の軽減とか、幾つか個別の中項目みたいな形で小見出しが載っています

それは全ての柱立てで載っているのですが、そうしたことも参考にしながら、踏まえながら、御議論いただくことになるかなと思っています

またA3のほうの紙の上の文字に戻りますけれども、2つ目のポツ、関連する政府の方針、こども未来戦略方針や教育振興基本計画といったもの、これらは閣議決定をされていますけれども、こうしたものとも整合性の取れたものにするということになります

この点、少し補足的に御説明をしますと、まず、こども未来戦略方針については、6月13日に閣議決定をされています

参考資料3-5にありますので、こちらもタブレットで少し御覧いただきながら、こちらは目次があるので目次を御覧いただきながらと思うのですが、先ほど骨太の方針の御紹介のときに、こども・子育て支援の加速化プランのお話をしました

それが基本的にはメインになりますので、それをこども大綱のほうに取り込んでいくことになります

ここに掲げられた先行して3年間やることは、既に閣議決定をされている政府の方針になりますので、これをしっかりと取り込む形にしていくということであります

併せて課題や将来像みたいなものも提示をされているので、これはあくまでそういう加速化プランを踏まえてのものではありますけれども、そうしたものも踏まえながらこども大綱の御議論をいただくということになります

もう一点、教育振興基本計画であります

こちらは本体が相当大部にわたるので、参考資料3-6に概要だけおつけをしているので、少しこども大綱との関わりが分かりづらい部分もあるかもしれませんけれども、そこは口頭で補足をします

先週16日に閣議決定をされています

まず、今回の教育振興基本計画は、本年4月にこども基本法が施行されたことも踏まえて、これまでにない新しい記載や取組として、例えば「今後の教育政策に関する基本的な方針」という部分があって、この概要では文字に出てこないのですが、今後の教育政策の基本的な方針として、こども基本法に基づくこども大綱と相互に連携を図りながら取り組む必要があるということがまず記載をされています

その上で、この教育振興基本計画は、2枚目、3枚目に行くと今後5年間の目標とか基本施策が並んでいるのですけれども、基本施策の中でも、例えば児童の権利条約やこども基本法を踏まえたこどもの人権の理解の促進だとか、こどもに関わるルールなどの策定や見直しの過程でこどもが関与することは教育的な意義が高いので、そうした先導的な取組を周知するであるとか、また、この教育振興基本計画もそうですけれども、自治体でもいろいろな教育に関する大綱や計画がつくられます

そうした教育に関する国や自治体の計画の策定やフォローアップに当たって、こどもや若者を含めたステークホルダーから意見を聴き、対話をし、それを反映するということが掲げられています

こうした教育振興基本計画とも整合性の取れたものにする必要があります

またA3のほうの紙に戻っていただいて、※で書きましたけれども、今、同時並行で別の部会で「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的な指針」や「こどもの居場所づくりに関する指針」についても検討が進められています

これらも行く行く閣議決定を目指して今、検討が進められまして、こうしたものとの中身とも連携を図っていくということは必要になります

その上で、少しカラフルなビジュアル化した資料の中身に行く前に、下の1枚目の注書きを御説明しますと、この資料はあくまで既存の3大綱や内閣官房の有識者会議の報告書からキーワードを抽出してきたイメージです

こども大綱の範疇を理解いただくためのあくまでイメージですので、こども大綱で何をどう具体的に位置づけるか、どのように記載をしていくかというのは、関連する政府方針との整合性にも留意をしながら、今後この場で御議論をいただくことです

また、いろいろ色分けしていますけれども、あくまで便宜上分かりやすさを優先して1つの分野で整理をしているものであって、複数にまたがるものもあります

今日この場で御議論をいただくのも、色がどうこうとか書き方をどうこうとかこの資料をつくり込むことが狙いではなくて、これはあくまでイメージとしてつかんでいただければいいだけなので、むしろ資料1の枠組みがああいう形でいいのか、今後どう具体的に議論すればいいのかというところを考えるためのイメージだとお考えください

なので、3本の柱なのかどうかもそうですし、その中の中身の具体的な御議論は、また7月以降にそれぞれ御議論いただくものと御理解いただければと思っています

その上で、資料1の枠組みを考えるイメージとしての資料2の御説明をしますと、大きく3つの柱に便宜上分けていますけれども、1枚目の下3分の2ぐらいが全てのこども・若者の健やかな成長です

ピンク色になっているのが主に健やかな育ちに関係する部分、緑色になっている部分が主に教育に関係する部分、青っぽいところが主に雇用や就労に関係する部分でありまして、横軸で幼児期、学童期、思春期、青年期と、こどもや若者の視点に立ったライフステージに沿ってイメージを整理しています

幼児期においては、全てのこどもの育ちを質的に保障するということ、また学童期から思春期にかけては、生活習慣や規範意識も大事になりますし、体力や運動能力も大事になります

全体を通じて安全や安心、特に学童期、思春期になってくると居場所づくりというところも大事になってくるかと思います

また、学校教育そのものがとても大事な一つのパーツになるわけですけれども、その中でも基礎学力の向上や主体的・対話的な学び、人権教育、健康教育、消費者教育等々も大事になってきます

特別支援教育も大事です

思春期ぐらいにかけては、勤労観を養うとか、就労に向けた様々な教育もキャリア教育はじめ出てきますし、青年期にかけては、職業能力の形成支援や就職支援も出てきます

全てのライフステージに通底する項目として、スポーツ・文化芸術もありますし、体験活動もあります

健康というものも全体に関わってきますし、社会参画みたいなものも出てきます

左下ですけれども、乳幼児期から大人に至るまで全ての段階でジェンダーの視点を持つということも大事になってくるかなと思います

2枚目の上3分の1は、困難を抱えるこども・若者や家庭支援でありまして、ここはライフサイクルごとに区切るというのはなかなか難しいわけですけれども、例えば黄色っぽいところでは児童虐待の課題や社会的養護に関わるものを書いています

オレンジっぽいところがこどもの貧困や独り親、水色っぽくなっているところは、様々な困難な種別というか類型があります

いじめ、不登校、自殺、ヤングケアラー、非行、高校中退、ひきこもり、ニート、失業、非正規雇用、孤独・孤立、また、いわゆるギフテッドと呼ばれる特異な才能のあるこどもに関しても様々な困難を抱えていたりもします

ピンク色っぽいところでは外国人の話を記載していますし、緑色っぽいところは病気や障害の関係のキーワードを拾ってきています

下3分の2は結婚・妊娠・出産・子育ての関係でして、どちらかというと保護者になる方とか保護者の目線というか、子育て当事者が中心になっている目線での整理になっていますけれども、こちらも横軸に結婚前~結婚、妊娠・出産、子育ての関係を整理していまして、結婚前~結婚であれば、ライフプランニングやキャリア形成の支援が大事です

プレコンセプションケアや性や妊娠に関する正しい知識をこどもや若者のうちからしっかりと持っていただくことが大事になります

また、結婚支援の段階では、結婚を希望する方々に対する具体的な結婚支援の取組を紫色で記載しています

妊娠・出産、子育てのところに関して言うと、オレンジっぽいところは経済的な負担の軽減であります

特に先行して取り組むものは加速化プランの形でこの前も提示されていますけれども、政府として取り組むことにしています

ピンクっぽいところが共働き・共育ての関係です

男性の家事・育児参画とか、待機児童や保育の受皿の話であります

全体を通してマタハラ等々のハラスメントの防止もありますし、黄色いところはまちづくりや社会的機運の醸成を記載しています

水色っぽいところは、母子保健や周産期医療の関係です

赤色のところは、妊娠・出産期、子育て期からの伴走型の相談支援や地域の子育て支援のことを記載しています

また、全てのライフステージに通底する項目として、左下の少し濃い青っぽいところですけれども、若い世代の所得の向上や経済的基盤の安定が大事だとか、地方創生と連携した取組を進めることとか、右側になりますけれども、働き方の改革とか、多様な働き方とか、そうしたことを掲げています

こうしたことで、こども大綱は大変幅広い分野なのだろうということを頭に置いていただきながら、また資料1の2枚目にお戻りいただいて、こうしたことが第3の「基本的な施策」のところに大きな柱立ての下で方向性が打ち出され、そして具体的なことは別添1で具体的に記載をし、それを毎年改定をしていく、そのようなイメージでこども大綱をつくってはどうかというのが今回のまず最初の議題での事務局で整理をさせていただいた資料1と2です

私からの御説明は以上になります

秋田部会長:御説明をどうもありがとうございました

それでは、これから20分程度御議論をいただきたいと思います

御意見、御質問のある方は、挙手をいただきましたら、こちらから指名をさせていただきます

最初に、本日途中から御参加予定の土肥委員よりこの部分への御意見を承っておりますので、事務局より代読をお願いいたします

佐藤参事官:土肥委員に代わりまして、代読をさせていただきます

こども大綱を基盤として、各自治体がこども計画を策定していくことになります

その意味で、自治体がこども計画をつくりやすい枠組みで大綱を構成していく視点も重要かと思います

実際のところ、地方自治体では、これまでの既存大綱をベースに様々な計画づくりに取り組んでおり、それにひもづく形で会議体も設置されています

幾つかの自治体の条例策定、計画策定のアドバイザーを頼まれていますが、既存計画を一本化してこども計画にするという話にはなっておらず、分野横断的過ぎるために、既存計画は残しながら、こども計画も策定するような流れがほとんどです

また、地方自治体では、こども家庭庁のように分野横断的な所管部署の整備までが間に合っていないため、どの部署が所管となってこども計画をつくるのかという話にもなっています

国のように分野横断的な部署整備をするものなのか、それとも既存部署での担当を想定するものなのか、もちろん自治体ごとの判断になるのが前提ですが、こども家庭庁として、自治体が計画策定していく際の範囲や既存計画との整理、所管部署の整理などを行う必要があると考えます

あわせて、計画策定や部署整理について先進的な自治体のモデルを示すなど、どのようなモデルを念頭に置いているかは想定する必要があります

以上、代読しました

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、順に挙手をいただきましてと思いますが、いかがでございますでしょうか

松本委員、お願いします

松本委員:北海道大学の松本です

発言の機会をいただきまして、どうもありがとうございます

幾つか確認を含めた質問なのですけれども、1つは、先ほどの御説明でもありましたが、3大綱を一本化するというだけではなくて、広くこども施策を含むということでした

今の枠組みの提示は、3大綱にシフトしている感じがします

例えば教育の問題はどうなのかということは、皆さんのメモでも随分出ていましたし、あと、母子保健や児童福祉法関連、社会的養護やこども虐待の問題も含むという理解でよろしいですねということが1点です

これは確認です

そうなったときに、基本的な施策というものがこの3つの柱立てでいいのかということは今後議論されるということよろしいでしょうか

ここでいいですと言ったら、この3つの柱に沿って、これは修正不可能だということになりましょうかということです

それが2点目です

今の点に関わって、例えば基本的な施策は今日話される基本的な方針とかあるべき社会というところと関わってくると思うのです

そこにも随分いろいろな意見が出ています

これでいいですねとなったら、この3つを前提にして議論をすると、そこがかなり拘束されることになりますので、議論の進め方として、今ここで議論するということなのか、後であるべき社会とか基本的な施策の方針を議論する中でこちらが見直される、議論がこの後に来るという理解でよろしいかというのが2点目です

3点目はテクニカルな問題なのですけれども、他方、3大綱を一本化するだけでもかなりの施策になります

母子保健、児童福祉法、児童虐待防止法等々を含むと、かなり分厚いものになります

それは別添の施策の具体的内容なり成果目標ということで、かなり分厚いページを予想して書かれるという理解でよろしいかということです

つまり、簡単に言ったら、この3大綱に書いていることの中から幾つかピックアップしろということではないでしょうねと

そうすると、先ほど冒頭の意見にありましたように、各自治体でこれを参考にして、かなり施策を組んでいるところが、載っていないからいいのだなという話になりかねないです

出来上がりのイメージですけれども、かなり盛りだくさん、だからこそいろいろな柱立てが必要なのでしょうけれども、そのようなことで理解してよろしいでしょうかということです

これは全体の議論の進め方に関わります

秋田部会長:ありがとうございます

最初に事務局のほうから御説明いただいたほうが、後の御意見のためにもよろしいかと思いますので、お願いいたします

佐藤参事官:まず、1点目の教育や児童福祉、母子保健が含まれるのかというのは、もちろん含まれます

次の御質問とも少し関連しますけれども、今は3つの柱立てをおととしの有識者会議の提言をベースに置いています

ちなみにその中では、教育の関係は全てのこども・若者の健やかな成長のところに、総理の提言された報告書の中では入っています

参考資料1-1です

母子保健は、妊娠・出産・子育てに夢や希望のところに入っていて、児童福祉の関係は、主として困難を抱えるこども・若者のところに入っています

次の御質問の関係で言うと、この3つの柱ありきであるとは思っていません

そこも含めてこの場での御議論かなと思っています

ただ、これまでの内閣官房の有識者会議でもそういう提言が出されているということと、第2次報告書の中でもそうしたことをベースに考えてはどうかということにはなっているので、あくまで議論のたたき台としては、まずはこれを踏まえた上で、そもそもこの柱立てでいいかということも、今日の御議論も踏まえてまた出てくるかなと思っています

今日、目指すべき社会の話と基本的な方針の話も御議論いただきます

今日何か完全に合意が得られるということではなくて、いろいろな御意見が出ると思いますので、30日の次回の会議で、今日の御議論を踏まえて修正したものを事務局からも御提示をして、御議論いただくことになると思いますが、そのときにもまた政策の柱立ての話も、特に30日にはまた出てくるのだと思います

今後の進め方の話を少し先取って言ってしまって恐縮ですけれども、7月以降には具体的な政策の話に入っていくので、まさにその柱立てみたいなものは、今日の御議論を踏まえながら、30日にまた御議論になるかなと思っています

最後、3点目に関して言うと、委員の御指摘のとおりでありまして、結構分厚いものになると思います

分厚いところは特にむしろ別添で細かなことはかなり書くということになると思います

大きな方向性のところは、どこまで分厚いものなのかというのはありますけれども、例えば現行の少子化社会対策大綱でいうと、別添の部分も合わせると、参考資料3-1を開いていただくと、全部で60近いページになっていますが、本体部分、別添ではない部分は15ページとか16ページとかになっていますので、それと全く同じでなければいけないというわけではないのですが、大事な点は委員御指摘の点でありまして、どこか何かをかいつまんでピックアップされたものをつくるのではなくて、ちゃんと総合性のあるものをつくるということかなと思っています

秋田部会長:ありがとうございます

松本委員、よろしいでしょうか

松本委員:そうすると、今、冒頭に部会長が20分ぐらいこれについて時間を取ると言いましたけれども、20分意見交換して、何かこれの枠組みを決めたということで進むということではないということですね

一旦意見交換をして、次の議論に入るということですね

分かりました

秋田部会長:ありがとうございます

それでは、続きまして、定本委員、お願いいたします

定本委員:ありがとうございます

幾つかあるのですけれども、今回は伺っていてどうしても質問したいことが1つございました

こどもをめぐる今の状況は本当に多様な問題があって、本当に待ったなしの状況で、何か手を入れないといけないという状況だと私は思っていて、意見を言わせていただいたことに、学校教育を何とか、学校現場を何とかしないといけないというのが喫緊の課題だと申し上げました

私は法務省におりますけれども、京都では教育委員会とか学校現場に行かせていただく仕事も大分多くて、学校現場を見ますと、本当にいろいろな問題で、先生方も疲弊して、本当に機能不全と言ってもいいような状況が伝わってくるのです

今日伺った教育振興基本計画というものは本当によくできていると思いますし、こどもたちにとって本当に重要な点が多岐にわたってきめ細やかに書いてあると思いましたが、文部科学省の方は、これを学校現場の誰にさせようとしているのかと伺いたい

ただでも今、学校の先生は大変で、各学校1人ぐらいは鬱で休んでいます

それから、学校の先生になり手が本当に少なくて、こう言っては何ですけれども、優秀な方ほど教育学部を出ても学校に勤めたくない、教育学部で本当に学校教育についていろいろ勉強した、せっかくそういう勉強をした先生が、現場でそういうこと以外のことに忙殺されて、本筋のことができないというのがもう分かっているので、そういう状態なのです

そこの上に、これは全部必要だと思うのですけれども、これをまた学校の先生にさせるのかということなのです

これは現実的・具体的に無理な話というか、私はずっと申し上げておりますけれども、スクールソーシャルワーカーは1つの学校に1人常勤で置くことが必須だと考えます

これを聞いて、ますますその思いを強くしました

10年ぐらい前からチーム学校チーム学校という言葉が言われていますけれども、実態としては全然チームになっていないのです

それはチームの統括を先生がされているからではないかと思っています

教頭先生、校長先生、主任の先生、それは本当に一生懸命やっていらっしゃるとしても、教育の視点、教育の領域の知識と経験を持っていらっしゃるわけで、今やもうそれだけでは対応できないわけですから、スクールソーシャルワーカーが医療・保健的、家庭的、経済的な一人一人のこどもについての問題を把握し、スクールソーシャルワーカーがコーディネートし、チーム学校の事務局になるというふうに抜本的にしていただいてこそ、こういう基本計画は実現する兆しが見えると思います

その辺の枠組みを文部科学省には、現場に行って、もう少し現場の実態を理解して、先生を支援する、先生を助けるということをまずしていただかないと、これを学校に下ろすのははっきり言って酷です

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

順に委員の御意見を伺ってから、後でまとめて事務局のほうから御回答等をいただければと思います

続きまして、矢島委員、オンラインです

よろしくお願いいたします

矢島委員:ありがとうございます

枠組みについてですが、これまでの3つの大綱自体もかなり広範な領域にわたるものですし、それらを統合し、かつ、こどもの新たな施策を充実させるということで、これまで皆さんが懸念されているように、かなり大部なものになるだろうと

ただ、今まで頂いている資料を見ますと、重要な要素については網羅的に盛り込む形で、皆さん既にかなり御検討いただいて、整理をいただいているものと思います

この点は非常に丁寧にやっていただいているのではないかなと思います

ただ、今のこども大綱の枠組み案と、その後に先ほど見せていただいたパワーポイントのカラーの3本柱を見ますと、どうしても3つ目の結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を感じられる施策というのが、今のこどもたちが将来大人になったときにそういった状態にあるといったようなニュアンスにも見えてしまって、総理も数日前にもまた少子化対策は喫緊の課題であるということ、待ったなしであるということをおっしゃいましたけれども、今現在の子育て家庭に対する様々なサポートや環境整備の重要さや優先順位の高さ、つまり少子化対策の優先順位の高さというものが少し見えづらくなってしまうのではないかということを非常に懸念しております

その点、御検討いただければと思います

例えば一番頭の「はじめに」とか基本的な方針の中で、こどもが中心、「こどもまんなか政策」であると同時に、これは少子化対策でもあり、少子化対策の視点から、現子育て家庭への喫緊の対策を最優先で実施する等の考え方等を示していただくなどで御検討いただければと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

駒村委員、お願いいたします

駒村委員:ありがとうございます

いろいろとまだ議論したいこともあります

各委員の御発言を聞いて、少し議論したいところもあるのですけれども、今日は初めてということなので、先ほど松本委員と事務局のやり取りを聞いていて思ったのが、大綱をつくる予定、プロセス、例えば7月はこういうことをやるとさっきおっしゃったので、ゴールはいつで、そこに目指してどういうタイムスケジュールで議論をしていくかという全体の流れを見せていただくのが重要かと思いますので、お願いいたします

秋田部会長:どうもありがとうございます

松田部会長代理、お願いします

松田委員:中京大の松田です

かなり考えられた構成案であると私は思いました

それは過去の検討の蓄積もありますし、今、御説明いただきました内容で全体像を理解することできました

3つの大綱を統合するとなると、1つ目はこども・若者の育成、次は少子化対策や家族形成、子育てをどう支えるか、3つ目が貧困に陥らない、それぞれ異なる分野をカバーしていますので、これを統合するということが大事かなと思いました

その上で私の意見なのですけれども、資料2を拝見させていただくと、つまり、こども・若者育成支援が1ページ目にありまして、幼児期から青年期、そしてその次のページの下、結婚・妊娠・出産・子育て、少子化対策のところになりますと、今度は結婚前から子育てになっている

何を申し上げたいかというと、ライフステージでつながるものではないでしょうかというのが私からの意見です

つまり、別物を扱っているだけではなくて、こどもが生まれてから、そのこどもがしっかり育てられ、自立して、なおかつ、その後、希望すれば家族形成をして、次の世代へつないでいく

この全体がつながるものとして大綱を理解するのがよいかなと思いました

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

続きまして、木田委員、お願いします

木田委員:ありがとうございます

弁護士の木田と申します

松本先生の御意見で、必ずしもこの3つの項目立てで決まったわけではないということなので、今の時点で申し上げるのも適切か分かりませんけれども、この3つの項目立てのどれかが、今の時点で力点を置かれるというべきものでもないのかなというようなものでよいのか

私自身の意見としては、政府として今、子育てに対して、少子化対策に強く重点を置いているのは確かではありますけれども、他方で、本大綱につきましては、5年間の枠組みの中で、こどもを中心としたこども家庭庁の設立とともに、包括的な総合施策を定めるというものですので、今生きるこどもたちに対するメッセージも前向きに伝えていきたいという思いもありますので、子育て、少子化対策が前面にというよりは、今出された3つの枠組みであれば、その3つの枠組みがきちんと同じボリュームで言及されるようなものとなることを期待したいと思います

秋田部会長:どうもありがとうございます

岸田委員、お願いします

岸田委員:岸田でございます

ありがとうございます

一言

まだ今後、この3つの方針、文言も含めて検討されるということかと思いますが、現段階で1つ申し上げたいのが、困難を抱えるこどもとそれ以外のこどもというような分け方が適切なのかというところは、こどもたちの立場からすると、全てのこどもたちがそれぞれに大なり小なり困難を抱えている側面はあるかと思いますので、その意味では、例えば困難を抱えたときにこどもがどんな支援を受けられるかといったような、こども側の視点に立った文言でこうしたカテゴライズができたらいいなと思いますのが1点

もう一点は、少子化に通じる部分ですけれども、結婚、妊娠・出産、子育て、これがいいことだよというメッセージが政府の方針から伝えられることに違和感を覚える若い方も多いかと思います

なので、そこに配慮したような文言、そうした希望がかなえられるとか、希望を持った人がその個人の希望が尊重されるとか、そういった意味づけがあればよいのかなと思いました

よろしくお願いいたします

秋田部会長:どうもありがとうございます

清永委員、お願いいたします

清永委員:清永と申します

1点だけ

現在抱えているたくさんの問題があることも明らかで、これを解決することは喫緊の課題なのですが、現在の問題だけではなくて、こどもたちと共に将来を見据えた対策を打ち出して、それを前面に入れていくということも必要かなと思いました

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

堀江委員、お願いします

堀江委員:ありがとうございます

私からは、大きく2点お話しさせていただきたいと思います

いろいろとまとめていただいて、これだけ多くの内容をまとめていただくのは難しかったかなと思うのですけれども、3つの大綱を1つにしていくわけではないと思うのですが、まとめていきながら反映していくというところに関してなのですが、そこがもう少し、よりこどもも分かっていくようなものというところで分かりやすくしていくというところが重要かなと思っていまして、まず、こどもというところでいくと、恐らくこども・若者育成支援と貧困のところになると思うのですけれども、こどもで重要なのはマイナスをなくしていく、要は虐待や排除や貧困をなくしていくというお話と、ウェルビーイングを高めていくという、ゼロからプラスへというところ、この2つを大綱に盛り込みながらやっていくのだよということがより分かっていくといいのかなというところ

少子化というところでいくと、こどもを希望する人を増やしていくということと、希望する数、産めるようにギャップを減らしていくという2つがあると思うのですけれども、それが全部ごったに語られてしまうのではなく、希望を増やしていくということと、希望をかなえていくみたいなところが、より分かりやすく見えていくといいのかなというところが大きく1つ目です

2つ目というところでいくと、思いとして少子化というところを入れていただいたところはすごくありがたいなと思うのですけれども、正直、子育て当事者とかから見てみても、すごく産みたいという感じになるような内容ではないなということは正直思ってしまっていまして、結婚、子育てというところをすごく強く強調されているところが、以前はそこまで感じなかったのですが、今回出されたものはすごく感じたなと思いました

子育てがペナルティーにならないということが、これからのこども・若者が希望するという意味ではすごく重要だと思うのですけれども、その上で3つ大きく大事だなと思うのが、こどもができたら多くの人がサポートしてくれるような連携が見える、自分が産んだらそのままずっとサポートしてくれるのだというのが分かっていくみたいなところと、2つ目は多様な生き方が認められるということです

もちろん産まない選択をする方もそうですし、多様な家族の形、選択的夫婦別姓もそうですけれども、そのような法整備というところもやっていくのかなということを思えるような、多様な生き方が認められるというところが2つ目

3つ目がキャリアアップのペナルティーにならない、ここは実はあまり全体のイメージでも書かれていなかったなと思うのですけれども、ジェンダーギャップの解消というところです

そういったところが今、再就職とかを書いているのですけれども、そもそも子育て自体がキャリアアップの阻害にならないという会社の体制だったりとか、両立支援だけではない、活躍支援もしていくとか、そういうところも反映されていると、自分が変わらなくても、今のままで自分が自分らしく生きていったら、こどもをもうけていいし、いろいろな形があるのだというポジティブな印象がもう少し見えていくとすごくいいなと思います

今のままだと、今と同じ形で産んでください、結婚してくださいというメッセージにしか聞こえないので、何だか自分らしくは生きられないのかなという印象を持ってしまうのではないかなと感じましたので、受け手というところも含めて表現は考えていく必要があるかなと思いました

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

オンラインの青木委員、お願いいたします

この議論は青木委員までとさせていただきたいと思います

お願いいたします

青木委員:ありがとうございます

このたびは、このように大綱の枠組みとイメージの資料を作っていただきまして、ありがとうございます

大きなところとしては、この内容で今後は議論が進められていくだろうと思っておりますが、資料を拝見した中で感じたことを申し上げますと、例えば、これまでの大綱や法律などをみますと、社会課題を基に今のこどもたちをどうしていったらいいのか、どうあるべきなのかということを、大人の視点からこどもたちのあるべき社会像みたいなものを語ることが多かったのではないかと思っています

そのため、今回のこども大綱の策定に当たっては、こどもたちの声をうまく取り入れていきながらとか、声を踏まえてということがよく出てくるわけですが、こどもたちの声を取り入れるということだけではなく、こどもたちの視点に立って、こどもたちが望む社会の実現にどう向かっていくのかということをうまく大綱の中で表現していくことが大切かと思っています

その上で、資料1にあるこども大綱の枠組みの文言になりますが、例えば、第4の「こども・若者の意見反映、こども・若者の視点に立ったEBPMの推進」と書かれていますが、こう言いますと、まさに大人の立場で言っているということがすごく強調されているように見えてしまいます

ですので、例えば、第1のところに目指すべき社会像として「こどもまんなか社会」の理念が示されると思いますので、そうした社会の実現を図るためにEBPMをどう推進していくのかということを示していくのであれば、「こどもまんなか社会の実現に向けたEBPMの推進」という表現の仕方でもいいのかなと思いました

この大綱の中で表現していくに当たっては、できるだけ、こどもたちから見たときに希望が持てるとか、やってみたいと感じるような表現が大切になると考えます

例えば、子育て・出産など、我々大人が今後の社会を見据えたときに必要だと感じることであったとしても、こどもたち自身がそういうことに希望を持ったり、産みたい、やりたいという気持ちになっていかなければ、我々大人側、社会側からの押しつけのような形にみえてしまいます

そのため、できるだけこどもたちが望むということが分かりやすい表現にしていき、こども大綱の思いや理念をこどもたちと共に考えて、思いを共有できるようになっていければいいのかなと思っております

また、現在、これまでの大綱を基に枠組みをつくっているところですが、結婚・妊娠・出産・子育てを希望する若者という言い方をしてしまうと、そこに当てはまらない若者たちはどうすればいいのかということになりかねないと思っています

ですが、結婚や子育てに当たっては、その前段階として就労という視点もとても大切になってくると思います

先ほどライフステージというお話もありましたので、結婚・出産・子育てだけではなく、働くということの大切さも分かるようになればいいかなと思っています

こうしたことを踏まえ、一つ細かいところになりますが、資料2の「こども・若者の健やかな成長」に人権教育、健康教育というところがありますが、そこに「主権者教育」や「キャリア教育」という言葉を入れてほしいと思っています

今後、この図の視点を踏まえて施策などが考えられていくことになろうかと思います

そのため、こども・若者が社会的自立に向けて育っていく過程において、こうした視点からどう支えていくのかということもうまく入れていければいいのかなと思っています

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

構成要素及び枠組みにつきましての御議論につきましては、先ほども事務局からお話もございましたように、もう一度させていただきますので、本日の御議論を踏まえた資料を次回、事務局から提出していただくようにしたいと思います

事務局のほうから、今の御意見に対する応答をお願いいたします

佐藤参事官:幾つか御質問いただいた点につきまして、御回答を差し上げたいと思います

駒村委員から、プロセスや全体の流れを御指摘いただきました

大変恐縮でございます

次回の部会のときに資料を御提出して、今後の進め方についても御議論いただこうと考えておりましたけれども、大まかに申し上げますと、本日と次回、30日の会議で、まずこども大綱の範疇といいますか、大きな枠組みや、目指すべき社会像、基本的な方針について、ある程度皆さんで頭合わせいただくような御審議をいただいた上で、個別の政策の柱立てに沿って、7月以降、7月、8月に2回ずつぐらい御議論をいただきまして、回数も中身によって前後すると思いますけれども、9月ぐらいに、名称はまた今後となりますが、中間的な整理のような形で一度、整理をおまとめいただく

その上で、こども大綱そのものが、こどもや若者の意見をしっかり聴いてつくるということが法定をされていますので、秋口ぐらいに、一般的なパブコメのようなものもそうですけれども、こどもや若者の意見を聴くような様々な取組をしていただいた上で、答申をおまとめいただき、また、個別具体の施策については、政府部内でも予算編成の過程の中でいろいろな議論も出てきますから、そうしたものも、こども家庭庁のほうでも調整をさせていただきながら、年内をめどに閣議決定を目指すのかなと

大まかな流れで言うとそういった流れを想定しています

木田委員からお話のありました柱立てがこの3つかどうかは横に置いておいて、柱立ては別に優先順位を何かつけるものではないとはそのとおりであります

かなり幅広い政策を網羅するものでありますので、そのときのカテゴライズとか、どうした柱立てでやるのが分かりやすいのかという点で、柱立てはまず一つ考えていく

もちろんそこに強調したいという思いも出てくるかもしれませんけれども、順番として何か優先順位をつけるものではないと事務局としても理解をいたしておるところです

その上で、今、部会長のほうからも、次回また直した資料をということで、例えば部会長代理のほうからも、ライフステージで全体がつながるのではないかというお話もありました

また、何人かの委員の皆様方からも、こどもの視点に立ってとか、こどもや若者にとって分かりやすい、そういう柱立てであるべきではないかという御意見も頂戴しました

そうしたことでまた事務局のほうで整理をした上で、部会長にも御相談をして、次回の部会の中でまた御議論をいただければと思っています

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、議題②目指すべき社会像についてです

委員の皆様からいただいた意見を資料に取りまとめておりますので、事務局のほうから御説明をお願いいたします

佐藤参事官:続きまして、目指すべき社会像について、資料3を御覧ください

事前にいただいたものをおまとめさせていただき、また、短期間で恐縮でしたけれども、見ていただきましたので、細かな説明は省きますけれども、かいつまんでお話をしたいと思います

まず、そもそもこども基本法等々でどういう記載がなされているかというところを整理したのが1枚目と2枚目でありますけれども、こども基本法の中では、第一条で法目的として、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、全てのこどもが生涯にわたる人格形成の基礎を築き、ひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指してとあります

まずこれが大きく法律そのものが目指している社会なのだということであります

なので、これをブレークダウンするような形で、また、こどもや若者にとって分かりやすくということで、目指すべき社会を提示するものがこども大綱なのかなと考えています

また、こども基本法の法案審議に当たって附帯決議が出ていまして、参議院の附帯決議を御紹介していきますけれども、日本語憲法及び児童の権利に関する条約の理念にのっとり、こどもの最善の利益が図られ、その人権が保障され、社会全体でこどもの成長を支援する社会の実現を目指すのだと

こうした附帯決議が出ています

また、六でありますけれども、こどもが保護者や社会の支えを受けながら自立した個人として自己を確立していく「主体」であることを踏まえ、真にこどもの視点に立ったこども施策を実施するのだと、言わば権利の主体であるということをしっかりと踏まえなさいということが附帯決議で出ています

その上で、2ページ目ですけれども、内閣官房時代の有識者会議の第2次報告書では、ここで記載のような形で、「こどもまんなか社会」を実現するのだということと、先ほどライフステージでつながっているという話もありましたけれども、若い世代が円滑な社会生活を送ることができて、希望する方が結婚や子育てを主体的な選択で結婚でき、こどもを産み育てることやこどもとの生活が始められて、そうした中でこどもが幸福な状態で育っていく、そうしたことが第2次報告書では記載をされています

また、岸田総理は3月の記者会見において、ここで記載のような、そうした社会を目指したいということを述べているところです

その上で、おめくりいただいて3ページ目以降になりますけれども、皆様方から事前にいただいた意見をなるべく原文のままに近い形で、事務局のほうで何か手を入れるということはなるべく避けるような形でおまとめをしています

なお、個別の施策に関わるような御指摘も多々頂戴をしていまして、それについては資料の後ろのほうにつけています

こちらについても7月以降、具体的に御議論いただくものかなと思っています

僭越ながら、社会像により近いものを中心にまとめを前半のほうでしています

大きく分けまして幾つかありますけれども、まず、こどもや若者の視点に立って目指すべき社会像を提示すべきだろうと

大人から見た望ましい社会の在り方ではなくて、こどもや若者が望む、その声が反映された社会像、こどもや若者にとって具体的にイメージできる表現が大事なのだろうということ

また、「子供を持つ」という表現は、大人の所有物のようであると

それもこどもや若者の視点に立って表現を変えるべきだということ

また、こどもの権利主体性を追記すべきだということとか、方針やこの意見の中でも、若者についても明示的に触れる必要があると

また、何よりこどもを守るという視点を中心に置くべきだということ

おめくりいただいて4ページ目でありますけれども、次に、「こどもまんなか社会」についてより具体的に書くべきだというところで、幾つか御指摘を頂戴しています

保護されるべき側面があるとともに、自ら未来を切り開き、社会を変えていく素地を持った存在なのだと

そうした視点も強調されてよいのではないかと

2つ目ですけれども、一人一人の健やかな成長を実現したり、学びの保障をするというのは、個人の幸福、ウェルビーイングに資するだけではなくて、社会全体にも資するものなのだと

この点は、有識者会議の第2次報告書でも、個人の幸福追求とマクロの社会の幸福追求が両立をするのだというところもうたわれているところであります

また、社会を「こどもまんなか」にする必要がある理由についても、大綱に書き込むことが重要だということ

また、多様な選択肢があることをちゃんと打ち出すとか、「こどもまんなか」についても主語を明確にすべきだというところの御意見を頂戴しています

5ページ目でありますけれども、続いて、こどもや若者が意思表明や自己決定の主体、言わば権利の主体であることについて、しっかりと位置づけるべきだと

再掲になりますが、こどもの権利主体性をしっかり追記すべきだということ

また、若者についても触れる必要があるということであります

3つ目のポツ以降ですけれども、「幸福」とか、「幸福な状態で育つ」というのも、現在進行形、ウェルビーイングのイングの部分を担保していくというところも必要で、現在現在、この一瞬一瞬をこどもが自分らしく生きているのかという部分が大事になってくるだろうと

また、こどもの権利保障という観点を明記することとか、最後のポツですけれども、権利だけではなくて、「尊厳の尊重」というのも加えていいのではないかということです

続きまして、6ページ目ですけれども、自立した個人としての健やかな成長に関して言うと、良好な成育環境を保障する、こども期の経験や成育環境が生涯にわたって影響を与えるということを記述してはどうかという御指摘を頂戴しています

また、少子化対策も含むので、結婚、妊娠・出産、子育てにつなげるという文章は必要なのだけれども、その前段階として、そもそもこどもや若者が社会で自分を生かすこととか、自分を生かせる場所がある、そうしたことの積み重ねが結婚への希望を見いだせることにつながっていく、そういう結婚前にもうワンステップあるのではないかという御指摘であります

また、様々な面で変革な時代でありまして、危機への寛容とか、改革が持つ活力を失わずに、新たに生み出し続ける、そうしたことを位置づける必要があるのではないかという御指摘

また、固定的性別役割分担意識の解消へのアプローチも重要といった御指摘を頂戴しています

続きまして、7ページ目ですけれども、誰一人取り残さないための支援に関してであります

生まれた環境に左右されず、みんなが挑戦できる社会になるのだということ

また、2つ目のポツですけれども、特に弱い立場にあったり、苦しい状況に置かれているこどもをまず優先的に助けるということを考えなければいけない

3つ目のポツも、全てのこどもが暴力や性的搾取、経済的搾取から守られ、孤立することがないといったような文言を追記すべきだという御指摘です

続いて、4つ目のポツが、「こどもは家庭を基盤とし」ということがありますけれども、その家庭が安全・安心でなかったこどもたちも多くいるのだと

家庭が基盤にならなかったこどもや若者のことにも配慮した一文があったりとか、どのような家庭環境で育っても、多くの大人に愛されて、様々な関わりで成長ができることを保障するのだといったニュアンスが重要なのではないかということであります

また、最後のポツでありますけれども、下半分になりますが、こどもを家庭に含まれたものとみなすのではなくて、独立した一つの人権を有する存在であるのだという考え方が基盤に必要ではないかという点の御指摘を頂戴しています

8ページ目が、将来にわたっての幸福とか多様性の問題であります

「幸福な生活」とありますけれども、多様な幸福な生活の在り方を想像しながら議論を進めていくべきではないかと

幸福な状態は、こどもや若者一人一人違うものなのだと、幸せの形は個別に違っていいのだというメッセージが含まれるとよいのではないか

誰もが周縁化されない、多様性が尊重される、そうした社会を目指すべきだというところが指摘をされています

また、下のほうに行っていただいて、少子化関係の話も出てくるわけですけれども、結婚していなくても、1人でも、決して差別されることも、不利益も被ることがないのだと

そして、安心して産み育てられるような優しい社会であればいいのではないかということ

また、結婚を前提としている点について違和感があり、結婚ではなくてパートナーシップといった形の変更はできないのかという話もありました

続いて、めくっていただいて9ページ目ですけれども、個人の価値観を尊重することであります

閣議決定されたこども未来戦略方針で、1ポツ目の3行、引用している部分があります

自由な意思決定に基づくもの、多様な価値の考え方が尊重されるのが大前提だと

こうした部分もしっかりと打ち出すべきだということ

2つ目、3つ目以降も関連ですけれども、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定であるのだと

この6年が少子化トレンドを反転させるラストチャンスだというメッセージがこども未来戦略方針にも出ていますけれども、10代、20代に大きなプレッシャーになっているのではないかと

結婚する・しない、産む・産まないの決定権はあくまで個人にある

特に女性の妊娠・出産に関する健康と権利(リプロダクティブヘルス・ライツ)は侵されてはならないという指摘をいただいています

最後のポツですけれども、まさに自由な選択を尊重する旨の追記が必要なのだと

こども・若者の自由な生き方を尊重することが大事だという点です

最後に、おめくりいただいて次のページですけれども、社会全体で応援をするということを掲げたほうがいいという点であります

社会全体で子育てを行うことの大切さを伝える内容を記載するといいのではないか

また、2つ目ですけれども、家庭が基盤であることに加えて、こどもの育ちというのは共同養育が必要で、またそのときには父親と母親が共同して実現されるような、そういう子の育ちを支える社会的基盤を拡充するのだということ

また、3つ目のポツでも、社会全体で若者の自由を受け入れて、自力で伸び伸びと社会へ羽ばたけるような寛容性が必要であるということ

その次のところも、社会的に応援されるという、応援のメッセージを追加するということが大事なのではないかということであります

全部を御紹介できていませんけれども、こうした御意見を頂戴しているところです

私のほうからの説明は以上になります

秋田部会長:御説明をどうもありがとうございます

それでは、目指すべき社会像につきまして、40分ほど御議論をいただきたいと思いますので、御意見、御質問のある方は挙手をしていただけたらと思います

よろしくお願いをいたします

松本委員、お願いします

松本委員:何回もすみません

松本です

目指すべき社会像と施策の基本的な方向の峻別がなかなか難しいので、分けて議論するけれども、それはまた後で整理をするということが前提になると思うのですが、目指すべき社会像というところで2点申し上げます

1点は、提出メモにも書いたのですけれども、こどもの権利を基本にすると

それは目指すべき一番大きな目標ということでしょうから、こどもの権利の観点をきちんと文言として入れるということは強く主張したいと思います

今日の資料3にもありますけれども、こども基本法のところに、最初に日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとりとあって、附帯決議で念押ししているのです

この間、ほかの例えば児童福祉法も含めて、こども関係のいろいろ法制度の改正のときも、こどもの権利ということを前面に出して議論していこうというのが大きな施策の流れだろうと思いますし、国際的な規範は日本も批准している条約ですので、これは明確に書くべきだということが1点

それは目指すべき社会像という中に

あわせて、こどもの権利と人権一般の保障というのは不可分でありますので、特にこどもの権利を保障する、あるいは守っていくということは、一方で、目指すべき社会として人権全体が尊重される、守ると

それは例えば施策のところで言うと保護者なり親が親の人生を歩めるような観点、親はこどもを育てる道具ではありませんので、そこも目指すべき社会のところにきちんと入れるというのが、まずこれは強い主張です

これが1点

もう一点は、基本的な施策のところかなと思ってそこに書いたのですけれども、皆さん既にコメントがあるので、目指すべき社会像というところにもしこのことが入るのであればということですが、結婚、妊娠・出産とセットになっていることに対する違和感がかなり多くの方から出されていて、皆さんから出されたメモを全部拝見しても、これが一番多いのです

ほかは大体この方向に沿って、でももっとこういう表現がとか、もっとこういう観点が、あるいはここが抜けているということがあるのですけれども、私は数えたのですが、半数近い方からこれに対する大なり小なりの違和感が表明されているということです

これはセットで書かないということが基本です

希望する人はといつも枕言葉がつくけれども、希望しない人はどうなるのだ、これの枠外なのかということになります

結婚というものは、法律婚が予想されるでしょうけれども、それ以外の形もあるし、結婚によらない家族形成あるいはパートナーシップの形成の中でこどもが育まれるということもあるし、そういうことは数としては少数だけれども、そこをきちんと守る、あるいは促進するという観点なくして、この息苦しさというものはなかなか消えないだろうと思うときに、基本的な施策の方向に入るかと思ったのですけれども、目指す社会というところでもしこの文言が入るのであれば、結婚と妊娠・出産というものをセットで書くことはやめるべきであると

結婚というものは、もう少し多様な形があって、むしろ家族形成あるいはパートナーシップ形成というような観点で広く捉え直すと

多様性の保障の観点、多様性を尊重する観点をちゃんと入れるということが2点目の主張です

取りあえず以上です

秋田部会長:ありがとうございます

それでは、続きまして、オンラインで有村委員、お願いいたします

有村委員:ありがとうございます

お時間をいただきありがとうございます

乳幼児までのこどもの育ち部会と重なる部分なのですが、周縁化というところについてお話しさせていただいて、全体の構図でどのように考えていくのかというところに結構大事なのではないかなと思って発言をさせていきます

例えば様々先頃まで御紹介いただきまして、文献を読んでみると、分け隔てなくとか全てのこどもという表現が入っていて、これは大変すばらしいことだなと思って読んでいるわけですが、もう一方で、誰一人取り残すことなくという表現も多々見受けられるわけです

配慮してあげる、そういうことではなくて、対等に対話していくようなものが今回目指されているのかなと思いますので、そこはいかに織り込んでいくのかが大事かなと思いました

私自身も勝手にこういうものかなと思っていたもので、社会的養護の当事者の方の御手記を読んでいると、例えば「特別」という言葉に対してすごく反応されていたのです

特別児童扶養手当というものに対して、自分たちは特別なのかというような言葉を書いていて、ああそうかと

私自身もそこはあまり気にしていなかったのですけれども、そのように感じる方々もいるのだなというのは自分が反省したところがあるのです

どうしても今回の議論の中で言うと、誰一人取り残されることなくと言うと、中心は、何となく私たちが普通と思うものをつくってしまって、そこから外れていくのが特別なニーズとしてしまっていないかと

逆に言うと、周縁化、周りのほうに押しやっているようなところがどうしてもあるのかなと思うのです

内側から外側のベクトルを無意識に私たちが社会の中でつくっているとするならば、逆に、外側から内側にどうやって意見を聴いていくのか、入っていくのかというのがあると思います

先日も同じお話をしたのですけれども、全体で見てみると、例えば平均したり、データを取ったりして、押しなべてニーズというものがこういうふうにあるなと見えてくるものがあると思うのですが、例えば当事者の方々や、今回様々な若者の方とか御経験のある方々が入っておられますけれども、この構造をぜひ生かしていただきたいなと思いまして、困難に直面したからこそ見えるニーズ、実はこれが例えば生きにくさとか様々なところも含めて障壁になっていたり、全ての人が実は感じているニーズだったりすると思うのです

それを教えていただけるのだと思うのです

だから、ある意味、周縁化されている人たちに聴くというところ、外側から内側へのベクトルをどうやってつくっていくのか

それから、もしここが私たちに感じられていない、仮に例えば社会的な障壁をつくっているのであれば、どうやって一緒に解決していくのかという戦略を描いていくような、そういう構図が要るのかなと思っています

全体的に皆さん全てのこどもというところには賛同されているし、その方向はとてもすばらしいなと思いますし、また、このメンバーもすばらしいなと思うのですが、その構図の中で、私たちが何を描いていくのかというところ、内側から外へ無意識に考えてしまうベクトルは仕方がないところもあるのかもしれませんけれども、外側からのベクトル、あるいは多元的なものにどうやったらなっていくのかというところは、あるべき社会像のところでは具体的に織り込んでいく必要があるかなと思いました

どうもありがとうございます

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、矢島委員、お願いいたします

矢島委員:ありがとうございます

事前にもコメントを出させていただいて、盛り込んでいただきました

ありがとうございます

また、他の委員の皆様の御意見も、私もそのとおりと思うものがたくさんありました

その中に書かなかったことを1つ追加させていただきたいのですけれども、こどもを取り巻く環境としての学校や、大人が働く職場、そして地域社会が、共に多様性を受容していく社会に変わっていく必要があるという視点です

これについては過去の少子化対策においても、当初、保育環境の整備をやっていたときには、企業内の働き方があまりに厳しくて、保育整備が追いつかない

そして、企業の働き方がようやく変わってきて、女性たちが妊娠・出産で辞めなくなったときには、今度は保育所が足りない

そして、企業が今度は男女ともにダイバーシティで活躍できる社会をといったときには、社会の中の固定的性別役割分担意識がなかなか解消されず、推進で難しい状況になるというように、社会全体が一緒に変わっていかないと、なかなか様々な施策の効果が出てこないということが問題かと思います

私はこの後、実は探究学習の支援ということで高校でのプロボノ活動がありまして、恐縮ですけれども途中で抜けさせていただくのですが、高校での探究学習支援では、シンクタンクの研究員の特性を生かして探究学習のアドバイスをするということに加えて、高校生とその親御さんに対して「親子で考えるライフプランニング」という講義をしています

去年からスタートしているのですけれども、ライフプランニングの講義で一番重要なのは何かというと、今の高校生たちが、現在の企業において女性が就業継続をしているという実態を知らないのです

御自分の母親の世代の認識で止まっていて、出産時には一旦会社を辞めなければいけないと思っている高校生が多い

それを前提に、進路とか将来のキャリアについて考えているということが非常に問題なのです

せっかく企業が変わってきたのに、社会のほうが、あるいは教育が追いつかないと、そういった問題が出てくる

また、ダイバーシティ&インクルージョンということもそうですし、例えばジェンダー平等やLGBTQ、性的マイノリティーに関するハラスメントの問題などについても、今、企業に対しては、理解増進ではなくて、ハラスメントの防止措置がしっかり法律で義務づけられています

そして、学校教育においても、今、非常にSDGsとの関連でジェンダー平等や性的マイノリティーに関する学習、理解が進んできています

それにもかかわらず、社会においては相変わらずこうした問題に関する差別や分断を助長する向きが止まらないということがあると、社会全体で多様性を受容する社会に変わっていけないのだということで、社会全体が一緒に変わっていこうというメッセージをできれば入れていただければと思います

よろしくお願いいたします

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、オンラインの谷口委員、お願いいたします

谷口委員:ありがとうございます

谷口です

私は、「こどもまんなか」が国の政策なのか、社会の中心に据えるかなど、主語を明確にするべきという意見があったと思うので、その意見について少しお話ししたいなと思います

私もその意見を聞いて確かにそうだなと思ったのですけれども、国がやるのか、社会がそういう社会にしていくのかで全然違うふうに動いていくのかなと思いました

私は貧困家庭の当事者として、私も、生まれた環境に左右されず、みんなが挑戦できる社会になってほしいという意見を伝えたのですけれども、そういう社会になるためには、当事者だけではなくて、当事者を取り巻く周りの人とか、ほかにいる社会の人が、そういう当事者を思って行動することで、その当事者の課題が解決されたり、支援に行き着いたりとかということがあると思うので、国だけとか、当事者だけが動いていくのではなくて、社会としてそういう意識を高めていかなければいけないのだよという意味も込めて、「こどもまんなか社会」は、社会の中心に据える社会像ということを盛り込めたらいいのかなと思いました

私からは以上です

ありがとうございます

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、オンラインの太田委員、お願いをいたします

太田委員:ありがとうございます

非常に皆様方の意見はすばらしいものが多くて、勉強させていただいています

先ほど少し私がコメントした内容を書いていただいていたのですけれども、改めて、目指すべき社会像に関しては、大人目線ばかりではなくて、もう少しこども目線といいますか若者目線も含めたほうがいいと感じております

すなわち、基本的にはこどもが健やかに笑顔で育つことができる社会ということが強調されてはいるのですけれども、こどもにとっての幸せというのはどういうところにあるかということを考えてみた際に、こどもの存在というのは、これから伸びていくいろいろな可能性を持っていて、可能性にチャレンジしていくことができる存在だと私は考えております

そういったことで言えば、何らかの形で夢とか希望とか未来とかいったものが含まれているような表現を目指すべき社会の中に少し入れていただければなと

希望とかというのが、本当はいろいろなこどもに関して様々な選択肢、職業的な希望もあれば様々なものがあるにもかかわらず、結婚、妊娠・出産の希望というところにやや集中してしまっているような気がして、そういった意味合いからも、もう少しこどもの様々なところへのチャレンジをサポートできる社会といった側面が必要ではないかなと私個人は考えております

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、木田委員、お願いいたします

木田委員:ありがとうございます

こども大綱で目指すべき社会像ということですので、一番この大綱を貫く基本的理念を明確に示すことが大事だと思っています

その観点で、松本先生が冒頭におっしゃったところに賛成なのですが、権利基本法、また附帯決議も御紹介いただきましたが、そこで定められてあるような憲法と子どもの権利条約に定める権利を保障しているのだと

その主体、主役がこどもたちなのだよということを明確に書き入れるべきと思っています

何で権利の主体というのが大事なのかというところですが、それとの反対概念が客体ということになります

今までこどもというのは恩恵とか支援を受ける客体と捉えられていたわけですが、子どもの権利条約の締結によって、それをパラダイムシフトで、こどもは支援を受ける客体ではなくて権利の主体というように理念を変換したわけです

私自身、2004年に国連のユニセフでグローバルポリシーセクションというところでインターンをしていましたが、そこでは何をしていたかというと、Rights-BasedApproaches、権利基盤に基づくアプローチが各国どの程度実施されているかというのをモニタリングしていたわけですが、そういったものが我が国においてはちょっと薄かったかなと

それを、こども大綱というこどもを真ん中に据えた画期的なものを新しくつくり出そうということですので、こどもを権利主体としてということを明示していただきたい、分かりやすくしていただきたいと思っています

それはこどもたちに、これは別に大人が勝手に考えていることではなくて、あなたたちのものなのだよというメッセージにもなると思っています

あなたたちが主体として、自分たちの生き方とか、生存とか、幸せとか、健康とか、発達、そういうことを考えるものなのだよということのメッセージを込めたいと思います

1つだけ補足しますと、今、こどもの権利の主流化ということで、ChildRightsMainstreamingということが国連のシステムの中で言われていますが、世界的にも気候変動や紛争、いろいろなことがありますが、国内でも、こどもに影響を与える全ての施策においてこどもの権利を主流に据える、そういったことを念頭にこの議論を進められればと思っています

ですから、目指すべき社会としては、こども権利主体性ということを明記していただきたいと思います

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

それでは、続きまして、堀江委員、お願いいたします

堀江委員:ありがとうございます

委員の皆様の意見にすごく賛同しているのですけれども、大きく2点お話ししていきたいと思います

こども家庭庁のこども大綱というのはすごく新しく、さらに期待感をすごく持っている方が多くいらっしゃるかなと思うのですけれども、先ほど本委員からもありましたけれども、何となく誰一人残さ取り残さないと書きながらも、息苦しさをちょっと感じるような部分がまだ残っているような印象を受けました

そのときに、皆さん、委員がお話しされていた「こどもまんなか社会」というのは、こどもが権利主体であって、さらにあらゆる暴力や排除をなくして、多様性が受け入れられて、ウェルビーイングが増加されるというようなことがシンプルに受け止められることがすごく大切なのかなと思っています

そこをまずシンプルに受け止められるような書きぶりにしていくというところが1点目

2点目が、先ほど皆様からもありましたけれども、結婚、妊娠・出産の一連の書きぶりは変更いただいたほうがいいのかなと思っています

これは目指すべき社会像なので、これだと今と変わらないですよねというようなことを感じていまして、今現在、結婚を希望していても同性婚でできないとか、結婚を希望していなくてこどもを持ちたいというような方々とか、ここに入ってこない方々が3割以上いるのではないかなと思っていて、ここに自分が当てはまっていると思う人のほうがむしろ少ないのではないかなと思っています

正直、今の制度、社会の状況、企業の状況というところでいくと、すぐに変わっていくものではないかもしれないですけれども、目指すべき社会ですので、いろいろな方、自分らしく生きていく、自分らしくありながら家族をもうけられる、いろいろな多様性が受け入れられる、こういったことが目指すべき社会なのだというところを書いていくというところはすごく重要なのかなと感じております

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

それでは、続きまして、駒村委員、お願いいたします

駒村委員:ありがとうございます

今までの議論で、その時代その時代の大人の都合とか価値観を押しつけるという考え方では駄目だというのは、まさにそのとおりだと思います

日本国憲法では、全ての国民は幸福追求を認められているわけでありますけれども、人生にわたってその基盤になるのはこどもの時期だと思いますので、こどもの幸福追求、主語はこどもだということで、生涯にわたって幸福追求できる最初の基盤として、こどもの幸福追求を中心に置くということがあるかと思います

そのために、家族とか格差といったそれを制約するようなものをいかに除外していくか、時代や社会の様々な変化する制約、こういったものをいかに克服していくのかというのが大事になると思いますので、主語はこどもということは間違いないと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、櫻井委員、お願いいたします

櫻井委員:ありがとうございます

私からは、先ほどから出ている結婚、妊娠・出産のところで2点お話しできたらなと思っています

1点目は、結婚、妊娠・出産、子育て、どう生きていくかは個人の自由、これは先ほど皆さんがおっしゃっているところかと思いますが、それをいま一度共有すべきかなと思っています

また、恋愛といった極めて私的な領域に政府や行政が入っていくというところも慎重になるべきなのではないかなと思っています

先ほど佐藤さんから共有していただいたところに、こども未来戦略会議の部分を私のほうから出させていただきました

多様な価値観、考え方を尊重されるというところは大前提かなと思っているのですけれども、この多様な価値観、考えというのが、どういったものが含まれているのかというのは改めて洗い出しが必要かなと思っています

多様な価値観、考えが尊重されるということを私からも申し上げて、大人の都合のいいような解釈になってしまっていて、そこはすごく狭くて、本当はもうちょっといろいろな視点で見ると、先ほどから出ている同性婚とか、選択的夫婦別姓とか、様々なパートナーシップがあると思うので、そういったことをしっかりといま一度、こども・若者の声を聴いて反映すべきではないかなと思っています

2つ目なのですけれども、若い人の話を聞いていると、結婚の課題がいきなり出てくるというよりは、育っていく過程で様々な生きづらさを抱えて、それが結果的に結婚をしなかったり、こどもを産めなかったりとかにつながっていると思うので、そういった成長していく段階での生きづらさとか困難を解決していかない限り、少子化解決は難しいのではないかなと思っています

なので、様々課題はあると思いますけれども、性別とか障害とか様々な生きづらさをなくすことをぜひど真ん中に据えるということを検討いただけるとよいのかなと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、定本委員、お願いします

定本委員:ありがとうございます

私も、意見として述べさせていただいたことをきちんと出していただいて、感謝しています

私は2点申し上げたいのですけれども、意見を出させていただいたのは、子育ては家庭が基盤ということについて、親に虐待を受けているこども、そして宗教2世、親が加害者に加担している家庭ということで、親ではなくこどもを守るということを明らかに示していただきたいと言ったのですけれども、これはそういう特別な家庭だけの問題ではなく、そうでない一般の普通の家庭にも言えることだと私は思うのです

あまりにも家庭の養育、子育ては家庭が基盤、家庭が中心としてしまうと、子育てしている親は本当にしんどい

私は非行の親御さん、それから不登校の親御さんをいっぱい見ていますけれども、本当に子育てがしんどいのです

親の責任ということで、親が責められ、一生懸命しているけれどもこどもがうまくいかないということは、本当に親が責められる

特に母親が責められる

それを見ていたら、本当に何もいいことはないなと周りが思っても仕方がないと思うのです

親にしても、こどもの出来がよかったら親が褒められる

こどもがいい学校に行って、よいふうになったら親の手柄であるみたいな感じになってしまうので、たとえちょっとした障害があっても、どんなこどもが生まれても、私たちはこども一人一人を国が守りますとしっかり言っていただかないと、気軽に産めないのですよ

もうすごく重いのですよ

だから、たとえどんな子が生まれても、どんな親の下で生まれても、独りでも、同性婚でも、結婚していなくても、気軽に産めると、そういうふうに宣言していただきたい

もう一つ、結婚、妊娠・出産、子育てを一まとめにということに違和感があるという御意見が半数以上からあった

私は数えていないのですけれども、とても健全な会議だなと私は思いまして、感謝しております

結婚ということをして妊娠すると、それなりの社会的信用とか法的に守られるということがあると、どうしても結婚せずに産むという人はちゅうちょしてしまうのです

それがフランスとかと比べて、非嫡出子の割合が日本は本当に少ない

あれが如実に表しています

独りでも産みたい、独りでもこどもを育てて、自己実現、愛情をたっぷり注いで育てたいという女性の気持ちを本当に尊重してくださるような国になれば、こどもを産みます

私は、成果目標として、数値目標を挙げるのであれば、日本の非嫡出率がフランスぐらい、50%ぐらいになれば成功だと思うのです

フランスは、とにかく結婚と妊娠を切り離したから少子化が反転したわけです

フランスにもう一点学ぶところは、フランスには周産期精神医学というのが国の予算で出ていまして、それこそリスクのある妊娠とか、望まない妊娠とか、それから特定妊産婦の問題を精神科が妊娠中からしっかりとサポートしているのは、国から補助しているのです

日本は、望まない妊娠・出産に対して本当に冷たいと思っているのですけれども、そういうことも含めて、誰が独りでも安心して産めるということをこの機会に日本も示していただければ、私はとてもうれしいなと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、岸田委員、お願いいたします

岸田委員:ありがとうございます

あるべき社会の姿ということなのですが、先ほど来の委員の先生方の意見に私も全く賛同で、こどもが権利の主体であるということを明示する必要があると思っております

同時に、こどもたちが、自分が権利の主体であると感じられる社会であることが必要だと思っております

それは今回文科省の教育課程の話とも連動するということですので、ぜひ学校教育の中で、こどもがこどもの権利について学べる機会が確保されるという意味で、こどもたちがこどもの権利について学べること、そしてそれを感じられるように、こどもと接する全ての大人がこどもの権利について学ぶ機会、学べる社会であってほしいと思います

そして、堀江さんが先ほどおっしゃった社会の問題点、課題を阻害していくということの重要性という意味も非常に重要だと思っておりまして、理想を掲げるのと同時に、暴力にさらされるこどもが今、多くいるわけですので、あらゆる暴力や性的あるいは経済的搾取からこどもを守るといった文言も必要なのではないかなと思っております

同時に、社会側がどうやってこどもの権利を守っていくのかという意味では、まずは社会がこどもの発達を理解するといった視点も必要なのではないかなと思います

こどもの泣き声であったりとか、遊ぶときの声であったりとかということがまだまだ騒がれてしまう社会に私たちは生きているわけなので、そうしたこどもたちの健やかな成長、発達を理解する社会であってほしいということを申し上げたいと思います

また、少子化に絡んだところで申し上げると、これも阻害要因という意味で、経済的あるいはキャリアに対して親がリスクを負わない社会を目指す必要があるのではないかなと思っております

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

続きまして、オンラインの村宮委員、お願いいたします

村宮委員:ありがとうございます

村宮です

先ほどの矢島委員の御意見にすごく同意しました

そこに勝手ながら私の意見を補足させていただきたいと思います

今、学校での社会に出た後に結婚、出産を経た女性のイメージというのが、いまだに若干低い位置づけにされているというか、そういう印象を持ちます

教えられる立場の私からしても、社会に出た後の女性というのは、昔は大分仕事を辞めなければいけなかったり、家庭に専念しなければいけないという過去があった

でも、今は大分ましになったというふうな教え方が一般的というか多くあって、そういうニュアンスで聞いてしまうと、聞いている学生自身が、私が妊娠・出産した後も、もしかしたら仕事を辞めなければいけないのではないかという懸念をしてしまうのです

そうではなくて、昔よりは今はましになったということは、今後もどんどんよくなっていく

それを今、会議で話していることなのですけれども、そういうことを学生がイメージしづらいのではないかなとすごく感じます

そうではなくて、もっと将来に希望を持てるような教育というか、キャリア教育、職業の選択をできるような伝え方、教え方をしていかなければならないのではないかなと思います

そうは言っても、教えてくださる教員の皆様自身が経験をしていないということがあって、そもそもの社会に出た女性のイメージの根底が今とは若干違うということがあるのではないかなと思います

でも、そうではなくて、それがあるからこそ職に挑戦できないとか十分な選択ができない学生が出てくるので、社会の状況を踏まえた現状をしっかり教育の現場に落とし込んだ上で、長期的なライフプランとしての職業選択とか、結婚、妊娠の選択を正しく学生に伝えていくべきなのではないかなとすごく思いました

希望を持てるような選択、自由な選択というのを、自由ということも強制ではないのですけれども、様々なタイプをちゃんと学生に伝えていかなければならないなと思いました

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、新保委員、お願いいたします

新保委員:私はずっと会議を聞かせていただきながら、こども大綱で言うところのこどもは誰なのだろうとずっと考えていました

こども基本法の中では、心身の発達過程にある者と書いてあります

ところが、議論の途中では、こども・若者と書いてあるものが出てきて、ということは、若者が入っているから、こどもでない若者が存在するということが前提なのかなという気がいたします

これをどう考えるのか

それから、例えばこどもというのは、時々話を聞いていると、18歳未満としてイメージするとき、これは今までの法令がそうなっているということからの残像なのだろうと思うのですが、もしそうであるとするならば、こども大綱で言うところのこどもは、例えば親になった者はみんなこどもから外れるのかどうなのか

さっきから親、子という話が出てくるときのこどもは、親になったらこどもでなくなるのか

それから、若者になったらこどもでなくなるのか

そんなことを考えていました

それから、こどもの視点とか若者の視点というのが時々出てきましたけれども、こどもの視点といっても、一本化するのは結構大変だろうなと思います

大人たちの意見がばらばらであるのは自分で実感として分かるのですが、こどもの視点もばらばらなところがきっとあるのだろうと思います

同じことを若者の視点でも

このばらばらさ、これは多様と言うといいのかなと思いますが、その多様さは大切にしたいなと考えました

以上でございます

秋田部会長:どうもありがとうございます

松本委員、どうぞお願いいたします

松本委員:2度目ですけれども、よろしいですか

何点か

先ほど、こどもの権利というのを中心に置くべきだということは何人かの方から出ました

そのことについての補足ですけれども、この基本政策部会というのは、子どもの権利条約の国連からの意見の審査についての対応もするのですね

ということは、こどもの権利ということについて、一般にこの基本政策部会で扱うということになって、そういうことの観点からも、こどもの権利ということを中心にするということが入っていないと逆に不自然というふうに強く思いました

これが1点

2点目は、家族のことについて、特に結婚ということについて、たくさんの方からいろいろな疑義が出ました

これはすなわち、先ほど枠組みのときに申し上げましたけれども、3つ並んでいるものの3つ目は、こういう書き方ではない形で見直すということを含んでの議論だと考えております

これが2点目です

それと、先ほど駒村委員から、こどもの権利あるいは幸福追求権を基本にして、それを実現するために、あるいはそれを阻んでいるものをなくしていくという観点で構成すべきだと

これは、どういうロジックを立てるかというときに大変重要な御指摘だと考えます

こどもの権利というふうに考えたときに、こどもを主体と考えるというのは、こどもは権利行使の主体だと

そうすると権利行使をしていく基盤があるわけで、権利行使の基盤をきちんとつくっていくというときに、格差、貧困から守られるとか、障害があってもきちんと権利の行使ができるとか、そういう観点から全体を整理するということはあり得ることだと考えております

あと、新保委員のほうから、今、意見の多様性ということをおっしゃいました

多様性というのはとても大事で、こどもの意見表明権ということを言った瞬間に、周りが聞く責任がある

むしろ、聞く責任あるいは聞くための仕組みをきちんとつくるということが意見表明とのセットでありますので、制度を考えるときには、むしろそちらのほうに重点を置いて意見表明の問題を考えるということが重要かと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、原田委員にお願いして、ここの部分は終わりにしたいと思います

原田委員、お願いいたします

原田委員:ありがとうございます

私からは大きく2点、聞いていて思っています

1点目は、こどもの自由な選択、結婚のところで、もっとこども・若者を信じて自由な選択を尊重してほしいなと思います

最初のほうに、委員からの意見というところの例にあるように、こども・若者、僕自身もいろいろな希望とか夢を持っている中で、結婚だとかそういうところに夢が集まってしまうのが非常にもったいないなというか、こども・若者、もっとできるぞと思います

2点目が、いろいろな課題に対して、出てきたものに対して対応というのもすごく重要だと思う一方で、今は出てきていないこどもの声から出てくる課題とか思いというものもあると思っています

ですので、出てきている課題に対して対処すること以外のこどもの声から取組を始めていく、こどもから見える社会を変えていくというところ、そういったことを支える仕組みも盛り込んでほしいなと思います

すみません、少子化のところにまた戻ってしまうのですけれども、今、少子化対策は必要だと思いつつ、それが今を生きるこども・若者を苦しめていては、「こどもまんなか」というのに本当になっているのかなと思います

また、これはいろいろあると思うのですけれども、新たなこどもが誕生することももちろん少子化対策だと思う一方で、具体的には出てこないのですけれども、ほかにもいろいろな形があるのではないかなと思います

こどもを産むことだけが少子化対策ではないというところが何かあると、こども・若者にとっても別の形で少子化対策に関わることができるのだとなるといいなと思っています

また、身近な大学生に聞いたときとかに、今の子育て世代が子育てに苦労している姿を見ると、大学生はそれに夢も希望も持てなくなっているので、今の子育て世代、若者かどうか分からないですけれども、今の親世代への支援も何かやってほしいなと思います

最後に、こういう社会像こそ、僕はもっとこどもとか若者の意見を集めて、こども・若者の望む社会像がどのようなものなのか、それと大人の望む社会像とか大人にできることが何なのかというところを考えていってほしいなと思うのと、具体的なところになるかもしれないですけれども、こういう意見とかを大学生から集めるときに、すごく文字ばかりの資料というところがちょっとなと

作ってもらっているのですけれども、もうちょっとグラフィックレコーディングとか、イラストとか、今の大学生が意見を言いやすくなるようなものがあるといいなと思います

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

あと田中委員、清永委員も手を挙げてくださっていますので、お願いいたします

田中委員:ありがとうございます

目指すべき社会像ということで、私自身の意見も取り入れていただいて、そして、これまで皆さんのお話を聞いていて、ほとんど異論なく共感しているというのが正直なところです

それを踏まえて私自身が感じているのは、誰一人取り残さないという表現と、困難を抱えるこども・若者という表現がちょっと気になっていました

ある女の子、20代の社会的養護を経験した子と、こども家庭庁でこういうことを話し合っているのだよねという話をしたときに、「いや、誰一人取り残さないと言っているけれども、私たちは取り残されてきたから、そこを大人は自覚しているのかな」という話があって、その上で、皆さんで今日この場ですり合わせというか、こういった土壌の中でこれから話を進めていきたいなと思ったのは、まず、そういった法律のはざまだとか、大人のめがねによって、非行少年、非行少女、またはいじめをした被害者とか加害者とか、そういうふうなこどもたちを大人も知っていながら見過ごしてきた現状があるというのをまず私は自覚したいと思っています

もし仮に私がもうちょっと偉い人であったら、本当にみんなごめんねと

本当は知っていたけれども、何もできなかったと

そういうことを伝えたい

その上で、今、ようやくみんなのための法律ができるから、もっとみんなの声を聴きたいよ、みんなと共に法律とか大綱を考えていきたいのだよという、第2次報告書でも「こどもと共に」という視点が大切だという御意見がありましたけれども、そういったところを大切にしたいと思っています

困難を抱えるということについてですが、私自身は、困難を完全になくすことはできないと思っています

そういった困難に直面したときに、ここでも周りの大人たちが、「ああそうなのだ」と

「これからどんな支援があるのだろうね」とか、「あなたはどうしたいの」と、こどもと共にという視点を周りの大人たちが持って、必要な支援やサービス、またその先の人生をどうするかというのを一緒に考えられる、そういう土壌があった上で目指すべき社会像という話になっていくと思うので、やはりまず私はみんなに謝りたい

そして、皆さんももしそういう気持ちがあるならば、そういう前提を持って今後の大綱づくりを一緒に頑張っていけたらと思いました

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

清永委員、お願いします

清永委員:清永でございます

短く

私は、こども大綱の委員に携わらせていただいて、こどもたちと共に未来の社会像をあなたは描けるのかということをとても突きつけられているなという思いでここに座っております

この大綱の資料を様々拝見して、様々な委員の方々の御意見が一言に反映されたようなスローガンというか、こども大綱を、私たちはこれを目指して、これをつくっているのですということがわかるような、これは今後また変わってくかもしれないけれども、今の時点でのベストですというところを一言で打ち出すというのも必要かなと思いました

実は私はこどもが2人いて、大学生なのですが、それと取り残してはいけない高齢者もいますので、このこども大綱の資料を見ながら、何か1つスローガンを考えてみようという家族会議を開きました

その中で出てきたのが、「寛容で活力のある新教育社会」というものがいいのではないかということでした

加えて「多様化して非寛容的で危機に満ちた不安定な社会を越えるために」という副題も考えました

「なにか、閉塞したものを越えて行きたいよ、お母さん」という意見があったので、そういったことを家族で考えました

このスローガンの議論の前提にあったのが、この書類の中にも書いていただきましたが、「現代というのは様々な変革の時代である

変革というのは、つまり危機となって日常生活に現れている

」ということでした

まさにこども大綱のイメージでつくってくださっている様々な困難を抱えるこども・若者、家庭支援の中にも、たくさんの危機が埋め込まれております

たくさん困難があるのですけれども、これを解決するには、危機への寛容と改革が持つ活力が必要であるのではないか

そのために新しい教育、学校だけではない、みんなが助け合う、困ったときに、危機の時代には助け合うことが必ず必要で、そこを全面的に打ち出したものが必要である、そのためには、前回も申し上げましたが、コーホート調査のような、例えば自殺であったり虐待であったり、そういったものの前に何があったのか

そして、そうした様々な困難を経たその後、どう生きていっているのかといったような、追跡できるような調査を基にして、常に新しい対策を打っていく

つまり、危機には連続性もあるし、それから強さと深さというか、変化の速さや質的なものとかがあるので、そういったものも捉えながら大綱をつくり、常に刷新していく必要があるのかなと思いました

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、目指すべき社会につきまして、本日の御議論を踏まえて、次回、事務局からまたおまとめいただいて出していくことにしたいと思いますが、事務局のほうから何か応答がありましたらお願いをいたします

どうでしょうか

佐藤参事官:1点だけ

新保委員から御指摘のあった平仮名の「こども」と「若者」の件についてなのですが、お手元の参考資料1-2、内閣官房時代の有識者会議の第2次報告書をお開きいただいて、2ページ目の「はじめに」のところに注釈があると思うのですけれども、それを御覧いただければと思います

今、法令では、年少者や若年者を表すものとして、漢字の「子」に平仮名の「ども」で「子ども」とか、「児童」とか、「青少年」とか、いろいろな用語が使われているのですけれども、定義がかなり様々です

例えば同じ児童で18歳未満を指している法律もあれば、「青少年」という3文字で18歳未満を指している法律もあります

権利条約は18歳未満の全ての者を「児童」と定義しています

こども基本法は、委員からも御指摘がありましたけれども、心身の発達の過程にある者という定義になっています

議員立法ではありますけれども、この解釈は、ここの注釈にも書いていますけれども、18歳や20歳という特定の年齢で区切らないのだと

社会生活を円滑に営むことができるようになるまでを伴走していくのだという思いで、平仮名の「こども」というのが定義づけられています

一方で、子供・若者育成支援推進大綱でありますけれども、「若者」という用語は、法令上定義がありません

ただ、子供・若者の大綱の中で、若者というのは思春期、中学生からおおむね18歳までです

それと青年期、おおむね18歳以降からおおむね30歳未満、施策によってはポスト青年期とされています

なので、こどもと若者は重ねられる部分がもちろんあるのですが、こども大綱は、従来の子供・若者育成支援推進大綱の内容も含みます

なので、青年期の全体が射程に入ることを明確にする場合は「若者」という語を用いるということとか、また、それ以外にも、基本的に重なり合う部分が連続性を持っていくときには、この第2次報告書の中では「こども・若者」と併記をする形で言ったほうがいいのではないかということでまとめられています

こうしたことも踏まえながら、この場で御議論いただければと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、これから10分間の休憩といたしたいと思います

10分はないですが、3時10分から開始ということにさせていただきたいと思います

議題3に移りたいと思いますので、よろしくお願いいたします

休憩の間は、ユーチューブの配信を停止させていただきます

ありがとうございます

(休憩)秋田部会長:それでは、時間になりましたので、再開させていただきます

最後に、議題③基本的な方針につきまして御議論いただきたいと思います

こちらも委員の皆様からいただいた意見を資料に取りまとめておりますので、事務局から御説明をお願いいたします

佐藤参事官:それでは、資料4を御覧ください

まず、1枚目でありますけれども、こども基本法の中では、基本理念として、第三条に6つ掲げられています

第一号が個人としての尊重、人権の保障、差別的取扱いを受けることがない

2つ目が、適切に養育される、生活を保障される、愛される、保護される、また教育を受ける機会が等しく与えられる

3つ目が、全てのこどもについて自己に直接関係する全ての事項に関して意見表明の機会、社会参画の機会

4つ目が、年齢及び発達の程度に応じて、意見が尊重されて、最善の利益が優先して考慮される

この4つは、児童の権利条約のいわゆる4つの原則の趣旨を踏まえて、議員立法の中で規定をされているものです

第五号と第六号が子育てやこどもの養育に関してでありますけれども、第五号のほうが、こどもの養育については家庭を基本として行われる

その中で、父母その他の保護者に対して、こどもの養育に関して十分な支援を行うと

これは社会全体で支援するということを意味しているわけですけれども、こどもの養育に関して十分な支援を保護者に対してするとともに、家庭での養育が困難なこどもには、できる限り家庭と同様の養育環境を確保するのだということです

第六号目が、家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備するのだと

まず、これが法律でうたわれている基本理念であります

したがって、基本的な方針に関しても、こういう理念をブレークダウンするような形で、どのようにこども大綱のほうで示していくかということになるかと思います

内閣官房時代の有識者会議の第2次報告書で論点整理がされた中では、この1枚目の5つが論点の整理として提示をされています

1点目が、こども・若者、結婚・子育てを希望する方や子育て当事者の視点に立って考えること

2点目が、ライフステージに応じて切れ目なく対応

3点目が、全てのこども・若者への対応を基本としつつ、こどもや若者の現在と将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないように

4点目が、結婚や子育てに希望を持つことができて、その希望をかなえる

5点目が、政策の総合性確保、関係省庁、自治体、民間団体等との連携です

第2次報告書の記載の詳細については、14ページ目以降でおつけをしていますので、必要に応じそちらを御覧いただければと思います

これをベースに、有識者会議の第2次報告書で掲げられたこの5つにつきましては、昨年9月から半年間ぐらい有識者会議の中でも御議論をいただき、また、「こどもまんなかフォーラム」等々、こどもや若者、子育て当事者の方々、いろいろな方々の御意見を聴いたことを踏まえながら、論点の整理として提示をされています

なので、もちろんこの5つでなければ絶対駄目ということではないのですが、そうした議論の蓄積も踏まえていただきながら、どういうところが足りないかとか、どういう点が重要かとか、もしくはこういう点がそもそも抜けているから新しく立てるべきではないかと

これをベースにしながら、議論の蓄積を踏まえながら、御議論をこちらに関してはいただけたら大変ありがたいと思っています

おめくりいただいて、2ページ目からが事前に委員の皆様方からいただいた御意見であります

簡潔にかいつまんで御紹介をします

こちらに関しては便宜上、論点整理で掲げられた5つにのっとって整理をさせていただいています

なるべく近しいところにそれぞれの委員の方々の御意見を入れています

まず、最初の当事者の視点のところでありますけれども、当事者の視点を大切にして、その声を聴きながら、ともに考えていくといったニュアンス、表現のほうがいいのではないか

また、子育ての当事者に関しては、子育ての「家庭」という言葉を追加したほうがいいのではないかということです

3点目が、基本的人権とか権利の保障という観点を基底に置かなければならないのではないかということ

4つ目ですけれども、こどもや子育て当事者の意見表明権や参加の権利が保障されなければいけないのだということ

また、その次のポツですけれども、社会の持続性にはこどもの養育を含むケアが不可欠なのだと

そうした観点をしっかり踏まえるべきではないかということ

このページの最後ですけれども、希望する人の視点にしか立たないように取れるような表現ではなくて、全てのこども・若者の声を聴き入れる、当事者の声を聴きながら、こちらも共に考えていくといった表現がいいのではないかということです

おめくりいただいて、今度は2点目のこどもや若者のライフステージに応じて切れ目なく対応していくことでありますけれども、ライフステージというと乳幼児期から大人になるまでという縦のつながりをイメージするわけですが、それだけではなくて、横のつながり、家庭や学校や地域のつながりも重要であると

そうした視点を加えたような表現のほうがいいのではないかということ

2つ目のポツですけれども、ライフステージに応じて切れ目なく、全てのこども・若者、子育て家庭に対応していくと言ってはどうか

政策的にライフステージに応じて対応される対象というのは、こどもや若者だけではなくて、そうしたこどもや若者を育てている家庭も含まれるのだということであります

3点目が、施策や支援の分断を、年齢で分断されるのを防いで、連続性を確保しなければいけないということです

続いて大きな3つ目、全てのこども・若者への対応を基本としつつ、こどもや若者の現在と将来がその生まれ育った環境に左右されることのないようにすることについてでありますけれども、まず最初のポツは社会像のほうでももちろん出てきた話ですけれども、権利の主体として明記をするのだと

権利に基づくアプローチによってやっていくべきなのではないかという点が最初の点です

その次に2つポツが続くのが、尊厳の関係です

個人の尊厳を守るのだということ

こどもや若者の個人としての尊厳が守られて、安全で安心して暮らすことができるようになるのだといったことを出すべきではないかというのがまずあります

その次、4つめのポツから4つぐらいが多様性の関係です

全体的に健康なこどもを対象にしているように見えてしまうのではないか

様々なこども、障害を持ったこどもや施設で育つこどもについても考えていくべきだということ

そうした障害の有無とか性とか自立とか、多様性を尊重する、差別や不利を容認しないのだということ

誰もが周縁化をされない、多様性を尊重するということが盛り込まれていいのではないかと

育ちや成長における多様性というものへ対応を追記してはどうかといった御指摘を頂戴しています

その次のポツから3つぐらいがインクルージョンやジェンダーの関係です

インクルージョンやジェンダー平等の視点がある

インクルーシブな考え方、思想を社会全体に広げていく

社会全体をインクルーシブにしていくのだということとか、性別による生きづらさをなくすことをど真ん中に据えるのだと

乳幼児期から大人に至るまでの全ての段階でジェンダーの視点を大切にされるべきだということであります

同じく、全ての施策の立案、実施で、ジェンダー平等を促進する方向が取られるべきではないかということです

最後の2つは貧困をはじめ様々な困難の話であります

貧困というのは個人の選択を制約するのだと

社会の持続性も損ねるのだと

全ての施策の立案、実施で、貧困及びその影響を緩和する方向が取られなければならないと

次のポツですけれども、全ての施策の立案とか実施に際して、何らかの不利・脆弱性に直面する個人、こどもや若者を想定して、その不利・脆弱性にかかわらず、アクセスとか利用可能なものにしなければいけないということであります

続いて、おめくりいただいて、大きく4つ目の結婚や子育てに希望を持つことができ、その希望がかなうようにすることであります

これも社会像のところでも大きく御議論いただいたところと重なる部分が結構多くあります

まず、その中での1つ目が、結婚や子育ては個人の選択であるのだと

価値観を押しつけないという点で幾つかいただいています

子育てに対するあるべき論というのが、子育て世帯の負担感の増幅とか、こどもの幸福に反するような事態にならないようにしなければならない

個々の事情により、結婚、子育てを望まない若者も一定数いるのだと

その思いを踏まえた内容にしなければならない

当事者にプレッシャーを与えないような方針にしなければならないということです

また、4つ目のポツの後半のほうですけれども、当事者の意見を収集しながらこの議論を進めなければいけない

特に大学生世代の女性からは、結婚、子育てにプレッシャーを感じるという意見がある

そういう当事者の意見をちゃんと踏まえながら考えていくべきだということであります

その次ですけれども、恋愛、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定であり、プレッシャーを与えたり、生きづらさを与えない、そういう方針にしなければならない

次のポツでは、多様な価値観を尊重し、多様な選択を目指すことができるのだと

その次も同じでありますけれども、希望を持つことができて、希望をかなえる、あらゆる選択を可能にするもそうですし、また、自己の選択を否定しない、そういうインクルーシブな考え方を入れるべきだということであります

次の小見出しというかカテゴライズが若者の視点であります

「こどもまんなか社会」の枠組みでの少子化対策を考えるということは、現在を生きるこどもや若者の最善の利益を確保しながら少子化対策を考えるのだと

こどもや若者と一緒に、こどもや若者の意見やニーズを踏まえた少子化対策を検討する必要があるのだということです

もう一点、こどもが大人や家族と当たり前に信頼関係を築けるということを重視するべきではないか

そうすることが、次世代に親世代となって、家族を持つことにもつながるのではないかということです

おめくりいただいて6ページ目、続きですけれども、こちらも同じです

若者と共に意見やニーズを踏まえた対策を検討する必要があるのだと

大人が若者のニーズを検討し、把握をするのではなくて、若者から意見を聴くことが大事だと

結婚や妊娠以前の若者たちです

続いての○が、家族の在り方の多様化であります

これまでの将来像の議論でも、結婚と妊娠・出産を結びつけているというお話もありました

まさにその点でありまして、結婚、妊娠・出産という表現を、例えば「家族形成、子どもを持つこと」に変更してはどうかという話であります

2つ目のポツですけれども、大綱において結婚をどう位置づけるかについては、いま一度議論が必要だと

その次のポツですけれども、多様な婚姻の形を模索検討すべきではないか

その次のポツ、家族の在り方の対応化を認めるための制度上の整備についてはなかなか現時点では難しいかもしれないけれども、若者にとって息苦しさをこの文章は感じるので、そういうものではないものにすべきではないかということです

次の○が就労に関する視点でありまして、結婚や子育ての不安の一つとして経済的な理由があるので、就労に対する視点を加えるべきではないかということ

続いて、一番下の白い○ですけれども、固定的性別役割分担の関係です

そうしたものの意識の解消とか、特に女性に偏っているような負担感、キャリアの断絶、そうしたものをしっかりと捉えて、安心して、育児時間を確保しながらキャリアを継続できる、そういう保障は、安心してこどもを産み育てる希望をかなえる基盤となるのではないかという御意見を頂戴しています

おめくりいただきまして7ページ目、最後の5番目の施策の総合性の確保、関係省庁、自治体、民間団体の連携でありますけれども、地域で青少年教育等々に取り組む団体も加えてほしいということとか、国と自治体の責任の所在をより明らかにすべきではないかという御意見、また、ここでは民間団体等との連携となっているのですが、専門機関とかそういうところだけではなくて、若者との連携が必要ではないかという点

最後のポツは、連携をすることは当たり前で、連携をした上でどうしていくか、そういうアウトカムを意識することが大事なのではないかという御指摘を頂戴しています

最後に、その他と書いてしまったのですが、全体に関係することとして、全体的に固定観念というか、そういう選択肢とか、インクルーシブではないような表現であったり、文言であったり、そういうふうに受け取れてしまって、若い世代、若者たちがこれを見て、自分たち目線ではないなとか、自分たちの状態は理解されていないと感じてしまうのではないかと

そうした点の御指摘がありました

ここは先ほどの将来像のところでも御指摘がありました

こどもや若者にとってどういうふうに見えるのかという点が大事なのではないかといった御指摘かなと事務局としては受け止めています

私のほうからは以上になります

秋田部会長:御説明をどうもありがとうございました

それでは、基本的な方針につきまして、これから4時少し前まで御議論をいただきたいと思いますので、御意見、御質問のある方は挙手をお願いいたします

堀江委員

堀江委員:御説明ありがとうございました

意見表明のところとかもいろいろと入っていて、すごくいいなと思っているのですけれども、3点お話しができたらなと思っています

先ほど原田委員も話されていたように、こども・若者という全部のことが大綱に入っているにもかかわらず、なぜか結婚、出産というところに集約され過ぎているというところはもちろんあるのかなと思っておりまして、教育の点や職業選択や継続、そして将来の生き方というところに関してポジティブに考えられるというところはすごく重要かなと思っております

恐らく私たちもそうだと思うのですけれども、結婚しよう、こどもを産もうと思っているわけではなくて、将来の生き方がポジティブに考えられるというところの中で、いい人がいればパートナーシップを組み、こどもを産んでいくというところで、少子化にも結局つながっていく内容にもなるかと思うので、こども・若者となったとき、生き方全体というところに関して、しっかりちゃんと捉えているのかというところは、視点として持ったほうがいいのかなということを感じました

2点目、先ほどお話もあったかなと思うのですけれども、家庭が基本というところはちょっと危険だなというところは思っておりまして、子育て家庭としても、社会で見ていく、子育てが開かれているということが基本であるということが、息苦しさがなくなっていくことにもなりますし、切れ目のない支援をしていくとなったときに、子育ては家庭が基本となってくると、切れ目のない支援をさせないようにしていくと思うのです

開かれている、社会が見ている、だから切れ目のない支援を社会がしていくよという話にしてかないと、話がそもそも親御さんとも通じなくなってくるので、家庭が基本だよというのは、開かれているというところがすごく重要かなと思いました

3点目、(4)にあるこどもを希望する、結婚や子育てに希望を持つことができ、その希望をかなえられるようにするということなのですけれども、望まない人もいるではないかという意見もあったのですが、ここでお伝えしたいなと思うのが、矢島委員もおっしゃっていたのですけれども、若い方々が全てを知って望まないと言っているわけではなくて、今のワーキングペアレンツがどんな生活をしているのかとか、多様な家族の在り方があるのかとか、働き続けられるのかみたいな現状を知った上で、望む望まないという選択しているわけではないというところが今、現状としてあるのです

そうなったときに、まずは多様な選択肢を知る機会を持っていく必要性があるのではないかなと思っていまして、私自身が13年前から体験型の子育て体験のプログラムをやっているのですけれども、ワーキングペアレンツの実態を知ることによって、今まで子育てにネガティブなイメージを持っている方が8割以上いたのが、9割以上がポジティブになっていくのです

それは働く希望と、子育ての希望と、多様な家族の在り方を学ぶということをして、ようやくやってみようとなるという状況なのかなと思うので、それこそ中高生の家庭科で必須でそれを学ぶぐらいのところも必要なのではないかなというぐらい、選択肢を知る機会をしっかりと入れていくというのは大事なのかなと思いました

以上になります

秋田部会長:どうもありがとうございます

続きまして、駒村委員、お願いします

駒村委員:ありがとうございます

基本方針ということですから、かなり政策につながる議論だと思いますので、少し絞ってお話ししたいと思います

政策につながるとなると、資源とそのツールということを考えなければいけないと思います

委員からの御意見の中にも複数見られるのは、いろいろな政策を達成するわけですが、その政策を遂行する現場の方の負担がどうなのかということが繰り返し書かれています

保育士、教育関係者、福祉の現場の方たちがこれをまさに担うわけですけれども、この人たちの負担がかなり大きなものになってきている

様々な改革を行って、本当にその改革が有効だったのかどうかも分からないまま、漫然と続けられている傾向もあるのではないかと思います

様々な研修を加えたり、資格を加えたりしているわけですけれども、その効果はいかがなものかというのをきちんと検証する、あるいは負担に対してしっかりと資源を投入する、人材を確保する、処遇を改善することは当然だと思いますので、そういうのがあって初めて機能するものだと思います

それから、検証ということになりますけれども、私は経済学者なので、限られた資源の中でやらなければいけない、効果的な政策を取らなければいけないわけですので、当然エビデンスベースドで政策がつくられなければいけないわけですが、どこまでエビデンスベースドができるのかどうかと

単にロジックツリーみたいなもので確認して、それで十分なのかどうかと

諸外国のエビデンスベースドの議論というのは、極端な場合、因果推論までちゃんと見て、本当に政策がこのために効果があったのかどうかというものを見ているわけです

そのためには、データを十分取るということと、それから、こども家庭庁にその検証能力があるのかないのか

もしなければ、これは分かりませんけれども、科学研究費みたいなものをきちんと確保して、外部機関ときちんと連携できるような体制も取っておかなければいけないと思います

まさに今、起きているコロナの問題などもきちんと追跡データを取っておかないと、諸外国ではこの間のコロナで、保育者との会話の回数が減ってきたこと自体がこどもの言語能力に悪影響を与えているのではないかという議論も出てきておりまして、この問題は10年後、20年後に大きな問題になる可能性もありますので、今からきちんとデータベースをつくって、根拠に基づく政策がつくれるようにしなければいけないと思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

続きまして、定本委員、お願いいたします

定本委員:ありがとうございます

これまでの御議論も聞かせていただきまして、子育てが家庭を基盤としたというところが本当に浮き上がってくるというか、この辺は検討しないといけないことかと思いました

あともう一つ、国として強力にやらなければいけないことと、国があまり介入すべきでないことがあると思うのです

結婚というのは、何度も言われていることですけれども、個人的な問題ですし、いろいろな多様性の含まれるものなので、私は国が介入すべきことではないと思っています

そして、結婚、妊娠・出産とか子育てというのは、多分に人間が性的な存在であるということに直接関わる問題ですので、私は、それでは国は、できるだけこの国に生まれたこどもや若者が幸せな選択をして、自分自身を生き生きと次世代につないでもらいたいと思うときに何をすべきかといったら、こどもの時代から性に関わる正確な知識、それからきちんとした情報を与えることだと思うのです

やはり私は、性教育と言ってしまうとあれなので包括的性教育でもいいのですけれども、人間教育であり、コミュニケーションとか自分の生き方、ライフプランニングを含めた人生を考えるということでの性教育を家庭がすればいいとか、地域ですればいいというのはなかなか難しいですから、学校が薬物教育とかそういうものをちゃんとしたことで、本当にこどもたちは薬物はいけないものだということを思っているので、効果はあったと思います

どうしてもする人もいますけれども

だから、学校が本当に性教育をしてくれる

それも全て学校の先生にしてくださいと言っているわけではなくて、性教育をしなければいけないと思っている民間団体とか助産師さんとか産婦人科医を中心とした人たちは、そういうスキルを持っていますので、熱意も持っていますので、それをするとなってくれたら、いろいろなことを活用して、協力してできると思うのです

だから、それを連携する省庁の中で、文科省というのはこども家庭庁とは本当に協力していただきたい省庁の一つですので、先ほどから私は文科省ばかりに申し上げていますけれども、ぜひともお願いしたいと思っています

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、木田委員、お願いします

木田委員:ありがとうございます

大綱における基本的な方針ということですので、全体に及ぶ大事なところだと思います

その観点から3つ意見を申し上げたいと思います

今、挙がっている当事者の視点に立って考えることは大変大事だと思うのですが、視点に立つのみならず、それが先ほど申し上げたように、こどもの権利に基づくということを明確にしていくことが大事だと思います

権利というのは、こどもの権利条約にうたわれておりますし、憲法にうたわれております

こどもの権利条約を踏まえるに当たっては、国連のこどもの権利委員会が採択している一般的意見ですとか、我が国政府に対する総括所見というものも十分に検討して、具体的な施策に落としていく必要があるというのが1点目です

2点目が、こども参加というところで、それについて意見表明も異論ないところだと思うのですが、単なる意見表明ではなくて、効果的な意見表明、ミーニングフルパーティシペーションというのが今とても大事だと言われているところです

先ほどの議論で委員からも意見があったと思うのですが、情報提供からフィードバックに至るまでの制度設計をきちんとして、こどもの意見表明の形成支援も含めたことを検討していく必要があると思います

あとは、意見を出しにくいこどもたち、虐待を受けている子、いじめ、不登校とか、経済的困窮や社会的養護にある、いろいろな要因によって声を上げにくいこどもの声を聴くという視点は大変重要だと思います

聴くだけではなくて、先ほど松本委員がおっしゃっていたように権利行使主体であるわけですから、それの権利を侵害されたことに対する救済もきちんとセットで考えていかなければいけないと思います

今、地方自治体では既にこどものオンブズパーソンとか、こどもの権利擁護機関という形で、様々な相談、救済の運用が始まっていますが、それをぜひ併せて、この意見はこのまとめてある中にも捨象されてしまったかなと思うのですが、相談と権利救済機関というのはとても大事な視点だと思っています

最後に、3つ目は、EBPMの推進というのは大変重要なことだと思います

それにおいて子どもの権利影響評価(ChildRightsImpactAssessment)が国際的には一般的に主流になっていまして、単なるエビデンスベースドだけではなくて、エビデンスを取るに当たって、こどもにどういうふうに影響を与えているか、こどもの最善の利益の観点から、法律、施策、予算配分が適当であるかということを検討すべきだというのは明示的に言われています

それを、ただ事後的に評価ではなくて、事前にアセスメントして、予測した上で、継続的なプロセスを見て、事後評価というところまでをきっちり取り入れるべきだと

子どもの権利影響評価については、先ほど少し御紹介した国連の子どもの権利委員会の一般的意見の14号や15号にも示されているところです

委員の先生方には共有していただいた資料に添付資料としても入れさせていただいたところですので、そういった知見も生かしながら、ぜひこどもの権利にのっとった子どもの権利影響評価がなされることを期待したいと思います

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

それでは、続きまして、谷口委員、お願いします

谷口委員:ありがとうございます

谷口です

私からは、こども政策の推進に関わる有識者会議の第2次報告書の(3)のところで、生まれ育った環境によって左右されることのないようにすることという文があったと思うので、そのところについて少しお話ししたいなと思います

私は今、貧困家庭の当事者として、ここで意見を話す機会をもらっているのですけれども、貧困家庭にとって、生まれ育った環境によって左右されることのないようにすることというのは、すごく大事な言葉だなと思っていて、貧困家庭のこどもたちにとって、生まれた環境とか生まれる家庭は選べないもので、そこに生まれたら、その家庭環境で何とか生きていくしかないという状況に貧困家庭のこどもたちはあると思います

だから、この生まれ育った環境によって左右されることのないようにすることという文があったから、ここからもっと貧困家庭にも視野を向けてほしいなと思いました

貧困家庭のこどもたちにとって、解決すべき点が大きく3つ、経済的な面、情報格差、相談する場所という観点の3つが主に重要になるのかなという意見は出させてもらったのですけれども、それ以外にも今回、貧困家庭の当事者の学生に、ほかの声を聴きたいなと思ってアンケートを取ってみたので、その声を少し紹介できればなと思います

金銭面関係の声であったのが、いろいろなことがあって、いろいろな支援が欲しいと思ったけれども、一番は金銭面の支援がもっと欲しかったとか、物価高で食費がかかってしまう

あとは、生活するお金がなくて、借金をする必要があった、借りるしかなかったから、もっと金銭的な支援が欲しかったとか、友達に制度を十分に理解しておらず受けられるはずの支援を受けられていないということがあったので、もっと国の制度とかを周知してほしいという情報面の格差であったりとか、家庭の困っていることを誰に相談すればいいか分からなかったなどの相談面の声など、いろいろな声が出てきました

大きくはこの3つに分けられるのかなと思ったのですけれども、ほかにも、誰かに自分の背景などを話すと色めがねで見られることが多いであったりとか、貧困も虐待もだけれども、結局支援の介入に至らず放置されてしまうケースが多いと思うから、見逃さない取組に力を入れてほしいなど、本当にいろいろな声が出てきました

また、こういった声をまとめて、資料として作成できるように、これから私自身も動いていければいいなと思っているのですけれども、本当に貧困家庭のこどもたちがもっと制度を変えてほしいとか、この課題をすごく重要視しているというのが私自身も感じられたので、もっと貧困家庭に視野を向けてほしいなと思いました

貧困家庭に視野を向けたときに、私はこうやって当事者が集まっている団体にいるから、当事者の声をこういう場で伝えることができやすいと思うのですけれども、多分まだまだ声を拾っていないこどもたちがたくさんいると思っています

そういったこどもたちの声をもっと拾ってほしいなと思っています

今、こういう情報とかにたどり着けて、声を拾えているこどもたちもいるけれども、そういったこどもたちだけではなくて、本当に拾わなければいけない声はまだ拾えていないところにあると思うから、そういった声を拾えるような制度があればいいなと私は思っています

もし、こども家庭庁というものがあるよであったりとか、こういう審議会があるよということを知っているこどもたちでも、こども家庭審議会とはとか、こども家庭庁がしていることとかをうまく理解できていないこどもたちはたくさんいるのかなと思いました

私自身も、資料とかを見て、いろいろ調べてやっと理解できるみたいなことがたくさんあります

私よりも年齢が小さなこどもたちとかは、もっともっと理解するのが難しくて、ちょっと難しいから意見を出せないとかいうことも多々あると思います

なので、もっとこどもの視点に寄り添った資料とか媒体とかがあれば、こどもたちも意見を発しやすいのかなと思いました

すみません、まとまっていなくて長くなってしまったのですけれども、私からは以上です

ありがとうございます

秋田部会長:どうもありがとうございます

それでは、続きまして、松本委員、お願いします

松本委員:まず1点、先ほど駒村委員、木田委員から評価のことについて話がありました

それはどこかで1章設けるのか、あるいは基本的なところに行くのかは別にして、一度、どういう観点で評価というものがあり得るかということはまとまって議論をすべきではないかという印象を持ちました

特に、評価の軸をこどもの権利ベースに置くということ、そういう御発言がありました

非常に大事な点だと思います

評価の観点です

それが1点

そうすると、基本的な方向は全体の政策なり制度を包括するような、全体に含まれるようなことということでしょうから、目指すべき社会像だけではなくて、制度、政策の基本理念みたいなことで、権利ベースのことをきちんと入れておくということが、評価の軸をつくる観点からも重要でないかということがまず1点です

2点目は、今、貧困の話がありましたけれども、このカラフルな見取図を見ると、こどもの貧困は個別イシューになっているのです

個別イシューではなくて、制度全体を通して貧困を緩和する、あるいは解決していくという観点が必要だと思います

逆に言うと、貧困なり経済的不利を負っている家族あるいはこどもがより不利になるような制度はまずいわけで、ブレーキとアクセルを同時に踏むようなことになってしまいかねないので、全体を貫く観点として貧困の話を入れるということ

だから、基本方針にきちんと入れるということだと思います

ここにある方針をもう少し具体的に書くということだと思います

もう一つ、ジェンダー平等の視点が出てこないのです

先ほどから結婚ということをめぐって幾つか議論はありました

もう一つ、ケアの担い手になるのは女性が多いわけです

そうすると、ケアテイカーになることが新たな負担になる

要するに損をすると

そういう話をきちんと解決していくというメッセージを出す

そのために、形式的なジェンダー平等ではなくて、ジェンダー平等の話と、ケア負担を誰かが取らなければいけないわけですから、それを共同で取るということと、ケア負担を取った人が不利を負わないという観点は、全ての政策に貫かれるべきだと考えます

ほかに意見表明のことであるとか、幾つかのことが出されていますので、その点については、ほかの委員の方に全て賛同いたします

もう一つ、施策の実施の方法ということですけれども、先ほど駒村委員から、きちんと資源を割り当てるべきだと

これは大変大事な観点です

もう一つは、実施の方向が、やはり権利が守られる方向、あるいは尊厳が守られる方向で実施されるということも全ての施策に

なぜかというと、これは少ない人手でやれやれと言われてきた歴史があるし、特に社会福祉なり救貧制度というのは大変恩恵的な、人の尊厳を傷つけるような方法でなされてきたネガティブな歴史があるわけです

権利ベースでやるということは、そういうものではなくて、これは権利の行使の問題だと

だから、全ての人に関わるのだというメッセージを出すということですから、当たり前のことですけれども、世話になるのが恥ずかしいとか、役所に行ったら惨めな思いをしたとか、そういうことをきちんと防ぐのだというメッセージを出すことが、特に地方自治体でいろいろな施策を組むときの一つの大変重要な柱になってくると思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

岸田委員、お願いします

岸田委員:ありがとうございます

この項目立てについても議論の対象になっているかと思うので、それも含めて1つ申し上げたいのですけれども、先ほど来の目指すべき社会像の話の中でも、こどもが権利の主体である、尊重されるべきであるということを大きく掲げるべきであるというお話が各委員からあったかと思うのですが、それを具体化していく基本的な方針ということになりますので、こどもたちの権利で主体であるということを具体施策として掲げていくということがまず一つの項目としてあっていいのではないかなと思いました

現状の1項目めに挙げられている第2次報告ですと、こどもの意見表明というところに大きく軸足を置かれていて、それを、こども政策をつくるときにいかにこどもの意見を反映させるかというところに、当然これは地方自治体の政策立案過程などの指針になるという意味で必要なのかもしれませんが、よりこどもの意見が尊重される社会になるために、今、欠けている阻害要因をいかに排除できるか、それが施策の中心に来るのだということを明示するような項目があっていいのではないかなと思いました

また、先ほど定本委員からもお話がありました性教育の部分は、まさにこどもが権利主体であるということと非常に重なるものです

こどもが、自分の体は自分のものなのだということが、まさに自分の権利として物理的・肉体的にも感じられるような社会をつくっていかなければいけませんし、そうした施策を貫くという意味でも、公教育の中での性教育を、今のようなはどめ条項は私は見直しが必要だと思っておりますが、性交渉の在り方であるとか、性とはどういうものかということを、幼児期あるいは学齢期の低学年のうちから教えていくことが必要ではないか

ここは個人の意見です

ですから、人権を掲げていく基本的な方針の中に、性への理解、こどもたちの自認の理解ということも盛り込んでいく必要があるのかなと思います

また、先ほど木田委員がおっしゃったように、ほかの委員からもお話がありましたとおり、そうしたこどもたちの権利が守られているのかどうかということを評価・検証し、また、それを救済する仕組みというのは必要で、こどもの権利を守る施策というのをもし項目立てるのであれば、ぜひそこに同時期に盛り込まれるような形が望ましいのではないかなと思いました

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

清永委員、お願いします

清永委員:ありがとうございます

大きく2点申し上げたいと思います

先ほどから性教育のこととか、堀江委員のおっしゃっていた体験教育みたいなものが必要であるということがありましたけれども、そういったものを総括した、発達段階に即した、そして意図的・計画的にデザインされた、例えば各種危機体験型安全教育というようなものを制度的に実現していく必要があるのではないかと思います

その中では、お互いに尊重し合いながら危機を乗り越える、力を合わせて乗り越える力をつけるということを目的に、助けてと言っていいのだ、助けを求めることを学ぶ、またこういった権利があるのだということから学ぶ

そして、もし危機的状況のときには、逃げる、乗り越える、いろいろな危機への対応みたいなものを学べる、自助・共助を学べる「場所」というか「教育プログラム」みたいなものも必要なのではないかと思います

、そこでは例えば外国人のこども、それから特別支援のこどもといったような様々なこどもも学べますし、それから保護者が改めて子育てのこととかいろいろなことを学べるところにもなり得るので、そういった包括的な安全教育ができる場というか制度が必要ではないかと考えております

既にそういったことは例えばイギリスなどでは行われておりまして、ライフスキルセーフティーセンターやセーフティーストリートワイズセンターというような形で、本当にこどもが生まれる前から、妊婦さんのときから子育ての仕方を学ぶ、そして高齢者の方まで安全について、体験的に学べる場になっています

その軸として、シチズンシップ・エデュケーションやリレーションシップ・エデュケーションといったようなものを基にプログラムが組まれているというのがあります

この体験プログラムはナショナルカリキュラムと連動されています

もう一つ、これに関連して、それを行うために、先ほど先生方がおっしゃっている評価とか、効果測定とともにコーホート調査といったようなものをやっていく、丹念にやっていく必要があると思います

例えば闇バイトとか、先日の岐阜の事件、長野の事件などを見るに、どこかでストップができなかったかという、常に後悔と、なぜそういった犯行に及んだのかというところで謎が残るというか、あまりにも短絡的で、そして残酷でというような事件に対して何もできない状況をこのまま続けてはいけない

その背後に何があるのか、どこまで広がっていくのかということをここで丹念に調査する必要があると私は思います

以上です

秋田部会長:どうもありがとうございます

続きまして、オンラインの土肥委員、お願いします

土肥委員:すみません、途中参加になりました土肥です

もしかしたら事務局のほうに議題1で出しているものと重複する部分があるかもしれませんが、いただいているところで言うと、地方自治体との連携に関して意見を述べさせていただければなと思います

今、既に幾つかの自治体から、来年度以降、こども計画の策定でアドバイザーで入ってほしいということを御相談いただいている自治体がありまして、そういった自治体と議論をしていますと、こども計画自体がこども大綱に基づいてつくられることになるものですが、こども大綱は非常に総合的に取り組む計画となっていますけれども、自治体レベルで言うと既存計画がいろいろ走っていたりするので、計画を一本化するというのが正直難しい部分があるというのが現状なのかなと伺っていて感じています

その意味では、こども計画に関しては、こどもの意見表明やこどもの参画ということについてかなり強く書かれておりますが、これまで既存でつくられている計画等についてはそういったことについて盛り込まれていないので、自治体の中で実際に計画をつくっていくとなると、計画が2つ、3つはこどもに関わるものが走っているとなって、こども計画だけこどもの意見反映とかこどもの参画について重視するとなってしまうというのがあって、もう少し全体的に取り組んでいく必要があるのかなと考えています

自治体における既存の計画、あるいは会議体ももともと既存のものがあると思いますので、国のほうでどういうふうに整理をするのかということを考える必要があるのではないかなと感じておりまして、地方自治体から特にどうすればいいのだろうという悩みの声みたいなものをいただいているところです

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

続きまして、松田部会長代理、お願いします

松田委員:松田です

私もいろいろと勉強になりました

時間がないようですけれども、その上で5点ほど申し上げさせてください

1点目は、何人かの先生の御発言にありましたが、貧困という言葉やその軸が見出しにあったほうがいいのかなとちょっと思った次第です

理由は何かといいますと、資料4の第2次報告書案には出ていないのです

ただ、もともとのものは、3つの大綱の中の一つは貧困対策の大綱なので、それが一つの柱になるのか、それとも言葉としてなのか、入っておいたほうがよいのかなという思いを持ちました

これが1点目です

2点目ですけれども、私は少子化対策を研究している者です

その立場の者からすると、こども・若者を支えることは第一で大事なのですけれども、それに加えて、子育て家庭も支えるという視点はやはり必要ではないかなと思っております

理由は何かというと、御意見の中に家庭が基本かどうかということと、家庭は多様だという意見はあったのですけれども、その家庭を支えるべきではないという意見はなかったと思うのです

ライフステージが連続することを考えると、こども・若者まではすごく支えられて、自分が親になったら支えがなくなってしまうというのはやはりないので、家庭もしっかり支えてあげるということが必要かなと思いました

3点目は結婚の話で、少子化対策の点からは大事なのですけれども、書きぶりはすごく注意が必要だと思いました

まず、価値観を押しつけない、これはくれぐれも大事にしておく必要があると思います

その上で、堀江委員が、現在の全体を知らせる、そして選択させる、それが大事だと思いました

あと、人口学の点から申し上げると、人口学のたくさんの研究が明らかにしたことは、日本の少子化の9割方は未婚から進んでいるのです

その未婚はなぜかというと、結婚したくないわけではなくて、本当はしたい

けれども、いろいろな阻害要因があってできない

そうすると、そこの対策が必要だと思います

ただし、どなたかの意見に書かれているとおり、若者の意見を聴きながらそれをやるということが大事かなと思いました

あと2点、急いで言わせてください

4点目は、駒村委員と松本委員がおっしゃったことだと思いますが、EBPMはすごく大事だと思います

まとまった議論をどこかでやられることが大事かなと思いました

最後、原田委員が前のターンにおっしゃったのですけれども、こどもを産み育てないということも一つの生き方として応援されるべきものだと思いますが、その人たちが何かできることはないですかというお話があったと思うのです

これはあくまでも個人的な意見ですけれども、できればこどもや子育て家庭を支える側になってくれるとうれしいなと思いました

これは一意見です

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

そろそろ時間になりましたので、よろしゅうございますでしょうか

また次回に整理をして出させていただくというようなことで、基本的な方針については、本日の御議論を踏まえて資料とし、次回に事務局から提出をお願いしたいと思います

事務局のほうから何かございますか

佐藤参事官:ありがとうございました

1点だけ、御議論の中で、EBPMや横の連携、ジェンダー、インクルージョン、権利の主体の話がありました

お手元の参考資料1-2に有識者会議の第2次報告書を載せているのですが、14ページ目ぐらいを御覧いただくと、今回、立案実施に当たっての基本的な共通事項をベースに議論いただいていますが、実際、第2次報告書には、その後に施策を進める基本姿勢みたいなものが挙げられているのです

当時は少し別に分けて論点整理されているのですが、例えば14ページ目のところで、こどもや若者の人格・個性を尊重するのだというので権利の主体の話を書いたりとか、ジェンダーはじめ障害の有無等々で差別的取扱いを受けないとか、幾つか書いています

また、6つ掲げられているのですが、6つ目のEBPMが柱で1個立っていたりしているので、第2次報告書のこの辺りも取り込むような形で、また、今日の御議論を踏まえて、そのほかの部分も入れ込むような形で、次回資料としてまた少し整理をして、御議論いただければと思っています

以上です

秋田部会長:ありがとうございます

それでは、本日の会議はこれで終了といたします

次回は、6月30日金曜日の午前中を予定しております

詳細は事務局より追って連絡をいたします

皆様、3時間という長丁場、どうも御協力ありがとうございました

閉会いたします

オンラインの皆様も、どうもありがとうございました