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第3回 NIPT等の出生前検査に関する専門委員会

概要

日時:令和5年12月14日(木)16時00分から18時00分
場所:オンライン開催

議題

審議事項
(1)出生前検査認証制度等運営委員会からの報告
(2)NIPTの臨床研究について(ヒアリング)
(3)その他

資料

議事録

福井座長:それでは、定刻となりましたので、ただいまから第3回「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会」を開催いたします。

構成員の先生方におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。

最初に、本日の構成員の出欠状況等の報告を事務局からお願いします。

上出課長補佐:事務局からです。

本日の会議は、会場とオンラインとの併用で開催をしておりますが、会場からは、福井座長、横野委員、和田委員ほか、事務局が参加しております。

本日は、門脇委員、堤委員、中西委員から御欠席の御連絡をいただいておりますが、また、北川委員は16時半頃より、柘植委員は16時45分頃より、野崎委員は16時15分頃よりオンラインで参加と伺っております。

そのほかの委員からは御出席いただいており、過半数以上の御出席をいただいておりますので、本会議は成立いたします。

なお、本日は、日本医学会出生前検査認証制度等運営委員会委員長でおられます岡先生に、参考人としてオンラインで御出席をいただいております続きまして、本日の配付資料の確認等を行います。

本日はペーパーレス会議としており、オンラインで御参加いただく委員の先生方には、あらかじめ資料をメールでお送りしております。

資料の確認をさせていただきます。

議事次第に記載の配付資料のとおり、資料0から2と、参考資料1から10までとなっております。

過不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。

また、多くの委員はオンラインで御参加いただいているため、御発言いただく際には、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただくか、カメラの前で挙手をいただき、座長が御指名をさせていただきますので、お名前をお伝えいただいた上で御発言をよろしくお願いいたします。

会議冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、記者の方々は御退席の御協力のほどよろしくお願いいたします。

また、会議の公開についてですが、会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。

事務局からは、以上になります。

福井座長:ありがとうございます。

それでは議事に入ります。

まず、議事の1「出生前検査認証制度等運営委員会からの報告」でございます。

出生前検査認証制度等運営委員会の委員長の岡先生に、資料1を用いて御説明をお願いいたします。

岡参考人:ありがとうございます。

ただいま御紹介いただきました委員長の岡でございます。

それでは、資料を供覧しながら御説明をさせていただければと思います。

それでは、概況、そして、年次報告について、そして、今後の予定ということで、簡単ですけれども、御説明させていただきます。

まず、概況でございますが、これは皆さんもよく御存じのように、本委員会の下に日本医学会に運営委員会が設置されておりまして、今年度からは、こども家庭庁の担当課がオブザーバーとして参画していただいて、情報提供、施設認証、そして、検査精度評価の3つのワーキンググループの委員の先生方にいろいろ御尽力をいただいております。

まず、これが今年度の運営委員会の委員の先生方のお名前です。

いろいろな分野の方々から御参加いただいております。

また、これが情報提供ワーキンググループ、そして、これが施設認証ワーキンググループ、そして、これが検査精度評価ワーキンググループの先生方になります。

一部、今年度から委員の先生の入替えがございました。

さて、これが全体の状況でございますけれども、昨年令和4年2月に指針を公表しまして、7月に認証制度の開始となったわけです。

認証制度検査分析機関の認証制度の状況ですけれども、下に表がございますけれども、医療機関につきましては、基幹施設と連携施設と暫定連携施設がございます。

基幹施設それぞれには連携施設がひもづいているわけですけれども、暫定連携施設は、連携施設を申請する際に、臨床遺伝専門医あるいは産科婦人科遺伝診療学会における研修をしていただいた先生という、そういう条件を満たさない場合でも、2024年の3月までは、日本周産期・新生児医学会の周産期専門医の方がいらっしゃれば、それで暫定施設としてお認めするという枠組みでございます。

7月から基幹施設が始まり、それぞれの連携施設が9月26日に認証させていただいて、今年度、4月1日、10月1日に、それぞれ定期の認証を行ってきたということになります。

検査分析機関、右側のところにございますけれども、最初27施設、そして、現在は32機関となっております。

また、上のほうに戻っていただいて、今年の1月に、運営委員会のウェブサイト情報提供のワーキングの先生方にいろいろ御尽力いただいた(一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査)を完全公開させていただいていることになります。

これは、全国の医療機関の認証施設の状況、赤が基幹施設で、緑が連携施設ですけれども、各都道府県に1か所は基幹施設があるという状況で、それぞれに連携施設がひもづいております。

さて、年次報告でございます。

本制度では、各年度毎に、医療機関あるいは検査分析機関から、その実施状況を報告いただくことになっており、令和4年度につきましては、375施設から回答率100%となっております。

なお、今回の場合は、認証制度が、基幹施設については、昨年の7月から9か月になりますかね。

連携施設については、9月26日からということで、ほぼ6か月になることは御注意いただければと思います。

まず、「遺伝カウンセリング実施総数およびNIPT受検数」ですけれども、左が全体、そして、真ん中が基幹施設、そして、右側が連携施設になっております。

全体の総数を見ていきますと、遺伝カウンセリングを実施した数として2万5,110件で、そして、NIPTに関する遺伝カウンセリングを受けた後にNIPTを受けた妊婦さんの数が2万639人で82.2%となっております。

それぞれ基幹施設、連携施設の数字を右側にお示ししておりますので、御参照ください。

さて、受検者の年齢分布でございます。

以前の認証制度では、高齢の妊婦の方あるいは染色体の数的異常を有する児を妊娠した既往のある妊婦さんなどを対象としていたわけですけれども、新たな制度では、そうした対象疾患の発生頻度によらず適切な遺伝カウンセリングを実施しても、胎児の染色体の数的異常に対する不安が解消されないような方についても対象という方向性になっておりますけれども、これで見ていただきますと、34歳以下の方の受検もあるということで、全体の29.7%になるかなと思います。

その多くが30歳から34歳というところかと思います。

それから、検査を受けられた週数は大体10週から14週ぐらいのところに分布されているということになろうかと思います。

さて、検査分析機関からの報告についても御報告します。

全27機関から、回答率100%で回答をいただいております。

件数は2万726件と、先ほどの数よりも少し多いのですけれども、これは、医療機関では初回の検査数だけを集計しているのですけれども、検査分析機関では、初回検査で判定保留となった場合に再検査をいたしますけれども、そちらも集計しているという事情がございます。

あるいは、医療機関では、7月1日以降に遺伝カウンセリングを実施した症例のみ集計しておりますけれども、検査分析機関は、令和4年7月1日以降に検体採取した数を集計しておりますので、少し数が変わっております。

検査の実施として、国内が76.3%、国外での検査が23.7%となっております。

そして、その結果ですけれども,陽性数が318、陰性数が2万237、判定保留が171となっております。

陽性の中の内訳はそこにお示しするとおりになっております。

運営委員会の活動の中で1つ御紹介しておきますと、外国人の方に向けた説明書も欲しいという御要望もいただきまして、情報提供ワーキングの皆様にも御尽力いただいて、ここにお示しのような英語のバージョンあるいは中国語のバージョンもつくらせていただいたということになります。

さて、今後の予定でございますけれども、今後の予定としては、まず、年2回の審査・認証を今年度も行っていくことになります。

それから、医療機関(基幹・連携施設)および検査分析機関からの年次報告の集計を年度ごとにまとめていくことになります。

また、出生前検査に係る情報提供の課題はまだいろいろあると思いますけれども、例えば、認証施設に対するWEB上での適切な広告の例示、そういったようなものを作成していく。

あるいはウェブサイト等で、引き続き、適切な情報発信を続けるといったことが、今後の予定と言えるかと思います。

簡単でございますけれども、以上、御報告させていただきます。

ありがとうございました。

福井座長:ありがとうございました。

出生前検査認証制度等運営委員会の運用状況について、御報告いただきました。

岡先生のただいまの御発表に対して、御意見・御質問等ございましたら、よろしくお願いいたします。

和田先生、どうぞ。

和田委員:和田でございます。

御説明ありがとうございました。

2つ質問です。

資料9ページの基幹施設の認定の数が出ておりましたけれども、令和4年2月、令和5年でもうほとんど頭打ちのように見えますけれども、これで、基幹施設の認定はほぼマックスに達していると考えてよろしいでしょうか。

岡参考人:ありがとうございます。

こちらのほうで、特に何か制度として幾つと目標値を定めているところではありません。

ですので、これがマックスなのかどうかというのは、むしろ、手挙げをされる施設が今後増えるのかどうかということにはなろうかと思います。

そのときに、この制度の基本的な考えとしては、一応地域による差があってはいけないということで、もし、非常にアクセスが難しいという地域がありましたら、そこに、必ずしも基幹施設ではなくていいと思うのですけれども、連携施設があればと思っておりますけれども、マックスかどうかというのは、ちょっと何とも。

最初からある一定の数を特に想定していたというわけではないと考えております。

以上です。

和田委員:ありがとうございます。

もう一つよろしいでしょうか。

13ページの資料ですけれども、NIPTに関する遺伝カウンセリングの後に、実際に受けたパーセンテージが出ておりますけれども、これを見ますと、全体でも82.2%で、約2割の方がカウンセリングの後に、実際には検査を受けなかったという解釈だと思うのですが、この方々は、カウンセリングを受けた上で、私たちには不要であると判断されたのか。

それとも、羊水検査に直接進んだのかというような解析はされているのでしょうか。

岡参考人:すみません。

手元の資料で、それはちょっと確認できないのですけれども、基本的には、NIPTの枠組みの中では、恐らく、NIPTの検査を受けるかどちらかだったと考えています。

ただ、例えば、その方たちが非認証の医療機関に行ったとしたら、ちょっとそれは分からないということで、そこまでの解析はできておりません。

和田委員:分かりました。

ありがとうございます。

福井座長:それでは、家保先生どうぞ。

家保委員:ありがとうございます。

都道府県の立場といたしましては、10ページにあるように、各都道府県に基幹施設が少なくとも1か所あることは、非常にありがたいことだと思っております。

ただ、先ほど岡先生がおっしゃったように、都道府県の中でも、遠隔地がございますので、連携施設の今後については、各都道府県別の産婦人科医会とか産婦人科学会とお話をしながら、連携取っていただくしかないかなと思います。

その点について、産科婦人科学会でもぜひお話をしていただければ、ありがたいと思います。

それから、今回は初年度ですので、17ページにあります、陽性数318件、陰性数2万237件について、最終結果がどうだったのかというところのフォローまでを実施できないのは十分分かりますので、来年度以降、その点についてもきちんとフォローをしていただいて、検査の精度、それから、羊水検査に進んだかについては、大変かもしれませんが明らかにしていただいて、皆様方に情報提供をしていただければありがたいと思います。

お願いでございます。

以上です。

岡参考人:ありがとうございます。

まず、1点目については、本当に御指摘のとおりで、地域ごとの状況があると思いますので、特に基幹施設の先生方には、連携施設の配置等を地域として考えていただくことが大事かなと思っております。

それから、2点目は、今、委員がお話しになったように、これは、締め切った期間の後に羊水検査を受けられた方等もいらっしゃるので、令和4年度分については、正確な結果はちょっと申し上げられないので、来年度以降、提出期限を少し延ばすことで、その点も確認できるような形にしたいと思っておりますので、貴重な御意見を、どうもありがとうございました。

福井座長:ありがとうございます。

野崎先生、どうぞ。

野崎委員:野崎でございます。

遅くなりまして、失礼いたしました。

1点お伺いしたいのが、資料の16ページに出ております、検査総数及び国内・国外の検査数の割合という資料がございますけれども、こちらは国内と国外で示されておりますが、例えば、国内で完結をしている検査であるとか、そういったものの数的な割合等は確認できるのでしょうか。

それはちょっと難しいということでしょうか。

ちょっとその点教えていただければと思います。

岡参考人:ありがとうございます。

私の説明が十分ではなかったかなと思いますけれども、この国内のというのが、国内で完結しているという場合で、今、委員が御指摘になった国外の場合ですが、国外に直接依頼するのは、この私たち制度ではなくて、あくまでも、まず、国内の何らかの機関が受けて、その上で、もし、そこの検査が国外で行われる場合が右側の数字ということになりますので、一応そういうふうに読んでいただければよろしいかと思います。

野崎委員:ありがとうございました。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

そのほか、いかがでしょうか。

よろしいですか。

先ほど、家保先生も御指摘になりましたが、最終的に、偽陽性・偽陰性についてのデータも分かると、大変ありがたいです。

どうぞよろしくお願い致します。

ほかには。

櫻井先生、どうぞ。

櫻井委員:数のことだけではなく、13ページの、いわゆるNIPTに関する遺伝カウンセリング後というところがあるのですけれども、三上先生の資料のところにもあるのですが、全国の中で、カウンセリングの質の担保といいますか、多分、医療機関によってその中身は違うような気がするのですけれども、そのあたりは、運営委員会でどのように精査あるいは把握されているものでしょうか。

岡参考人:ありがとうございます。

すごく大事な点だと思いますし、この制度は走り始めたところで、例えば、時間とかを比較したりとかそういうことはしていませんので、私たちの中でも課題と考えております。

その中で、恐らく、今後、施設ごとのそうした、もちろんどういう方がそこに受診されるかというのも、母集団の差もいろいろあるとは思うのですけれども、遺伝カウンセリング後のNIPTの実施率による施設の違いとかそういったようなものも参考にしながら、遺伝カウンセリングの質についても検討する必要があるのかなと考えております。

ですけれども、お答えとしては、これ以上のことはちょっと把握できていないというのが現状でございます。

櫻井委員:分かりました。

すみません。

次のステップにそろそろ移ったほうがいいかなというのはありますので、よろしくお願いします。

福井座長:遺伝カウンセリング自体、全国的に、資格を持った方がされているのですね。

岡参考人:そういうことになります。

福井座長:ほかにはいかがでしょうか。

よろしいですか。

それでは、御議論いただき、ありがとうございました。

運営委員会からは、今後も、定期的に本委員会に御報告いただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、議題の2「NIPTの臨床研究について」に入ります。

NIPTの臨床研究につきましては、厚生労働省の専門委員会だった頃を含めて3回にわたって御議論いただきました。

これまでの御意見については、参考資料6に事務局でまとめていただいておりますが、前回の会議におきましては、NIPT臨床研究は、透明性をもって把握される必要があるということについては、御意見の一致があったと思います。

透明性の確保という点も含めまして、日本産科婦人科学会のお立場から、三上委員に、資料2「NIPTの臨床研究の対応について」を用いて御説明いただきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

三上委員:三上でございます。

よろしくお願いいたします。

本日は、「NIPTの臨床研究の対応について」ということで、今、日本産科婦人科学会はどういうふうに決めているかということと、最後のほうは、私の私見ということでお話しさせていただきます。

今、福井先生からもお話がありましたように、参考資料がついてございますので、それについては、後ほどまた、詳しく見ていただければと思います。

概要に関しては、今お話をさせていただきます。

これは、今回のこの専門委員会、運営委員会に関して、NIPTに関して、現在は3つのトリソミーの疾患に関して、対応して行ったわけですけれども、それ以外についての何らかの研究等を行う場合にはどうすればいいかということで、一応対象疾患ということで、それぞれの専門委員会、運営委員会で書いてあるところを示しています。

これに関しては、まず、きちんとした臨床研究などの形で評価をするということで、現在進められていると書かれているということでございます。

そして、これは、日本産科婦人科学会が出生前検査等に関する見解というものをつくってございまして、その中で基本となる考え方について示したものでございます。

まず最初に、生殖医療・周産期医療に関係する生命倫理を考えるに際しての日本産科婦人科学会の基本姿勢。

これは2022年3月に出されたものですけれども、ここに守るべき事項ということで書かれてございます。

これに関しては、NIPT、あとは着床前遺伝学的検査など、生殖医療・周産期医療に関係する生命倫理に関するものに関して、このような立場で行きたいということで決めた内容でございます。

あとは、出生前検査等に関する見解ということで、これは今日も御出席になられておられます関沢先生を中心に周産期委員会で考えられて、理事会で承認を受けてということで考えたものでございます。

基本的には、ELSIという問題が多く含まれているものであるので、きちんと日本産科婦人科学会の会員が念頭に置くべき事項として書かれているということでございます。

そこにアンダーラインで示してございますけれども、今もちょっと出てきましたけれども、「対応する医師はその内容を十分理解した上で、妊婦およびパートナー等などに遺伝学的検査の特性と意義について検査前に遺伝カウンセリングを行った上で、インフォームドコンセントを得て実施する。」

9)のところですけれども、「法的措置の場合を除き、出生前親子関係など医療目的ではない遺伝子解析・遺伝学的検査を行わない。」

そして、トリソミー以外、現在行われているNIPT以外を対象とした臨床研究に対する考え方ということで、そちらにまとめてございますけれども、陽性的中率等が3つの染色体トリソミーに比べて相当低いことを考慮することが十分あることと、欠失・重複や単一遺伝子の疾患を対象とするNIPTについては、少なくともスクリーニングで考えてはいけないということがここに書いてございます。

その下のアンダーラインですけれども、出生頻度が低い疾患であっても、偽陽性は一定頻度で出現し、多くの疾患を対象とすることで、検査全体の陽性率は上昇することになることを注意しないといけないということでございます。

(略)の下に書いてありますけれども、性別のような検査精度の問題よりもむしろ検査対象はどうすべきかについての倫理的に問われる場合があるということでございます。

これは、ある面、ハイリスクグループに対してNIPTをどのように使っていくかという研究にある程度絞られていくのではないかという発想ではないか思ってございます。

その下のアンダーラインですけれども、「適切な遺伝カウンセリングが行われていない中で検査が行われているとする極めて不適切である。

国内においても上記のような問題点について科学的に検証した上で個々の課題を解決していく必要がある。」

これに関しては、無認定の施設で科学的に検証されていないことの上で行われているという大きな問題があるということが書かれていると考えています。

次お願いします。

これは、実際に日本産科婦人科学会の理事会で考えて、こういう形にしていくべきではないかということで、理事会でも一応承認を得ている内容になっています。

まずは、研究というのは、以前にもお話がありましたけれども、研究を立案していく自由ということがございますので、まず、いろいろな研究者が研究を立案していくと。

基本的には、倫理指針にも決められていますけれども、研究代表となる施設の倫理委員会での承認を受ける。

これに関しては、後で、私の私見が少し出てくるところもあります。

それで、そこの倫理委員会での承認を得た上で日本産科婦人科学会に報告していただいて、日本産科婦人科学会の中で周産期委員会の中の委員会で、研究内容についてきちんと検討して、意見があれば、意見書を作成して、その研究を立案した先生、そして、倫理委員会に戻すということ。

そして、その内容について理事会に報告して、理事会での意見を伺って、研究責任者にきちんと意見を戻すという形にするということ。

その後、こちらの専門委員会に一応こういう内容で出てきていますということを報告する。

あとは、ここで、今日出席なさっている岡先生が委員長をなさっている運営委員会に関してはどうするかということも少し考えなければいけないという形。

そして、その施設の倫理委員会での承認のもとで研究を開始するという形で進めるのがいいのではないかということで考えています。

次、お願いします。

ただ、この流れの中でも幾つかポイントがあるということで、ここからは私の私見でございます。

まず、研究を行うのは研究の自由があるわけですけれども、どこの施設が行うべきなのか。

そして、どこの施設で倫理審査を受けるべきなのか。

倫理審査というのは、その審査の質は非常に重要になってきます。

特に生命倫理に関わる研究ですので、きちんとしたという言い方をすると少しまずいところもあるかもしれませんけれども、質というものはどうなのかということも考えないといけないこと。

そして、その研究を立案する段階で、あとは倫理審査を行うときに、どういうことに注意して研究を立案し、倫理審査を行うべきなのかということも、しっかり研究者が把握していると同時に、倫理審査を行う施設、倫理委員会でも理解していないといけないということ。

最終的に、どのような研究が行われているかということを、どこの団体がきちんと把握しておくべきなのかというポイントがあるのではないかということになります。

次、お願いします。

まず、現在、NIPTは認証医療機関ということで、基幹施設あるいは連携施設で行われていることがございまして、まず、こちらの施設が中心に行うべきであると考えてございます。

ただ、ここでちょっと私見になりますけれども、連携施設で行う場合には、基幹施設もこの研究の立案にきちんと関与すると。

ですから、共同で行うべきであろうと。

簡単に言うと、基幹施設が責任を持って行うということ。

あと、2番目のどこの施設で倫理審査を受けるべきかということで、基本的には基幹施設の倫理審査委員会で審査を行うべきであろうと思っています。

次へ行っていただいていいですか。

基幹施設の倫理委員会で審査を行うのがやはり基本になるのではないかと思います。

基本的には、臨床研究に関しては、令和3年3月23日に出た「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を守るということで、この指針には倫理審査委員会の要件が書かれてございます。

これに関しては、正直言って、一つの病院、一つの医院でも、この倫理審査委員会の要件を満たす人員を集めて、その構成を行うことができるわけですね。

ただ、果たしてそれでいいのかどうかということが一つポイントになってくると思います。

基本的には、基幹施設であれば、ある程度の質を保ったものがきっとできるのではないかと思いますけれども、その下に書いてありますように、いろいろな専門医の先生たちも入っているということで、そちらの倫理審査で行うのが一つではないかなということが、一つ考えられます。

次の前のページにちょっと戻っていいですかね。

ここの1.に戻りますけども、「研究はどこの施設が行うべきか?」ということで、これは日本産科婦人科学会の臨床倫理管理委員会でも少し議論をしたのですけれども、基幹施設を中心に行うということと、科学研究費を申請できる施設ということですね。

いわゆるアカデミアと言われる大学病院、研究センター、成育医療センターとかそういうところを含めて、こども家庭庁にもそういう規則があると伺っていますけれども、文部科学省、厚生労働省にもそういう規則があると思いますけれども、公的研究費を申請できるような施設、アカデミアと言われるところが中心になって行っていくべきではないかなという意見も出ていたということでございます。

これに関しては、研究の自由ということがありますので、こういうところで行ったほうがいいのではないかという意見をこの専門委員会で述べたほうがいいのではないかなと思います。

研究の自由といっても、ある程度の公的に認められた機関でやっていくべきではないかなと思ってございます。

あともう一個の2.のほうですけれども、この2.の倫理審査に関しても、質の担保と言われると、これはここで言っていいのかどうか分かりませんけれども、ホワイトリストに載っている倫理審査委員会があるわけですけれども、そこに所属しているような倫理委員会でやるべきではないかと。

要するに、アカデミアと言われるところの倫理審査委員会で行うべきではないかなと個人的には考えております。

次、お願いします。

研究計画立案、あるいは実際に審査する委員会におけるどういうことに注意していただきたいのかということをしっかり把握した上で審査を行ってほしいということです。

次、お願いします。

これは、着床前遺伝学的検査、そして、出生前遺伝学的検査のいろいろな会議を行いながら、社会の皆様、医療者、実際にその検査を希望するカップル、検査で診断される疾患を持つ方、その御家族の方々からの御意見をいろいろ聞いて、特に、着床前遺伝学的検査の倫理審議委員会を行ったときに、まとめてつくったスライドですけれども、まず障害がある方も、ない方も、誰もが健康に生きられる社会というのが全体の目的であると。

この検査の当事者は、検査を希望するカップだけではなくて、そして、医療者だけではなくて、それで診断される御家族、疾患を持つ方もみんなこの検査の当事者であると。

ですから、医師、産婦人科医、臨床遺伝専門医、小児科医だけではなくて、社会全体を含んだ上で、医学的判断、倫理的問題・公共の福祉ということで考えていくということでつくったものでございます。

ですから、ある点、臨床研究に関しても、社会がきちんと理解をした上で進めていかないといけないと思っております。

次、お願いします。

ということで、そういうことを踏まえて日本産科婦人科学会では、その下のほうですね、さっきお話ししました基本姿勢、そして、出生前に関わる遺伝学的検査に関する見解。

そして、NIPTの実施時の留意点ということをつくって、先ほど示したように、研究に関しても留意点を挙げてきたということでございます。

一方、日本産科婦人科学会でも、医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドラインという留意事項、参考になる資料があるのではないかと思います。

日本産科婦人科学会では、下のほうのところを一応鑑みた上で研究を考えることを勧めるわけですけれども、ある面、日本産科婦人科学会がつくったものは、いろいろな先生方の御意見を伺っておりますけれども、日本産科婦人科学会が出しているということで、当初の日本産科婦人科学会が決めていったというところで問題があって、このような運営委員会ということがあって、継続的に審議しているわけですね。

この専門委員会から、ある程度そういうことの留意事項を作成していただいて、研究立案者、そして、倫理審査を行う委員会でも、きちんと把握していただくという形が、私自身は、望ましいのではないかなと思います。

ただ、内容的には、こちらにあるものを非常に参考にすると、かなりのものを網羅しているのではないかなと思っていのが実際でございます。

次、お願いします。

次に、誰が研究内容を把握しておくべきかということですけれども、臨床研究が行われていることがあれば、先ほど言ったように、社会でも認知しているものでないといけないと。

アンダーグラウンドで行っているのではいけないということですので、研究内容をきちんと把握しておくべきだろうということになります。

次、お願いします。

これは、先ほども示したように、流れとしては、研究立案、研究代表となる施設の倫理委員会での承認、そして、日本産科婦人科学会で報告を受けて、そちらで意見を述べる。

そして、その内容をこちらの専門委員会に報告するというという流れが一番だと思いますけれども、これに関しても、実際の認証等を行っている運営委員会の関わり方も、ある意味でどうするのかということもちょっと考えていただければなと考えている次第でございます。

スライドはここで終了です。

ということで、全般的に言うと、日本産科婦人科学会が全てを把握してやっているということになりますと、社会に対して、研究者のいる学会の中だけで把握して、倫理審査をやっているのは、着床前遺伝学的検査・出生前遺伝学的検査の今までの取り組み方からすると、もうちょっと広く、今現在、行われている専門委員会で何らかの留意事項を出していただいて、それをもとに進めていって、最終的には、ここの専門委員会が把握しているという形にしていただいたほうが、より社会に対して開けていくものになるのではないかと思いました。

あと、もう一点、最初にお話ししましたけれども、スクリーニングにつながるような研究は初めからやるべきものではないと私自身は考えておりますので、そういうことに関しても、きちんと留意事項に。

先ほどの日本産科婦人科学会の中には書いてありましたけれども、特にそういうことに関しては留意事項としてしっかり記載していくのが大切ではないかなと考えてございます。

私からの報告は、以上になります。

ありがとうございました。

福井座長:ありがとうございます。

NIPTの臨床研究についての対応案をお話しいただきました。

日本産科婦人科学会として示されている見解も一部御紹介いただきました。

御発表におきましては、幾つかの要素がございまして、透明性ということ、そして、臨床研究を行うのであれば、一定以上の施設で行われる必要がある。

もし研究をスーパーバイズするとしても、研究者が所属している学会だけではなく、何かしら第三者的立場からのスーパーバイズが行われたほうがいいのではないか等の御意見をいただきました。

これらの観点を含めまして、三上先生の御発表に対して、御質問・御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。

いかがでしょうか。

玉井先生、どうぞ。

玉井委員:ありがとうございます。

これは、留意事項という形で研究機関に戻すことになるのでしょうか。

前もこの話題が出たときに、研究のための研究であったり、スクリーニングであったりすることは、絶対駄目だというお話は前もあったのですけれども、遺伝カウンセリングそのものを伴っている必要があると前から言われているのですが、非常に希少疾患に対して、しっかりした遺伝カウンセリングができるだけの人材とか、そういうものを持った人がカウンセリングできる体制が整っているのかどうかとか、まして、スクリーニングにつながらないようにするためには、ELSIですね。

倫理的・法制度的・社会的課題ですね。

そういうものに対するしっかりした対応が、臨床研究に盛り込まれているかどうかということを、どこまで検討できるかどうかということが非常に重要になってくるのですよね。

そうしたときに、留意事項を守っていればいいというような、その留意事項で書いているよりももう少し強いというか、法律で規制しているわけではないのですが、専門委員会はこういう体制でやるべきだという声明をしっかり出しておいて、それを受けて、そういう臨床研究を申請してくるなら、審査をするわけですけれども、出てきた段階で審査するというよりも、留意事項というよりも、もう少ししっかりとした声明を盛り込めるだけの臨床研究として申請してこられるなら審査をするという形が最低限必要かなと思いました。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

三上先生、どうぞ。

三上委員:玉井先生、ありがとうございました。

私も、たまたま今、「留意事項」という言葉をちょっと使っただけなのですね。

ですけれども、やるのであれば、先生がおっしゃったようなことをやはりきちんと守るべきであることを、声明という言葉はちょっとどうか分かりませんけれども、それに基づいて、その施設が倫理審査をしっかり行う。

なおかつ、研究立案者もそれに基づいてしっかり考えた上で、それに関してきちんとした回答を出した上で、倫理審査を受ける。

あるいは審査するほうも倫理審査をするという形は、一番いいのではないかなと思ってございます。

まさに先生がおっしゃったことに同感です。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

そのほか、いかがでしょうか。

野崎先生、どうぞ。

野崎委員:恐れ入ります。

野崎です。

非常に、論点を具体的にお示しいただいて、考える道筋が見えてきているような感じがいたしますが、一方で、前回、これまでにも私から申し上げてきた点もありまして、幾つかお伺いしたいことがあります。

まず一つは、今回、臨床研究として実施すべきだということは冒頭からおっしゃられていたとおりですけれども、ここで考えられている、その3疾患以外のものに関して、臨床研究を行う場合に、どういうことを明らかにする研究であるのかということです。

日本産科婦人科学会はお考えであるのかということを、ちょっと一つお伺いしたいというところです。

前回、川目先生からの御報告もありました中で、研究と医療の枠組みの各々の区別の問題ということをかなり強く御指摘があったかと思います。

従来、研究の枠組みと医療の枠組みが区別された道筋で様々な制度設計が行われてきたと、こういった歴史的経緯があるかと思います。

ただ、特に生殖に関わる、日本産科婦人科学会が関わっておられるようなこうした問題は、それを区別することが非常に難しい、あるいは結びつけて考えたほうがより望ましいことがあるのだという、こういったこともあり得るところかとは思います。

ただ、従来の枠組みから考えますと、従来にはなかった臨床と研究とを一つのカテゴリーで、一つの枠組みで、制度・体制をつくっていこうという、こういう話になっていくかと思いますので、まずは、どういったことをここで研究として進めることになるのか、ここを確認させていただきたいということです。

これが1つ目でございます。

三上委員:先生、一つずつでよろしいですか。

野崎委員:よろしくお願いいたします。

三上委員:これは、関沢先生よろしいですかね、回答いただいて。

お願いいたします。

関沢委員:関沢です。

非常に具体的に、我々産婦人科医がこういったテーマで研究したいということで、みんなの意見がそろっているというようなものではなくて、個々発想した中で、NIPTをどういうふうに臨床で活用すると有益性が証明できるかというようなことで、研究計画をこれから立ててくるものと認識しています。

実際、一部でいろいろ議論されたりする内容で言うと、例えば周産期管理を向上させるための研究という意味合いで、例えば胎児発育不全があるような赤ちゃんの結構シビアなものには、胎盤性モザイクが非常に多い。

シビアな胎児発育不全だと、大体4分の1ぐらいは胎盤性モザイクであるということが分かっていますので、そういったものを妊娠中にディテクトして、それに合った周産期管理を行っていくということも可能ですし、あとは、例えば、双子の妊娠は、今は膜性診断と言って、超音波診断を中心に考えていますけれども、NIPTを使うことで卵性診断、一卵性か二卵性かということも分かってきて、それをもとに管理すると周産期管理が変わっていく可能性があるとか、そういった周産期管理を向上させる目的の研究もいろいろ考えている人はいます。

そのほかに、検査自体としては、検査としての有用性を検証するという意味合いで、例えば赤ちゃんに異常が見つかった場合に、日常臨床の中では羊水検査が提示されて、マイクロアレイ検査とか、そういったことが選択肢として提示されております。

また、例えば上のお子さんに染色体の微小欠失があることが分かっていて、次のお子さんを妊娠した場合に、出生前検査を希望する場合があり、ホールゲノムNIPTを行うことで、羊水検査を回避できる可能性を検証していくこともできるかと思います。

それから、家族歴があったりとか、超音波の検査で、特定の遺伝性疾患が疑われる場合も、時々、臨床的には遭遇するわけですけれども、そういった具体的な疾患が分かった状態で、その遺伝性疾患について、母体血を用いて検査していくこともある程度できるような状況になってきておりますので、そういった検査をNIPTで行うことで、侵襲を伴う検査がどれほど回避できるかということも検証していくことは十分可能です。

罹患率がそんなに高くない疾患ではありますが、一定のリスクがあって、そういった対象疾患の可能性が上がっているような対象に、どれくらいの陽性的中率とか検出率があるかということなども、具体的に今後の研究の課題になっていくのかなと思っております。

以上です。

野崎委員:ありがとうございます。

そうしますと、今、3つのトリソミーに関するもの、あらゆるものに開かれた検査制度と、検査の有用性、それから、医療・医学的な観点からの研究ということが想定されているのかなと、今お伺いいたしました。

併せまして、NIPTコンソーシアムで、遺伝カウンセリングの在り方が研究の一番最初の題目であったかと思うのですけれども、現在においても、先ほど先生から御報告がありました中でも、櫻井委員からもありましたけれども、カウンセリングの質の在り方の問題に関しても、検討の途上にあると拝聴しておりまして、こういったものも含まれるのでしょうか。

要するに、医療とその研究を一つの体制の中で、両方を同じ組織が認定判断をし、それを進める主体となって意見を述べていく、一定の判断をしていく、というあり方について、どうしてもそれが必要であるということについて、私は法律の専門ですけれども、法的な制度の観点からどうしたものかと思います。

これはもしかすると事務局に、行政としてのお考えというか方針を、お教えいただければと、このように思った次第です。

福井座長:ありがとうございます。

何か事務局のほうから答えられますか。

上出課長補佐:ありがとうございます。

先生の御指摘のとおり、これまでも、NIPTは臨床と研究の境目が分かりにくいというとことの御指摘はあり、研究によっては近いところでやられることもあるかと予想はしますけれども、その辺は、研究の説明の際に明確にしてだくことが重要なのではないかと思っています。

我々としては、臨床研究であろうと、実臨床であろうと、同じような課題があるため、出生前検査自体の在り方をこちらの専門委員会で御検討いただいていると思っておりますので、そこは併せて、先生方にいろいろ御意見いただきながら進めていきたいと思っております。

以上になります。

野崎委員:ありがとうございます。

私としても、この問題が両方の側面を持った、一体として考えるべき点があることは、これまでの先生方の御議論から聴取をしているつもりではあるのですけれども、これは、従来の日本の制度的な枠組みからすると、かなり新しい発想でもあり、だからこそ、その点を十分に社会的な理解、すなわち社会的な理解というのは一般の社会のこともそうですし、研究と医療との関係とか、専門性と社会との関係、こういったことも踏まえてということになりますが、公開性を持った上で、社会によく理解していただく必要があるなと考えております。

その点で、14ページにお示しになられた制度の枠組みの在り方については、特に、この制度枠組みの中の14ページにありました報告の位置づけ、また、本専門委員会に対し報告があったときに、報告というのはどういうものであって、それに対して専門委員会が何らかのアクションを起こし得るのかどうかと、こういったことがちょっと難しい点が生じてくるものですから、よりきちんとした形で体制づくりをすることについて、NIPTの検査をきちんとした形にするために検討をする必要があると感じたということです。

長くなりました。

以上です。

失礼します。

福井座長:ありがとうございます。

横野委員、どうぞ。

横野委員:三上先生、ありがとうございます。

特に三上先生の資料の5ページの一番最後に書かれている、国内においてもこういった様々な問題点について科学的に検証した上で、個々の課題を解決していく必要があるというのが、非常に重要な御指摘であると思いました。

そして、この研究に関しては、この専門委員会で令和3年に出された報告書の中で、先ほども引用されていましたけれども、まずは、臨床研究の形で評価するということ、その際には、倫理的・社会的な影響等も含めて検討する必要があるということが書かれておりますので、これをより具体化する形で、この専門委員会として、留意事項というのか何と言うのかというところはいろいろあると思うのですけれども、どういう形で研究が進められるべきかということについても、何らかの立場を出すのは適切なことかなと思っております。

また、その中で、どういう建てつけにするのかということについてはいろいろと検討の余地があろうかと思いますが、日本産科婦人科学会との間でもこういう連携をしましょうといったものを留意事項の中に入れて、その留意事項を遵守して実施している研究やその参画機関については、日本産科婦人科学会、それから、この専門委員会で把握するということとか、そういった情報について運営委員会等を通じて共有していくということが、今後考えられるのかなと思っております。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

三上委員:ありがとうございます。

まさに、横野先生のおっしゃっていることに賛成であります。

ありがとうございます。

福井座長:櫻井委員、どうぞ。

櫻井委員:実際、この3疾患の中において、NIPTの有用性・有益性みたいなものがあると思うのですけれども、実際、18に関しては、NIPT出生前検査を含めて、いわゆる妊娠継続するかしないかの判断に使われている現状がある中で、前回、私、欠席してしまったのですが、川目先生も、当該疾患がすごく重篤ではないかとか、中絶の対象になるのではないかとか、そういう社会の誤解がまさにある中で、いわゆる私たちがそう思っている思いと社会の受け取り方は違うわけなので、それを社会に広げていくといったときに、どう広げていくのかといったところをしっかり議論しないと、同じことの繰り返しになると思うのです。

そこに落ちていくのはこどもと御家族であるわけなので、それこそ、さっきちょっと言いましたけれども、カウンセリングがどうなっているのかとか、それこそピアカウンセリングの体制はどうなのかといったところを精査しないと、あと、同じ流れにならないかなというのは、私は大変危惧をしています。

福井座長:ありがとうございます。

家保委員、どうぞ。

家保委員:ありがとうございます。

3疾患以外の臨床研究を考えるときには、3疾患の現在の枠組みであっても、非認定の施設で検査を受けられている国民がいらっしゃるということを十分認識した上で、3疾患以外の臨床研究を進めることが大事と思います。

日本の現在の状況で言うと、国民の選択は止められませんので、3疾患以外の検査についてはきちんと実施方法がデザインをされ、それにはこういう限界もあることを学会なり、この委員会かどうか分かりませんけれども、きちんと確認して、当該検査の想定対象、検査の意味と限界などを何らかの方法で公表した上で、それを承知の上で国民が受けるか受けないか最終決定されるような仕組みを想定することが必要かと思います。

そういう意味で三上先生が書かれていたように、この専門委員会とか何らかの公に、マスコミの方、利用者の方、いろいろな関係者が参加された委員会で承認と言ったら何ですけれども、情報を把握して、提供するという枠組みをセットに考えるべきかと思います。

臨床研究がどこまで実施していいのかというのは、医学の進歩に応じてどんどん拡大しますので、その点を踏まえると国民への情報提供の在り方を並行して考えることが必要と思います。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

植田委員、どうぞ。

植田委員:植田でございます。

ありがとうございます。

分かりやすい説明をありがとうございます。

私から2つ臨床研究に対する意見を申し上げたいと思います。

まず、1点目ですけれども、そもそも臨床研究につきましては、3疾患以外については、臨床研究で評価することが記載されていますけれども、臨床研究を推進するというわけではなく、もしするならばということが大前提となること、臨床研究は医学的ELSIを本当にはらんでいるというところを、常に考える必要があるかなと本当に思っております。

先ほど関沢先生から、どういった臨床研究を想定ということで、すごく詳しく御説明してくださって、NIPTが有効的に活用されるべきものは何かというところにあって、周産期管理とか、あるいは希少疾患で、新生児の周産期管理とか。

大前提としては、前回の意見の取りまとめである参考資料6にもありますように、事前の情報提供は、結果が陽性だった場合のフォローを前提とした、決してスクリーニングではないものであるべきだと思うのですね。

ただ、現実、今、3疾患の状況を見た場合に、陽性者の多くが中絶をしているという現状で、果たして、NIPTがそのような周産期管理とか新生児管理に向かうかどうかは、本当に慎重に考えていくべきテーマであるかなと思っております。

ですので、3疾患自身のNIPTの運用状況もまだまだ分からない状況で、冒頭、御指摘ありましたように、遺伝カウンセリングの質とか、そういう3疾患についてのNIPTの臨床研究もまだまだ課題としてあるのではないかなと考えております。

一方で、三上先生、臨床研究は自由であるという御発言を何度もしてくださっていましたように、研究は自由である、そう考えた場合に、臨床研究がもしこれが進むのであれば、様々なスキームをお示ししてくださって、すごく大事だなと思ったところは、2つ目の意見として申し上げたいと思います。

どういう枠組みで第三者的に評価するスキームが必要だというところは、スライドの14ページにありましたスキームを出してくださっておりますけれども、玉井先生もおっしゃったように、専門委員会等が研究に対してある程度の制約を行使でき得る可能性を持った形で意見を言えるかどうか。

それは恐らくこの意見書では弱いのかもしれなくて、声明なり何なりと、ある程度の制約を行使できるような可能性を残した上での何らかの意見が言える立場であるような第三者的なものが必要かなと非常に思いました。

それは、ひとえに研究といえども、倫理的に高いレベルである研究であるからです。

もう一方で、臨床研究を実施する研究者側のスキームとして、9ページの2番目のセンテンスで書いてくださっているように、基幹病院でやるのであれば、通常のNIPTがされているわけで、それプラス臨床研究をするのであれば、全体としては、通常のNIPTがきちんと行われることが大前提であって、プラスアルファ臨床研究ですので、そういう体制が果たして担保されるかというところは、要件として何らかの臨床研究を実施する側の研究者側のスキームをきちんと明示する必要があるかなと、臨床研究するのであれば、臨床研究者側のスキームと第三者の評価側のスキームが双方必要かなと思いました。

以上、2つ意見を申し上げました。

ありがとうございます。

福井座長:ありがとうございます。

ただいまの御意見につきまして、何か御意見はございますでしょうか。

関沢委員:関沢ですけれども、よろしいでしょうか。

福井座長:どうぞ。

関沢先生よろしくお願いします。

関沢委員:今、遺伝カウンセリングについて、今まで評価がなされていなかったという御意見がありましたけれども、遺伝カウンセリング自体、2013年からNIPTコンソーシアムとして、臨床研究を行う中で、遺伝カウンセリングの質の評価とか、遺伝カウンセリングを受けた人たちの前後の意見をしっかり聞いたりとか、様々な臨床研究をやってきました。

遺伝カウンセリングを受けた妊婦さんたち、遺伝カウンセリングを受けることによって、こどもを持つことに対して、改めて夫婦でしっかり議論をする機会になったとか、すごくポジティブな意見が多く出ています。

真剣にこどもを持つことについて考えたり、こどもに異常があったときのことを自分たちはどう思うのかとか、そういったことをしっかり考える機会になったと9割の方が回答しているという論文も出しています。

3つの染色体についての遺伝カウンセリングとそれ以外の疾患に関する遺伝カウンセリングは当然違ってこなければいけないし、あとは、どんどん難しくなっていくのだろうなと思っております。

そういった意味からも、三上先生がおっしゃっているように、遺伝カウンセリングをバージョンアップさせていけるような施設がしっかりそれを担っていくという体制をつくり上げていく必要があると思います。

ホールゲノムNIPTを使っていく場合、がんゲノム診療における「がんパネル」のような形で、実際的な赤ちゃんの形態的な評価とかそういったことを含めて、トータルで議論できるような場があるといいのかなと思っていますし、そういったことが出来る体制でカウンセリングできるような体制も検討していかなければいけないと思います。

現状、遺伝カウンセリングがしっかり評価されていないという状況ではなく、新しく加わった施設がどんな遺伝カウンセリングをやっているかということについては、まだ、現状把握できていませんけれども、従来行っていた施設においては、質の高いカウンセリングが行われていたということは、85施設ぐらいの調査で確認できています。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

植田委員:私の発言が誤解を招きまして、関沢先生、申し訳ございません。

必ずしも遺伝カウンセリングの研究なされてないとは全く思っておりませんで、私も論文をたくさん読ませていただいております。

今のNIPTのこの制度が始まって、実際の現場でどのようなものが行われているかという、実態把握的なところがまだ評価されていないのではないかというところで、3疾患についても、そういう臨床研究、臨床研究という表現がそぐわないのかもしれないのですが、実態把握になるのかもしれませんが、そういう今の現場のこの制度が運用された後のカウンセリングの状況というところの研究が進めばなというところを希望しております。

ありがとうございます。

福井座長:ありがとうございます。

それでは、河合委員お願いします。

その後、北川委員お願いします。

河合委員:出産ジャーナリストの河合と申します。

関沢先生のNIPTで何ができるのかというお話を聞いて、非常にびっくりいたしました。

そういう話を伺う機会がなかなかなくて、お母さんと赤ちゃんにとって医学的メリットがある技術であれば、私はELSIという観点からむしろやるべきであると思います。

しかし、皆さんがおっしゃるように、今の現状を考えますと、ここで臨床研究が始まって、いろいろな検査が臨床研究としてできる施設と、従来どおり臨床研究はなしで、3疾患のみの施設ができますと、妊婦さんから見ると、最近、無認証施設の中で、認証施設並みにたくさん調べてくれる施設ができてきたよね、でも、できないところもあるよねという流れで、そのできる臨床研究を始めたところが無認証と同じようになってきたと受け取ると思いますので、そうしますと、妊婦さん側のNIPTに対する見方はそのままで、産むかどうかを非常に不安に考えていらっしゃる方が受ける検査ということで流れていきますと、今、議論されたようなことがあまり理解されないのかなと非常に不安には思っています。

関沢先生にちょっとお伺いしたいのですけれども、この対象の妊婦さんがどなたかという話です。

今まで出ていないのですけれども、それについてはどのようにお考えかということを、三上先生にもお伺いしたいです。

それと、今、関沢先生がおっしゃったようなことを目的に、医学的メリットを得ようとして、遺伝カウンセリングをし、検査を行える施設が、現在の認証施設の全てなのか、半分くらいなのか、ごく一部なのか、そのあたりの現状を教えていただけますでしょうか。

関沢委員:関沢からお答えします。

実際的にどういったリスクのある妊婦さんがということになるわけですが、どういった妊婦さんが対象になるかというと、臨床現場で、実際的に羊水検査が提示されるような妊婦さんということになるのではないかなと思います。

先ほども言いましたけれども、赤ちゃんに形態的な異常があって、その検査の一環としてジェネティックな変化が想定されるような場合ですが、臨床現場でそういった検査を提示しないと、片手落ちになってしまいますので、そういった場面では適確に情報提供する必要があります。

そういった状況で、羊水検査を避けたいという妊婦さんもいっぱいいるわけで、NIPTがその代用になることは十二分にあって、NIPTで、例えば染色体疾患がある程度否定できていると、それがないという前提で別の原因を検討していくこともできるわけで、そういったような形で使っていくことになると思います。

あとは、上のお子さんが一定の疾患を持っていて、その病気を下の子が持っているかどうかについてチェックしたいという希望を持つ妊婦さんはそれなりにいますので、そういった疾患に対して、個別にそれなりの感度のある検査ができるのであれば、羊水検査を避けることができるのかなと思います。

幅広くいろいろな検査があるので、どういう疾患と言いにくいのですけれども、ホールゲノムでNIPT等が使われるようになれば、このような状況で活用できます。

福井座長:ありがとうございます。

三上先生、何か付け加えることはございますでしょうか。

三上委員:特に追加はありません。

研究に関しては、今、関沢先生が個別のお話をしましたけれども、研究目的が何なのかというのが社会に説明できないといけないということは皆さんよく分かっていますので、そういうことに関しては、先ほど言った留意事項、声明をしっかり出すということだと思うのですね。

NIPTの研究を行うことによって、こういうことに関してメリットがあることを社会に説明できる内容で示さないと僕はいけないのではないかなと思ってございます。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

河合委員:適切な施設は、認証施設の中のどれくらいあると思われるでしょうか。

関沢委員:関沢ですけれども、その点は、基幹施設の多くはそれなりに対応できると思いますが、全部ではないと思います。

基幹施設も大分裾野が広がってきて、産科病院もかなり加わってきていますので、さっき三上先生がおっしゃったような施設であれば、ある程度対応できているという状況かなと思います。

河合委員:ありがとうございます。

福井座長:ありがとうございます。

北川委員、どうぞ。

北川委員:ありがとうございます。

三上先生、御説明ありがとうございます。

私も、関沢先生のお話を聞いて、その周産期の管理においてどのぐらいのことができるのかが分からなかったのですけれども、でも、周りには、妊娠していて、なかなか育たなくて、妊娠を中断せざるを得ない妊婦さんなどがいるので、その辺の管理とかも含めて、今後、医療的に進んでいくということは、妊婦さんたちの希望につながると思って聞いていました。

しかし一方で、この臨床研究は高い倫理的なことが必要だと思いますし、先ほど皆さんが言っているように、遺伝カウンセリングだけではなくて、医療だけではなくて、福祉とか社会とかいろいろなつながりの中で進めていく必要があります。

生命倫理の関係することなので、こういう研究は慎重に進めていかなければいけないと思っております。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

中込先生、どうぞ。

中込委員:ありがとうございます。

臨床研究を進めながら、今、北川先生がおっしゃったように、声明の中には、この出生前検査は、カウンセリングを希望する人、その胎児に何らかの気がかりを持っている妊産婦さんの最終決定を「個人的な命の選別」というような言い方をされないためにも、社会が様々な特徴を持ったお子さんが生まれていて、その命が全うできるという社会づくりとして成立していかないと、この研究は善意の方向に向かわないのだというような内容を声明に加えることは、とても大切だと思いました。

関沢先生への質問です。

臨床研究の段階では、羊水検査が必要になる方に対し、非確定的な検査だと、インフォームをするとしても、セットで、臨床研究の段階では、羊水検査が必要になるのかなと思ったのですけれども、そこはいかがでしょうか。

臨床研究が終わって、分析的妥当性が整えば、もちろん羊水検査は回避できるのですが、臨床研究の段階では、羊水検査とセットの場だと思ったのですが、そう考えてもよろしいでしょうか。

関沢委員:関沢ですけれども、その辺は、研究計画によって様々かなと思います。

生まれた赤ちゃんで最終的に確認するという方法もあると思いますし、羊水検査をセットにして、そちらで確認しながら進めていくというやり方もあると思います。

臨床の中で羊水検査を提示される妊婦が対象になってくるとすると、羊水検査がセットになってくるという考え方もあります。

研究の計画次第ということですね。

中込委員:分かりました。

ありがとうございます。

福井座長:研究につきましては、何を立証しようとするかによっても全く違ってきますので、総論的に、全部納得するような文章をつくるのはなかなか難しいように思います。

柘植先生、どうぞ。

柘植委員:ありがとうございます。

少し遅れてきて申し訳ありません。

皆さんの御意見を伺っていて、2点、皆さんおっしゃったことの中で、これは大事だなと思うことを述べさせていただきます。

3点ありますが、簡単に言います。

1点目は、櫻井委員がおっしゃったように、この検査の対象にされるということ自体が、研究であっても、それは重篤な障害だったり病気で、生まれないほうがいいのね、検査したほうがいいのねという印象を社会に与えるようではいけないと思います。

だから、それを防ぐためにどうするかということをきちんと検討いただきたいというか、私たちも検討をしないといけないと思っています。

その次が、認証施設と非認証施設で、今まで、例えば日本産科婦人科学会でも、三上先生が中心になって調査されたように、なぜ、非認証で検査をするのかと言ったら、そちらのほうが、検査項目が多いからだと書いていた妊婦さんがいっぱいいらっしゃいますよね。

それが、臨床研究としてもそういう検査までできるようになった、では、提供しますということ自体が、ほらやっぱり認証外でやっていた検査のほうがよかったわけではないかと、そういうふうに理解されることがないように、きちんと説明すべきだと思います。

それが説明できるのか。

なぜこの研究をホールゲノムに広げて、なぜ、今これを対象として、検査をするのか。

そして、それが、いわゆる認証外・非認証がやってきた検査と何が違って、認証施設では、何をケアして、何に十分考察してやっているのか。

もし、妊娠継続できて、出産したとしたら、どんなサポートまで準備できるのかということを示せないと、結局、非認証がやっていたことを認証が追いかけているだけではないか。

それは、要するに患者さんというか、妊婦さんを取られてというふうに、一般の感覚だと、私なんかが調査とかアンケートをしてきた感覚だと、そのように受け止めてしまいます。

だから、そこの説明もきちんとしたほうがいいのではないか。

それから、最後が、先ほど述べましたけれども、産まない選択をするだけでなくて、治療だったり療育だったりするために、この検査をどうやって生かせるのかということを研究していただきたいということです。

研究の目的をしっかり明記していただくのはもちろんですが、その明記の中に、研究の方向性をこっちにしろということは決して言ってはいけないと思うのですけれども、ただ、研究目的の中に、例えば北川委員がおっしゃったような、こういうサポート、療育ができるのではないかとか、それから、出産のときに、こういう出産方法だったらば、胎児に負担がないように、もしくは妊産婦さんに負担がないようにできるのではないかとか、その辺のことがまだ全然考えられてなくて、このゲノムの検査をして、どれくらい検査精度が上がるかということだけが研究目的になるのに、私は危惧を覚えました。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

大変重要な指摘だと思います。

いかがでしょうか。

和田委員、どうぞ。

和田委員:和田でございます。

皆さんの御意見を聞いて、本当にそうだなと思いながらお聞きしていたのですけれども、私も周産期の現場で医療に従事しているものですから、関沢先生がおっしゃった、研究の中身の中に、胎児をよい状態で産んでいただくとか、数年の単位では進まないかもしれないですけれども、時間があらかじめ分かることで、今、胎内治療ができるような疾患も少しずつ希望が見えてきているようなこともあるので、研究自体も非常に慎重に行っていくこと、それから、透明性を持って行っていくことも大事だけれども、検査することでプラスになる面もあるのもちょっと強調したいかなと思います。

この委員会では、留意事項といいますか、声明といいますか、それをまずはっきりと示すこと。

それから、三上先生が今日出してくださった立案で、各施設で承認した後にも、日本産科婦人科学会に報告して、今、この委員会にも報告してという、非常にハードルを上げると言うとあれですけれども、何重にもチェックをかけていって、慎重にしつつも、胎児の福祉、赤ちゃんの福祉、家族の福祉のために、こういう医学的なこの技術をプラスに持っていくことも大事なのかなと思います。

医学研究の場合に、トップから研究資金を取ってくるわけですけれども、そのときに、自信を持ってこういう声明を表に広く出すことで、その研究資金を獲得する段階で既にこういうことが守られているか。

そこからスタートするとさらにいいのかなと思いました。

ぜひ、力強い声明が出せればなと思います。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

そのほか、いかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

いろいろ御議論をいただきました。

三上先生のスライドですと、最後のところに学会としての関与と、この専門委員会としての関与が提言されております。

研究の独立性への配慮、ELSIへの対応などが絡んでいて、非常に難しい問題ではございますけれども、本専門委員会として何かしら見解を出す。

それがガイダンス的なものになるのか、学会から送られてきたものについて、どのように判断するのかが議論されるかもしれませんが何かしら見解を出すという方向でお願いできればと思います。

次回の専門委員会では、事務局において、これまでの議論を踏まえてNIPTの臨床研究に関する専門委員会としての見解をまとめて、それをもとに議論ができればと考えております。

そういう方針でよろしいでしょうか。

野崎先生、どうぞ。

野崎委員:恐れ入ります。

今の方針で、私も承知をしているつもりではあるのですが、冒頭申し上げましたところは幾分気になっているところです。

臨床研究と医療が、どうしてもこれは一体として考えていかなければならない、そういう問題であることがわかる形であることは必要不可欠かなと思いました。

この点で、先ほど柘植委員がおっしゃられたところですかね。

皆さんおっしゃっていたと思うのですけれども、治療に向けたであるとか、療育への接続性であるとか、出産の方法とか、そういったものに、研究というものはどうしてもこれは接続するので、それがないことには、それを考えないことには成り立たないという、こういった方向性が先生方のお話を伺う限りあるという方向性を、私は感じました。

そういったことが明らかになるように打ち出すことが必要なのかなと思っています。

それと、もう一点、これも考えていたことですけれども、やはり臨床研究ということで、コンソーシアムのほうで一度実施をされたという経緯があって、その後、いろいろな問題があって、専門委員会が立ち上がったような状況でございます。

認証外の施設の運用状況といいますか、そちらに皆さんが受診・受検されるという状況、これは見ていかなければならないことだと思います。

認証外のところを、機関自体を含めてこの枠組みの中ではどういうふうに位置づけるのか、です。

ただ排除と言うのではなく、どういうような格好になるのか。

何より中心は妊娠女性ですので、そういった方がなるべく困った状況にならないようにということが一番大きなところかと思います。

(ご説明の資料によると)この立てつけだと、どうしても基幹施設が念頭にあると思うのですが、それ以外のところがどう活動するのかということを見ていき、それをにらみながらといいますか、そういう方針を示す必要があるかなと思いました。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

柘植先生、どうぞ。

柘植委員:すみません、もう一言付け加えたいのですが、療育とか出産とかいろいろなことにつなげていただきたいことはもちろん強くあるのですが、もう一つは、もし産まないこと、妊娠継続しないこと、妊娠継続できないということになったときに、そのケアといいますか、そのときの中絶の方法も含めて、それから、死産、子宮内胎児死亡のときの医療的な対処、対応の方法も含めて研究して、よりよいもの、継続できる場合も、産まない場合も、継続しない場合も、それから、継続して出産したいという場合にも、どの場合にも、今まで日本でされてこなかったと思うのですけれども、どんなふうな傷つきを女性がしないようにできるかというようなことも検討いただきたいなと。

きっとそれが次の妊娠・出産に、妊娠・出産がトラウマになるのではなくて、いい妊娠・出産につながるのではないかなと思うのですね。

だから、私は、産まないほうを選ぶのを勧めているという意味ではなく、でも、産まない決定をした場合にも、それが、人に言えない、物すごくつらい体験になってしまわないような、どうしたらいいかというのを専門委員会が中立的に考えるのが大事なのではないかなと思いましたので、一言発言させていただきました。

以上です。

福井座長:ありがとうございます。

次回、原案をつくっていただいて、それについて、さらに御意見を伺いたいと思います。

また、本日いただいた様々な視点からのご意見もできるだけ組み込んだ形の原案作成を、事務局難しいと思いますけれども、ぜひお願いしたいと思います。

それをたたき台に、さらに御意見をいただければと思います。

ありがとうございます。

なかなか難しくて、簡単に一回で完成形に近いものに仕上げるのは難しいかもしれませんが、次回もいろいろな視点からの御意見をいただければと思います。

よろしいでしょうか。

そういうことでよろしければ、議事の3「その他」に進みます。

事務局からも含めまして、何かございますでしょうか。

御意見、御質問、何かございましたら。

よろしいですか。

ないようでしたら、本日予定していた議事は、以上となります。

最後に、事務局から連絡事項がございましたら、よろしくお願いします。

上出課長補佐:事務局でございます。

次回の会議につきましては、また、改めて御連絡をいたします。

今後ともよろしくお願いいたします。

福井座長:それでは、本日の委員会は、以上で閉会とさせていただきます。

ありがとうございました。