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基本政策部会(第3回)

概要

日時:令和5年6月30日(金)10時00分から12時00分
場所:こども家庭庁長官官房第二会議室(霞が関ビルディング14階)
 
【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/j3gF01p3JcA

議事

  1. こども・若者参画及び意見反映専門委員会の設置について
  2. こども大綱について
    ①こども大綱のこども大綱の枠組み、こども大綱が目指す「こどもまんなか社会像」、基本的な方針について
    ②今後の進め方について

資料

議事録

秋田部会長:おはようございます。

それでは、ただいまより第3回「こども家庭審議会基本政策部会」を開催いたします。

本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日の議事でございますが、本日はお手元の議事次第に記載のとおり、「1.こども・若者参画及び意見反映専門委員会の設置について」をお諮りしました後、「2.こども大綱について」につきまして、前回の部会の議論を踏まえたこども大綱の枠組み、目指すべき社会像、基本的な方針について、また今後の進め方について議論をいたします。

それでは、議事に入りたいと思います。

今回、基本政策部会の下に、こども・若者参画及び意見反映の在り方や促進方策等につきまして調査審議を行いますために、こども・若者参画及び意見反映専門委員会を設置したいと考えております。専門委員会の設置に当たりまして、まず資料1のとおり、こども家庭審議会運営規則第7条に基づき、部会の運営に必要な事項として委員会に係る運営細則を定めましたので、御報告をいたします。その上で、こども家庭審議会運営規則第5条及びこの運営細則に基づき、基本政策部会の下にこども・若者参画及び意見反映専門委員会を設置したいと考えておりますので、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

佐藤参事官: 官房参事官の佐藤です。おはようございます。

それでは、資料2を御覧ください。「こども・若者参画及び意見反映専門委員会の設置について(案)」でございます。

まず、「1.設置の趣旨」でありますけれども、こども基本法第3条第3号及び第4号において、こども施策の基本理念として、こどもや若者の意見表明機会の確保、また多様な社会的活動の参加機会の確保などが規定をされております。

また、基本法第11条では、こども施策の策定・実施・評価に当たってこども・若者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとされています。

これらの規定を踏まえまして、国及び地方公共団体が行うこども施策の策定・実施・評価におけるこども・若者の参画及び意見反映の在り方、また促進方策などについて調査審議を行うために、この専門委員会を設置するというのがまず設置の趣旨でございます。

「2.主な検討事項」として、今申し上げたことを少し具体的に記載しておりますけれども、こどもや若者の意見表明機会の確保、多様な社会的活動の参画機会の確保等の在り方、また、そうしたことについての機運の醸成や関係者の連携促進、さらには基本法第11条で国や自治体に義務づけられているこどもの意見反映の必要な措置の在り方、また国や自治体の取組の促進、これらのほか、こどもや若者の意見の政策への反映に係る仕組みづくり、環境整備に関する事項、こうしたことを主な検討事項としてこの専門委員会で御議論を賜れればと考えています。

なお、この専門委員会に属する委員及び委員長につきましては、この委員会の設置について基本政策部会で決定がなされましたら、資料1にあります運営細則の第2条及び第3条に基づきまして、秋田部会長のほうから指名されることになっております。

御説明は以上になります。

秋田部会長:御説明をどうもありがとうございました。

こども・若者参画及び意見反映専門委員会の設置につきまして、御質問等はございますでしょうか。オンラインの方は挙手機能で挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。

特に今のところ御質問はないということでございますでしょうか。

それでありましたら、これで御異議がないということで進めさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございます。それでは、こども・若者参画及び意見反映専門委員会に属する委員及び委員長につきましては、今、御説明がございましたように、運営細則第2条及び第3条に基づきまして、事務局と御相談の上、私のほうで指名をし、追って皆様にお知らせをさせていただきたいと存じます。

それでは、続きまして、こども大綱の枠組みについてでございます。次第の「2.こども大綱について」です。前回、第2回の部会での議論を踏まえまして、こども大綱の枠組み、目指すべき社会像及び基本的な方針の案につきまして、私と松田部会長代理のほうで整理をさせていただきました。まず、これらの案につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

佐藤参事官:それでは、お手元の資料3-1を御覧ください。「こども大綱の枠組み、こども大綱が目指す『こどもまんなか社会』、基本的な方針について(案)」でございます。

おめくりいただきまして、右下のページ数の2ページから御説明をしたいと思います。

まず、枠組みの案についてです。前回の基本政策部会におきまして、今、2ページ、3ページ、4ページにわたってお示ししている第1、第2、第3、第4、第5、そして別添1、別添2といった大きな枠組みについては特段大きな御意見がなかったと考えております。

今回、それぞれの項目について、前回幾つか御議論がございましたので、それを踏まえて部会長、部会長代理と御相談をして、中身が分かるような形でお示しをしたものです。

まず、2ページの「第1 はじめに」のところでございますけれども、こども・若者や子育て家庭を取り巻く現状、また、そうした現状を踏まえてのこども大綱が目指す「こどもまんなか社会」をこの「はじめに」のところで示してはどうかと。その際、明朝体になっているのが説明書きでありますけれども、こども基本法の下で、こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」の姿を、前回、ここは基本施策部会で御議論がありましたけれども、主語を「こども・若者」として、こどもや若者がどういうことになる社会なのだという形で提示をしてはどうかというところがまず第1の(2)であります。

続きまして、「第2 基本的な方針」です。前回の部会の中で、主語が国なのかとか、社会がといった御議論がありました。こども基本法において、こども大綱が示す基本的な方針はこども施策の基本的な方針でありますので、基本的には主語は国になります。そこの中身の詳細は後ほど述べたいと思います。明朝体はそのことを御説明していまして、国は「こどもまんなか社会」の実現に向けて、今後5年間、こども基本法や以下の方針に基づき、こども施策を総合的に推進すると。なお、自治体は国のこども大綱を勘案をして、自治体こども計画をつくる努力義務が課せられていますので、それぞれの自治体がつくる自治体こども計画の中では主語が「自治体が」になります。

「第2 基本的な方針」ですけれども、内閣官房時代の有識者会議のときには、基本的な共通事項として5つ掲げられていました。そのことについて、そのことの中身も含めて御議論があって、今回6つの柱立てにしていますけれども、特に1個目の柱、言わば権利の主体として認識をし、人格・個性を尊重するという点については、内閣官房の有識者会議の第2次報告書では基本的共通事項にはなかったわけですけれども、前回の御議論の中で、こどもの権利の主体性は意見反映といった個別の論点に限定されるのではなくて、全てにおいて貫かれるべきだという御意見が多々ありましたので、1つ柱として立てたいと思って今、御提示をしています。

まず最初の柱が、「こども・若者を意見表明と自己選択・自己決定の主体として認識し、その人格・個性を尊重する」。

2点目が、「こどもや若者、子育て家庭の視点を尊重し、その視点に立って考える」。

子育て家庭といった言葉や尊重といった点が前回部会で御議論があったと思います。

3点目、「こどもや若者、子育て家庭のライフステージに応じて切れ目なく対応していく」。こちらもこどもや若者のライフステージのみならず、子育て家庭のライフステージに沿ってしっかりやっていくべきだという前回の部会での御議論を踏まえたものにしています。

4点目、「全てのこども・若者への対応を基本としつつ、こども・若者の現在と将来が虐待・貧困などその生まれ育った環境によって左右されることのないようにする」と掲げています。前回の部会の中でも、貧困といった問題は全体に通底するような話であったり、また、子どもの貧困大綱がこれまでの大綱の一つであることも踏まえ、しっかり明示すべきだという御意見もあり、今回、明示をした形にしています。

5点目、「仕事や結婚、子育てに希望を持つことができ、その希望をかなえるようにする」。前回、就労といった視点も大事だという御指摘もありましたので、仕事という言葉を付け加えています。その他は後ほど詳細の中身のときにまた御説明をしたいと思います。

6点目、「施策の総合性を確保するとともに、関係省庁、地方自治体、民間団体等との連携を維持する」であります。

続きまして、3ページ目、大きな枠組みの「第3 基本的な施策」であります。

資料3-2に、こどもの大綱の枠組み関係での前回での委員の皆様からの御意見をまとめています。それを御覧いただきながらお話を聞いていただければと思うのですが、前回の部会の中では、これまでの内閣官房の有識者会議の中で示されていた柱立てとして、全てのこどもや若者の健やかな育ち、困難を抱えるこども・若者、家族の支援、結婚、妊娠・出産、子育ての支援といった大きく3本の柱がありましたというお話を御紹介しましたが、そうした中で部会の皆様方から、困難を抱えるこどもを別に柱立てをして線引きをするというのはどうかといった御意見があったりとか、また、そういった御意見を踏まえまして、部会長代理からの御発言だったと思いますけれども、一連のライフステージとしてつなげるような形の整理ができるのではないかといった御指摘がありました。

そうしたことを踏まえまして、資料3-1の3ページ目に戻っていただいて、「第3 基本的な施策」の部分については、(1)幼児期まで、続いて学童期、思春期、青年期、そして子育て期、最後に各ライフステージに共通する事項等という形で、下の明朝体の説明書きにもありますけれども、こどもが乳幼児期から学童期、思春期を経て、若者として社会生活を送り、やがて、自らも家族を持ったり、こどもを産み育てることやこどもとの生活を始めるような当事者世代となる、そういうライフステージに沿って施策を提示してはどうかということで今、記載をしています。

ただ、次の○にもありますけれども、今回のそれぞれの(1)から(6)はあくまで基本的な施策の見せ方としての分類でありまして、若者が誰しも子育て期を迎えるということではありません。こどもや若者の主体的な選択を尊重するのは当たり前ですし、とりわけ結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくもの、これはもう大前提でありますので、そうした中で、施策の示し方としてこうしたライフステージごとの示し方をしてはどうかという点があります。

また、このようにまとめる場合に、例えばこどもの自殺や貧困、障害のあるこどもなど、どのライフステージにおいても関係があるような課題については(6)に入ることになります。その点についてどう考えるかということも御議論があろうかと思いますので、御議論を賜れればと思っています。

続きまして、4ページ目です。「第4 『こどもまんなか』の実現に向けたEBPM、こども・若者の意見反映」です。ここは表題で御意見があったので、その御意見を踏まえて直しています。

第5が「施策の推進体制等」でありまして、こども家庭審議会の部会の場で点検・評価・公表をしっかりしていただきながら、具体的な施策を閣僚会議で改定していくという中身の説明を追記しています。

そして、別添1で「施策の具体的内容」、別添2で「成果目標、指標」であります。

続きまして、5ページ目でありますけれども、こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」の案であります。前回の部会で御指摘があった事項については資料3-3でまとめていますので、詳細の御説明はここでは省きますけれども、こどもや若者を主語として、こどもや若者から見てどういう社会になることを目指すのかといったことをまとめるべきという御意見がございました。

そうしたことを踏まえまして、まず、全てのこども・若者が、日本国憲法、こども基本法、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会と書いています。ここはこども基本法の目的規定を少しブレークダウンしたような形で書いています。

その上で、「具体的には」という形でぽつぽつぽつと並べているのが、前回の部会において皆様方からいただいた御意見を踏まえて、キーワードを取りそろえた形で御提示をしているものです。

まず1点目が、経済的搾取等々から守られて、孤立することなく安全に安心して暮らせるということ。

続いて、不安や悩み、困難があっても、周囲の大人や社会にサポートしてもらえる。

続いて、保護者や社会に支えられながら、心身ともに健康でいられる。様々な関わりの中で、笑顔でいることができる。

個性や多様性が尊重されて、自分らしく、尊厳を持つことができて、一人一人が思う幸福な生活ができる。

豊かに楽しく遊ぶことができて、様々な学びや体験をすることができ、生き抜く力を得ることができる。

伸び伸びとチャレンジでき、未来を切り開くことができる。

自由で多様な選択ができ、自分の可能性を広げることができる。

自分の意見を持つための様々な支援を受けることができ、自分の意見を表明し、社会に参画できる。

働くことや、誰かと家族になること、親になることに、夢や希望を持つことができる。

めくっていただいて、そして、こどもが若者となり、自らも、家族を持つような当事者世代となる中で、円滑に社会生活を送ることができ、将来に見通しを持つことができる。

それぞれの希望に応じ、家族を持ったりすることができる。

夫婦どちらもキャリアを諦めることなく、社会で活躍することができる。

社会全体で家庭を支え、保護者が、自己肯定感を持ちながら、幸福な状態で、こどもと向き合うことができる。そうした中で、こどもが幸福な状態で育つことができる。

次の7ページ目ですけれども、これらが「こどもまんなか社会」のこどもや若者の視点から見た姿で、こうした「こどもまんなか社会」の実現というのは、こどもや若者が自分らしく尊厳を持って自らの希望に応じてその意欲と能力を生かすことができるようになる。

また、こどもを産みたい、育てたいと考える個人の希望をかなえることにつながり、個人の幸福追求において非常に重要であります。

それと同時に、若い世代の誰もが、結婚や、こども産み、育てたいとの希望を持たれる方々の希望がかなえられるよう、将来に明るい希望を持てる社会をつくり、少子化・人口減少の流れを大きく変える。

また、未来を担う人材を社会全体で育み、社会全体の幸福を追求し、社会経済の持続可能性を高めることにもつながる。

すなわち、「こどもまんなか社会」とは、こども・若者の幸福追求と社会経済の幸福・持続可能性の両面を同時に実現するものであるということであります。この点は、内閣官房時代の有識者会議の第2次報告書でも指摘をされていたものであり、改めて御提示をしています。

続きまして、8ページ目です。ここからは基本的な方針の案の御説明になります。

まず初めに、2年近く前に内閣官房に有識者会議が置かれていまして、こどもや若者と意見交換をしたり、当事者や支援者の方々からのいろいろなヒアリングなどもしながら、おととしの秋に岸田総理宛ての提言を第1次報告書としてまとめていただいています。秋田部会長はじめ何人かの委員の方々がそのときから御参画をいただいておりますけれども、それがおととしの冬にこども家庭庁構想をまとめた基本方針の中で、政策の理念みたいな形でまとめられて閣議決定をされている、既に政府の方針になっているところもあります。

また、その後も「こどもまんなかフォーラム」等々を通じて、いろいろなこどもや若者、当事者の意見を聴きながら、第2次報告書の中でこども大綱への申し送りという形で、その基本的な共通事項が示されています。そうした積み重ねの中での文言をベースにしながら、前回の部会での皆様方からの御議論を踏まえて、さらにブラッシュアップをした形で今回記述をしています。

詳細を説明します。また、前回の部会での御意見については、御説明は省きますが資料3-4に改めてまとめていますので、御覧いただければと思います。

まず、1点目の新しく立てました「こども・若者の意見表明と自己選択・自己決定の主体として認識し、その人格・個性を尊重する」です。

最初のポツですけれども、こども・若者は、未来を担う存在であるとともに、今を生きています。

保護者や社会の支えを受けながら、自立した個人として自己を確立していく意見表明と自己選択・自己決定の主体、言わば権利の主体であり、人格を持った個として尊重し、その最善の利益を図る。

続きまして、「こどもとともに」という姿勢を持つということ。

続いて4点目、多様性が尊重されて、特定の価値観やプレッシャーを押しつけられることなく、自分らしく尊厳を持ち、幸福に暮らすことができるように、社会全体で支える。

乳幼児期から心身の発達の過程において、性別、障害の有無、性的指向及びジェンダーアイデンティティー、生い立ち、生育環境等々によって差別的取扱いを受けることがないようにし、その可能性を広げていく。

虐待、いじめ、暴力、経済的搾取など、権利の侵害からこどもを守る。

こども基本法や児童の権利に関する条約の趣旨や内容を、こどもや若者、大人に対して広く周知し、条約のいわゆる「4つの一般原則」を社会全体で共有する。

これがまず1点目です。

続きまして、9ページ目、2つ目の柱ですけれども、「こどもや若者、子育て家庭の視点を尊重し、その視点に立って考える」であります。

まず最初のポツですけれども、こどもや若者が、意見を形成し、その意見を表明し、社会に参画することができ、その上で、こども・若者の最善の利益を実現する観点から、その意見が年齢や発達の段階に応じて尊重されるということです。

2点目、そうしたための意見形成への支援を行うということ。

3点目、虐待、いじめ、不登校、ヤングケアラー等々、声を上げにくいこどもや若者について十分な配慮をするということです。

4点目、そうしたこどもや若者、子育て家庭の意見を政策に反映させ、どのように反映されたかをフィードバックし、社会全体に広く発信をしていくということです。

最後に、全ての施策において、こども・若者の視点や権利を主流化するということです。
以上が2つ目の柱です。

おめくりいただきまして10ページ目、3つ目の柱、「こどもや若者、子育て家庭のライフステージに応じて切れ目なく対応していく」であります。

2つ目のポツですけれども、必要な支援が特定の年齢で途切れることなく行われ、成人期への移行期にある若者が円滑な社会生活を送ることができるようになるまでを社会全体で切れ目なく支える。

1つ飛ばして4つ目のポツですけれども、子育てについても、こどもが乳幼児期のときだけのものではなくて、学童期、思春期、青年期を経て大人になるまで続くものとの認識の下、ライフステージを通じて社会全体で子育てを支えるということ。

下3つのポツですけれども、今まで御説明したのはライフステージごとのいわゆる縦のサイクルというか縦のステージで切れ目なくですが、下の3つは横の連携の切れ目なくの話をしています。

下から3つ目のポツですけれども、様々な分野の関係機関・団体が有機的に連携し、適切な保健、医療、療育、福祉、教育を切れ目なく提供するということ。

一番下のポツですけれども、社会のあらゆる分野の全ての人々が、学校・園などの場をプラットフォームとして相互に協力しながら一体的に取り組むということを掲げています。

おめくりいただきまして11ページ目、「(4)全てのこども・若者への対応を基本としつつ、こども・若者の現在と将来が虐待・貧困などその生まれ育った環境によって左右されることのないようにする」です。

最初のポツですけれども、安心して安全に過ごせる多くの居場所を持ち、様々な学びや多様な体験活動、外遊びの機会を得ることを通じて自己肯定感や自己有用感を高め、幸せな状態で成長できる。

少し飛ばしまして、全てのこども・若者や家庭を対象としたポピュレーションアプローチ/ユニバーサルアプローチによる予防的な関わりを強化する。

若者の将来にわたる生活の基盤を確保し、若者が未来に希望を持って生きられる社会をつくることは、少子化の克服や貧困の連鎖の防止のための会議であるということです。

1行空けまして、次が「生まれ育った環境に左右されることのない」の関係ですけれども、困難を抱えるこども・若者や家庭を、その特性や支援ニーズに応じてきめ細かく支援をしたり合理的な配慮を行うということ。

また、インクルージョンの観点から取り組むということ。

虐待や養育困難などの理由により、こどもを家庭において養育することが困難または適当ではない場合においては、できる限り家庭と同様の養育環境において継続的な養育を保障すること。

おめくりいただきまして、続きまして、こども・若者や家庭が抱える困難や課題は様々な要因が複合的に重なり合って様々な形態で表出するものであって、表出している課題への対処だけではなくて、もちろんそれも大事ですが、それだけではなくて、生育環境等々、重層的にアプローチをしていくということ。

続いて、支援が必要なこどもや若者、家族ほどSOSを発すること自体が困難だったり、相談支援の情報を知らなかったり、知っていても申請が複雑で難しい、そういった課題もあります。こども政策DXにより手続等々の簡素化を進めるとともに、関係機関・団体が連携をして、プッシュ型、アウトリーチ型の支援を届けるということ。

最後のポツですけれども、こども・若者の育ちや子育ての支援に携わる関係者の方々が、喜びや幸せ、充実を感じられるように取り組むとともに、多様な人材の確保・養成・技能の向上・メンタルケアなどを充実するということです。

おめくりいただきまして13ページ目、5つ目の「仕事や結婚、子育てに希望を持つことができ、その希望をかなえるようにする」です。この点、特に結婚の関係が前回の部会の中で一番多く御議論があったと承知をしています。前回、結婚や子育てに関しては、個人の選択、価値観を押しつけないこと、若者の視点として取り組むべきこと、家庭の在り方が多様化していること、また就労も大事ではないかといった御意見がございました。

前回での御意見を踏まえつつ、また、こども基本法において、こども施策の定義の一つとして次の定義がなされています。子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠・出産、育児等の各段階に応じて行われる支援がこども施策の定義の一つになっています。こうした法律の規定、また、こども基本法の基本理念の一つとして、家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境を整備することが規定されていること。もう一点、結婚やこどもについての希望の実現を基本的な目標に掲げてきた少子化社会対策大綱を受け継ぐものがこのこども大綱であること。そうしたことを踏まえまして、今回、5つ目の柱の柱立てとしては「仕事や結婚、子育てに希望を持つことができ、その希望をかなえるようにする」という形で、こども基本法におけるこども施策の定義、就労、結婚、妊娠・出産、育児云々というのをブレークダウンしたような形でお示しをするとともに、また、その記載ぶりについても、前回の御意見を踏まえながら整理をしています。

まず何よりも大事なのは、結構、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであって、多様な価値・考え方が尊重されるべきであることが大前提であるということです。

1つ飛ばして3つ目のポツです。結婚や出産をするかしないかは、個人が選ぶ権利があることなどについて、こどもや若者が知る機会や場を充実していくということです。

その上で、以下、下半分ぐらいは、先日に閣議決定をされたこども未来戦略方針として、政府の方針になっているものを持ってきています。若者・子育て世代の所得を伸ばさない限り、少子化を反転させることはできない。

若い世代が現在の所得や将来の見通しを持てるようにする。

妊娠後やこどもが産まれた後の支援に加えて、若い世代が将来を見通して安心して仕事におけるキャリアとライフイベントの双方にチャレンジできる環境の整備、また、これから結婚や妊娠を希望する方への支援を行う。

家庭内の育児負担が女性に集中しているワンオペの実態を変えて、夫婦どちらかがキャリアを犠牲にすることなく、相互に協力しながら子育てをする。それを職場が応援し、地域社会全体で支援をする。

これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、地域社会、高齢者や独身を含めて、皆が参加して、こどもや家族が大事にされるように、社会全体の構造意識を変えていく。これらが、こども未来戦略方針として閣議決定をされていることであります。

続きまして、最後、14ページ目です。6番目の「施策の総合性を確保するとともに、関係省庁、地方自治体、民間団体等との連携を重視する」であります。

まず1点目、こども家庭庁は、こども大綱を基に、こども政策推進会議、閣僚会議や、このこども家庭審議会の御知見を活用し、政府全体のこども施策を強力に推進する。そして、必要に応じて関係省庁に対して勧告権を行使することも含めて、リーダーシップを発揮していくということです。

2番目のポツから3つが自治体の関係です。こども施策の具体的な実施を中心的に担っているのは地方自治体です。国は、自治体と密接に連携しながら、先進的な取組を横展開し、必要に応じて制度化をする。

また、次のポツですけれども、地域間で格差が広がらないように留意しつつ、地域の実情を踏まえて、きめ細かく取り組む。

次のポツです。地域の実情に応じた自治体こども計画が策定されるように、国が支援・促進するということです。

次のポツが、民間団体、市民社会の関係です。地域でこども・若者や子育てへの支援に取り組む団体、若者が主体となって活動する団体、ユース団体のことです。地域で活動する民生児童委員の方々、青少年相談員や保護司の方々、こうしたこどもや若者に関わる様々な関係者の方々なくしてこども・若者を支えていくことはできない。こうした方々の共助を行政が支えていくということです。

最後のポツが国際社会との関係です。国際機関や国際社会における様々な取組との連携も重要です。児童の権利に関する条約を引き続き遵守する。そうした条約に基づいて設置をした児童の権利委員会、またOECD等々、様々な国際機関の取組、G7、G20における議論なども踏まえ、こどもや若者に関する国内施策にそうした国際社会の動向を適切に反映するとともに、国際的な取組に貢献していく。

以上が6番目の柱であります。

以上、少し長くなりましたが、私からの御説明は以上になります。

秋田部会長:御説明をどうもありがとうございました。

お話しいただきましたように、皆様の前回の御意見を踏まえ、改めてもう一度こども基本法にのっとり、そして基本的な方針を5点から6点というような形に置き換えてつくられてございます。ここから50分程度御議論をいただきたいと考えております。御意見、御質問のある方は、挙手をいただきましたらこちらから指名をさせていただきたいと思いますので、札を立てていただく、それから、オンラインの方は挙手機能を御利用いただきますよう、お願いをいたします。それでは、いかがでございますでしょうか。

有村委員、お願いをいたします。

有村委員:ありがとうございます。

いろいろな意見がある中で、これだけ形にするのは大変だったのではないかなと思います。まずはその点、感謝を申し上げます。

私自身は3点申し上げたいところがありまして、1つ気になるところが、まず、3ページの「第3 基本的な施策」の(1)から(6)までの特に(6)の立てつけというか、中身がどうなっていくのかというのが気になっています。特に障害のあるお子さん方とか発達に御不安な家庭で言いますと、例えば未就学も含めて数がかなり多いものがありますし、発達支援とかという意味では、必要以上に分けて捉えていくような形になってしまうと、線引きみたいに見えてしまう可能性があるのかなと、そこはちょっと心配しておりまして、中身がどうなっていくのかなというのが気になりました。

続いて2点目なのですけれども、細かいところかもしれませんが、5ページとか8ページで「尊厳を持つことができ」という言葉が入っているのですけれども、尊厳はその人それぞれが内在的価値としてもともと持っているものです。だから、それを尊重するというような書きぶりや表現にしていかないといけないのかなと思いました。

もう一つ、最後に3点目、幸福(Well-being)という言葉を書いていただいたのですけれども、Well-beingという言葉を入れていくときにing、つまり今その瞬間というのが問われていると思うので、もしこれから可能であればということなのですが、こどもたちの自己実現というところのポイントを入れてもらいたい。今その瞬間を努力することとか、壁を乗り越えていくことも含めて、自分が自分らしく生きていると実感をしているかというところはWell-beingのingという意味では大変大きなところだと思いますので、その点もできれば御考慮いただきたいなと思いました。

以上でございます。ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

今の1点目は事務局のほうから何かお答えになりますか。まとめて後でということにいたしますか。

佐藤参事官:具体的に基本施策の中で何をどう示していくかは、また次回以降の部会の場でいろいろと御議論があろうかと思いますので、そこの中で皆様方の御意見を踏まえながら整理をしたいと思っています。

秋田部会長:ありがとうございます。各論のほうで今後ということでございます。

それでは、新保委員、お願いします。

新保委員:ありがとうございます。

私も、下のページ数で3ページの「基本的な施策」の内容に関することです。

(1)から(5)でライフステージのそれぞれの段階を表していますが、今まで議論にあったことは確かなのですけれども、妊娠期と胎児期、お母さんの体の中に、つまりお母さんが身1つの状態、2つになる前の状態の時期は、今回のこども大綱にとってはとても大事な時期なのではないかなと考えます。3つの大綱を一本化するということの象徴として、また、こどもと親との関係を具体的に明示するということの象徴として、とても大事なのではないかなと考えます。これが1点目です。ただ、どう書くのかというのは、さっきから一生懸命考えていましたけれども、簡単ではないということは私も想像がつくような気がいたします。ただ、これは取り組むべきことではないかなと思います。

2点目は、8ページに「自己決定」という言葉が出てきます。これはとても大事なことで、自己決定の主体であるということを大綱に書くことはとても大切なことだと思います。

ただ、一方で、自己決定という言葉は、時によってはほっとかれるという可能性を秘めています。特に声を上げにくい若者の声、声を上げにくい小さな、まだ年齢が若いこどもの声を引き出すことができるように、例えば声を上げることができるように支援することとか、自己決定できるように支援することということを私たちは取り組むべきではないかなと考えます。

以上でございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、定本委員、お願いいたします。

定本委員:ありがとうございます。

私もいろいろ前回までの意見を踏まえて、書きぶりも、結婚についてもすごく柔軟に注意して書いていただいていて、本当に大変だったのだろうなと思います。

その上で、今回ライフステージということを挙げていただいたのはとてもよかったなと思うのですけれども、ライフステージの中にある思春期というのは、そもそも身体的に性ホルモンが分泌を始めるということが思春期の始まりになるわけなのです。人が性的な存在になっていくというのが生物学的に、医学的に思春期の始まり。なので、性をどういうふうに受け止めて、これからの思春期、青年期、そして妊娠・出産、子育てを生きていくかというところに入るということを無視できないと思うのです。

私がいつも性教育と言っている、同じことを言っているのですけれども、今回の文章の中で13ページの「基本的な方針」の5番目のところに、性に関して正しく理解し自尊心を持ってやっていけるように、こども・若者が知る機会や場を充実していくという言葉を入れていただいたのですけれども、それでは足りないと思うわけなのです。性についてこども・若者が知る機会や場、誰がそれをつくって、誰が充実していくのかということをもっと国がバックアップしなければいけないし、幼児期、学童期からちょっとずつ教えていかなければ、その発達段階に応じて、自分を守ること、そして自分や相手の性を知ることを教えていかなければいけないので、学校を抜きにして考えられないと思うので、それはもう少し言葉を強めていただきたいなと。

この文章を聞かせていただきますと、「こどもまんなか社会」については、幸せ、笑顔、希望を持って、幸福追求という、よい言葉がすごく並んでいまして、本当にすばらしいところを目指していらっしゃると思うのですけけれども、具体的にどういうふうに幸せや笑顔を守っていくか、希望を持てる、幸福追求できるということを本当に実現していくかということについて、具体的にそれが実現するためには、若者がこども時代に傷つかないことが大事なのです。経済的搾取という言葉が5ページにありましたけれども、私は精神科とかをしているからでしょうか、性的な搾取というのもとても実は多くて、これほど悲しい、これほど傷を受ける問題はなくて、それが本当に後々まで、性的搾取というのは後々まで、何十年にもわたって人をむしばむというか、本当につらい、悲しい境遇にするので、傷つかない、傷つかせないということは大事なことだと思うのです。

傷つかないために、幼児期、学童期から、自分を守れるように賢く育てていかなければいけない。こどもの自己決定というのはとても大事です。自己決定を尊重する。でも、自己決定しなさいというのは、先ほどもどなたかがおっしゃっていましたけれども、突き放すというか、ほっておいてはいけない、きちんとした情報、正しい知識を伝えてこそ、その後、自己決定だと思うのです。私は前回も同じようなことを申し上げていましたけれども、ぜひそれをもう少し強めに押し出していただけたらうれしいなと思いました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

松本委員、お願いします。

松本委員:発言の機会を与えていただいて、どうもありがとうございます。

また、随分多様な意見が出たところを何とか書き込もうと御苦労されたことが文案から伝わってきて、その点について感謝をいたします。

ただ、幾つかの異論がありますので、申し上げたいと思います。

1つは、前回の議論で、こどもの権利という観点というものが重要ではないかと。明示すべきだという話が何人かから出たと思います。私も申し上げました。目指すべきところに、冒頭にあるのですけれども、基本的な施策の枠組み、柱のところに、きちんとこどもの権利という言葉を入れる。各論のところでいろいろ書くのではなくて、入れるということが大事ではないかと思っています。政策の柱というのは基本的なメッセージになります。

この柱を見て、どういうことが柱になっているかということが基本的なメッセージでありますので、その点、そういうことを何とか入れようという努力はされているのは承知の上ですけれども、ちゃんとこどもの権利ということを文言の中に入れる、明示するということがまず1点です。これは完全にこども家庭庁あるいはこの基本政策部会がどういうメッセージを社会に出すのかということかと思います。これが1点。

2点目は、前回ジェンダー平等ということを位置づけるべきではないかと申し上げました。同様の観点からの御発言は何人かからあったかと承知をしております。ジェンダー平等の「ジェ」の字も出てこないです。これはきちんと書き込むべきだと。これも、どういう社会を目指すか、あるいはどういう施策の全体を通す柱として、こども施策だけではなく、全ての施策にこういう観点が必要だと思いますので、そのことをきちんと明示をすべきだと。これが2点目であります。

貧困のことに関してなのですけれども、1つは経済的搾取とありますが、その後ろに貧困とつけたらどうか。経済的搾取と貧困は違います。こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」というところでこれが出てくるのですけれども、2/3のところ、子育て家庭のところに書いてあることも、こどもが貧困から守られるだけではなくて、子育て家庭が貧困から守られると。あるいは、こどもと子育て家庭を貧困から守るために、貧困にある渦中のこどもが左右されないだけではなくて、貧困そのものをなくすということが明示されないと、貧困があるということを前提にして施策を立てるというだけではなくて、貧困をなくすということも基本的な柱なりその文言の中に入れないと、貧困があるということを前提にして、あるいは虐待があるということを前提にして、そこで育ったこどもがどうというロジックになっているので、それは柱の中に入れるのか、説明の中に入れるのかは別にして、虐待そのものがなくなるような形、あるいは貧困そのものが解消されていくようなことが重要だという点は明示をすべきだと思います。そうすると、こども施策とそのほかの社会的施策の両方がつながるだろうと思います。

最後でありますけれども、結婚のところに関して、これはかなり意見が出たところだと思います。基本的な枠組みの中に結婚、妊娠と、そういうふうに項目に入っていて、その説明のところででも多様な選択が尊重されるべきだという説明が書いてあるわけです。ここで結婚というふうにしてメッセージが出されると、それはむしろ圧迫感を感じるとか、そのこと自体一つの形を押しつけているようなメッセージになるのではないかとか、これは本当に先ほど事務局からも御説明がありましたように、かなりの意見が出たのです。ただ、今の御説明では、結婚という言葉はこども基本法の中にいろいろ位置づいているからという御説明もありました。

これは提案ですけれども、むしろ項目の中に多様な家族の形を尊重すると先に出して、その後に、多様な家族の形の中の結婚という場合にはどうかとか、結婚という形を取らない場合はどうかというふうにして書いていく。先に多様性のことを、多様な形を尊重するというメッセージを先に出してからいくと、同じことを言っているようで、かなり印象が違うと思います。どうしても結婚が先に出るのだというのであれば、「多様な形を尊重する」の前に、結婚というものは何を意味しているのかと。事実婚であるとか、同性婚であるとか、そういうかなり狭い意味での結婚ではなくて、多様な形を含んで結婚と呼んでいるのかどうかと。こども基本法の中には結婚とあるだけで、結婚の形そのものは定義をしていないので、そこはどういうふうに理解をするかということを明示しないと、これはどういうメッセージになるかというと、かなり逆のメッセージになります。その点について、このままの形ということ、今の御提案については議論があります。

以上です。

秋田部会長:貴重な御意見をありがとうございます。並べ方を含め、いろいろ皆さんで検討できたらと思います。

それでは、続きまして、岸田委員、お願いします。

岸田委員:発言の機会をいただき、ありがとうございます。

また、今回の取りまとめに向けた部会長、部会長代理はじめ事務方の皆さんの御努力に感謝申し上げます。

何点か思いましたことを申し上げさせていただきます。

まず、3ページ目の先ほど来ありました枠組みの立て方についてですけれども、子育て期という部分について、先ほど全員が子育て期を迎えるわけではなく、個人の自由という話はありましたが、ただ、個人の人生に関わることを文章化していくに当たって、非常にセンシティブな部分でもあるので、非常に慎重な配慮が必要かなと思いまして、例えば青年期の子育て支援ですとか、発達段階に応じた表現に貫かれたほうが誤解がないのではないかなということを1点思いました。

続きまして、5ページ目なのですけれども、「こどもまんなか社会」とは何かというところを改めて定義をする必要があるのではないかなと思いました。先ほどの事務方の御発言から、これはこどもを主語にしたものであるというお話はあったわけですけれども、こどもが個人として、権利主体として尊重されるということと、意見表明や参画の機会を得られるということが柱にあるかと思うのですけれども、意見表明や参画の場というのが一体何かということなのですが、例えば国や自治体が様々な政策を決めるに当たって、こどもたちの意見を集めていくという取組は今後広がっていくと思いますけれども、それのみにとどまらず、こどもたちが日々日常の中で、学びや遊びの中で自分たちの意見を表明することができ、また、自分達が関わる環境を自分たちで参画して変えることができるという体験を積むことができることが、この発達段階においての意見表明や参画の機会の確保という意味で非常に重要な部分だと思います。ですので、その辺りをぜひ書き込んでいただきたいなと思うのです。

5ページの下から2番目の行に社会参画という部分があるのですが、それに加えて、こどもたちの日常の中で、学びや遊びの中での意見表明、あるいはこどもに関わる課題解決においてこどもの尊厳を第一に考えた意思表明ができる。

先日も神戸市で6歳の男の子が亡くなるという非常に悲しい事案がありましたけれども、例えばこどもの一時保護をするという判断において、本当にこどもの利益が第一に考えられているだろうかということがあると思います。家庭が拒否をすれば、本人の生存確認すら今はなかなか難しい理由の一つには、こどもの利益を第一に考える、あるいはこどもの利益を第一に考える存在、利益の代弁者がそこの意思決定に加わっているだろうかというところに今日的な課題があると思います。ですので、ぜひ「こどもまんなか社会」をうたう基本理念のところに、こどもの課題解決に関しての意思決定の輪に、こどもの意思を第一に、こどもの最善の利益を第一に考える存在の参画を確保するということも明示いただきたいということを思います。

加えまして、「こどもまんなか社会」のところの流れなのですけれども、ここと少子化大綱とを合わせて中で、非常に難しい部分があるのかなと思うのですが、例えば若い世代の誰もが結婚やこどもを産み、育てたいという希望をかなえられるという、この「誰もが」という表現は、希望する誰もが、その希望がかなえられるのであって、若い世代の誰もが結婚、出産を希望することが幸福追求ではないはずだと思うのです。なので、非常に細かいことを申し上げて恐縮なのですけれども、先ほど申し上げたように、個人の人生に関わる部分の政府の方針ですので、ここは慎重に定義づけをしていただければと。誤解がないようにということを申し上げたいと思います。

こども大綱の「こどもまんなか」の中での少子化を定義づけるには、生き方の多様性が少子化対策、少子化ということが対策すべきかどうかというところも議論があるかと私は思いますけれども、生き方の多様性こそが尊重されるべきだというのは、こどもの人権尊重の中で非常にマッチした表現なのではないかなと思いますので、この辺りはぜひ考えていただけたらなと思います。生き方の多様性を認めるというのは、すなわち個人が性別の役割期待から解放されるということでもありますし、あるいは子育てしながら働くことで、経済的あるいはキャリアにおけるリスクを負わない社会、これが生き方の多様性、働き方の多様性であり、それを守るのが国や自治体あるいは企業の責務であるということが重要なのではないかなと思っております。

今回、基本的な方針の中で、8ページですけれども、いじめや虐待や暴力、経済的搾取などの権利の侵害からこどもを守るということを入れていただいてありがたいと思うのですが、まず1点、経済的搾取と並んで、私も先ほどの定本委員と同じで性的搾取はぜひ入れていただきたいと思います。こどもの人権を侵害する非常に大きな傷の原因になる部分で、さらに今、SNSなどを通じてこどもたちの身近な危機でありますので、ここからも守るということは必要ですし、また、基本的な方針ということで入れるのであれば、守るという理念に加えて、ぜひ予防的な措置を取るということと、権利侵害であるということを捉えた上で、こうした課題はこどもの権利を侵害するものであるということを前提とした上で、これを予防するということと、この権利が脅かされたときには、救済する措置を取るということを国の責務としてぜひ明記いただきたいと思います。

13ページ目、先ほどお話がありました結婚の部分です。これも先ほどと同じく「誰もが」というのを主語にすると誤解を生むこともあるかと思いますので、御配慮いただきたいと思いますことと、この項目の一番最後のポツなのですけれども、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらに地域社会、高齢者という辺りなのですが、男性はこの中に含まれるのだろうかというところ、ちょっと違和感を覚えました。基本的にこどもというのは個人、一人ではなく共同養育の中であって、今、核家族化が進む中で、社会で養育を支えるということが基盤にある中で、男性はむしろ養育の当事者であるはずです。ですので、男性というのは別なのではないかなと思います。むしろ共同養育といいましょうか、女性に偏ることなくこどもの養育が行えるように企業や社会が支えるという立てつけが必要なのではないかなと思います。

最後に、14ページ目ですけれども、地域との連携という部分、これも非常に重要だと思います。国の施策や法律が非常に崇高なものであっても、なかなか現場でそれが行き届かないというところに難点もあるかと思いますので、ぜひこれを現場のこどもたち自身、そして子育て当事者がこうした利益を享受できたのかどうかについての検証と、それを救済する措置も国の措置、責務であるということをこの部分で明記する必要があるのではと思います。

長くなって恐縮です。よろしくお願いいたします。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、木田委員、お願いいたします。

木田委員:発言の機会をいただき、ありがとうございます。

事務局、また部会長、部会長代理におかれては、この短い期間でまとめていただき、ありがとうございます。

今日はこのこども家庭庁の部屋の中にこどもが描いたと思われる絵がたくさん貼ってあって、政府の会議室にしては初だなと思っているのですが、こういったこどもの具体的な顔を思い浮かべながら、議論を進めていきたいなと思っております。

私からは「こどもまんなか社会」に関して3つと基本的方針等について3つ、早足でお話しさせていただきたいと思います。

まず、「こどもまんなか社会」について、こどもの権利主体性についてということを今、松本先生、岸田先生が再度御指摘されまして、私もそのようにすべきだと思っております。

具体的には5ページのところに「その権利の擁護が図られ」とありますが、ここを「権利の主体として尊重され」と置き換えていただきたい。

令和4年4月22日の衆議院内閣委員会の当時の野田大臣の御答弁でも、「こどもまんなか社会」とは何かと問われた答えの中で、常に子供の最善の利益を第一に考える社会であり、こどもが「権利の主体」であることを社会全体で認識すると明確にお述べになっておられますので、権利の主体を書き込むことは政府の方針とも整合していると考えております。

また、そのほか東京都のこども基本条例などにも、こどもを権利の主体としてということは明記されていますので、政府においても、「こどもを権利の主体として」ということを明記することを改めて強くお願いする次第でございます。

続きまして、「こどもまんなか社会」の関係で、同じく5ページ、細かいところではありますが、若干恩恵的な書きぶりが気になったというところなのです。2つ目のポツでサポートしてもらえるというのは、恩恵的、サポートされると変えるべきだと思います。あと3つ目のポツで、笑顔でいることはいいことなのですが、例えば伸び伸びと健やかに育つとか、冒頭おっしゃったこどもを主語とするということは大変よい試みだと思いますので、その視点からもう一度検証していただければと思います。

さらに7ページなのですが、若干気になったのが7ページの最後に、「すなわち」ということで、「こどもまんなか社会」とは、こども・若者の幸福追求と社会経済の幸福・持続可能性の両面を同時に実現するものとまとめてあるのですが、ここはまとめなのでこういうふうになっていると思うのですけれども、「とは」と言ってしまうとやはり定義になってしまうのです。社会経済の幸福・持続可能性が満たされるというのは、結果として付従するものであって、「こどもまんなか社会」を政府として前面に提言する以上は、2つを同時事項ではなくて、こども・若者の幸福追求が前面にあって、その結果としてという書きぶりとすべきということは御指摘させていただきたいと思います。いずれにしましても、先ほど御紹介した野田大臣の答弁の「常にこどもの最善の利益を第一に考えて、こどもに関する取組・政策が我が国の真ん中に据えられる社会」が「こどもまんなか社会」という定義が大前提だと思いますので、その点は指摘したいと思います。
続きまして、基本的な方針について2点ほどです。基本的な方針の柱立てのところで、先ほど事務局のほうから、新しく加えられたところの趣旨としては、こどもの権利の主体のことを明記するという意見があったので、それを踏まえてという御説明がありました。

大変ありがたいことだと思います。

ただ、その趣旨がこの柱立てに十分反映されているかというと、そうではないのかなという懸念を持っています。と申しますのが、(1)が現在、「こどもや若者を意見表明と自己選択・自己決定の主体として認識し」とあり、主体の対象が意見表明権と自己選択・自己決定のように読めてしまうのですが、先ほど御説明したように、権利主体の対象というのは、すべからくこどもが固有の権利として条約上に基づいた権利について持っているものですので、ここの「意見表明と自己選択・自己決定の」というところは余事記載なのかなと思います。そして、1のところで明示的に権利の主体のことについて書くということをすると、松本先生が先ほどおっしゃった権利について一つ芯を通すというメッセージ性も明確になるのかなと思っています。

今、9ページに書いていただいた、「全ての施策においてこどもや若者の権利を主流化する」というのは取り上げていただき、ありがとうございます。この権利の主流化という点は、基本的方針(1)のところに権利の主体の部分をまとめるならば、そこで明記されるとより分かりやすいのかなと思います。

また「虐待、いじめ、暴力、経済的搾取など権利の侵害からこどもを守る」とも書いていただいて、こういったことはとても大事だと思います。虐待もいじめも暴力も全て権利侵害なのだと。いじめられている子に対して、あなたはあなたの権利を侵害されているのだから声を上げていいのだよ、あなたは悪くないのだよというのは一番スタートになりますので、そういったところを一番に基本方針として明示するというのは大変すばらしいことだと思います。

続きまして、14ページ、最後の(6)の国際機関や国際社会のところになるのですが、児童の権利に関する条約について遵守と書いていただくのは大変よいことだと思うのですが、遵守にとどまらず、国内施策において具体的に実施するという観点がとても大事です。

別の内閣府の男女共同参画白書にも、積極的に遵守して効果的に実施するというような書きぶりも見えますし、国際社会でもインプリメンテーション(implementation)、何を実施したかというのが一番大事ですので、その実施ということも明示していただければと思います。前回申し上げたように、国連児童の権利委員会が出している一般的意見や総括所見も尊重してというところも御検討いただければと思います。

最後に、ちょっと戻るのですが、4ページ目に第4としてEBPMのことについてまとめてくださっているのですが、前回申し上げたように、Evidence・Based・Policy・Makingをするに当たっては、こどもの権利影響評価の視点を指針として入れるべきだと思っています。

ただ、2つ目のポツに権利について書いてあるところを見ると、「個人情報を取り扱う場合にあっては、こどもや若者の権利利益の保護に十分配慮しながら」というところに限られているのですが、当然のことながら個人情報保護も大事ですが、そういうことではなくて、権利にどのように影響を与えるかという指針を立てることが大事ですので、この点はこの項になったら改めて十分議論を尽くしていきたいと思います。

長くなりました。以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、青木委員、お願いいたします。

青木委員:ありがとうございます。

このたびは、短い期間の中、秋田先生、松田先生、また事務局の皆様におかれては、このような多様な意見を資料にまとめていただきまして、ありがとうございます。

その中で、今回の資料3-1が今後の大綱をつくっていく上でのベースになってくると思いますので、細かいことも含めてなのですが、少しコメントと質問をさせていただければと思っております。

まず、「第2 基本的な方針」になりますが、先ほどの御説明で、国が主語となって示されているものとのことでしたが、そうしたときに、例えば(2)の「こどもや若者、子育て家庭の視点を尊重し、その視点に立って考える」とある中で、視点に立って考えることはもちろん大事なのですが、これからの社会において、こども・若者に社会参画、意見表明を求めるのであれば、ここは視点に立って我々が考えるだけではなくて、「共に」考えるという視点が大事になってくるのではないかと考えています。この部会の中にも、当事者である大学生の皆さん、若者の皆さんがおられますが、一緒に考えていくからこそいい社会ができるということであります。ここに書かれているものは、今後、国から自治体に下りていく中で、「共に」というところをちゃんと意識をしてやってもらいたいと考えれば、ここにその言葉を入れていただけるといいかなと思っております。

もう一つ、5番目のところですが、仕事や結婚というところの後に、「希望をかなえるようにする」とありますが、「かなえる」と書くと、国がかなえるのかということになってしまいます。言葉の話なのかもしれませんが、「かなえられるようにする」とすれば、国側はそういうふうにかなえられるようにしていくよということを書いていくことを大事にしてもいいのではないかなと思っております。こども大綱は、国からのメッセージ、若者や国民に対するメッセージとして発信されるものであれば、細かいニュアンスになるかもしれませんが、そのニュアンスから伝わってくるものも大事だと思いますので、そういう書きぶりも少し意識していただければと思っております。

その上で、5ページ目になりますが、ここでは「こどもまんなか社会」ということで、若者を主語にして、若者が望む、希望を抱くような社会の在り方の姿を示していただいていると思います。今回、この並びは特段意識せずにつくられているのかもしれませんが、例えば最初の前文のところで、こどもの「その権利の擁護が図られ」と書かれている中で、次に虐待、いじめ、暴力という言葉がぽんと出てくる。それであれば、例えば、4つ目のポツの「個性や多様性が尊重され、自分らしく、尊厳を持つことができ、一人一人が思う幸福な生活ができる」を先にもってきて全体的な話があり、全体的なところからきめ細やかな課題に関してまでくまなく目を向けていますよというような流れになるほうが全ての若者に伝わりやすいのではないかと思いました。また、課題を抱えている、今、困難な状況にある若者にとっても、細かいところまで目を向けてもらっているという社会のイメージができるといいのかなと思いました。これがこのまま並ぶわけではないと思うのですが、そういった並びのところも今後は意識をしながら発信していったらいいかなと思いました。

あと、4ページ目の第4の「こどもまんなか」の実現に向けてということで、ここは私がコメントさせていただいたところを取り入れていただいてありがとうございます。この中で、「こどもまんなか」の実現に向けたEBPMと書かれていますが、国民の方からEBPMとは何かと思われる言葉なのではないかなと思いました。行政用語としては一般化してきている言葉かもしれませんが、これを若者や国民の方に伝えていく場合、EBPMというものが何かというのか分かりやすい表現にしたほうがいいのかなと思いました。例えば、単純に言えばエビデンスに基づく政策立案ということですので、そのような書き方にしてもいいのかなとちょっと思ったところです。

最後に質問ですが、こどもや若者、子育て当事者の視点に立った調査・研究というのは具体的にどういうものがあるのかがイメージがつかなかったので、その辺り、どういうものが考えられるのか教えていただければと思っております。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

御質問への回答は後でまとめてお願いできればと思います。表現や並び順のことも、今回もちょっと議論にはなったのですけれども、なかなか意見は一致せず、皆さんもいろいろな御意見をありがとうございます。順に示させていただきます。

それでは、オンラインで堀江委員がお手を挙げておられますので、まず堀江委員、お願いいたします。

堀江委員:どうもありがとうございます。

改めまして、この短い時間で多様な意見をしっかりとまとめていただきまして、本当に感謝申し上げます。ありがとうございます。

今回特にインクルージョンや多様な家族、性的指向についても入れていただいたこと、すごく先進的だったというか、進んだ部分だなということを感じております。

また、前回よりも自分のことを言ってくれているなと感じられるような内容に近づいていったのかなと思いますので、最終的にはこどもや若者の皆さんに気づいていただきたいとも思いつつ、少しずつ輪が広がってきたなということを感じております。

私からは大きく4点お話ができたらなと思っております。

まず、5ページ目の基本的な方針の大上段のところになるのですけれども、かなり具体的なことを記載していただいたので、メッセージが伝わりやすくなったなとは思ったのですけれども、この点に関して先ほどのお話にもあったかと思うのですけれども、ポジティブから入ってほしいなというのはまず1個あるかなと思っています、最初から暴力とかとなってしまうと、えっとなってしまうなというところがあるので、ぜひポジティブから入っていただきたいなと思いました。

分かりやすさというところでいくと、恐らく3つの権利のことが書いてあるのかなと思っておりまして、Well-being、自分らしくよりよく生きていくことと、暴力や排除からしっかりと守られること、あと意見の表明ができることという3つを詳しく書くと、この具体的な内容という形になっているのかなと思いましたので、この3つにしてほしいというよりも、先ほどおっしゃっていただいたとおり、まずはこういうことだよということを伝えていただいた上で、具体的な内容に入っていただきたいなと思っております。

また、細かい点で、暴力のところには性的暴力のことを必ず入れていただきたいなと思っております。いまだにウェブ上でも、コンビニとかでも、性的なものが常に目に見えてしまうような状況にあるのは日本だけだと思います。それ以外にももちろん性的虐待とかいうところもあると思うのですけれども、あらゆるこういった日常生活の中の部分も含めて、国もちゃんと規制していくよということもしっかりと表明していく必要があると思います。実際にやっていただきたいなと思っております。

2つ目、働くことや、誰と家族になること、親になることの希望を持つというふうに書いていただいて、この表現の仕方はすごくすてきだなと思いつつ、先ほど松本委員がおっしゃっていただいたとおり、多様な家族を受け入れていくとか、認めていくみたいなところをこの辺りにしっかりと書いていただけると、よりこの後の結婚とかというところも、本当はパートナーシップとかというふうに書いていただけたほうがいいのかなと思うのですけれども、その意図する部分が分かりやすくなるのかなと感じました。

次は13ページのところで2点、夫婦どちらかがキャリアを犠牲にすることなくというところ、キャリアについて断絶しないようにとお伝えしたものを書いていただいてすごくありがたいなと思いつつ、ちょっと気になったところが、やはり夫婦と書かれてしまうみたいな部分だったりとか、ジェンダーギャップのところについてもう少し書いていただいたほうがいいかなと思います。例えば子育てをすることでキャリアを犠牲にすることなくというところと、プラス男性の育児参画みたいな話もここには入っていないと思いますので、性別に関係なく子育てに参画し、子育てをすることだけでキャリアを犠牲にすることなくと書くのか、それとも子育てやキャリアにおいてジェンダーギャップをなくしていくとか、そういうふうな形にしていくのか、書きぶりはあるかと思うのですけれども、子育てもキャリアについてもジェンダーギャップをなくし、しかも何かしらを選択したら何かしらがなくなるという状態を排除していくということをしっかりと書いていただけるといいのかなと思いました。

最後4点目は、子育て、性に関して知る機会をというところは、これも書いていただいてうれしいなと思ったのですけれども、以前、矢島委員もおっしゃっていただいたところかと思ったのですが、現代の子育てや働くという現状自体リアルに知らない学生さんはすごく多いなと思うので、単純に文字情報で知るということではなく、リアルに学ぶとか知る機会と書いていただくということをぜひ書きぶりとしては書いていただきたいなと思います。

また、子育てや性というところだけではなく、現在の多様な家族、子育て、共働き、共育てについてリアルに学ぶ、体験する機会とかというような形で、しっかり今、分かれていない部分がちゃんと分かるようにというところを書いていただくと次につながっていくのかなと感じました。

以上になります。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、清永委員、お願いします。

清永委員:ありがとうございます。

私も壁のこどもたちの絵に励まされているところで、何ともすてきな演出をありがとうございます。

このようにまとめてくださいました秋田部会長はじめ皆様、本当に皆様の人権が守られているかということがちょっと心配になるぐらい、寝ていらっしゃいますでしょうかというところが私は心配になりつつ、本当にありがたく思っています。

1点だけお話しさせていただきたいのですけれども、2ページに「第2 基本的な方針」のこども・若者を意見表明と自己選択・自己決定の主体としてというところがあって、とにかく若者・こども自身が自分の選択をでき、決定をし、そして自分の意見を表明できるようにというようなこと、とても大事なことで、何か所にも書いていいことだと思うのですけれども、まずもってこどもたちが意見を表明する際に、自分が大事にされている、話を聞いてくれる人がいるという安心感がないと、なかなか意見を出せないという現状があると思います。私自身は安全教室を全国でしていたりするのですが、助けてと言う練習をする際に、聴いてくれる大人がいる、守ってくれる人がいるということがないとなかなか声が出せないのです。技術的なことを教えるだけではなくて、そこの安心感と、自分が尊重されている、必ず助けてくれる大人がいるという信頼感がないと、幾ら練習しても成り立たないのです。その力がつかないのです。

そのためには大人が変わらなければいけないということなのです。大人が変わるために は何が必要かということで、3ページ目の基本的な政策、(1)幼児期までとなっていますけれども、幼児期までというのはいつからのことを言うのかということなのです。まずもってこどもというのは、おなかの中の小さな命として、おなかの中に産まれたときからその人権が守られなければいけない存在なのだと。尊重されなければいけない人間を、このおなかの中で大事に育てているのだという視点がやはり大事なのではないかなと。そこから始まっていると。

私たちも妊婦さんたちを見たときに、この中に人権を守らねばならない、尊重されなければならない人間が一人ここにいて、そこから大事にしてあげなければいけないというのを御本人だけではなく、周りの近しい人だけではなく、社会全体で本当に大事にする、妊婦さんと共にその中のこどもを、一人の人間を私たちは育てているのだというような意識づけが必要ではないかなと思います。なので、1つの大事な人間を、小さな、見えないけれども育てるというところから、先ほど新保先生もおっしゃったと思うのですけれども、そこから始めるべきではないか、それを明確にするべきではないかと思いました。

例えば、産まれて、そしてあなたは大事よというふうに育てられながら、どんな環境で も大事に育てられながら育っていくということが、やがて例えばこども同士のいじめとかといったときに、お互いの人権意識が非常に大事になってくるのです。それをどう育むか。

いじめは駄目だとこどもたちはほとんど知っています。けれども、なぜいじめをするかというところで、お互いの人権とか、大事な相手の体を尊重するというようなことが関与してくる、そして互いの気持ちを尊重するという気持ちを育むには、自分もそのようにして産まれる前から大事に尊重されて育ってくるということが大事ではないかと。

なので、その辺りの基本的な施策のくくり方を、幼児期までと一くくりにするのか、それとももう一つの命として、おなかの中で産まれたときからというようなところからきちんと明記するのかというところは御討議いただきたいなと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、オンラインの谷口委員、お願いいたします。

谷口委員:ありがとうございます。

ここまでたくさんの意見があったと思うのですけれども、その中でも意見を取り入れていただいてありがとうございました。貧困当事者としてもすごくうれしく思っています。

私からは、3つほどお伝えしたいことがあります。

1つ目が、こども大綱の枠組みに対して、3ページの基本的な施策に対してのところなのですけれども、貧困の課題を解決するときに、それぞれの時期、幼児期とか学童期とかで分けて考えるのは少し難しい気がしているので、その下の○のところに何か追加するのはどうだろうと思っています。確かに貧困の問題の中でも、18歳以降の人が支援が途切れてしまうなどの観点から、18歳以降が取り残されがちという意見はたくさん聞くし、実際に大学生が、大学生になったら働けるという風潮があると思うから、そこで取り残される人たちもたくさんいると思っています。

実際に私の周りでも、自分で働くしかすべを持っていなくて、自分の学費や生活費、妹、弟がいればその子たちも支えながら、バイトや家事、自分のやりたいことを両立している人がたくさんいて、その学生たちが、いつ体調を崩すのか分からないみたいな人がたくさんいるから、そういった支援の充実にはこれからも取り組んでいってほしいなという気持ちがあります。けれども、ライフステージの中でもそれぞれいろいろな背景があって、様々な課題感があると思っていて、親がいない家庭だったり、ひとり親の家庭、障害者家庭、親がいないけれどもきょうだいがいる家庭とか、それぞれの背景によって取り残されやすい人たちがいると感じています。なので、そういった取り残されやすい人たちを取り残さないためにも、それぞれのニーズに合わせた背景に合わせて支援を考えていく、施策を考えていくほうが、一人でも多くそういったこどもたちを救うためには、背景で分けていったほうが一番いいのかなと私は感じています。

2つ目に関しては、7ページの社会像のことについてなのですけれども、一番最後の同時に2つのことに対してつながるという話があったと思います。ここをもっとこどもの視点のものを含んでもいいのかなと思っていました。確かに「こどもまんなか」にしたいから、社会全体からの視点で考えることは大切だと思うのですけれども、「こどもまんなか」にするためだから、最後の「つながる」のところにこどもを主語とした文章が入っていてもいいのかなって思っています。

「こどもが」にするために周りを変えていくことは絶対に必須だと思うのですけれども、でも、それはこどもの自分らしくとか、こどもがもっと生きやすく、生活しやすくするためだと思っています。結婚やこどもを産むなどの観点からは、こどもが主語の文章が入っていると思うのですけれども、その人たちも大切だとは思うのですが、ほかにもいろいろな課題感を持っているこどもたちはいると思うので、そういったこども全体が主語になる言葉があってもいいのかなと思いました。

最後、3つ目に関して、基本的な方針に対して、11ページと12ページに関してなのですけれども、誰一人取り残されないようにするために、各地方団体と協力しながらという話が入っていて、こどもたちに支援を促すためには、地方の団体と協力することが絶対に大切だと思っているので、それは本当に入っていてよかったなと思っています。ほかにも、経済的にとか、情報が届かないなどについての方針も言及されていて、その文章が入っていてすごくうれしく思っています。

けれども、ほかにも心の面、社会の人の意識が変わってほしいとも思っています。実際に大人の人の理解がなくて、つらい思いをしたという声もよく聞くことがあります。なので、機関や民間団体の理解も必要だと思うのですけれども、こどもたちを取り巻く地域の人の理解を促すための方針も何か入っていれば、もっともっとよくなるなと思っています。

実際に私自身も、自分のおうちの周りの地域の人が支援につないでくれたおかげで、周りの人が何か動いてくれたおかげで支援につながったということも今までありました。周りの地域の人もこどもたちのSOSに気づける人たちだと思うので、そういった民間の人たちにも何か支援を促すような一文が入っていればもっともっとよくなるなと思っていたので、ぜひ追加していただければなと思っています。

長くなってしまったのですけれども、以上です。ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、原田委員、その後、櫻井委員、貞廣委員とお願いしたいと思いますので、お願いいたします。

原田委員:ありがとうございます。

私からは3点あります。

1つ目は、意見反映について、全体の中で各所に記載されていることは、これからのこども・若者が主体となる「こどもまんなか社会」の実現に向けて重要だと思いました。

一方で、生活の場での意見反映だったり、日常的な意見を言い合える環境づくりについても併せて表記されることが必要だと考えています。

私は現在、ユースカウンシル事業という地域の中でユース世代が政策提言をする、まさしくこの政策への意見反映を目指して活動しています。しかしながら、最初からそうした活動ができたわけではなくて、日常的な場、とりわけ尼崎市のユースセンターだったり、ユースワーカーという職員、権利擁護委員会だったり地域の人々といった様々な生活の場での意見反映を通して、政策についての意見を言ったら反映される、言っても大丈夫だというふうな意識の形成につながっていたという過程があります。

基本的な方針の主語は、社会ではなく国であるという話もありましたが、政策への意見反映と生活レベルの意見反映はつながっている一連のプロセスだと考えています。3月に出された意見反映プロセスの報告書でも、こうした日常的な意見反映について言及されていて、また、ウェブアンケートなどこどもの意見の結果等々を見ても、生活の場での意見反映が重要だと考えています。

2点目は、政策等のフィードバックについて、記載もありましたが、改めてこども・若者に分かりやすいフィードバック方法が重要だと考えています。現在も各報告書など「やさしい版」などがあると思いますが、そうした取組を国にかかわらず可能な範囲で地方自治体でも取り組むことが必要だと考えています。「やさしい版」を地方自治体などが作成することを通じて、こども・若者に伝わりやすいのはどういう表現だろうだったり、こどもの視点を考えたり、こども・若者と共に考えること、そういったことにつながっていくことにもなると思いますので、そうした取組を各地方自治体で始めていくことも重要だと考えています。

最後に、新保委員や定本委員からもお話のあった自己決定について、私自身、ヤングケアラー状態の中で、自己決定は必ずしも自分の最善の利益を享受できたものではなかったように思います。例えば今日は行政の人、ケースワーカーさんなどに来なくてもいいと話しても、それは自分がそう思うのではなくて、今日来たらケアをしている相手、母親が嫌がるであったり、よりしんどくなるから、そういった背景で今日は来なくていいということがありました。ですので、こども・若者が自己決定の主体であることに加えて、エンパワーメントを受けることやアドボカシーを受けること、そういった存在であることも示すことが重要だと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、櫻井委員、お願いします。少し時間が押してきて、少しずつ巻いてほしいということでございますので、よろしくお願いいたします。

櫻井委員:ありがとうございます。

おまとめいただき、ありがとうございます。

私からは、13ページの部分に関して2点お伝えしたいことがあります。

1点目は、先ほど松本委員がおっしゃっていた多様な家族の形を尊重するというのは非常に私もよいなと思いました。家族の形だけではなく、価値観を尊重するというのも併せて入れていただけるとよりよいのかなと思っています。

13ページ以外のところ、特に7ページなどを見まして、若者に本当に結婚、出産、こども選択してほしいのだなという思いが非常にあふれ過ぎているのではないかなと感じています。これを見て、すごく産ませたいのだなというのを率直に感じてしまいました。なので、どんな選択をしたとしても生きることができるというのが、結婚するしないにかかわらずというところを真ん中に据えるべきではないかなと思っています。

あと、働くことや、誰かと家族になること、親になること、夢や希望を持つことみたいなところは、働くことというのがここに入るのが私は違和感を覚えております。なので、働くことというのは独立してもいいのかなと思っています。先ほども申し上げましたが、結婚する、出産するにかかわらずに、自分の望む人生を選択できるということをど真ん中に据えて考えていただけたらなと思っています。

2点目が、さっき定本委員がおっしゃっていたところなのですけれども、もうちょっと包括的性教育の視点も入れていただけるとよいのかなと思います。もう一個が、結婚や出産をするかしないかは個人の選ぶ権利があることという部分ですけれども、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点に立つと、結婚、出産だけでなく自分のセクシュアリティーについても全ての人が自分で決められるというのがあるので、ぜひその点も入れていただけたらなと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、貞廣委員、お願いします。

貞廣委員:ありがとうございます。

私としては、内容ということよりも、今後のということで2点申し上げたいと思います。

1点目は、名宛て人の明確化による当事者意識の醸成という点です。先ほど佐藤参事官から、これは国の施策であるのでという御説明はありましたけれども、るる意見が出ていますように、社会の方々の御協力、企業の方々、学校をはじめとする教育関係者諸団体の方、自治体の方々が手だてや施策を講じてくださり、それによって社会全体のメンタリティーが変わっていく。または、そのメンタリティーが変わっていくことによって、また施策が促進されていくという、そういう正の循環をつくることが必要なのだと思います。

ここの会議は、価値観を共有している人たちから構成されている委員会で、私は前回、残念ながら欠席させていただいたのですが、動画を拝見しながら、首がもげるほどうなずきながら聞いていたのですけれども、残念ながら必ずしも社会全体がそうした価値の捉え直しができているかというと、そういうわけではありません。ただし、その価値の捉え方は必須だということなのです。ですから、この大綱自体に入れ込むかどうかということはまた検討の余地があると思いますけれども、名宛て人を明確化して、例えば社会の皆様へ、企業の皆様へ、学校関係者の皆様へ、諸団体の方々、自治体の方々、とにかくあなたたちがこういう価値の捉え直しとか、こういうこう努力や支援をしてくださることによって、こどもたちの育ちはこのように変わっていくのだというようなメッセージを明確に出していくのが必要だと思います。

このときに社会というのが非常に重要だと私は思っていまして、子育て世代の方々というのはお互いに支援をし合う必要を感じていると思うのですけれども、例えば少し上の世代の価値観を内面化していて、なかなか変えられない方々、または先ほど男性という言及も出てきていましたけれども、分かってはいるけれどもなかなか変われない方々であるとか、または、そもそも日本社会は例えばOECDの諸外国と比べても、教育一つ取っても自己責任でやるべきだ、家庭の単位で責任を持つべきだという価値観が非常に強いのです。または、自分のお子さんが高等学校、大学に通っている方々は、これは社会全体で育てていくべきだと一瞬、最大瞬間風速的に思うのですけれども、それが終わってしまうとやはり個人の責任だよねというふうにもう一度後戻りしてしまったりするので、既存の内面かされている価値の揺さぶりが、大綱をしっかりと推進していくためには必要であるので、繰り返しになりますけれども、何らかの形で名宛て人の明確化と当事者意識の醸成をしていただきたい。もちろん全て散りばめられているのですけれども、読もうと思って読まないと自分のこととして読めない文章になっているという意味で申し上げたいと思います。これが1点目です。

もう一個は小さなことなのですけれども、笑顔とか幸福という言葉が使われていることについてです。幸福はWell-Being指標などがありますので、進捗状況の検証などはかなりできる余地はあると思うのですけれども、笑顔という言葉はとても魅力的なのですが、具体的な手だてであるとか、インプリメンテーションや、検証の手だてがなかなか描くことができないものです。使うことが悪いというわけではないのですけれども、構成要素の道筋が少し見えるような道程をつけるほうがいいのかなと思っています。

私は教育の研究者なのですけれども、学校も、PDCAサイクルを回して、学校教育目標をしっかり実現していかなければいけないと言われて何年もたつのですが、学校教育目標が、瞳きらきらとか、笑顔とか、元気とか、そういうのになっていたりして、当然検証はされないわけですので、EBPMということを推進するのであれば、その辺りも目配りが必要なのではないかなと思った次第です。

以上2点です。ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、田中委員、お願いします。

田中委員:手短にということで、4点お話しさせていただこうと思います。

まず1つ目なのですが、全体的にこども期から自立した青年、成人、そして家族を持つという流れなのですが、印象としては、こども期の生活が基本的にうまくいったということが前提の流れのような気がしています。というのも、社会的養護を経験した子たちの中には、貧困の連鎖や虐待の連鎖という状況に陥りやすい現状があるからです。残念ながら、私と同じ施設で育った子も、一緒に暮らしていた当時は、自分のこどもは絶対に施設に入れないと言っていたのですが、成人してから自分の娘を乳児院に預けることになっていたこともありました。なので、こども期、社会的養護を経験すると充実した環境で育つことができますが、退所後のアフターケアが充実していない結果、青年期や成人期にドロップアウトしてしまう子たちがいます。なので、因果関係は分かりませんけれども、少なからず、そういった状態だからこそなのか、周りの子も若年層でこどもを産んで、貧困の連鎖、虐待の連鎖を引き起こしている子が身近にも数件はありました。

こういった一部ドロップアウトを余儀なくされる青年及び成人が出てきてしまうという現状を踏まえて、冒頭に松本委員からありましたが、貧困をなくすみたいな視点を持って、貧困の連鎖とか虐待の連鎖が打破できるような内容もあったらいいのではないかなと思ったのが1点目です。

2つ目は、基本方針の(4)の4行目、11ページの4行目ですが、保護者への支援をはじめとする生育環境や社会的養護への対応も含め、重層的にアプローチするの一文にある社会的養護という言葉遣いについてですが、これまでの社会的養護というのは、どちらかというと家か措置されるかの2択で、その措置制度の枠組みとして社会的養護という言葉が使われていました。しかし、現在の社会的養護というのは、措置制度だけではなく、地域支援、家庭支援も含む幅広いものに変わってきています。その変容の中で、家庭の養育支援から代替養育までを含む幅広い概念として社会的養育という言葉を用いられるようになってきているので、その言葉遣いも微妙ではありますが、この文脈で言うと社会的養育のほうが合っているかなと思うので、検討いただけたらと思っております。

3つ目が、12ページ目の2つ目の黒ポツ「支援の必要なこども・若者や家族ほどSOSを発すること自体が困難であったり」の文章についてです。私自身の経験談にはなりますが、社会的養護の子たちと話をする中で、幼少期に虐待を受けていた子たちから、先ほど岸田さんや清永委員よりお話がありましたが、SOSを出したのだけれども助けてもらえなかっただとか、もうあなたはそう見えないからといってスルーされたと、そういう苦しい、何てこったという経験談を聞くことがありました。

このことからも分かるように、こどもにとってのSOSが大人に十分届いていない、見逃している可能性があります。なので、清永委員と同じになりますが、どこに入れるかはお任せするのですが、大人が変わる必要があるだとか、大人の聞く姿勢の表現もどこかに入っていただけるといいのかなと思いました。

最後は、同じページの3つ目の黒ポツです。たしか第2次報告書では、こどもに関わる人たちのメンタルヘルスという部分で、児童相談所の職員という記載もあったのですが、ここでは表記がなくなっているのがちょっと気になりました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、オンラインで駒村委員、続いて矢島委員、お願いいたします。

駒村委員:駒村です。ありがとうございます。

本日はオンラインで失礼いたします。

今まで御発言があった部分に関しては重なりますので、発言がなかった部分に絞ってお話ししたいと思います。

資料3-1の14ページです。この中で、こども家庭庁は勧告権を持つという非常に強い権限があるかと思います。審議会は基本的には聞かれたことを答えるという性格のものでありますけれども、主体的に問題を見つけて、各省庁に是正を求めるという強い権限を持った省庁だと思います。

確認ですけれども、ここに書いてある関係省庁というのは国の省庁だけであって、自治体は含まないということなのだろうとは思います。その辺の確認と、それから、勧告権を使うに当たって、書いてある推進会議とか審議会はどう関わるのかです。勧告権のプロセスについては少し事務局に教えていただきたいなと思います。委員の中のほうから発議があって、勧告権を使えるような状態にできるのかどうかという問題意識です。

それから、もう一つは、このページには地域の実情ということが繰り返されていて、これはまさにそのとおりで、地方分権でありますし、地域で様々状況は違います。しかし、国がいろいろ予算を措置したりしても、それは交付金のような形や事業のような形だと、実際にやるかやらないかは地方自治体の判断になってしまうのです。これで分権上、当然のことですが、ただ、こどものために配分された財源が実際には別目的のところに使われるということはよくある話だろうと思いますので、自治体の住民が、自分たちの地域の子ども政策はほかの地域と比べてどうなのだろうか、こども施策はどうなのだろうかというのを評価できるようにしておかなければいけないと思います。しかし住民がこのような他の地域と比較する情報を集めるのは難しいです。自治体がこういう調査に応じてくれる、こういうデータを集めることは難しいので、こども家庭庁のほうに、自治体の政策に関しての調査、データ収集の権限があったほうがいいのではないかと思います。そういうデータを集めて、分権社会ですから、自治体にこうしろとまでは言えませんけれども、この地域はほかの地域に比べてこういう施策が充実しているか、していないかということが住民も分かるような形にできるように、自治体別の子ども施策のデータ収集し、公開するような権限があってもいいのではないかと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、矢島委員、お願いいたします。

矢島委員:ありがとうございます。

私は前回、途中で退席させていただいてしまいまして、皆様が御意見されていた方針のところについて資料で拝見させていただきました。前回のご意見を拝見したり、前回の意見交換を経て、このこども大綱と少子化大綱を一本化することの難しさを改めて感じています。どちらが大事ということではなくて、本当にどちらも大事なものなのですけれども、そのことを一つにまとめることで、何かしら優先順位がついて見えたり、あるいは一方が他方を積極的に推進しない理由づけに使われたりする危険性があるかなと。先ほどほかの方もおっしゃっていましたけれども、この場では皆さんどちらも積極的に推進することを前提にお話ししていただいていますし、事務局の皆さんもそういうつもりでお取りまとめいただいているとは思うのですけれども、社会全般にこれを周知していく中では、その辺りが誤解されがちなのかなと。

例えば前回の委員の方の御意見の中でも、こどもを支えることも大事だけれども、子育て家庭を支えることも大事だと。それは当たり前のことなのですけれども、そこで子育て家庭がこども・子育てにおいて基本であって、保護者としての第一義的責任を負うというような、そうした考えはこれまでこどもを主体的に尊重するとか、こどもを守るということを妨げていたものでもあるのです。それは一言で言えばこのこども家庭庁ができるときに、こどもに家庭という言葉を省庁の名前の中に入れることについて議論があったということに象徴されていると思うのですけれども、そうした面で誤解が生じないようにということが非常に重要だなと思います。

私は、これまで少子化対策と関わってきた立場から見ますと、どうしてもこどもを主語にして対策を並べられている中で、今現在、子育て家庭が直面している困難の問題が先送りされてしまう懸念を感じざるを得ないところがあります。これまでの少子化対策においても、少子化対策というのはリプロダクティブ・ヘルス/ライツやジェンダー平等において誤解を生じるという危険な部分があったので、これまでもただし書がついていて、この大綱の取りまとめにおいても、しつこいぐらいにただし書、今日皆様の意見にあった懸念点についてのただし書はしっかり書き込んでいただきたいなと。やはりジェンダー平等であり、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、あるいはこどもを守るということが最優先であるということなどは、ぜひしっかりとただし書で書いていただきたいなと思います。

それと、この大綱の文言の問題ではないのですけれども、この審議会の議論そのものが、現政府が「こどもまんなか」政策を非常に重要施策として見ているということ、ユーチューブで発信するということの社会的意義は、この会議自体にもそういう役割があると思っているので申し上げるのですが、現在も芸能事務所における性的加害の問題が実際に起こっていて、国会内でもヒアリング等が行われているようですけれども、テレビ等の大手メディアが完全にこれをスルーしていたり、この問題を軽視していたり、それから、一方でSNSでは告発した当事者の皆さんが非常に大きなバッシングを受けているというような状況があります。そうなると、今現在まさに被害に遭っている児童にしてみれば、声を上げても大人は守ってくれないとか、あるいは声を上げればさらにひどい目に遭うのだということを日々突きつけられている状態だと思います。ですので、こうした大綱を取りまとめていくという過程も大事ですけれども、こども家庭庁としても、こうして今現在、非常に大きな問題が起こっていることにもぜひ向き合っていただければと思います。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、土肥委員、松浦委員とお願いしたいと思います。

土肥委員、お願いします。

土肥委員:短く何点か申し上げたいと思います。

まず最初に基本方針のところで、基本的な方針の(1)で「こども・若者を意見表明と自己選択・自己決定の」と書いていただいているのですけれども、ここの表現は、ほかの委員からもいろいろな御指摘があったのですけれども、もし意見表明という言葉を使うのであれば、ほかの表現と併せて「参画及び意見表明と」と書いていただくほうがいいのかなと感じております。

また、ここはどこということではなくて、意見表明と自己決定に関してなのですけれども、自己決定とともに共同決定という文言を加えていただけるといいなと思っていまして、ロジャー・ハートの「参画のはしご」を見ても一番上は共同決定になっていて、こどもたちが決定しても、最終的に社会のパートナーとして考えていくという意味では、共同決定という考え方が重要ではないかと考えています。具体的なところで、10ページのライフステージのところで、2ポツで「成人期への移行期にある若者が円滑な社会生活を」というところに関してなのですけれども、移行期に対するこども・若者政策は非常に重要だと考えていますが、この中で、もともとこども・若者参画政策というのは権利として重要であるということとともに、大人になることへの困難性を早い段階で参画をして自己決定や自立したこども・若者を育てていくという視点もあったのではないかなと思っていまして、その意味では、成人期への移行期の政策の部分が支援にとどまっていて、むしろその政策の中でも参画や自立していくような、要するに積極的なシチズンシップを持ったこども・若者を育てていくというような視点も必要ではないかと思っています。

懸念として、従来のこども・若者政策は、こども・若者に課題があると、傷口を塞ぐみたいな施策になっていて、むしろ自らに振りかかった困難を自らで解決していけるような自立的なこども・若者を育てていくという全体論的、ホリスティック的な政策を考える必要があるのではないかと思っていまして、また、ライフステージのところでも参画や意見表明に触れていただくことで、そこがより強調されるのではないかと考えています。

少し戻るのですけれども、4ページのこども大綱の基本的な枠組みのところで、施策の推進体制が第5で挙がっていて、第4でもこども・若者の意見反映が書かれているのでいいのかもしれませんけれども、点検・評価・公表に当たっても、こども・若者の意見反映や参画をしていくということを明記したほうがいいのではないかと考えています。

最後になりますが、8ページの4ポツ、特定の価値観やプレッシャーを押しつけられることなくということが書いてあって、これは非常に重要な視点だと思うのですけれども、それとともに多様な価値観と出会えるということを表現として入れてはどうかと思っていまして、例えばドイツの子ども・若者支援法という法律の第3条にはこういうふうに書かれていまして、こども・若者支援は、様々な価値志向を持つ担い手による多様性と内容・方法・活動形態の多様性という特徴があると書かれていて、つまり、独裁政権があったので多様な価値観を持った大人とかこども・若者支援者が関わったほうがいいということももちろん背景としてあるのですけれども、要するに特定の価値を与えないということとともに、多様な価値観とこども・若者が出会えるようにしていくということも視点として重要なのではないかなと考えておりまして、学校の中も複数担任制のように、だんだんいろいろな大人と出会えるようになってきているのですけれども、どうしても自分の学校のクラスの先生が自分の国とか言ったりすることもありますが、特定の大人と出会ってしまうことだけになってしまうという部分もあるのかなと思っているので、そういうポジティブな表現に変えていただくほうがよりいいのかなと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして松浦委員、そして松田部会長代理と、時間が押しておりますので、もう一議題ありますので、よろしくお願いします。

松本委員:その前に10秒だけ下さい。松浦委員の後で結構です。

秋田部会長:先に松浦委員、お願いします。

松浦委員:手短に3点だけ申し上げます。

スライドの3ページの基本的な施策のところのライフステージの切り方について、原案では年代、ライフイベント、事情などいろいろな観点が混在しています。それがいいか悪いかは別にして、ライフステージの切り方は、政策を漏れなく効果的に推進していく上で重要な論点なので、どういう政策が必要になるかということをにらみながら、改めて議論させていただく場があったほうがいいというのが1点目です。

2点目は、これはもう既に御意見が出たのですが、7ページの「『こどもまんなか社会』とはと、「社会経済の幸福・持続可能性の両面を同時に実現するもの」という記述は、切り分けて記載いただきたいですし、「同時に実現するもの」という表現には違和感があります。

最後、9ページですけれども、1つ目のポツで、こども・若者が尊重されると書いてありますが、「年齢や発達の段階に応じて」という部分に疑問を覚えました。「年齢や発達の段階に応じて」という表現に制約的な印象を受けたためですが、この言葉がなぜ入っているのかを後で確認させて頂ければと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

松本委員。

松本委員:10秒で。

先ほど結婚のところで多様な形を尊重するということを申し上げました。それと関わって、この中にひとり親世帯の話が出てこないのです。これは重大な欠落だと思います。むしろ結婚するということはいいことだけではなくて、離婚をしても、あるいはひとり親になっても、きちんとこどもと家族が守られるということを明示すべきだということです。

それがないと、これは重要な政策的な領域を欠落させたものになるかと思います。

すみません、30秒になりました。

秋田部会長:ありがとうございます。

木田委員:すみません、私が先ほど述べたところで誤解を招いたかもしれないと思いまして、1点だけ補足したいのですが、基本的な方針の(1)に権利主体を書くべきと申し上げましたが、意見表明についても引き続き大事ですので、それを書かないということではなく、(2)に意見表明の部分、形成・表明・参画の視点を整理すべきだという趣旨でございますので、その点について補足させていただきます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、松田部会長代理から事務局へと行きますので、お願いします。

松田委員:松田です。

5点ぐらい、ちょっと急ぎます。

前回のかなり真摯な皆様の意見を踏まえて、事務局様がかなり丁寧に修正をしてくださったと思います。このこども大綱が既存の3大綱を受けてつくるということになっている。

そこに難しさがあるという御意見もありましたが、それをつくるものですので、そこでできるだけよい表現、文言がなされていくのが大事かなと思いました。さらに今日の提案で充実したものになると思います。

気づいた点を何個か申し上げると、1点目はこどもの権利や自己決定についての書きぶりは極めて具体的な御提案だったと思います。忘れてはならないこととして、特に若者から言われたと思いますが、そもそも自己決定できるようにしてほしいという、やはりこれが大事かなと思いますし、それを支援するということが大事かなと思いました。

あと、ライフステージの切り方についても何人かの御意見がありまして、特にこれは若い方からあったと思いますが、1つは貧困をどこに位置づけるかというところで、基本的にはどこのライフステージにおいても貧困が生じないようにしていくということが大事ですが、かといってどこにも位置づけないと、有効な施策がちゃんとあるかということが分からなくなるという問題もあるかと思います。ここは少し考慮が必要かなと思いました。

幾つか御意見をいただいている結婚や子育ては私の専門分野なので、私からお話しすると、少子化対策大綱がここにも入らないといけないということが難しさを生じさせているのではないかという矢島委員の意見はごもっともだと思います。その前提だということで申し上げると、基本的に少子化対策で大事なことは、幅広い人が希望するライフコースを選べることだと思います。それは働く、結婚したい方がする、こどもを持ちたい方が持てると。そのような表現がなされていることが大事かと思います。誤解されているかと思いましたことが1点あるのは、政府の既存調査を見ると、若者の9割の方は結婚したいと言っているのです。そう考えると、したいという主体的な希望をまずかなえることが大事だと思います。その上で、ある程度多様性に配慮する、その文言がどこかにしっかり入っていることが大事かなと思いました。

最後、文言の推敲に関してはすごく細かな表現を御指摘いただきまして、希望をかなえるではなくて、希望をかなえられるようにするのではないかというような、細かいですがはっとするような表現ですし、EBPMの用語のことも、専門家以外の方には分かりにくいところがありますから、文言全体はいろいろな御指摘をいただきましたので、それは分かりやすいもの、よいものに修正される余地があるのではないかなと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

いろいろ御意見ありがとうございます。

質問のあった部分について、事務局のほうからお願いいたします。

佐藤参事官:ありがとうございます。

まず、新保委員と清永委員から御指摘のあった胎児の話ですけれども、枠組みの基本的な施策のライフステージのときに幼児期までと書いたのは、胎児が入る意味合いを込めてそう書いたつもりでありまして、もともと事務局で乳幼児期みたいな書き方をしていたのですが、そうすると胎児が入らないねという話もあって、そこは大事なので、そういう意味では、中の施策を書くときには当然に入ってくるものかなと思っています。

松本委員から御指摘のあったジェンダー平等の関係は大変重要だと思っています。一方で、男女共同参画基本計画という別の政府の方針の中で、ジェンダー平等についてはこども期も含めて方針が定められています。そうした中で、ここのこども大綱で何をどこまで書くかというのはまた御議論をいただければと思っています。

青木委員から御指摘のあった調査研究に関しては、こどもや若者の意識や実態をつかむような調査研究がまだまだ足りていないなと。どうしても、ややもすると施設側というか供給者側を通して取られているような統計のほうが多かったりしますので、そうしたものより直接的にこどもや若者の状況とか意識を把握するような調査研究を充実していったほうがいいのではないかという思いを込めて書いているところであります。

木田委員から御指摘のあった権利の主体も大変重要だと思っています。一方で、EBPMについての御指摘とちょっと似ているのですが、権利の主体という5文字で何を意味しているかというのをより多くの国民の方々に伝わるようにしないといけないというときに、裸で権利の主体と書くと伝わるのかというのもあって、当然文章の中では書いていくのかなと思っているのですが、具体的に特にこどもや若者の立場になったときに、項目を見てそれが何を言っているのかが分かるようにしたいという思いがあります、その点は事務局から投げかけて、僭越ですが、若者当事者の委員の方々にもぜひお知恵をいただいて、権利の主体というのが若者の目から見てどういうかみ砕いた表現になるのかというのはぜひお知恵を頂戴できたら大変ありがたいと思っています。

駒村委員から御指摘のあった勧告権ですけれども、勧告権の発動対象は基本的には関係大臣です。国の大臣、内閣府特命担当大臣、今で言えば小倉大臣が、関係行政機関の長、基本的には関係省庁の大臣に対して発動をされるものです。こども家庭審議会やこども政策推進会議は直接的には勧告権のプロセスとは関係があるものではありません。他方で、この基本政策部会も含めてこども家庭審議会は、諮問を受けて調査審議をするだけではなくて、自ら調査審議をし、そして内閣総理大臣はじめ関係大臣に意見を述べる権限をお持ちです。なので、勧告権とは別ではありますけれども、このこども家庭審議会でいろいろな御意見が集まったものが、大臣に対して意見を述べるということもできます。また、そうしたことも踏まえながら、政府部内でいろいろな動きも出てきますし、必要に応じて内閣府特命担当大臣が勧告権を発動する。内閣府特命担当大臣の勧告権は、審議会の意見陳述が前提ではありませんけれども、例えばそうしたことも受けながらというところも一つの動きにはなるかなと思っています。

松浦委員から御指摘のあった年齢や発達の段階に応じては、こども基本法やこども家庭庁の設置法でも書かれている文言であります。こども自体が低年齢のときから年齢が上がっていくにしたがって、その意見そのものをどこまでどう取り上げるものが適切なのかという点はやはりありますので、そうしたところから、児童の権利に関する条約にもそうした言い回しはあったかと思いますけれども、全体としてそういう言い回しが使われているということであります。

最後に、貞廣委員から御指摘のあった皆様に対するメッセージ性という点も大変重要だったかなと思っています。閣議決定の文書であるので、こども施策をこう進めていきますというのがあくまでこども大綱で、それに向けた御答申ではあるのですが、なので、そこでもうまく工夫できるところは工夫したいと思いつつ、これも事務局からの投げかけで、僭越ですけれども、例えばこども家庭審議会の部会の皆様方としてのメッセージを発していただくというところも一つあるのかなと。そこは逆に言うと、閣議決定文書みたいな堅苦しい話があるわけではないので、そうしたことも含めてお考えいただければなと思っています。

最後に余談になりますけれども、壁に貼っているこどもの絵は、まさにうちのこども大綱のチームのメンバー、20代の若手の職員もいるのですが、殺風景なところでやるのではなくて、こどもや若者の視点に立って、若者の立場からやるのが大事ではないかと自ら発案をしてくれて、こういう形にしています。今後ともそうした気持ちを事務局としても忘れずにしっかりやっていきたいと思っています。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

今日御議論いただきましたこども大綱の枠組み、目指すべき社会像、それから基本的な方針の案につきましては、本日と、それから今後の御議論を踏まえまして、私と松田部会長代理、あと事務局で整理をさせていただきまして、9月以降に中間整理の案として全体を議論いただきたいと思います。

今日の議事を見ていただきますとよくお分かりかと思うのですが、今、①が終わりまして、今後②で、私の進め方が悪く、本来はこれが30分前に終わっているべきでした。いろいろな御議論をいただきましたが、今後の進め方は重要でございますので、資料4並びに5、6について簡単に事務局のほうから御説明をいただきまして、勝手ながら、御意見がある方は直接事務局のほうにこのことについてはお寄せいただくというような形で進めさせていただきたいと思います。今後の進め方につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

佐藤参事官:まず、資料4を御覧ください。今後の進め方の案でございます。

今日が6月30日です。前回20日にやりまして、今日また御議論いただいて、枠組みや社会像、基本的な方針について御議論がありました。部会長から今、お話あったとおり、これで決定とかではなくて、また中間整理とか、もう少し文案化した中で、さらに御審議をいただければと思っています。

次回以降は、その枠組みで言うと「第3 基本的な施策」のライフステージごとなりの部分に入っていきます。今、7月に2回と8月に1回、それぞれで少し区分けをしながら、ライフステージごとの政策の在り方とか方向性について、より各論を具体的に御議論いただいたり、8月10日の段階では、EBPMという表現はさておき、エビデンスに基づく政策立案とか意見反映についても、第4の部分に入るところについて御議論をいただければと思っています。

その御議論の中で、先ほども委員から御指摘がありましたが、そもそもの立て方、特に貧困とか、障害のあるこども・若者のこととか、そうしたところをどういう形で入れていくのかというところについても、これをやりながらまた御議論をいただいて、今の(1)から(6)ありきというのも、例えば(5)の子育て期も青年期に入るのではないかという御指摘もありましたし、そこも含めて7月の回で御議論をいただき、また8月にはEBPMや意見範囲について御議論いただくと。

3回で終わるかどうかというのがあるので、お盆を挟んで恐縮なのですが、8月21日に予備日を念のため設けています。3回やって足りなければ8月21日にも恐縮ながら御参集をいただければと。おめくりいただいて2ページ目ですけれども、その上で9月に2回設定していまして、中間整理①、②とつけています。ここで今までの御議論、それまでの御議論を踏まえて文章化した形で中間整理というような形の文章をお示しして、さらに御議論を賜りたいと思っています。その上で、部会としてこういう中間整理でいきましょうとなったものを、秋田部会長のほうからこども家庭審議会の総会のほうに御報告をいただいて、こども家庭審議会の総会は関係の部会長さんが全員メンバーに入っていますので、またそこでも御議論いただいたもので、必要に応じて修正もしまして、それで審議会としての中間整理としてまとめた上で、秋頃から、こどもや若者、子育て当事者、また様々な団体の方々の意見を聴くような取組をしていきたいと思っています。

ここの持ち方など詳細はまた近くになったらお示しをしたいので、御審議をいただきたいと思うのですが、例えば部会委員の皆様に公聴会、こどもや若者に対する公聴会とか、大人に対する公聴会をやっていただくというのもあるかなと思っていますし、部会委員の皆様とユース団体、また経済界、労働界の皆様との意見交換をしていただくというのもあろうかと思います。

こども家庭庁において「こども若者★いけんぷらす」ということで、今、4,000人ぐらいのこども・若者が登録してくれて、もっと増やしていこうと思っているのですが、そういう事業があるので、その中でも対面やウェブアンケートという形で意見を聴いていく。

また、パブコメも全般にもしていきますけれども、こどもにも分かりやすいような、そういうパブコメができないか。子育て当事者の方々にも、またモニター調査みたいなことができないか。幾つか組み合わせて考えたいなと思っていますので、そこはまたお示しをさせてください。

その際に、原田委員からも御指摘がありましたけれども、こどもや若者に分かりやすい「やさしい版」のようなものを示さないと、中間整理は閣議決定の基になるもので、どうしても難しい文章になると思うのです。「やさしい版」という資料もしっかり事務局のほうでも汗をかいてつくった上で、こどもや若者が意見を言いやすいような形で事前にも情報提供などもしながら、しっかりとこどもや若者に理解をしてもらった上で意見を言ってもらえる、そのような形で進めていきたいと思っています。

続きまして、資料5と資料の6です。実はお時間があれば、それでもかなりすっ飛ばしながら御説明をしようと思ったのですが、お時間が限られているので、個々の御説明は恐縮ながらこの場では省略をさせていただきます。

ただ、次回以降、特に個別の政策の話に入っていきます。その中で、資料5については、これまでのこども・若者白書や少子化社会白書などから全てではないですけれども主なデータを持ってきています。最初のほうは人口構造とか全体の話、その中でこどもの数が減っていく話、その後、8ページ目以降は、それぞれのライフステージの段階での今のこどもや若者の状況が分かるような形、学びのこととか、様々な体験のことが分かるような形、そうした中で、インターネットの利用みたいな話もあるし、20ページ以降になってくるとひとり親の話なんかも出てきます。そうした様々なデータをお示しします。この場にいらっしゃる多くの方々は御存じのことも結構多いかもしれませんけれども、ぜひ一度お目通しいただければと思います。

さらにぜひお目通しいただきたいなと思っているのは、資料6であります。まさにこども・若者の意見を聴きながらこども大綱をつくるというのが大変大事でありまして、秋頃には具体的な取組もしますけれども、これまでにも多くのこども・若者から意見が寄せられています。資料6をおめくりいただいて、2ページ目には、これまで「こどもまんなかフォーラム」という形で、大臣自ら小学校高学年や中学生、高校生、大学生、20代の若者、ユース団体の方々、子育て当事者や子育て支援団体の方々、いろいろなNPOの方々の意見を聴いています。また、専門家の方々についても、人口減少の専門家の方々、経済団体や労働団体、また財政、社会保障の専門家の方々からも意見を聴いています。

かなり具体的に、例えば3ページを例に取れば、小学校5・6年生と中学生が具体的にどんなことを言っていたか。居場所が欲しい、公園が減っている、ジェンダーに配慮してほしい、学校教育を充実させてほしい、そんな意見があります。かなり具体的に書いています。本当は一個一個を丁寧に御説明したいのですが、そこは省かせていただくので、また御覧いただければと思います。

また、33ページを開いていただくと、内閣府のユース政策モニターという形で、10歳から30歳ぐらいのこども・若者280人ぐらいにウェブアンケートをしました。こちらもかなりの数のこどもや若者に、家族・家庭に関すること、友人・人間関係、学校、暮らしている町、心身の健康、お金、仕事、結婚、子育て、どういうことを思っているか、どうしてほしいかということをかなり具体的に聞き、とてもいい意見をたくさんいただいています。

ぜひお目通しいただければと思います。

最後に、これはウェブアンケートですけれども、一番最後の52ページは、具体的に当時の内閣府の職員が、そうした高校生や大学生、20人ぐらいの20代の若者と直接意見交換をしたときの意見も出ています。ここも掲載をしています。

こうしたことをいかに政策に反映していくか、こども大綱に反映していくかというところが大変重要であると考えていますので、皆様方、お忙しいところ大変恐縮でありますけれども、ぜひお目通しいただければ幸いです。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

誠に申し訳ありませんが、今の点につきましての御意見は事務局のほうにそれぞれお寄せいただければと思います。

本日も、私の不手際で時間を超えてしまいまして、しかも最初の方々はゆっくり聞かせていただいたのですが、だんだん巻いていただき、最後全員に御発言いただこうと思ったのですけれども、お手が挙がっていなかった方までは全部聞けなかったということで、誠に申し訳ありませんでした。

また次回以降、あと2週間の中で整理がなされて、次の会議が行われることになります。

次は7月13日の午前中を予定しておりますので、詳細は事務局から追って御連絡ということになります。

皆様、御協力のほど、どうもありがとうございました。

オンラインの皆様も、どうもありがとうございました。

閉会いたします。ありがとうございます。