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こども家庭審議会(第4回)

概要

日時:令和6年1月29日(月)13時30分から14時30分
場所:こども家庭庁14階共用中会議室
 
【オンライン配信URL】
https://youtube.com/live/mHapRiQVYTE

議事

1.こども大綱等の閣議決定について(報告)
2.今後の分科会・部会における調査・審議等について

資料

議事録

秋田会長:皆様、こんにちは。

ただいまより、第4回「こども家庭審議会」を開始いたします。

本日は、お忙しい中お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。

本日の議事は、お手元の議事次第に記載のとおりです。

14時30分までの会議を予定しております。

まず議題1でございますが、「こども大綱等の閣議決定について」の報告でございます。

まず議題1について、昨年12月22日にこども大綱、幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン、こどもの居場所づくりに関する指針が閣議決定をされました。また、こども未来戦略会議において議論されていたこども未来戦略も閣議決定をされました。事務局より御報告をお願いいたします。

佐藤参事官:官房参事官の佐藤でございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、私のほうから、今、秋田会長からお話のありました件、御説明をさしあげます。

昨年12月22日に、こども大綱ほか幾つかの政府文書を閣議決定しています。議事次第に配付資料で幾つか配付をしておりますけれども、まず資料1-1と1-2はこども大綱、それぞれ説明資料と本文です。資料1-3、1-4が育ちに係る基本的なビジョンです。資料1-5と1-6が居場所指針です。それぞれ昨年12月1日にこども家庭審議会から答申をいただきまして、その後、政府部内で必要な作業を経た上で閣議決定をしてございます。ほぼ答申をいただいたものそのままであります。詳細の御説明については省略をさせていただきたいと思います。

続いて、同じ12月22日にこども未来戦略が閣議決定をされております。資料1-7でございまして、こちらもお時間の関係上、詳細な御説明は省きますが、1枚めくっていただくと目次が出てくると思うのですが、このこども未来戦略、6月に一度こども未来戦略方針というものが閣議決定をされまして、その後、さらなる具体化とか財源についての検討が進められまして、とりわけ施策の部分の具体化については、こども家庭審議会の子ども・子育て支援等分科会でありますとか、また厚生労働省関係の審議会の下でも議論をされた上で、総理を長とするこども未来戦略会議で取りまとめられた上で、閣議決定をされておりまして、主に目次で言いますとⅢの「加速化プラン」ということで、今後3年間集中して取り組むべき具体的な施策について、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進、こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革、この4つの柱に沿って具体的な施策が整理されるとともに、そのために必要な安定的な財源の確保について具体的な方針が示されています。現在、政府においては、このこども未来戦略で示されたものの具体化を図るための法案の検討を進めているという状況であります。

お手元の資料1-1に戻っていただいて、こども大綱の説明資料でありますけれども、少し字が小さくて恐縮なのですが、右下に16ページと書いてあるところまで飛んでくださいますでしょうか。12月22日にこども大綱ほか今御紹介した文書を閣議決定するに当たり、閣議の前にこども政策推進会議という、こども基本法に基づいて置かれている総理大臣ヘッドの閣僚会議でありますけれども、このこども政策推進会議と全世代型社会保障構築本部の合同会議を開いています。そこでの岸田総理の発言をここに記載していますので、かいつまんで御紹介をします。

左側の2番目の○、「こども大綱」においては、こども・若者の視点に立って、社会が保護すべきところは保護しつつ、こども・若者を「権利の主体」として、その意見表明と自己決定を年齢や発達段階に応じて尊重し、こども・若者の最善の利益を第一に考えること。また、子育て当事者のニーズに応じて、社会全体で柔軟に支えていくことなどの基本的な方針をお示ししました。

次の○ですけれども、これに基づき、具体的な施策を計画的に進めていく必要があります。このための「こどもまんなか実行計画」を「こども政策推進会議」で策定することとし、PDCAの観点も踏まえ、毎年、適切な見直しを行いながら、進めてまいります。

また、次の○とその次の○はこども未来戦略でありますけれども、3.6兆円という規模の「加速化プラン」を示したこと。また、これによって、こども1人当たりの家族関係支出がOECDトップ並みの水準に達するということ。また、その財源確保についても具体的な内訳や金額をお示ししている。

一番最後の○ですけれども、全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」、これはこども大綱で打ち出したものですけれども、この実現に向けて加藤大臣を中心に、関係閣僚が連携して、取り組んでいただくようお願いをしますという御発言をいただいております。

また、次の17ページ目と18ページ目を御覧ください。こちらは閣議決定をした後に、同じ日ですけれども、こども大綱の閣議決定に当たっての加藤大臣からのメッセージということで、17ページ目が一般の方向け、18ページ目がこどもや若者向けのメッセージを発しています。それぞれこちらも簡単に御紹介をします。

17ページ目の一般向けのほうは、こども大綱の性格とか目指すべき社会、また基本的な方針に触れた上で、左下から右上にかけて、今回のこども大綱の特徴を加藤大臣から発信していただいています。まず第1に、目指す社会の姿をこども・若者の視点で描いて、それに対応する目標を定めたこと。

第2に、こども・若者は「権利の主体」であることを明示、こどもや若者・子育て当事者と共に進めていくとしたこと。

第3に、重要事項について、こども・若者のライフステージごとに提示したこと。

第4に、具体的に進める施策について、「こどもまんなか実行計画」を策定して、骨太の方針等に反映することにしたこと。

第5に、こども・若者、子育て当事者をはじめとする様々な方々から様々な方法で意見を聴き、それを反映し、こども・若者にもなるべく分かりやすくフィードバックをしたということ。

その上で、加藤大臣から、全ての閣僚に対して、こども・若者や子育て当事者の意見を聴きながら政策を進めるようお願いをしましたということを記載しています。
 
次の18ページ目はこども・若者向けのメッセージです。こども・若者向けに大臣から法定の大綱の決定に当たってメッセージを発信したというのも初めてだと思いますけれども、こちらのほうは、こどもや若者たちに語りかける口調で、こども基本法のこととか、こども大綱のことについて述べた上で、皆さんが生まれながらに持っている権利を大切にしながら、皆さんの今とこれからにとって最もよいことを行っていくこととか、また一緒に進めていくということを総理大臣と19人の大臣で決めましたと。何よりも大切にするのが皆さんの意見だといったことをメッセージで発信をしていただいております。

私からの御説明は以上になります。

秋田会長:ありがとうございました。

こども大綱、幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン、こどもの居場所づくりに関する指針については、このこども家庭審議会が取りまとめた答申を踏まえ策定されております。委員の皆様におかれましては、こども大綱等について、それぞれのお仕事や生活で関わりのある方々に対し積極的に周知いただき、こどもまんなか社会に向けての理解を広めていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。

議事2でございます。「今後の分科会・部会における調査審議等について」。

次に、議題2の今後の分科会・部会における調査審議等の予定についてですが、まず、こども大綱に基づくこどもまんなか実行計画の策定について私からお話しさせていただきたいと思いますので、資料2を御覧ください。

まず、2ページ目を御覧ください。

2ページ目にありますとおり、こども大綱では、総理を長とする閣僚会議であるこども推進会議が、こどもまんなか実行計画を策定する。その策定に当たり、こども家庭審議会の調査審議を踏まえる旨が定められております。

そして、3ページ目を御覧ください。

こども大綱では、こども家庭審議会がこどもや若者の視点に立って、公平、透明性を確保しつつ、こども大綱の下で進められる施策の実施状況や評価等において、分科会や部会において幅広く充実した調査審議を行い、当該施策や制度の改善等に関して法令上の権限を適切に行使する旨が定められております。このため、こどもまんなか実行計画の策定に当たりまして、こども家庭庁設置法第7条第1項第2号に基づき、こども家庭審議会において調査審議を行い、こども政策推進会議の長である総理に対して意見を述べることとしたいと考えております。

調査審議は、こども大綱の案の策定に向けた検討及び同大綱に基づく施策の実施状況の検証・評価が基本政策部会の所掌事務として掲げられていることを踏まえ、基本政策部会において実施し、こども家庭審議会運営規則第3条に基づき、基本政策部会の議決をもって審議会の議決としてはどうかと考えます。

他方、こどもまんなか実行計画の策定に当たって、各分科会・部会における知見を集約していくことが重要でございます。各分科会長・部会長におかれましては、こども大綱で示された大きな方針の下で、当面取り組んでいくべき方向性や留意すべき点といった観点から、各分科会・部会の所掌の範囲で分科・会部会としての意見をまとめ、基本政策部会に御提出いただきたいというように考えております。

また、調査審議に当たっては、こども大綱に向けた答申の中間整理の際にいただいた当事者からの意見の再整理や、「こども若者★いけんぷらす」を活用した意見聴取を行い、こども・若者、子育て当事者の意見を踏まえつつ進める必要があると考えております。

各分科会・部会からの御意見と、こども・若者、子育て当事者からの意見が整った後、3月下旬頃に基本政策部会を開催し、各分科会長・部会長または代理の方にもお越しいただき議論を行い、その議論を踏まえ、5月中旬頃に基本政策部会におきまして審議会としての意見を取りまとめたいと考えております。

以上のような形で、こどもまんなか実行計画に向けて進めてまいりたいと考えておりますが、御質問などございますでしょうか。いかがでございますでしょうか。

よろしゅうございますでしょうか。

オンライン参加者の方も大丈夫でございますでしょうか。
(委員首肯)

秋田会長:ありがとうございます。

それでは、資料2のとおり進めていくことといたします。

今後のスケジュールや意見提出の様式につきましては、追って事務局より各部会の事務局宛てにて御連絡をさせていただきます。

続きまして、各分科会・部会から、これまでの調査審議の経過や今後の予定等につきまして御発言をいただきたいと存じます。順に指名をさせていただきます。

まず、子ども・子育て支援分科会会長代理、鈴木委員のほうからお願いをいたします。

鈴木委員:よろしくお願いします。

子ども・子育て支援分科会においては、秋田分科会長の下、保育士の人材確保方策や処遇改善等について議論を行うほか、こども未来戦略方針等を踏まえた制度改正についても議論を進めてまいりました。特に制度改正事項については、本分科会や分科会の下に設置した委員会でも議論を行い、この議論を踏まえ、昨年12月に議論の整理を行ったところです。

この整理においては、出産・子育て応援給付金や伴走型相談支援の制度化、こども誰でも通園制度などについて、制度改正の方向性や今後の留意点や検討事項について取りまとめています。本日、参考資料としても配付させていただいておりますので、御高覧いただければと思います。

今後も本分科会では、子育て支援に従事する現場の方々の意見等も十分に踏まえつつ、こどもまんなか社会の実現に向けて、また、子育て支援に従事する皆様のよりよい環境整備に向けて調査審議を進めてまいります。よろしくお願いいたします。

秋田会長:鈴木委員、ありがとうございます。

それでは、続きまして、成育医療等分科会長並びに科学技術部会長の五十嵐委員よりお願いいたします。

五十嵐会長代理:成育医療等分科会会長の五十嵐と申します。よろしくお願いいたします。

成育医療等分科会の経緯につきまして、私から御報告をさせていただきます。

当分科会では、妊産婦健診、乳幼児健診、そして産後ケア事業などを通じた地域における妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の推進、さらにこどもの心身の健やかな成長を確保するための成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進などに向けて議論をしております。

昨年9月20日の第1回の分科会で、こども大綱の中間整理案について、成育医療等の観点から議論を行いました。また、昨年11月22日に第2回の分科会を行いまして、母子保健に係る制度改正及び乳幼児健診について議論をいたしました。

母子保健に係る制度改正につきましては、まず産後ケア事業、それから母子保健のデジタル化、そして新生児マススクリーニングについて各委員からそれぞれのテーマに関しまして、現状あるいは課題に関する議論をいただきましたけれども、それぞれ産後ケアの計画的な提供体制の整備、母子保健手帳の電子化を含めた母子保健のデジタル化の推進、そして新生児マススクリーニングの法的位置づけの明確化等の母子保健の充実に向けました制度改正の必要性について、御了解をいただきました。

乳幼児健診につきましては、こども家庭科学研究の研究班により、1か月健診と5歳児健診を特に優先して標準化し、充実していくべきという提言がありました。いずれの健診も実際の受診率は低いので、これを100%にしたいという意図であります。各委員からも、5歳児健診の地域のフォローアップ体制の必要性、特にこれは発達障害のお子さんたちを早く見つけるという点で重要という御指摘をいただきました。

分科会ではその他活発な議論がありまして、御紹介した意見以外にも重要な御指摘がたくさんありました。今後、基本政策部会におけるこどもまんなか実行計画の審議を念頭に、次回以降の分科会において、成育医療等に係る施策について検討を行ってまいります。

成育医療等分科会としての御報告は以上であります。

続きまして、科学技術部会の部会長として、科学技術部会についても簡単にお話をさせていただきます。

当部会におきましては、こども大綱の中間整理案に関し、こども施策に係る科学技術の観点から議論を行いました。そして、こども家庭科学研究やAMEDの研究の研究課題などにつきまして、運用に必要な事項等について議論をいたしたところであります。

本部会におきまして、引き続きこども施策に関わる科学研究や科学技術の社会における適切な活用等に向けまして、議論をこれから進めていくことにいたしております。

御報告は以上でございます。

秋田会長:御報告ありがとうございます。

それでは、続きまして、児童福祉分科会長の平野委員、お願いいたします。

平野委員: 児童福祉分科会長の平野啓子です。

当分科会の審議状況について御説明させていただきます。

当分科会では、児童福祉法の規定により、児童の福祉の向上を図る目的で、児童福祉文化財の推薦を行っております。分科会の下に絵本や児童書などの出版物、児童劇やミュージカルなどの舞台芸術、映画やテレビ番組などの映像・メディア等の3つの委員会を置き、それぞれの専門委員会において申請のあった作品を審査し、推薦作品を分科会で決定しております。今年度はこれまで3委員会でおよそ200作品について審査を行い、9月の分科会で、出版物部門で19作品、舞台芸術部門で4作品、映像・メディア等部門で5作品の児童福祉文化財が推薦されております。今後、年度末に向けてさらに審議を行い、3月に追加で推薦作品を決定する予定でございます。

ちなみにこの分科会なのですけれども、昭和26年度より続いている歴史の長い会でして、秋田会長も10年お務めになられており、私もその下で指導していただきながら、今、務めさせていただいており、オンラインでは砂上副会長もいらっしゃいます。これまでに1万5000点以上が選定され、こどもの心の栄養になる優れた作品ばかりが選ばれております。

以上でございます。ありがとうございました。

秋田会長:御報告ありがとうございます。

それでは、続きまして、基本政策部会部、会長代理の松田委員、お願いいたします。

松田委員:基本政策部会の部会長代理の松田と申します。

先ほど秋田会長からお話がありましたとおり、昨年末の閣議決定されたこども大綱に基づくこどもまんなか実行計画の調査審議につきましては、各分科会・部会に御意見をいただきながら、基本政策部会において実施してまいります。本年6月頃の策定に向け、基本政策部会として力を尽くしてまいりますので、各分科会・部会におかれましても、御意見の取りまとめのほど、よろしくお願い申し上げます。

以上です。

秋田会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、幼児期までのこどもの育ち部会長代理の大豆生田委員、お願いいたします。

大豆生田委員:幼児期までのこどもの育ち部会においては、昨年5月から12月まで9回にわたる審議を行い、12月1日に幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン、答申を取りまとめ、秋田会長から加藤大臣に手交していただきました。

本答申を踏まえ、政府において「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)」が策定され、12月22日にこども大綱やこどもの居場所づくりに関する指針とともに閣議決定されたことについて、部会としても報告を受けています。

今後は、本ビジョンの実現に向けて広報や具体的な取組を進めていくことが求められていると思いますので、部会でも、こども家庭庁から具体的な取組方針について聴取し、必要な助言を行うとともに、今後の取組状況をフォローアップすべく審議を行ってまいりたいと考えています。

以上です。

秋田会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、こどもの居場所部会、部会長代理の大竹委員、お願いをいたします。

大竹委員:よろしくお願いいたします。

こどもの居場所部会では、前田部会長の下、昨年5月より計13回にわたって、こどもの居場所づくりに関する指針について議論し、12月1日に答申を行いました。その後、12月22日に閣議決定されました。

この指針の中で、災害時におけるこどもの居場所づくりの項目を立て、次のように示しています。災害時などの非常時こそ、こどもの声を聴き、こどもの権利を守ることが必要である。災害時において、こどもが居場所を持ち、遊びの機会等が確保されるよう配慮することは、こどもの心の回復の観点からも重要である。今後、避難所におけるこどもの遊び場や学習のためのスペースの設置など、まずは災害時におけるこどもの居場所づくりに関する実態把握を行うとともに、そうした実態を踏まえた施策の推進が求められると示しています。

今月1日に発災した能登半島地震でも、被災したこどもの居場所づくりが議論になっており、この指針があったことによって速やかな対応ができたと事務局より報告を受けております。このように、こどもの居場所に関する関心やニーズは高まっており、今般作成された指針がしっかりと現場に浸透し、指針を踏まえた居場所づくりが推進されるよう、引き続き、こどもや若者の意見を聴きながら取り組んでいきたいと思っております。

以上です。ありがとうございました。

秋田会長:どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、社会的養育・家庭支援部会部会長並びに児童虐待防止対策部会長の山縣文治委員、オンラインということでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

山縣(文)委員よろしくお願いいたします。

2つ合わせて報告ということでよろしいですね。

秋田会長:順にお願いを申し上げます。

山縣(文)委員:まず、社会的養育家庭支援部会ですけれども、今年度、計4回会議を開催しております。2022年の児童福祉法の改正の内容を中心に据えた議論をしました。とりわけ里親支援センターを中心とする里親委託の推進、施設などを退所したこどもたち、いわゆるケアリーバーの自立支援の強化、家庭生活に困難を抱える妊産婦と特定妊婦等の支援、それに対する家庭支援の充実などについて真摯な議論を行ってきたつもりでございます。

加えて社会的養育推進計画の改定における準備もさせていただきました。それぞれの自治体において社会的養護や虐待防止対策の取組を計画的に進めていただくため、社会的養育推進計画の策定要領について時間を取って議論をしております。

また、この部会におきましては、会長から依頼のありましたこども大綱の中間整理に関しても議論をしております。今後も社会的養護や家庭支援の各施策を推進するため、部会における議論を進めていきたいと思っています。

続いて、虐待防止対策部会について報告を申し上げます。

虐待防止対策部会は今年度3回開催をいたしました。こちらのほうも2022年の児童福祉法改正の中で、部会関連事項を中心に議論をしております。今年の4月からの施行に向けまして、改正児童福祉法の改正事項のうち、市町村のこども家庭センターの創設、一時保護施設の設備運営基準の策定、こどもの権利擁護の強化、子ども家庭福祉士の認定資格の導入等について、具体的な対応を検討してまいりました。ケアリーバーの方々が、お仲間の声を事前にヒアリング等していただいて、部会のほうに反映していただいたことで、非常に有効な議論ができたのではないかなと部会長としては感じております。こちらの部会でも、こども大綱の中間整理についての議論も行っております。

今後も、児童虐待防止対策部会において、児童虐待防止施策の推進に向けて、引き続き議論、検討を行っていきたいと思います。

以上でございます。

秋田会長:どうもありがとうございました。

続きまして、障害児支援部会長の有村委員、お願いいたします。

有村委員:ありがとうございます。

障害児支援部会の部会長を仰せつかっております有村と申します。

障害児支援部会の進捗につきまして、御報告をさせていただきます。

障害児支援部会は、昨年4月からこれまでの間に計4回、実施してまいりました。今年度、障害児支援の関係では、障害福祉サービス等報酬改定や児童福祉法改正を踏まえた対応といった大きな動きがございます。本年4月に施行を迎える「障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討」や「改正児童福祉法を踏まえた対応の検討」を進めるとともに、こども大綱の中間整理の取りまとめに向けても議論を行いました。

障害児支援部会において賜った御意見を整理すると、大きく3点ございます。

まず1点目は、児童発達支援センターについてです。児童発達支援センターの中核機能と、基幹相談支援センターや医療的ケア児支援センターなどの他機関との連携強化、そして地域全体を視野に入れた対応、さらに医療的ケア、聴覚障害、視覚障害、行動障害など個別の障害種別に応じたニーズへの対応について御意見を賜りました。

2点目は、福祉、そして看護師などを中心とした人材確保と養成でございます。その中で中核的な人材などの人材の課題もありました。

最後の3点目ですが、児童発達支援センターが未設置の自治体への対応なども含めた地域の資源、インクルージョンや学びの支援の場、そしてそこに障害児が通うことを視野に入れた医療的ケアや支援、情報保障の確保等についてです。

そのほかにも当事者や支援者の皆様から様々な御意見を賜っており、今後の議論に反映してまいりたいと思います。

また、障害児支援部会においても、引き続き障害児支援施策のさらなる充実に向けて議論をしてまいりたいと思っております。

以上でございます。どうもありがとうございます。

秋田会長:どうもありがとうございます。

それでは、こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の部会長であられる新保委員、お願いいたします。

新保委員:こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会は、昨年4月からこれまでの間に2回開催いたしました。

当部会が審議する政策分野に関しては、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づき策定されたこどもの貧困対策大綱が他の大綱と一体的にこども大綱として策定されることとなったという経緯がございました。このため、部会構成員の皆様には、こども大綱が子どもの貧困対策大綱の内容や経緯を十分に踏まえ、新たな議題も取り入れたものとなるよう、精力的に御議論をいただきました。

この議論の中では、将来を見据えた貧困の連鎖だけではなく、現在存在する貧困の解消が必要、格差の解消も重要だが、絶対的な貧困の解消を優先すべきといった力強い意見をいただきました。また、当事者の目線に立った表現への配慮についても、具体的な意見をいただきました。

こうした部会での議論をこども大綱に反映し、こどもの貧困対策やひとり親家庭支援の部分を充実できたと考えております。

今後も、こどもの貧困対策、ひとり親家庭への支援が充実したものとなるように、部会における議論を深めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

秋田会長:各分科会・部会からの調査審議の経過等について御報告をいただきました。

まだ若干お時間がございますので、今年の審議会の運営に関する御意見や意気込みなど、御発言を希望される方はいらっしゃいますでしょうか。

原田委員、お願いします。

原田委員:ありがとうございます。

今年の希望というか、去年の会議も踏まえてなのですけれども、改めて兵庫県の尼崎市でユースカウンシル事業「Up To You !」に取り組んでいる大学生の原田伊織です。

僕は、第1回の審議会でも紹介したのですが、高校生のときから鬱病の母をケアしているヤングケアラーの立場、あとはこども・若者の当事者として、この委員会でも意見をしてきました。

ヤングケアラーについて、昨年の12月26日に児童虐待防止対策部会で議論していただいているところなのですが、ヤングケアラーの法改正案のうち、特に定義の部分が示されました。そこには、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められるこども・若者とされていました。この点について、当事者として意見をさせていただきたいなと思っております。

まず初めに、研究者のこども向けのヤングケアラーの実態調査を初めて実施した大阪公立大の濱島先生の指摘も受けていまして、まず過度なケア、世話に限定しないほうがいいのではないかというような意見もあります。また、過度という部分の判別も難しくて、多くのヤングケアラーが支援を受けられなくなるかもしれないというところ、あと海外の法律ではヤングケアラーの定義をケアの程度では区切っていないというところが指摘されています。

もう一つは、障害や疾病があるであるとか、高齢や幼いためというような、ケアが必要な家族のケアをしているという、要素の部分が抜けているという指摘もありました。疾病や障害を有する家族のケアをしている場合は、ほかのヤングケアラーよりも負担が多くなることが示されているので、ケアの程度ではなくて、家族の状況や条件で絞るべきだというような意見がありました。

当事者として思っていることとしては、まず、今の過度なケアを担うという想定は、メディアでよく出ているような、社会的につくられているヤングケアラーの当事者像になってしまっていないかなと思っています。言葉とか定義が線引きとして、ここからは支援が受けられる、ここからは支援を受けられないとなると、私はそこには当てはまらないと、声を上げることができない人も増えてしまうのではないかなと懸念しています。

第3回の児童虐待防止対策部会では、川村委員がケアの心理的な部分、中村委員がケアをしていることで機会を失う部分に焦点を当てて発言されていました。

もう一つは、この定義が策定されるところに当事者の声がどう反映されていたのかなというところも気になっています。第2回の児童虐待防止対策部会で、浜田委員からヤングケアラーイコール児童虐待ではないとして、こども大綱の項目立てにも変更があったと承知しています。でも、その部会には今、肝心のヤングケアラーの専門家であったり当事者がいないのかなと懸念しておりますので、本審議会全体でもヤングケアラーの専門家であったり、当事者の意見を聴きながら進めていく必要があるかなと思っています。

あと2つあって、言葉の定義は、その状態にあるこども・若者を指し示すものになると思っています。今回の定義は、支援者がアセスメントすることを前提とした定義になっていると受け取られる可能性が高く、それは支援をする側の都合であって、当事者のこども・若者にとっては、この定義の下に支援者に負担感を図られることにすごく違和感を覚えました。

最後にですが、ヤングケアラー状態による影響とか課題の本質というのは、ケアの内容や程度ではなくて、負担が大き過ぎることによる人権の侵害だったり、こどもの権利の視点では、ケアによって自分のやりたいことができない、そういった影響があると思っています。同じケアの内容でも、家庭状況によって出てくる影響は違ったりもしています。ヤングケアラーについても、こども・若者や当事者、あとはヤングケアラーの専門家の声を聴いて取り入れて、こどものために支援するというところから、こどもと共に何が最善かを考えるところにつながるように今年も一緒に取り組んでいけたらと思っておりますので、長くなりましたが今年もよろしくお願いします。

秋田会長:ありがとうございます。大変貴重な当事者からの御意見であります。

もちろん児童虐待防止対策部会のほうでも詳細に御検討をいただくとともに、こちらの審議会のほうでもぜひ検討させていただきたいと思います。本当にありがとうございます。

ほかにはいかがでございますでしょうか。

もしオンラインの方でおられれば、挙手ボタンで示していただければと思います。

上鹿渡委員、お願いをいたします。

上鹿渡委員:遅れての参加となってしまい申し訳ありません。

ありがとうございます。

最初から出られていないので、そういうお話が最初に出ていたかもしれないのですけれども、これからが本当に大事なところで、こどもとともにという形が今、かなり出てきて、新しい施策がどんどん始まっていきます。こどもとともにあり続けるために、本当にこどもの声を反映し、子どもにとっての成果を評価するというところで進めていかなければと思います。この審議会や部会でも何度か質問させていただき、確認もさせていただきましたが、この審議会や部会がまさにしっかり成果が出ているかどうかを確認、検証していく場になっているということ、これは本当に大事なことだと思いますので、そこを意識しながら、回数なども必要があればしっかり開催していただいて、しっかりとした審議ができるような形にしていただきたいと思っております。

具体的な評価・検証はこれからですけれども、それをしっかりやりながら、ここだけでは足りなかったり、十分な開催が難しいということがあれば、その形自体も考えるということも含めて検討を進めていただけたらと思います。途中で外部の独立した機関でないとそのような評価・検証は難しいのではないかという御意見も基本政策部会でコミッショナーの話などとして出ていたわけですけれども、まずは今可能なこの形で始めて、難しいところが出てきた場合にはそのような枠組み自体についても検討することも必要だと思います。「こどものために」で始めたことを、「こどもとともに」へつなげ、しっかりと進めていきたいと思います。意気込みも言っていいというとことでしたので言わせていただきました。皆さんと一緒にやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

秋田会長:どうもありがとうございます。大変重要なところの御指摘を賜りました。この審議会のほうで検証をきちんと行っていくことが重要な点でございますので、この点を今年も進めてまいりたいと思います。

ほかにはいかがでございますでしょうか。よろしゅうございますか。

事務局のほうから何かございますか。ないですか。

ありがとうございます。

それでは、本日準備をいたしました議題につきましては全て終了いたしましたので、以上をもちまして本日の会議は終了といたします。

皆様、お忙しい中御参集いただきましてありがとうございました。オンラインの皆様もありがとうございました。