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第2回 こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会

概要

日時:令和5年9月22日(金)10時00分から12時00分
場所:こども家庭庁 共用大会議室(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 14F)

議事

  1. 今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等(中間整理)(案)について
  2. 令和6年度概算要求(ひとり親家庭等支援関係)について
  3. その他

資料

議事録

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:皆さん、おはようございます。

私、こども家庭庁家庭福祉課の企画官でひとり親家庭等支援室長をしております宮崎と申します。

よろしくお願いいたします。

定刻になりましたので、ただいまから第2回「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」を始めさせていただきます。

本日は対面とオンラインのハイブリッド形式にて開催をさせていただきます。

オンラインで参加いただいている皆様、音声のほうはいかがでしょうか。

よろしかったでしょうか。

ありがとうございます。

本日の出席状況につきましては、齋藤忠士委員、村田治委員が御欠席と伺っております。

なお、御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

今回の部会ですが、傍聴希望者向けにYouTubeでライブ配信をしていますが、これ以降の録音・録画は禁止させていただきますので、傍聴されている方、どうぞ御協力をよろしくお願いいたします。

それでは、頭撮りはこれまでとさせていただきます。

それでは、以降の議事運営については、新保部会長にお願いしたいと思います。

よろしくお願いします。

新保部会長:皆さん、こんにちは。

部会長の新保です。

どうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、事務局から本日の資料の確認及び会議運営に当たっての連絡事項があると伺っておりますので、その点、よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:まず、机の上にありますiPadの中に資料を用意しております。

最初の画面で資料全体が分かるようになっていると思いますけれども、資料1が「今後5年程度を見据えたこども大綱の基本的な方針と重要事項等~こども大綱の策定に向けて~(中間整理)(案)」ということで、いわゆるこども大綱の中間整理案の資料になります。

資料2が中間整理案に関して委員の皆さんから提出された御意見ということでして、こちらは8月末から9月半ばにかけて皆さんからいただいた意見を一覧にしたものになっております。

複数の委員から同内容の意見をいただいた場合は、事務局の責任で一緒にしたり、文言を整理したりはしておりますが、こちらが意見の資料になります。

資料3が「令和6年度予算概算要求のポイント」。

資料4が「令和6年度概算要求の概要(ひとり親家庭等支援関係)」。

参考資料が「こども大綱の概要と検討状況について」となっております。

以上が事務局で準備させていただいた資料になります。

また、事務局より会議運営に当たっての連絡事項が2点ございます。

1点目は、本部会には団体の代表ではなく、当事者の立場として御参加いただいている委員の方がいらっしゃいます。

これらの委員の方については、第1当事者委員、第2当事者委員などとした形で、委員の名前を伏せた形で呼ばせていただくということにさせていただきます。

また、当事者委員の方がオンラインで参加する場合は、カメラをオフにしていただき、チャット機能を使って御発言するといった方法を可能としております。

チャットの内容は当事者委員の方の個人の内容が含まれる可能性がございますので、会議においては読み上げないという形にいたしまして、必要に応じて後ほど御提供するという形にいたしますので、他の委員におかれましても御了承いただければと思います。

2点目は、前回の部会で御質問いただきました部会長の選任手続についてです。

当日、事務局の私のほうからの説明が不十分でしたので、改めて事務局より御説明させていただきます。

本部会の部会長の選出プロセスにつきましては、こども家庭審議会令で規定されておりまして、「部会に属する委員の互選により選任する」とされております。

ここでいう「委員」の定義は、親会であるこども家庭審議会の構成員と法令上書いておりまして、今回このひとり親家庭支援部会の部会長につきましては、いわゆる親会、こども家庭審議会の構成員である新保委員、大石委員、谷口委員の3名の方の互選により、お互い了解いただいて選任されるということになります。

このため、3名の方にあらかじめ御連絡して、新保委員を部会長とするということで御了解いただき、第1回の会議の場で共有させていただきました。

この点、御報告させていただきます。

新保部会長:御説明ありがとうございました。

ただいまの事務局からの説明、1つ目として当事者委員の扱いに関する件、2つ目として前回の部会で御質問いただいた部会長選出の手続について、構成員の皆様、御了解いただけますでしょうか。

赤石委員:決定を変えてほしいということを今から言うのは困難かと思いますが、いろいろな体験をされてきた方が当事者委員として参加することはとても意義があることだと思います。

この方たちが自由に発言できることと透明性を確保することはやはり相反することであるとしたら、どういうふうに安全を確保して議事運営をするかというときに、YouTube配信など、若干そこに制限をかけても仕方ないという決断もあったかと思いますので、要するに、透明性と困難な方のお話を聞くということは相反するということはこのこどもまんなか社会を実現するときに大きく留意するべき点であると思いますので、一言述べさせていただきます。

新保部会長:ありがとうございます。

とても貴重な御意見であると思います。

何かありますか。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:赤石委員、ありがとうございました。

今回、この第2回というのは中間整理案ということで、今、この形にさせていただきました。

議事の内容によってはバランスというのはよく気をつけないといけないということは留意してまいりますので、またその都度委員の方々に御相談して進めさせていただきたいと思います。

よろしくお願いします。

新保部会長:ありがとうございます。

他にいかがですか。

よろしいですか。

(首肯する委員あり)

新保部会長:分かりました。

御了解いただけたということで、この先の議事に移りたいと思います。

ありがとうございます。

それでは、議事に入ります。

初めに、こども大綱の中間整理案についてです。

こども大綱の策定に向けたこども家庭審議会答申の中間整理については、当部会とは別の基本政策部会において議論がなされてきました。

先月、秋田こども家庭審議会会長より、各部会長宛てに、こども大綱は、基本政策部会だけではなく様々な部会にも関係することから、関係部会でもそれぞれの部会の所掌の観点から、中間整理案について必要な議論等を行っていただきたい。

その上で、来週25日のこども家庭審議会総会において、関係部会長・部会長代理から部会での議論等を報告いただき、それらを踏まえて、審議会総会として中間整理を取りまとめたいとの依頼がありました。

この依頼を受け、8月末に事務局から皆様に中間整理案を共有いただき、意見を募りました。

意見内容については、事前に事務局と相談していただき、特に当部会の所掌に関わるものについては修正意見も調整していただき、今日の会議資料としています。

今日は、部会の所掌範囲として特に修正意見を求めていきたいと考える項目を中心に議論していただき、今日の会議資料と議論の状況を週明けのこども家庭審議会総会にて私から報告をさせていただきたいと考えております。

それでは、議論を行うに当たり、まずは事務局より中間整理案について御説明をお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:私のほうから、中間整理案の位置づけと皆様からいただいた意見をまとめた資料について御説明をさせていただきます。

委員の皆様には、8月末に中間整理案を共有させていただいたと思います。

その際、事前説明において、中間整理案の位置づけということは一度御説明させていただいたのですけれども、改めてポイントだけ御説明をさせていただきたいと思います。

参考資料の「こども大綱の検討状況について」に基づいて御説明させていただきます。

こども大綱なのですけれども、もともとはこども基本法においてこういったものを策定するということで規定されております。

6月に予算的なものですとか大きな制度見直しについてまとめていくのが毎年の骨太の方針ですけれども、今年度のこの骨太の方針に今後5年程度を見据えた中長期の基本的な方針や重要事項を一元的にまとめるこども大綱を年内に策定するということが示されたところでございます。

参考資料1ページの下にこども政策推進会議というのが書いてありますけれども、こども大綱自体はこのこども政策推進会議で策定するものになりまして、行政側の会議です。

行政側のこのこども政策会議で大綱を策定するということにはなるのですけれども、ここの総理発言にありますとおり、こども家庭審議会に諮問するということを決定いたしましたということになっております。

今回、こども家庭審議会のほうから諮問を受けて、こども家庭庁の中に部会というのがそれぞれの分野ごとにございますので、各部会でそれぞれの分野について議論いただきたいという依頼があって、今日の会議になったということでございます。

資料1がその中間整理案本体になります。

一度参考資料を閉じていただいて、中間整理案の資料1を開いていただいて、皆さん既に見ていただいているものですけれども、目次の1ページ、2ページを見ますと、「はじめに」という基本的な方針から、全体を通ずる基本的な方針というのが第2にありまして、第3から各政策の中身に応じて、大きくライフステージに縦断的な重要事項、ライフステージ別の重要事項、それから、子育て当事者への支援に関する重要事項として、政策の具体的な中身といいますよりは方針が書いてある内容になっております。

今回、私どもの部会の直接の所掌となりますと、第2の基本的な方針の(4)の辺り、それから、第3のライフステージに縦断的な重要事項の(4)の辺り、次の目次の2ページ目の子育て当事者への支援に関する重要事項の(4)ひとり親家庭への支援に該当すると考えております。

一方で、全てのこども政策が家庭の状況、こどもの状況にかかわらず、こどもに関わり得る政策の方針ということですので、部会の直接の所掌となりますと、私が申し上げた3点になりますが、今回、意見としては全体の意見をいただいておりまして、資料としては全体の意見を入れております。

部会として重点的にと申し上げますと、先ほど申し上げた3点のところを重点的に、御意見をまとめていけたらと思っております。

私のほうから中間整理案、意見についての説明は以上になりますけれども、今度は資料2の議論の進め方について少し御説明をさせていただきたいと思います。

これから新保部会長の進行の下に議論をしていただきますけれども、この御意見の資料を基に、次のような形で議論をお願いしたいと思います。

1つ目は、全体は非常に幅広い分野をカバーしておりますけれども、3点、特に直接的な所掌ということを申し上げました。

ここの直接的な所掌ということを意識しながら、部会としてこういうところの意見をまとめていきたいというようなことを視野に議論をお願いしたいということが一点でございます。

他の部会が直接所掌するものについては、先ほどの重複になりますけれども、今回の私たちの部会の構成員の皆様がそろった形でそこを深掘りしていくということは考えておりませんが、御意見ということで会議資料に掲載させていただきました。

あと、3点目は、こども大綱の策定に向けたこども家庭審議会の答申です。

こども政策推進会議からこども家庭審議会に有識者の方、関係者の方、当事者の方に検討をお願いしたいという形であった答申は、今後5年程度を見据えた基本的な方針と重要事項等を示す、これが中間整理案で、こども大綱とは別に具体的な政策はこどもまんなか実行計画として政府として決定されるといった役割分担になっておりますので、その点、御留意の上、中間整理案について御議論をお願いしたいと思います。

よろしくお願いいたします。

新保部会長:それでは、今の事務局案の御説明を踏まえて、提出された意見について大きく4つに分けて議論を進めさせていただきたいと思います。

非常に多岐にわたって闊達な御意見をいただいたこと、とてもありがとうございます。

この一つ一つがこども大綱の質をよりよいものにしていくということにつながると思います。

非常に多岐にわたって御意見をいただいておりますので、以下の4つに分けて議論させていただきたいと思います。

それぞれ大体20分ぐらいをイメージして時間管理をしていこうと思っております。

1つ目として、これは大綱の中間まとめでいうと10ページの辺りのところになるかと思いますが、基本的な方針の(4)の柱、つまり、貧困や格差の解消について盛り込まれている柱に関する御意見をまずお伺いしたいと思います。

その後、こどもの貧困対策に関することとか、ひとり親家庭の支援の部分に関することとか、4つ目としてその他の部分に関する意見の順にお伺いしたいと思います。

それでは、まず基本的な方針の(4)の柱に関する意見について、委員の皆様から御発言がございましたら挙手をお願いいたします。

オンライン参加の委員の皆様におかれましては、「手を挙げる」機能を御活用ください。

また、委員の皆様におかれましては、可能な限り多くの方に御発言いただきたいため、大変恐縮でございますが、御発言については極力簡潔にまとめていただき、2分程度までとしていただければと思います。

御発言の際は、マイクの発言ボタンを押してから御発言ください。

マイクの根元が赤く光ります。

発言終了時には再度ボタンを押してください。

それでは、基本的な方針の(4)の柱の部分について御発言を求めたいと思います。

いかがでしょうか。

では、お願いいたします。

末冨委員:日本大学の末冨でございます。

よろしくお願いいたします。

まず、こちらの中間整理案なのですが、こどもの権利と最善の利益の視点から非常に前向きで、私自身も読んでいてすばらしいなと思う案に仕上がっておりますこと、お取りまとめいただいた方々に厚く感謝申し上げます。

その上で、特に私が柱立てとして10ページを見たときに、ここは絶対に修正しなければならないということがございます。

意見書のほうにも書いてございますが、「格差や貧困の解消を図り」と見出しが書かれておりますが、この大綱全体が実はこどもの貧困対策についてのここまでの3大綱の経緯を踏まえたときに、どうしても総論として本当にこどもの貧困を重視しておられるかという疑念を抱かせる懸念がある表現になっております。

理論的には、格差と貧困というのは貧困のほうが解消されなければならない課題です。

それは政策的な課題としてもそうです。

なぜかと言うと、格差はそれ自体では大きな問題はないということがございます。

例えばなのですけれども、私は身長が低いですが、身長が高い人と格差があります。

このように、格差は何にでも使える概念です。

そういう意味では、容認し難い状況、政策課題としてのこどもの貧困というものは真っ先に掲げられなければならない。

それは他の部分でもそうなのですよね。

その意味では、こどもの貧困対策のこの10年の蓄積、それから、子どもの貧困対策推進法の経緯を踏まえた上で、こどもの貧困対策こそ真っ先に改善されなければならない課題であるということについては、全編にわたってもう一度位置づけを考え直していただくとよりよいものになると思います。

あわせまして、内閣府時代から意見書としてこども大綱にこういうふうにしてくださいというお願いをしておりました部分についてなのですが、ひとり親だけに偏っている。

それから、若者の貧困対策がほぼ欠如しているという状態にあります。

この部分についても、ここからこども大綱が5年間生き、私たちがこの部会だけでなく全てのステークホルダーとともに進めていくものとして、大きな文脈から必ず位置づけていただきたいと存じます。

以上です。

新保部会長:では、お願いします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:末冨先生、ありがとうございました。

他の委員の皆さんにお伝えしますと、資料の中の最初にある意見になると思います。

特に末冨先生の資料2の最初の項番1になると思います。

御確認いただけましたでしょうか。

今、末冨先生が最初に言っていただいた意見はこちらになります。

ここは全体を通じて影響する意見だと思いますが、末冨先生に関連して、もし同じ部分のというのがあったら、まずそこを聞いていきますか。

新保部会長:ありがとうございます。

「格差や貧困」というのを「貧困と格差」に直すこと、これはどうしても必要だろうという御意見がまずありました。

それ以外に、ひとり親だけとか若者が対象として入っていないのではないかという御意見もいただいたかと思います。

これに関連して、他の方から何か御意見はございますか。

お願いいたします。

渡辺委員:NPO法人キッズドアの渡辺です。

末冨先生の御意見に関連してといいますか、私もこの10ページの部分は非常に重要だと思っておりまして、私が指摘させていただいたのは、まず一つは、例えば「良好な成育環境を確保し」の後にぜひ必要な教育を全てのこどもに確保するということで、成育環境のことにかなり偏っていると私は感じておりまして、こどもの成長には成育環境も重要ですが、教育が非常に重要で、これが貧困状況にあるこどもはしっかりと受けられないということがございますので、そういった部分では、良好な成育環境と必要な教育を全てのこどもに確保するということですとか、その後の表現でも、若者が全国どこに行っても必要な支援や必要な教育が受けられるとかということで、やはり教育の担保をするということはぜひこのこども大綱でやっていただけるといいなと思っております。

また、その意味で、最後、10ページの「メンタルケアなどを充実させる」の後にぜひ加えていただきたいなということで、要はこどもの貧困でこどもの学力がひもづいてしまうという状況が非常に教育格差とか体験格差を生んでいて、こどもたちがとても苦しい状況になっていきます。

なので、本当に今の貧困をやることも大事ですし、その先で、特にこどもにとっては、今が苦しくても将来が明るくなるのだということがあるのか、それともこの苦しい状況が続くのかというところでは、やはり将来がちゃんと見られるようにこどもたちに対して読んでもらえるような明るさということで、教育に関してぜひ付け加えていただきたいなと思っております。

資料2の項番で言いますと、30番あたりからたくさん私が指摘した部分をつけていただいたのですけれども、やはりこどもたちにとって貧困の格差と連鎖の防止というところは併せて重要だと思います。

ただ、ここがあまり強調され過ぎると、末冨先生もおっしゃったように、今の苦しさみたいなところを置き去りにされてしまうので、そこが両輪でいくようにということです。

また、成育環境というと、どうしても保育ですとかそういうところが何となくイメージされて、全般的にとてもそこの議論が報道などでも出てくるのですけれども、やはりこどもといったときに、本当に自立するまでというところで若者も入るという中では、しっかりとそこが伝わるようにいつまでかということです。

例えば10ページの21行目、項番の31に書かせていただきましたが、「乳幼児期からの切れ目ない」というのはどこまでなのだというところでは、乳幼児期から社会に出て自立するまで切れ目のない支援を行うのだということで、しっかりとこどもは自立するまでこの法で支えられるのだということが出てくるといいなと思っております。

私のほうからは以上です。

新保部会長:とても貴重な御意見をありがとうございます。

他にいかがでしょうか。

大石委員、お待ちいただいているのですね。

お願いいたします。

大石委員:ありがとうございます。

大石です。

まず、お取りまとめありがとうございました。

末冨先生の意見に私も同感です。

Inequality、不均等というのはどうしても直しようがない部分もあるわけですが、povertyは解消しなければならない政策課題であるというのは経済学者も言っているところであります。

同じところの項番で、2つ目の○で私も少し意見させていただいた部分についてなのですが、この案では貧困の連鎖を断ち切るという言葉がしばしば出てまいります。

もちろん、将来に向けての取組も非常に大事なのですが、連鎖を断ち切るためにとか連鎖の防止というよりは、現在の貧困の解消が一番求められていることだというスタンスをこの中にしっかりと取り込んでおいていただきたいと思っております。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

今のところでは、「格差と貧困」と書いてある言葉を「貧困と格差」と表現を変えさせていただくということを月曜日に提案させていただくという御意見なのかなと思いますが、これはよろしいですか。

大石委員:はい。

問題ございません。

新保部会長:発言をさせていただきたいと思います。

ありがとうございます。

他に何かございますか。

お願いします。

赤石委員:ありがとうございます。

追加で意見を述べさせていただきます。

述べた意見以外のところをよろしいでしょうか。

申し訳ありません。

この文章の中に「円滑な社会生活」「社会生活を円滑に営む」という表現がかなり入っていることに気づきました。

自立した生活といった言葉というのは、非常に何が自立なのか、自立を強要するのかとかそういう議論につながるので、避けた表現がこれなのかなと推測するわけではございますが、こどもや若者はいろいろな困難にぶつかり、円滑に生きられないようなところを何とかもがいて生きていくことを応援するのがこの社会だと思っているので、「円滑な社会生活」は7回出てきたのです。

それは、私としては何か他の表現の選択肢がないですかということを問題提起したい。

あるいは引き籠もっていても社会生活をしているということであれば、「円滑な」を取るというような選択ができないだろうかと思った次第です。

あと、もう一点ございます。

11ページの3段目、これも何個か出てくるのですが、「結婚し、こどもを産み、育てたいと望んだ場合に」といった結婚とこどもを産み、育てるということが割と一緒にリンケージして出てくることがございます。

困難な若者で結婚しないでこどもを産む方たちもいて、その方たちにどれだけ支援を届けるかが私たちの課題でもあるかと思います。

私も結婚しないでこどもを産んだ人間ですけれども、それは置いておいても、ここはとても難しい、価値観の問題になりますが、結びついているのが若干気になったので、結婚してもしなくてもというような表現になるといいなという希望を表明しておきます。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

いずれも我が部会らしい御意見だなと思って、心強く思います。

赤石委員:頑張ってください。

新保部会長:何かありますか。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:2つ御意見をいただきまして、1点目のほうが「円滑に」という言葉がこのままでいいのかというところですので、ここは自立ということと深く結びつく表現だと思いますので、事務局のほうで調整させていただくようにします。

2点目は、私たちの部会だけではなくて全体に関わる話だと思いますので、こういう御意見があったということでお伝えさせていただいて、こども家庭審議会でそういった論点提起という形で伝えさせていただきたいと思います。

ありがとうございました。

新保部会長:ありがとうございます。

山野委員、お願いします。

山野委員:ありがとうございます。

大阪公立大学の山野です。

理念的なところもあるので、今の赤石委員に近いかなと。

どこで言おうかと思っていたのですけれども、項番の7番と8番を出させてもらったのですが、これは6ページの最後から7ページの頭にかかる「はじめに」のところなのです。

「社会全体から支えられ、自己肯定感を持ちながら幸せな状態で」、どなたかの意見もありました。

幸福な状態という言い方がどうかという御意見もまとめてくださっていたのですけれども、これが、さっきの結婚と出産が一緒に書かれているように、自己肯定感があって幸せな状態みたいなことが一緒に書かれている形で、どんな立場であっても頑張らなくてもよくて、自分らしくいられる、それで安心して過ごすことができるという社会を私たちが提供できるのかと思います。

そちらに主語がこないといけないのですけれども、2つ目の8番もですが、何となくこどもとか家庭に自己責任があるかのようにも読み取れる文面ではないかなと思って、2点ここは挙げさせていただきました。

書いていなかったことで言うと、フィンランドなどのこどもの権利をすごく大事にしている国だと、法律上、支援しなければならないという形で書かれています。

大人の責任というか、社会がどうあるべきかみたいな、そんなトーンになったらいいなと思いました。

以上です。

すみません。

文言をどう書くかということを提案しないといけないかもしれないのですが、文言は一応ここに書いてあるのですけれども、ありがとうございます。

新保部会長:貴重な御意見を本当にありがとうございます。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:ありがとうございます。

御意見の資料の中ですと項番7、8のところで書いていただいた部分で、修正案も書いていただいて、幸せな状態となると価値観も入ってしまう部分もあるけれども、今、その存在でいいですよというところをどこかに入れるべきではないかという御意見かと思います。

これも私たちの部会だけというよりは全部に関わるということで意見を伝えさせていただきたいと思います。

山野委員:お願いいたします。

新保部会長:松本先生。

松本委員:1点意見を申し上げます。

項目の追加あるいはもう少し書き込むという観点で、今日のおまとめいただいた資料ですと、1のところの項番の13です。

5ページ目のところに、7ページと書いて健康を守ることを施策として重要な柱として位置づけてはどうかと書いてあります。

これは、基本政策部会で子育て支援のところに項目を起こして、そこに書き込んではどうかという提案で、こちらのほうにも出したのですけれども、ここが難しいということであれば、むしろこの13にあるようなところで、子育て当事者の支援に関する重要事項というようなところで、この後になりますけれども、そこでやはり健康を守ると。

御自身が御自身のケアもできるということをきちんと書き込んでいくということが大事ではないかと思います。

現実の施策のところでも、やはり健康に関わることはとても多いし、とても大事で、かつ、貧困ということからすると、ストレスの中で、あるいは実際の制約の中で健康を害するということはやはり大きい問題としてあると思うのです。

ですので、健康の問題は貧困の観点からもきちんと入れ込むということが重要ではないかという意見を持っております。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

貧困というテーマについて、健康という視点からしっかり書き込む必要があるのではないかというとても大事な御意見であると思います。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:松本先生、ありがとうございました。

多分根っこの考え方が同じだと思われる意見が他の先生からも出ておりまして、貧困というのが所得の貧困線というところを中心に経済的な貧困にどうしても目が行くけれども、貧困という概念には身体的、精神的、社会的な視点も必要ではないかという御意見がありまして、同じページの13番が松本委員から御紹介いただいた意見だと思いますけれども、同じページの上にもそういった意見がありまして、実は他のページのところにも、経済的な部分だけではなくて、社会的な孤独ですとか心身の健康に貧困というのは結びつき得るということを御意見としていただいておりますので、そこは同じ考え方だということで受け止めさせていただいております。

新保部会長:ありがとうございます。

他にいかがでしょうか。

では、花田委員、お願いいたします。

花田委員:社会的養護の現場からの意見を言わせていただきたいと思います。

先ほどから議論されています10ページの「良好な成育環境を確保し」のところのくだりなのですけれども、「全てのこども・若者が幸せな状態で」と記述されています。

施設に入ってくるお子さんたちあるいは家族のバックグラウンドを考えると、こどもの貧困、それから、そこはひとり親家庭の大変な課題、厳しさをお持ちの中での大変な選択の中での児童養護施設利用ということになると思っています。

その中で、育ちのニーズというと本当に幅広過ぎて、全てのこども・若者について、成長過程で生ずる手助けとか、こども自身が主体の書き方、支援のニーズが十分に満たされるようにするというその都度こどもたちあるいは家族がSOSを出せるような書き方というのが大事なのかなと思っております。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

こども自身を中心としてこういうことを書いていったらいいのではないかという御指摘ですね。

できるだけその方向で大綱は今まとめられようとしていると思いますが、まだ不十分なところがあるのかもしれません。

ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。

よろしいですか。

では、次の項目に移らせていただきたいと思います。

2つ目の議論のテーマは、こどもの貧困対策に関する部分についての御意見です。

いかがでしょうか。

お願いします。

末冨委員:この部分につきましてですよね。

ページを確認させてください。

資料1の10ページの次は、16ページですよね。

ありがとうございます。

まず、私も今回かなり意見を出させていただいたのですけれども、こどもの貧困対策についてさらに記述を充実していただきたいというときに、一番違和感を覚えたのがSDGsの位置づけなのです。

SDGsが当初案ですとあたかも国際的な事項であるかのように扱われておりますが、我が国も国を挙げてSDGsに取り組んでいるはずであり、皆さん、第1目標は何でしたか。

「貧困をなくそう」です。

ということは、SDGsの第1目標としての「貧困をなくそう」、そして、今までも話が出ておりました健康や教育に関する事項も含めて明記し、国として全力を挙げてこれに取り組むという姿勢をしっかり明記いただきたいということです。

なぜかと言いますと、我が国のこどもの貧困対策は歴史10年になりますが、今この瞬間にこどもの貧困を解消することができておりません。

こどもの貧困対策のゴールは少なくとも衣食住やライフラインに困るこどもたちをゼロにする。

そして、広い意味では、精神的、そして、社会的な意味で排除されるこどもたちをゼロにすることのはずです。

その目標に向かって各省庁は非常にいいお取組をなさってこられました。

しかし、ゴールには遠い。

だからこそ、この大綱では全力を挙げてこどもの貧困の解消に取り組むということを明確にし、かつ今後のこどもまんなか計画、各年度のこども家庭庁の取組や各省庁の取組、そして、この部会での取組も含めて、私たちがこども自身を幸せにしていかなければならない、こどもの権利を実現していかなければならないのだという姿勢を明確にする。

そのことをもって政策の基盤とするということの明記をぜひお願いいたしたく存じます。

あわせまして、ここまで文部科学省さんとの連携でチーム学校、学校プラットフォームのお取組を進めていただいてきました。

この点はかなり充実してきて、大変感謝を申し上げておりますが、その経緯も踏まえ、一層丁寧にこどもの貧困対策に取り組むのだということも含めて、今回の部会資料では教育に関する部分は相当割愛されておりますが、私自身からの期待も含めて、教育部分のお取組も改めてこちらの大綱の趣旨、こども基本法の趣旨ですとか、こどもの貧困対策、そして、今までのチーム学校の蓄積を含めてぜひお取り組みいただければと存じます。

以上です。

新保部会長:貴重な御意見をありがとうございます。

SDGsとの関係で、特に貧困をなくそうというような考え方、健康、食のことについてゼロを目指すということ、それがとても大事なことだと思いますし、それから、チーム学校や教育についての御指摘もとても大事なことであろうと思います。

どうやって総会などに、もしくは調整をするかということについては、おまとめいただいた資料を中心に御説明いただきたいと思いますので、お願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:末冨先生、ありがとうございました。

御意見の資料2で申し上げますと、14ページです。

項番7などのところに、今、先生がおっしゃった意見は2つあったと思うのですけれども、1つ目の貧困対策が優先すべき課題というところの背景としてSDGsの目標を書いた記述になります。

他の委員からも、やはり貧困、身体的、精神的、社会的な貧困状態を解消するということが全ての成育環境の基盤になるというような意見をいただいておりまして、ここの項番7の修正案、細かい文章はまた事務的に調整するということにはなると思うのですけれども、貧困対策の冒頭部分に追加する修正案というのは複数の委員から意見をいただいた内容と同じかと受け止めております。

新保部会長:ありがとうございます。

では、お願いします。

末冨委員:追加でもう一つ、項目の順番を入れ替えていただきたいという要望を出しております。

今、(4)にこどもの貧困対策が位置づけられているのですが、私は今、自治体の仕事もしておりますので、関係者との意見交換をしておりますときに、こども大綱は期待しているのですけれども、総花的であってもらっては困ると。

やはり厳しい状態のこどもたちから自治体としてアプローチをかけていくときに、その優先順位が明確になるようにしていただきたいということです。

だからこそ、もちろんこどもの権利自体をこどもたちが知る、その中で育つということは基盤でありますが、同時にこどもの貧困の解消というのは非常に重要な優先度の高い政策であるということで、(4)ではなく(2)に位置づけていただきたい。

その他の順序も、やはり緊急度の高いものが明確になるようにと私自身も思っておりますし、自治体関係者との意見交換の中でも出てきた要望でございます。

この後につながる自治体こども計画へのインパクトも踏まえて、この部分はぜひポジティブに御検討いただければと思います。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

私どもの部会としてはとても大事なテーマだと思いますので、できるだけ上位、上のほうに示していただくという方向で検討を進めていただきたいと思います。

かなり前向きな御意見であろうと思います。

よろしくお願いいたします。

他にいかがですか。

では、松本委員、お願いします。

松本委員:重ねての発言の機会をありがとうございます。

今議論していることの確認なのですけれども、これは中間整理案で出された意見という資料2のところで言うと、2のこども施策に関する重要事項というところ全体のどこでもいいということですね。

新保部会長:議論のテーマの趣旨はこの中身に関することですね。

だから、できれば中身に関することでやってほしいと。

松本委員:中身の話なのですけれども、ここに関わる中身ですねということです。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:御発言を制約するというつもりは全くないので、先生のお考え、御意見をいただければと思います。

一方で、ここはこどもの貧困・ひとり親支援部会になるので、せっかく皆さんおそろいの場なので、そこに関連する内容で言っていただけると助かるというのが事務局の思いです。

よろしくお願いします。

松本委員:その点については、そのように私も了解しております。

御指摘ありがとうございます。

いただいた中間整理案で出された御意見というもの26ページになりましょうか。

項番の57、58、59なのですけれども、これは特に青年期に関わることですが、一つは住居の問題、特にいろいろな困難にある若い人たちの住居の問題をきちんと入れ込んだらどうかということ。

もう一つは、58、59は、つまり、親密圏における暴力の問題ですね。

あるいは特にその中で若年女性、10代後半から20代前半ぐらいの大変苦境にある女性に対するインテンシブな支援が必要ということを入れ込めないかという提案であります。

これは基本政策部会でも同じ提案をいたしました。

そのことは、私の了解では基本政策部会ではまだけりがついていないと思っておりますけれども、私以外の方の御発言の中では男女共同参画のところに書いてあるからいいのではないかと御発言もありました。

でも、私はそうではなくて、他に関わるところでもここの大綱で横串を刺すということが、こども家庭庁ができて、大事な役割だと思っていますので、あえてこの点はきちんと書き込んでいくと。

やはりこども施策と暴力あるいはDV、あるいは若者施策ということをつないでいく実際の重要な施策のポイントの一つだと考えております。

以上です。

新保部会長:貴重な御意見をありがとうございます。

事務局と相談しながら検討してまいりたいと思います。

他にいかがでしょうか。

では、赤石委員、お願いします。

赤石委員:たびたび申し訳ございません。

赤石です。

末冨委員の御発言にも重なるのですけれども、16ページ、これはお話ししていて修文案も出ているのですが、こどもまんなか社会を実現するためのこのこども大綱の中間整理案はとてもポジティブな表現というのがたくさんあって、とてもすばらしいと思うのですけれども、なぜか貧困なこどもたちのところの表現になると、最低限の生活や教育を保障するぐらいの書きぶりになってしまう。

保護者の就労を支援するみたいな書きぶりになってしまうのがとても残念に思います。

貧困なこどもだからこそ、こういうことがもっと手厚く必要だというような書きぶりにならないといけないということで、14ページの意見という中の9番に、やはりこの子たちだからこそ重要なことをきちんと書いていただきたいということを申し上げました。

その発想が全てに入っていないといけないと思っております。

すごくへこんでいるというか、貧困なこどもたちにはここまで平均的にあればいいでしょうというような発想ではないのだと。

逆にここのこどもたちがもっとチャンスに恵まれ、遊びもできて、自由な体験ができて、学びが得られるという書きぶりになるべきであると思います。

私たちのイメージを転換しなくてはいけないと思っておりますので、順位を変えるというような末冨委員のお話とかもとても必要だと思うと同時に、こういう視点を私たちは持たなくてはいけないと思います。

他のこどもたちがたくさん学んだり、たくさんいいことがあるときに、貧困なこどもたちは何もできなければ、例えば夏休みにどこにも出かけられない子がいる。

あるいはクリスマスにプレゼントをもらえるような行事もできない子がいる。

一般的なこどもたちが楽しい時間に、それをできない子はもっと気持ちが削られていくのです。

であるからこそ、手厚くしなくてはいけないという発想が私たちの中になければいけないかなと思ったので、書きぶりを変えていただきたいということを提案しました。

新保部会長:ありがとうございます。

このこどもたちだからこそ、こういう支援ということを特に私たちは気をつけておかなくてはいけないし、とても大事なことだと思います。

では、大石委員、お待たせしました。

どうぞお願いいたします。

大石委員:ありがとうございます。

委員の大石です。

何点かございます。

この(4)こどもの貧困対策でまず気になった表現なのですけれども、16ページの23行ですかね。

「貧困を家庭のみの責任とするのではなく」というところなのですが、これは多分そういった意見もあるところに目配りをしているよというような前提で書かれているのかもしれないと思いました。

しかし、これは貧困の決定要因ということに関して、当事者に責任があるという考え方に与する発想での書きぶりになっているようにも思いまして、これは少し問題があると思います。

それから、26行目の、「学ぶ意欲と能力のある全てのこども・若者」という部分です。

これは読んだときに多少ショックを受けました。

意欲とか能力で施策対象を選別するのは、そういう考え方は、この部会の目的になじまないのではないかと。

貧困であることによって、希望も意欲も能力も学習の機会や能力を発揮するような機会も全て封じられてしまっているうちに、能力が下がったり、意欲もなくしたりというような状況に陥るというのが貧困であって、そうすると、この部分は削除して、「全てのこども・若者が」と書いてあるほうがよいのではないかと考えました。

それから、「夢に挑戦」というところについてです。

大変結構なのですけれども、やはり夏休みに学童にお弁当を持参できないこどもがいるような状況では、まずは衣食住、健康を守ることに集中していきたいと思います。

もちろん、こどもですからたくさんの夢を持って挑戦させてあげられる状況を整えてあげたいとは思います。

しかし、まずその前に基本的に生きていける、着実に食べられるというようなニーズを満たすのを重視するような書きぶりにしていただければと思います。

それから、36行目に「生活の安定に資するための支援」というところがありますけれども、私、法制審に関わっているということもありますが、養育費の問題ですとか、省庁の枠組みを超えて実効性のある制度構築に向かっていくというような将来像が描けるような書きぶりにしていただければと思っております。

以上です。

ありがとうございました。

新保部会長:貴重な御意見をありがとうございます。

学ぶ意欲と能力のある者に限定することなく、全てのというような御指摘、とても大事かなと思って聞かせていただきました。

大橋委員からも手が挙がっているようなので、お願いしていいですか。

大橋委員:ありがとうございます。

委員の大橋でございます。

私もこの文章を拝見したときに、まず違和感を覚えたというのが正直ありました。

何かというと、貧困の連鎖を防止するというところが最初に出てきてしまっているところが一つあるのかなと思っておりまして、当然、貧困の連鎖を予防するということ自体に異論はないのですけれども、我々、特に地方で活動していて、自治体の方々とよく話をしている中で感じるのは、自治体の方々も当然悪気があって言っているわけではないのですけれども、貧困の連鎖を解消しなくてはいけない。

だから、この事業をやることによって将来のストックが上がって社会保障費が減るみたいなシミュレーションを立てて、何とか財政と調整するみたいなことがよく起こるのですけれども、私もそういう場面に直面していて何となく居心地が悪いのは、それはしようがないのかもしれないけれども、一方で現在のこどもの権利をどう保障するかとか、将来の大人をどう支えるかという視点だけではなくて、今をどう支えるかという両輪で考えていかなくてはいけないと常に感じるのですけれども、どうしても言葉として、こどもの貧困という言葉と大体セットで貧困の連鎖という言葉が出てきてしまう状況が、自治体の方向性をこどもの視点よりも社会視点のほうに誘導しがちなのではないかなと感じる場面によく直面するので、やはりこういう文章というのは今後自治体の計画をつくっていく上で本当に土台になっていくと思うので、今の段階でもう少しバランスよく、貧困の連鎖という言葉だけではなくて、今のこどもの権利をどう保障するか、現時点でのこどもの幸せをどう担保するのかというところをこういった各項目の中でも強調していくべきではないかなと感じております。

以上です。

新保部会長:こどもの貧困ということを当事者目線で考えるということを実践現場のほうからの御意見としていただき、本当にありがとうございます。

では、松本委員、お願いします。

松本委員:今の意見と関わって、やはりこどもの権利の視点というのを各項目に言葉だけでもきちんと入れておくというのが大事かなと思いました。

今、修文がないのですけれども、こどもの貧困対策あるいは家族の貧困対策というのは権利の問題としてきちんと考えなくてはいけないのだということをやはりこのこども大綱の理念として確認しておくべきではないかと。

冒頭のところでこどもの権利の話は入ってくるのですけれども、それは冒頭の個別イシューではなくて、全体に関わることです。

なので、先ほど赤石委員のほうからも大変レベルの低い形で貧困対策を考えるということではなくて、むしろそれはきちんと生まれたものを保障していくような豊かなものでなくてはいけないという観点の御発言もあったと思いますけれども、そういうものも含めて、やはり貧困の連鎖ということを書くということで、その前に今あるいは将来のこどもの権利をきちんと保障していくのだと。

そういう問題として貧困の問題を考える。

こういう視点があるのが大事ではないかと。

それはこども大綱の他のところでも同じだと思います。

各論のところにやはり権利の観点からきちんと考えようということを入れ込んでいくということを全体としてどうか、という提案です。

以上です。

新保部会長:とても大事な御意見だと思います。

ありがとうございます。

では、どうぞ。

お願いします。

山野委員:山野です。

ありがとうございます。

先ほど大石委員がおっしゃられたこととか、今の松本委員がおっしゃられているところだと思うのですけれども、理念の部分だとさっき私が申し上げたところにもつながります。

同じところに私も引っかかっていたのですが、意欲がないと駄目、夢を持っていないと駄目みたいに選別になってしまう。

こどもの権利と松本先生がおっしゃられたような、選別しない視点でもう一回全部を洗い出すと、こどもたちがこれを読んで結構いろいろなところに傷つくのではないかと私はすごく感じました。

なので、ぜひ今松本委員がおっしゃられた権利の視点とか、選別しないという、無意識に私たちがそうなって文章がそうなってしまっているということもあるかもしれないので、もう一度見直したほうがいいのではないかなと思いました。

それは先ほどの私の意見で申し上げたら、誰でもどの子でも自分であっていいのだというような、自分が認められるのだというようなことが勇気づけられるような形に持っていけないか。

ポジティブというところとある種、理念的には同じかなと思いました。

それから、もう一点、全てのこどもというところが出てきたので、これがここにつながるのか、選別しないという意味でも、どの子が貧困で、どの子がしんどいこどもなのか、家庭のしんどさを抱えているのかというのが分からない状態ですので、全てのこどもというところからどうやって支援につないでいくのかみたいな発想を入れていくということ、自治体の話もさっき出ました。

自治体の皆さんは本当に現場が大変で、目の前のことに追われているのですけれども、ある種、いろいろなことに手を打っても貧困の数値は下がらない、不登校の数字も下がらない、虐待の数値も下がらないみたいなところがずっと起きているわけで、より全てのこどもたちにもっと皆さんを勇気づける大綱で、どんな子にも手を尽くしていくことで予防になっていくわけですから、そういう意味で、学齢児以降のスクリーニングという言葉で私は提案をしています。

それとか、4か月健診後にすぐ親支援が開始できるようにとか、全てのこどもたちに、スクリーニングの後の支援のつながりが強くなっていけるようなことをイメージできるように書けないかと思いました。

切れ目のない支援です。

番号で言うと、そのところの意見は33番と37番です。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

松本委員の権利の視点ということを前提として、選別しない視点とか、誰でも自分であっていいのだよというような視点とか、とても大事なこと、そして、全てのこどもという言葉から見て、その後の支援につなげていくということについて、特にスクリーニングのこととか、4か月健診の後のこととか、とても大事なことを御指摘いただいたかなと思います。

ありがとうございます。

では、お願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:複数の委員から賛同するという形での意見があった部分だと思います。

これから修正案を事務局で提案していくということになると思うのですけれども、それは事務局のほうで調整させていただきます。

一つこういう考えでというので、まず、赤石委員から出た最低限のところだけではない、そういう話ではないよという御意見に関して、赤石委員の意見は14ページの9番に入れていただいた意見だと思います。

「あわせて、こどもが安心して、遊び、多様な経験、学びを得ることができるような支援を進めていく」ということで修正案も提案していただいておりまして、こちらを軸に調整させていただきたいと考えております。

あと、こどもを選別的ではなく、学ぶ意欲と能力があるという言葉自体はポジティブな言葉だと思うのですけれども、それをこの貧困対策の部分で使うことによって限定するように見えてしまうといった御意見が複数あったと思います。

これに関しては、15ページの一番上にある項番10の御意見ですね。

ここの学ぶ意欲と能力という表現自体はいいのだけれども、この文脈でこれがないほうがいいのではないかという御意見だと思いますので、ここを軸に全体を見ながら調整をさせていただくようにいたします。

あと、山野委員の「全ての」というところに関わると思うのですけれども、山野委員がおっしゃっていたのは、問題が明らかな状態のこどもだけにアプローチするのではなくて、潜在的なところにアプローチできるようにといった御意見だったと思います。

それに関して、やはり児童期のこどもがほぼみんな通う学校という役割がすごく重要になってきているという御意見だったと思いまして、既に中間整理案には「学校をプラットフォームと位置づけ」という表現はあるのですけれども、その辺りの支援につながっていくというような表現が入れられないかということで調整をさせていただきたいと思います。

先ほどのスクリーニングというのは、私、山野委員と事前にお話ししたときに、母子保健の健康の観点のスクリーニングかと思ったら、そうではないというお話で、委員の御意見の22ページの項番37の部分だと思うのですけれども、これは既に病気であったり、あるいは何か問題があったり、出ている子だけをつなぐのではなくて、全数というかみんなを対象にして気にしていくということでの御意見だと受け止めております。

スクリーニングという言葉をそのまま使ったり、あるいは今、山野委員が進めていらっしゃる取組をそのままという表現は難しいかもしれないのですけれども、全てのこどもを対象にして受皿を広くして、そこから関係者がよく見て支援に結びつけていくという考え方を該当箇所に入れられないかということで、調整させていただきたいと思います。

山野委員:少しだけ補足をいいですか。

たくさん代弁していただいてありがとうございます。

これは、ここに項番37番で挙げている朝食の欠如だったりというここの項目、スクリーニングというと、健康のほうで、乳幼児期で出されているのですけれども、乳幼児期は法定化されていて、こどもの健康だけではなくて家庭のしんどさも拾い上げられるようになっているのですけれども、学校に上がった途端、それはなくなって、先生方も非常に苦しんでいる、学校も非常に苦しんでいるので、何か基準だったり、法定化されていくようなこととか、文科省のほうで随分この動きを出しておられるのですけれども、元は大阪の10万件の貧困調査から出てきたすごく差のあったしんどい項目を現場の皆さんと考えてきたことなのです。

言いたいのは、全てのこどもたちに目が行き届いて、早期に手を打っていけるような取っかかりになれるような、大綱が前向きになれるような、皆さんが動き出せるようなものになったらいいという意味で意見を出させてもらいました。

ありがとうございます。

新保部会長:ありがとうございます。

今までいわゆる当事者委員の方からの御発言がないかなと思うのですが、いかがですか。

当事者委員3名の方から何か御発言があったら、お願いできればと思います。

いかがでしょうか。

では、お願いいたします。

第1当事者委員:このたび、当事者委員として参加させていただいております。

私自身はボランティア団体に所属しておりまして、自分自身も母子家庭ということで、貧困であったり、食に困っているこどもたちと直接会う機会があるのですけれども、私が思う点で、この場で発言することが合っているか分からないのですが、親としてこどもに思っている考え方と、こども自身が親に思っている考え方というのはすごく相違があるなと現場にいて思いまして、例えばフードパントリーで支援をしておりましても、それが必ずこどもに届いているのかとか、いろいろな疑念があることが現場では起こっておりまして、今回の目的であるこどもに直接貧困対策が届くような対策をしていただけたらいいなと思っております。

以上です。

新保部会長:追加で質問してよろしいですか。

今の親としてこどもに思っている考え方とこどもが思っている考え方のずれみたいなというのを、もう少し具体的にお話しいただいてよろしいですか。

第1当事者委員:様々な親としての子育て方針と言うのですかね。

例えば母子家庭であるがために夏休みにどこにも連れていけないと思ってしまっている親もあれば、その中でも、例えばこども食堂もそうですけれども、地域のNPOに所属しながら、こどもだけでもそういった活動の場に親元を離れて体験をさせてあげたいと思う親もいるということです。

説明がつたなくて申し訳ないのですけれども、親の教育方針によってはこどもまで届かないところがあるというところです。

以上です。

新保部会長:確かにそうですね。

そういうことは起こり得ますね。

とても貴重な御指摘だと思います。

ありがとうございます。

他の当事者委員の方からもありますか。

もしなければ、他の委員の方はいかがですか。

どうぞ。

お願いいたします。

花田委員:今の御意見はすごく貴重な御意見だったと思うのですけれども、こどもたちの居場所づくり、私は23ページのところで意見を書かせていただきましたけれども、こどもたちのコミュニケーションの在り方が変わってきていて、SNSによってコミュニケーションを取ったり、SNSを心理的居場所と感じることもあったり、なので、その辺のSNSをどのように居場所づくりという視点で入れていくのかというのも、これから先、すごく重要なことではないかなと思います。

こどもの権利はすごく大事なことなのですけれども、こども自身がそれに気づいていないとか、つながりの中で自分の声を出せないとか、本当にそういうこどもに視点を当てた形での居場所の書き方というのは大事かなと思います。

もう一つ、36ページの数値目標のところなのですけれども、国が一律に数値目標を定めるということになっているのですが、それが自治体の現状に即した形での数値目標の設定、もちろん評価していく、見直していく上では必要なことだと思うのですけれども、そこについて都道府県、市区町村がしっかり実態を把握した上で、そこが的確な数値での判断ができればいいのですけれども、そこは慎重になるべきではないかなと考えております。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

これからの計画づくりにおいては特に大事な御指摘かなと思います。

他の御意見はいかがですか。

では、お願いいたします。

荒井委員:全母協の荒井です。

よろしくお願いします。

先ほどもありましたが、数値目標もそうなのですけれども、私はここで意見として挙げているのが、12ページの44番と、8つほど意見を挙げているのですが、そのうちの何点かお伝えするのですけれども、あとは39ページの3番なのですが、今、様々な政策とか対策についてのお話があったのですけれども、どうしてもそれを実行するのは行政、また、自治体となってくるので、その連携が形だけにならないようにしていただきたいとこの報告書を読ませていただいて感じています。

特に私は39ページのところで言っているように、やはり市町村の役割の大切さや責任に触れるほうがいいのではないかと感じております。

それがやはりきめ細やかな形の対策、または実効性の伴う支援につながるのではないかと考えています。

自分が現場に出ていると、同じ支援が地域によって享受できていないところがあるのを見かけるので、その辺もしっかりと伝えていただくとともに、記述の必要があるのではないかなと思いました。

以上です。

新保部会長:とても貴重な意見で、これも多分これから計画づくりの中で大事な視点だろうと思います。

ありがとうございます。

時間が大分過ぎてきたので、次の議題に移りたいと思います。

ひとり親家庭への支援のところです。

こちらについて御意見をいただければと思います。

合原さん、どうぞ。

お願いいたします。

合原委員:項番で言うと9番になるのですけれども、資料は29ページということでよろしいのでしょうか。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:中間整理案で申し上げると、29ページになります。

合原委員:よろしいですか。

先ほどから私も同じようなことをたくさん思っているところがありましたので、健康についても、切れ目のない医療受診体制の構築とかというのが必要ではないかとか、いろいろなことも思っております。

先にすみません。

幸福のことです。

幸福な状態というのは誰が決めるのかなとすごく疑問に思いながら読んでおりました。

たくさん出てまいりますので、これはこどもまんなかでやるのであれば、こどもが幸せを実感というのが本来ではないかと思っておりますので、そういうふうなところを使っていただけたらと思います。

結構こちら側が決めて書いている書きぶりがかなり見られるところがあるので、こどもたちが見たときに同じ価値観でよし、僕も頑張ろう、私も頑張ろうと思ってくれるのかなというのが心配でしたので、併せてお伝えしておきます。

私のほうからは、29ページのところになりますけれども、ひとり親のところでさらっといつものように書いていただいているのですが、真ん中辺りです。

「適切に行われるよう取り組む」と書かれてあります。

ひとり親家庭の半分以上が貧困のこどもたちだと言われている中で、取り組むぐらいでは解消はできないと考えていますので、これは引き続き施策の拡充に取り組むとしっかり書き添えていただきたいなというところでございます。

大きな理由としては、相対的な貧困との評価内容に基づいて具体的な課題を施策として考えたときには、この問題、少子高齢化も含めて、女性が結婚、出産を経て、ひとり親になっても安心して子を育て、経済的に自立し社会で活躍することができなければ、女性は出産しようと思えないというのが私の感じているところです。

なぜかというと、私の周りの職場であっても、若い女の子たちが言う言葉がこどもを産んだら離婚できないじゃないですか、離婚したら貧困と言われるのでしょう。

ひとり親というと、貧困でわがままと言われて生きづらそうだ、そして、親から自分で育てるように言われ、突き放されて、実家に帰れない。

我が子が離婚したことを言えずに、地域でも高齢の親や親戚にもいらっしゃって、ものすごく肩身の狭い思いをするという、とにかくマイナスイメージが強いというのが今の社会の現状。

この人間としての罪悪感みたいなものを持たなければならないという社会のつくりそのものも変革する必要があるのではないかというところで、政府としても強い言葉を使ってそこを表現していただきたいと思います。

ついでに申し訳ないのですが、当然ですが、貧困という言葉が幾つも出てまいります。

先ほど言われてありましたけれども、こどもが見たときに誰のことと思うのかなというのがすごく私的には大きく思っていて、今までもそうですね。

母子家庭イコール貧困、こどもで朝御飯を食べてなかったら貧困とか、一人でいたら不幸だとか勝手に、さっきの親が思っているのと子が思っているのが違うというのは、明らかに私たちも地域の現場で活動していく中で思います。

親は一生懸命こうしてあげなくては、ああしてあげなくてはと言うけれども、こどもは決してそれをしてほしいと思っていない。

それよりお母さん、親と遊ぶ時間がたくさん欲しいとこどもたちは言っている。

そのギャップみたいなものがある意味、こどもたちの思いが通じないことが社会の貧困かもしれないと私は思っています。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

とても大事なことを分かりやすく説明していただいたかなと思います。

最後のこどもが親と遊ぶ時間とか親からケアを受ける時間というような、そういう御指摘はとても大事かなと思っていました。

それから、こどもたちの視点でこの大綱を見直すということをとても大事にしたいなと考えました。

ひとり親家庭についてございますか。

お願いいたします。

荒井委員:29ページ23行目のひとり親家庭の支援について、「こどもの最善の利益を考慮しながら」というところの前に「こどもにとって不利益が生じることのないよう」という文章を入れていただきたい旨を、意見書の31ページの75の項目で意見を出させていただいています。

これは、我々母子生活支援施設としてさまざまなところで体験していますが、親子の面会交流は安全・安心はもちろん必要不可欠ですが、こどもにとって不利益が生じることがないよう十分に配慮して行われる必要があると思っています。

親子交流の推進、養育費の履行確保と取り決めの促進は注意深く慎重に行われるべきだとも思っております。

こどもの面会交流が養育費の支払いの交換条件にされることなど、養育費の取り決め、履行が優先されることが、こどもにとって必ずしも歓迎すべきことではない場面もあります。

むしろ、心理的な大きな負担となる場合があることを承知しておく必要があるのかなと思っています。

こども大綱の基本的考え方に全てのこどもを対象にするとうたうからには、父母の関係悪化による心理的ダメージを受けている児童やそのつらさを表明できない児童の立場になって制度や施策をつくるべきではないかなと我々は思っておりますので、またその辺を御考慮いただきたいと思っています。

よろしくお願いします。

新保部会長:母子生活支援施設の中でこどもとお母様と一緒に生活していく中で感じておられること、とても大事な視点だろうと思います。

こどもに不利益が生じないように、発言できるように、もしくは発言できないということを読み取ることも必要なのだなと感じさせていただきました。

ありがとうございます。

他に御意見は。

お願いいたします。

赤石委員:ありがとうございます。

赤石です。

今までの合原委員やその他の方の意見をとてもうなずいて聞いておりました。

この29ページのところを再度見直しますと、どうしても今までの自立支援が必要だというひとり親家庭の施策というのが書かれているのですけれども、自立とは何か、先ほどの円滑な社会生活と似たようなことかもしれないのですが、「じりつ」というのは違う漢字の「律」もありますよね。

もし経済的支援を受けないでやっていくことを自立と考えると、先ほどのこどもとの時間を尊重すれば、当然お母さんたちはパートタイムで就労することになるわけで、パートタイムで就労すれば、どうしても収入は低く、待遇も悪いということになってしまい、今もパート、アルバイトで働いている母子世帯の平均就労年収はたしか平均で150万円だったわけです。

150万円でこどもとの時間を確保しようとするのか。

でも、それをずっと続けていれば、中学、高校になったときの教育費を出そうと思うと、そこで初めてダブルワークをしてもっと稼がなくてはということになれば、こどもとの時間は失われていく。

ではもっと前から正社員になればよかったじゃないのと言っても、やはりこどもたちは小さくていろいろな事情がある。

本当にジレンマの中に置かれていることへの理解というのが若干薄いのかな。

自立を促進するという言葉が追い詰めていく。

この20年のひとり親家庭施策というのが、今、こどもをまんなかと言うのなら、やはりこどもを中心に、それは今の日本の労働環境からいって限界があるのですと告白してもいいだろうと私は思います。

なので、自立という言葉をどう使うのかというのはとても悩ましことではないかなと思いました。

あと、私は意見を書かせていただいているのですが、別居していて実質ひとり親の家庭への支援というのはとても大事で、いろいろな現場でも、皆さん別居していてまだ離婚が成立していない方がひとり親支援の対象になっていないことからとても排除されていて、こどもたちも非常に困難な状況にあるということがあるかと思いますので、書かせていただきました。

また、相談支援のところもきれいに書かれているのですけれども、私どもの調査では、やはり窓口でのハラスメントを受けていると答えている方、あるいは窓口に行くことがとても嫌だと答えている方7割です。

7割ですよ。

この状況はやはり改善しないと支援につながらないと思っておりますので、そこも書かせていただきました。

やはりひとり親の意見を尊重すべきであるかと思います。

また、面会交流についても御意見があって、私も同意しております。

安心・安全というのは、本当にこどもの最善の利益をどう判断するのか。

2011年の民法改正で面会交流等がある程度調停等で決められるようになってきたことから、非常にこどもたちが苦しい立場に置かれているかと思います。

それから、養育費についても、もう少し取り立ての確保というところに力を入れていただきたいと思います。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

ひとり親を支える活動を長らくしていただいてきた赤石さんからの貴重な御意見だろうと思います。

私は、特にこどもとの時間をどう確保するのかということと就労収入とのバランスを今どう考えるのか、少し先を見つめてどう考えるのかということは多分悩まれることだと思いますので、とても大事なテーマだろうと思います。

それから、別居して実質ひとり親支援のことはついつい抜けがちなことだと思いますので、貴重な御指摘であったと考えます。

窓口に行くのが嫌だという御意見も確かに多いですね。

とても大事な御意見かなと思いました。

何かありますか。

どうぞお願いします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:先ほど赤石委員からパートの就労収入は150万円ぐらいでしたでしょうかというお話があったので、データ的なところだけ補足させていただきます。

直近の母子家庭の就業状況のひとり親調査のデータですが、まず母子世帯の方のお母さんの就業状況ですけれども、86.3%の方が働いております。

そのうち、正規のいわゆるほぼフルタイムという形で働いている方が48.8%、5割近くという状況で、パート、アルバイトというお立場で働いている方が38.8%、4割というのが令和3年度の調査で出ております。

就労収入は、年間の就労収入、お母さん自身の就労収入となりますと、平均になると236万円という状態になっております。

先ほどアルバイト、パートだと150万円ぐらいというお話がありましたけれども、同じ調査でパート、アルバイトに限定してみますと133万円という状態に。

失礼しました。

平成28年が133万円で、直近の令和3年が150万円という状態になっております。

ですので、データ的には8割以上の方が働いているけれども、半分ぐらいがフルタイムで、その平均だと236万円だけれども、パート、アルバイトに限定すると直近だと150万円という状態になっております。

新保部会長:どうぞ。

お願いいたします。

合原委員:全国母子寡婦福祉団体協議会の合原といいます。

この団体はずっと母子支援センターの委託も受けたり、地域での680か所以上の市町村での活動とかもあるので、現場の声をいっぱいいただいています中で、この団体ができて七十何年という話を前回もさせていただきましたけれども、それから時代が3つ変わって、21世紀も半ばに来て、まだこの施策を打ち続けなければならないという五十歩百歩的な話を要望させていただいて、少しずつ制度は改正していただきました。

今の236万円でもそうなのですが、皆さんのお給料に置き換えたとき、こどもを育てながらやっていけるかというのは普通に考えれば分かることかなと思いますので、ひとり親ばかりしてもらってみたいに思っているかもしれませんけれども、こどもをしっかり育てているところにターゲットを当てて、しっかり育て上げてもらうところに持っていかないと、今から産んでくださいと言っても20年先の話になります。

よくどこがターゲットなのかというところを明確に、よく言われる異次元ですかね。

思い切った政策を打っていただいて、こういう話を毎年毎年やっていかないでいいような社会づくりをしてほしいなと常々思っています。

それと併せて、これは5年間での見直しとなっておりましたが、5年後はお幾つになられますかという感じです。

小学生が中学校、高校に行き始めて、次の政策を打っていても、見直していてもどうなのかなと思っています。

間で必要な施策は打っていきますよということも明確に表現することで、こどもたちも含めた若者も安心するのではないかと考えております。

以上です。

新保部会長:そのとおりだなと思うことが幾つかありました。

ありがとうございます。

村上委員、お願いします。

村上委員:村上です。

まず、父子家庭支援の活動をしている立場と、離別父子家庭当事者という立場、また、障害を持っているひとり親家庭という立場からお話をさせていただければと思います。

(4)のひとり親家庭支援の文章を読ませていただいて、いつもの文章だなというのが率直な感想でして、この中で相談支援であったり、生活支援、子育て支援、就労支援等というものが適切に行われるように取り組むというように書かれてはいるのですけれども、私の目線から読ませていただければ、健常な母親、父親もいればこどももいるし、障害を持つ父、母、子というような形でグラデーションがまず存在するよというところと、ひとり親家庭はやはりこどもの年齢や親の年齢によってもグラデーションが存在するし、ステージも存在するというところから考えていったときに、やはり先ほど委員がおっしゃられていたように、ひとり親家庭に偏らずにワンオペ育児をされている方々も同じような、課題がまず存在しているというところになるのかなと思っております。

やはり貧困の軸というところになってくるとは思うのですが、ひとり親家庭は時間の貧困というところから、こどもとの関わりを持つ時間を確保することが難しいというところから、愛着形成であったり、学習習慣だったり、体験格差であったり、そういったことが発生しているとは思うのですけれども、その背景には働く職場からの理解を得ることができないという状況がまずあります。

企業のトップの方が理解していただいているケースは多々存在しているのですが、同僚であったり、一緒に働くチームですよね。

チームメンバーからの理解を得るということは難しく、職場内でのいじめというのがやはりあります。

そういったところから、労働者の意思に反して部署異動をさせられたり、役職を降格されたり、アルバイトへ降格とか、そういったことが父子家庭の場合は存在するというところもございますし、あとは高収入になってくると、児童扶養手当の手続をする対象にならないというところから、まず福祉につながるというところの念頭から外れてしまいます。

やはり両親と同居する父子家庭の方も多いというようなところから、年収が高い方はスルーされがちなのですけれども、その背景には要介護を必要とする祖父母もいらっしゃるというところもあり、あとは住宅ローンであったり、車のローンというものを負いながら働いているというところから、実質的には貧困家庭と変わらないよねという方もいらっしゃるというところがございます。

また、そういったところで、私のほうから意見のほうに書かせていただいたことは、児童扶養手当の収入認定が前年度の収入を見て支給されるということを、3年間免除くらいの勢いの施策ないし取組をしていかないと、まずセーフティーネットにつかまる人はつかまらないということもそうだと思います。

また、相談窓口に生活困窮者支援事業とかそういった言葉が書かれているのですが、ここに障害者総合支援法というものも明記していかないと、相談支援事業所、各相談支援専門員がそのこどもの貧困、そこに住まわれているこどもたちの権利の保障というか、人権を大事にした支援計画をつくるという考えにも至らないというようなところがございますので、障害者総合支援法にのっとった相談の支援の必要というものも明記すべきではないのかなと思っております。

私のほうからは以上になります。

新保部会長:貴重な御意見をありがとうございます。

特にこどもと関わる時間を確保することというのは最初のほうに御発言があって、とても大事な視点だなと思いましたし、働く場所、働くチームでの理解を得るということはとても大事なことだなと改めて学ばせていただきました。

児童扶養手当のことも含めて、今後の制度、政策検討のときにとても大事なことかなと思います。

ありがとうございます。

では、お願いいたします。

渡辺委員:ありがとうございます。

手短に、私も就労支援のことで、私は中間整理案の18ページのところに書かせていただいたのですけれども、17ページ目の1行目に保護者の就労支援に関してとあるのですけれども、日本のこどもの貧困の特徴というのは、ひとり親、ふたり親とも長時間働いているのに貧困であるというところにまず大きな問題がありまして、決して働いていないわけではないので、就労支援を強調するというよりは、最低賃金の上昇ですとか、税や社会保障の負担の見直しですとか、そういったものも併せてやっていかないと、保護者が頑張って働きましょうみたいなことだけではなかなか厳しいかなと思います。

また、子育てとの両立ができる働き方といいますか、合原委員や赤石委員がおっしゃったように、こどもを育てる時間をどう確保するのかということは非常に重要で、こどもの権利というところで親からちゃんと養育が受けられるということをした上でこどもが育てられる社会にしないといけないと思います。

私たちも現場をやっていて、非常に幼少から虐待を受けていたり、あと、学習支援の面談をしていると、実は離婚直後にこどもが1年ほど学校に行っていなかったです、みたいな事例がすごく多くて、例えば生活環境が変わったところでは、もう少しゆっくりと社会で見てあげて、親子で生活を立て直すような時間を1年とか1年半とか取れて、そこからまたお母さんがしっかりと働きに出るとかということができれば、今、ここでこんなにひどい状況になっていなかったのだろうなと思うのですけれども、今だとすぐに自分が働いてこどもに食べさせなくてはというところでは、アパートに引っ越して、パートの仕事を始めて、そこから生活が厳しくなるという状況があるので、やはりこどもにとってどういうことが大切なのかと考えていったときに、そこに新たな給付の仕組みだとか、そういったものができるのは重要かなと思います。

もう一つ私が書かせていただいたところで、子育て当事者の支援みたいな言葉がすごく出てくるのですけれども、本当に子育て当事者に子育ての負担を押しつけているから、今、少子化ですとかいろいろな問題が起こっているので、やはり子育て当事者ではなく社会全体でこどもを育てるということをよりしっかりと書いていただけるといいなと思いました。

私のほうからは以上です。

新保部会長:貴重な御指摘、そして、今までの長いキッズドアの活動を通して感じてこられたことを短くお話しいただいて、本当にありがとうございました。

ここで、第2当事者委員から御意見をいただくことができ、代読してよろしいという許可を得たので、代読させていただきたいと思います。

そのまま読ませていただきます。

趣旨が違うかもしれませんが、子育てというと、こどもが生まれた状態からの支援に目が行ってしまいますが、私は妊娠6か月目で勤めていた会社が倒産し、マンションのローンもあり、親の援助はいただけませんでした。

市役所に相談しに行ったら、そのこどもを産む必要はありますかと言われました。

どこに相談していいかも分かりませんでした。

この国はこども一人産むことができないと希望がなくなりました。

厳しい社会の中で、妊娠中に会社がなくなってしまうこともあると思います。

そうした支援があると、生きる希望が生まれると思います。

もう一点ありますので、続けて読ませていただきます。

もう一点、どこで意見を伝えていいのか分からず、すみません。

資料1の11ページの一番下、「第2こども施策に関する基本的な方針」の(5)にある、「少子化は日本の未来に関わる問題でもあるという意識を持ち、こどもや家族が大事にされるよう」と書かれていますが、少子化だからこどもを大事にしようとも感じる。

もちろん趣旨もこども大綱に少子化対策が大きく関わっていることも理解していますが、この一文をここに入れるのは違和感を感じました。

理想は、少子化関係なく子育てに協力しやすい社会をつくることが大事なのではないでしょうか。

そして、子育ては(ひとり親でもツインでも)人に迷惑をかけていいのだ、迷惑をかけないと子育てはできないという安心な意識づくりが大事だと思っています。

迷惑という言葉は飛躍していますが、地域も社会も近所も巻き込んだ意識づくりが大事だと感じています。

というのは、仕事をしているときに、外部の女性営業の方が私に対して、あなた、一人で子育てしようと思っていない?、こどもは人に迷惑をかけて育つのよと言われて、とても気持ちが楽になりました。

そうした社会になれればいいなと願っています。

以上でございます。

代読させていただきました。

何か御意見などがありましたらお願いいたします。

お願いいたします。

荒井委員:今、渡辺委員も言われたように、母子生活支援施設も含めて、様々な施設が社会資源として自由に、困ったときに気軽に活用できるような形でもっと広げていくべきではないかと考えています。

今、施設は特別な対象者が利用しているといったイメージが一般的ですが、そうではなくて広く活用できるというシステムが今後必要になってくるのではないかなと思っています。

その形が広く普及することで、例えば貧困の中で一番言われるのは住む場所収入等ですが、母子生活支援施設も含めた社会資源を使うことによって、かなり前向きに取り組めるのではないかなと思っています。

意見書に記述はありませんが、御配慮いただけたらと思っています。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

とても大事なことですね。

母子生活支援施設も児童養護施設も活用されることがたくさんあると思います。

他にいかがでしょうか。

では、お願いします。

合原委員:何回もすみません。

全国母子会の合原です。

今、お話がちょうど出てきたので、遡る感じになるのですが、中間資料で言うと10ページという最初の頃の部分なのです。

ここで先生方が貧困についてのお話をすごく議論されてありましたので、話を折ってしまうかなと思ってお話をしませんでしたけれども、「支援が必要なこども・若者」というところが始まります。

私は地域福祉のほうも仕事としてやっているので、公民館とかには地域のボランティアの方々が子育てサークル、サロンみたいなものを開いて、虐待も含めて地域で育てていこうという主眼を持って活動されている方々もいらっしゃいます。

ここにSOSの発信について拾えるのは、実はその方たちだったりするわけです。

なので、支援が必要なこどもから、幼児教育の段落の一個上になります。

プッシュ型・アウトリーチ型というのがあるのですが、この前に当事者に寄り添うという支援というのをしっかり入れていただきたいなと思っているところです。

それを受けて、その下に「若者や子育ての支援を担っているNPO等の民間団体の職員」と書いてあります。

その上の部分は肩書きです。

職が書かれてあります。

今申し上げたように、地域で活動しているボランティアの方々の支援も併せてしていただきたいです。

地域でその方々が活動できる活動環境の整備も併せて行っていただくことで、その方が住んでいるその場所で地域の方が支えるという仕組みが少しでも進んだらと思っていますので、併せてお願いしたいと思います。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

当事者に寄り添うというのはとても大事な視点だなと思いましたし、それから、地域のボランティアの方々がこどもたちを支えていただいているというのは実態として本当にそのとおりだと思うので、とても大事な御指摘だなと思いました。

では、そろそろ時間が来たので、最後になるかと思いますが、お願いいたします。

山野委員:ありがとうございます。

山野です。

先ほどの当事者の方の御発言から、やはり子育ても社会がみんなで子育てをしていくということとか、理念とか価値みたいなことが大綱の大きな役割としてどれだけ浸透させていくのかというのは大きいと思うのです。

先ほど申し上げた、何か特別なところだけに目が行って支援が行くというチャンネルになっているので、そうではなく、乳幼児も、みんなで子育てを支えるという社会をどうつくるのか、学齢児は今何もないので、学齢児に私はいつも意見を言うのですけれども、そこで、声を上げてからつながるのではなくて、周りがキャッチして支援に寄り添っていくということができるのがやはり全数を見ているからだと思うのです。

気になる部分だけ上げていくというのではないと。

大綱の対象が全てのこどもたちなのだという辺りをもうちょっと意識して出せないのかなと思いました。

ありがとうございます。

新保部会長:ありがとうございます。

短めにお願いします。

赤石委員:短くします。

ありがとうございます。

赤石でございます。

9ページの辺りで、該当していなかったので言うチャンスがなくて、子育てをしている者への支援のようなことが書かれております。

下から2段目ぐらいですかね。

私は母役割、親役割を非常に強調するのが日本社会だと思っていて、なので、ひとり親も母として十分に役割を果たさなければならないというプレッシャーがものすごく強いことがかえって追い詰めていると思うので、子育てをしている者が子育て役割に疲弊することなく、一人の人間として尊重されるというようなことの書きぶりがどこかにないといけない。

つまり、子育てを離れて楽しんでいいとか、そういったことが思える社会でないと、お母さんなのだから当たり前でしょうと特に古い考えが強い社会では言われてしまう。

それは、ここにやはり子育てしている人、子育て当事者が一人の人間として尊重されるような言葉が入っていたほうがいいなと思っております。

以上です。

新保部会長:ありがとうございます。

親役割との関係で、子育てを離れて楽しんでもいいというような指摘はとても大事なのだろうなと思いました。

そして、今日はそれぞれのお立場から中間報告に対する貴重な御意見をいただいて、ありがとうございます。

これからの手順としては、本日いただいた意見に基づいて、事務局と私とで調整をさせていただきたいと思います。

日程が限られておりますけれども、一生懸命やりたいと思います。

御指摘を私のほうで受け止めさせていただいて、部会として修正を求めたい意見を中心に週明けのこども家庭審議会において御報告させていただきたいと思います。

続いて、事務局より資料2について御説明をお願いいたします。

お願いいたします。

松本委員:ここでの意見を集約して親会に報告いただくということですけれども、どういう形で報告されるかというのは、事後で結構でございますので、委員全体で共有するという手続を取っていただければと思います。

親会に出席しない委員が私も含めて大体だと思いますので、どういう形でまとめられたかということをそれぞれ我々が知っているということが次の議論につながるかと思いますので、その点、御配慮いただければと思います。

以上です。

新保部会長:お願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:松本先生、ありがとうございます。

親会、こども家庭審議会は週明けの月曜日にありますので、そのとき、部会長がこういうふうに説明しましたというのは共有させていただくようにします。

事後になって恐縮ですけれども、ただ、この部会は既に皆様から御意見を出していただいていたので、ある程度部会長と並行して相談をしてまいりました。

今日はさらに意見がありましたので、そこを確認の上、報告をさせていただきます。

総会への報告はこども家庭審議会にひもづく部会がしまして、すぐ数が出てこなくて恐縮なのですけれども、10近くあると聞いておりまして、事務的には発言の時間もかなり限られたものになると聞いております。

ですので、御報告という形では限定されたものになりますけれども、それをスタートにこども家庭庁の中で修文の作業をしていきますので、それを経て作っていくということになります。

松本委員:お聞きしたのは、もちろん週明けすぐということで、なかなか全てここの議論を反映させるというのは難しいかと思いますので、ただ、その後、10月にいろいろパブリックコメントとかヒアリングがあって、11月のところでもう一度整理をし直して、最終的に答申を決めていくと承知しております。

そうすると、この月末の中間整理案のまとめだけではなくて、10月、11月のほうにもここの議論が反映されていくということが、とても大事なことだと考えましたので、他の部会も含めてどういう形で報告がされたか、委員のほうにお知らせいただけるようなことがあると、その後の議論に有益かと考えましたので、発言いたしました。

以上であります。

新保部会長:ありがとうございます。

とても大事なことかなと思います。

審議会にどう報告したのかということ、そして、少し先に今後の予算編成がどうなるのかということの全体を眺めながら、逐次部会に状況の共有をお願いしたいと思います。

続いて、事務局より資料3、4についての説明をお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:時間が押し迫っておるのですけれども、もう一つの議題としまして令和6年度概算要求の状況の御報告がございますので、私のほうから今の概算要求の状況の御報告だけさせていただきます。

資料としましては、資料3、4になります。

資料3が、先月末こども家庭庁が行いました令和6年度の概算要求全体の資料になりまして、ポイントとなっております。

これはこちらのひとり親支援・こどもの貧困対策だけではなくて、こども家庭庁全体の予算要求のポイントになりますので、また後ほど御確認いただければと思います。

資料4がひとり親家庭支援等ということで、こどもの貧困・ひとり親家庭支援に関する部分の概算要求の資料になります。

全ての予算要求を全部ここに書いているわけではなくて、近年充実があった部分ですとか、今後工夫していくという部分をこの主な内容のところで記載しております。

こども食堂や体験型教室等の多様な居場所の提供ですとか、本日も当事者に寄り添った相談窓口のお話が出ましたけれども、そういった相談機能強化。

それから、親子交流に関する御意見もいただきましたけれども、この事業をより幅広い人が利用できるようにするための利用要件の緩和。

それから、1点目のこども食堂に関わりますけれども、こども食堂の自治体経営のものではなくて民間団体の取組を支援する。

そういった形を要求しております。

一方で、5つ目の○にこども未来戦略方針のことが書いてあります。

6月13日に閣議決定したものなのですけれども、小さいポツが3つありますけれども、最後にありますとおり、こども大綱の中で具体化する貧困に関する支援策については、予算編成過程において施策の充実を検討すると記載されているところです。

これは、概算要求で全てが具体化されているという状況ではなくて、ややイレギュラーな形にはなりますけれども、通常ですと年末に向けての予算編成過程でこういった貧困に関する支援策というのを集めていくといったことが要求の姿となります。

現時点の予算要求の状況の御報告は以上になります。

新保部会長:ありがとうございます。

どうぞ。

末冨委員:恐れ入ります。

私も、この概算要求については今までどおりだなという感覚なのです。

ただ、ここからこども大綱が動き出し、こどもまんなか計画で毎年毎年しっかり拡充されていくのだろうという強い期待は持っているのですけれども、今、差し当たりこども大綱に向けて私たち部会を挙げて、オールこども家庭審議会で応援したいという気持ちなのですが、やはり一人一人のこども、それから、子育て当事者、あと、支援団体の方たちも幸せに過ごせる、今この瞬間も未来も幸せに過ごせるということのために、こどもまんなか計画に向けてもどの部会も前向きに関われるように、そして、ともに進めるようにと願っております。

こちらは特にコメントをいただくということではないですけれども、ここまでの概算要求でも旧厚労省、内閣府時代、それから、文科省さんも非常に頑張って、事業をとてもいいものにしてきてくださったけれども、こんなレベルではこどもの貧困の解消には足りません。

という意味においては、ぜひ今後のこどもまんなか計画あるいはこども大綱、それにとらわれないこどもたちの幸せのための政策について、引き続き部会が前向きに関われるようにぜひ御配慮、御支援をお願いしたいと存じます。

以上です。

新保部会長:前向きな御意見、とても大事な意見だなと思って聞かせていただきました。

ありがとうございます。

それでは、本日の議題はここまでとさせていただきます。

最後に、今後の予定について事務局から連絡をお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭等支援担当企画官:次回の日程につきましては、追って各委員の先生方に調整の上、御連絡させていただくようにいたします。

新保部会長:本日、それぞれ貴重な御意見をこの場で御発言いただき、本当にありがとうございました。

また、事前に御意見をたくさん寄せていただいたことをとてもありがたく感じております。

本日はこれで終了とさせていただきます。

お集まりいただき、本当にありがとうございました。

以上