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第1回 こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会

概要

日時:令和5年7月28日(金)10時00分から12時00分
場所:こども家庭庁 庁議室(東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビルディング 22F)

議事

  1. 部会長選出について
  2. こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について
  3. 意見交換

資料

議事録

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 委員の先生、おはようございます。

私、こども家庭庁の家庭福祉課企画官をしております宮崎と申します。

今日は朝からオンラインという形ですけれども、お集まりいただきましてありがとうございます。

今日はオンラインと会議室のハイブリッド形式になっておりまして、事務局は会議室におります。あと、この部会の親会になりますこども家庭審議会の委員であります新保委員と大石委員、後ほど皆様併せて自己紹介をお願いしますけれども、親会の委員には会議室のほうに出席いただいております。

そうしましたら、定刻になりましたので、ただいまから第1回「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」を始めさせていただきたいと思います。

部会長を選出いただくまでの間、私、この7月から家庭福祉課の企画官でまいりました宮崎と申します。しばらく議事進行を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、議事に入ります前に、まず委員の皆様方の御紹介をさせていただきたいと思います。名簿順にあいうえお順で御紹介させていただきます。

委員の皆様は20名ほどいらっしゃいますので、大変恐縮ではございますけれども、心苦しいお願いでございますが、1分以内で御挨拶をお願いしたいと思います。

そうしましたら、名簿順に紹介をお願いしたいと思います。

最初は、シングルマザーサポート団体全国協議会代表、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長であります赤石千恵子委員でございます。よろしくお願いいたします。

赤石委員: 御紹介を受けました赤石でございます。よろしくお願いします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 本当に一言という形で恐縮ですけれども、御活動の内容ですとかこういう立場でということで、今後の抱負などを自己紹介でお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

赤石委員: 承知いたしました。

私ども、シングルマザー、ひとり親家庭の支援をしております当事者中心の支援団体でございます。

今、しんぐるまざあず・ふぉーらむのほうは就労支援、相談支援、情報提供、セミナー事業、他団体支援を行っております。今、食料支援は4,300世帯にパッケージをお送りしておりますが、後で御説明したいと思いますが、非常に急迫している方の御相談が増えているという状況でございます。お伝えしたいと思います。

もう一つ、36の団体が束ねておりますシングルマザーサポート団体全国協議会の代表もしております。よろしくお願いします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

そうしましたら、次に全国母子生活支援施設協議会の会長であります荒井惠一委員、よろしくお願いいたします。

荒井委員: おはようございます。全国母子生活支援施設協議会からまいりました荒井でございます。よろしくお願いいたします。

皆さん御存じのように母子生活支援施設は、入所を中心とした施設ではございますけれども、私は、これからの子育てに対する応援という意味では、母子生活支援施設が持ち得るスキルや能力を活用して、ひとり親も含めた子育て支援を応援していこうと考えております。そういう意味では、母子生活支援施設の活用について皆様にお伝えできればと思っていますので、よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: よろしくお願いします。ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。千葉大学大学院社会科学研究院教授、大石亜希子委員でございます。

大石委員: 千葉大学の大石です。おはようございます。よろしくお願いいたします。

私は労働経済学と社会保障論を専門としておりまして、その観点からひとり親の問題についても経済学的な観点から分析してまいりました。そういった関係でお声がかかったかと思いますが、この部会に対しての当事者の方や世間の期待、また、非常に厳しいまなざしをひしひしと感じているところですので、ぜひ具体的な成果を上げたいなと考えております。また、そのために力を尽くしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。NPO法人アスイク代表理事、大橋雄介委員でございます。よろしくお願いします。

大橋委員: おはようございます。アスイクの代表の大橋と申します。

私たちは宮城県、それから、仙台市を中心に活動している団体なのですが、12年前の東日本大震災から活動を始めております。取り組んでいる内容というのは多岐にわたっておりまして、生活困窮世帯のお子さんの学習生活支援事業とか、あとは不登校、ひきこもりの方々の居場所だったり相談支援事業、最近は日本財団さんと共同しまして、こどもたちの居場所を事業でつくっていったり、あとは幼少期からの支援体制をつくるということで、保育園とか児童館といった施設なども運営している団体でございます。

我々が今回この場に貢献できる視点としては、現場でも様々な事業を通して見えてくる困窮世帯の現状であったり、あるいは地方の自治体が置かれている現状だとか、そういった視点からお話をして貢献できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。出版系企業に勤務されていらっしゃいます川上涼子委員でございます。よろしくお願いいたします。

川上委員: おはようございます。川上涼子と申します。

現在、某出版系の企業に勤めております。中学2年生の息子を育てているシングルマザーでございます。ほかに副業でキャリアコンサルタントとして、ひとり親の就労支援のメンターとして関わったり、面会交流の支援ですとか、LINEで相談員として当事者目線で対応しております。

本日はよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

次を御紹介させていただきます。一般財団法人全国母子寡婦福祉団体協議会理事でいらっしゃいます、合原佳登理委員でございます。よろしくお願いいたします。

合原委員: よろしくお願いいたします。

まず、私どもの団体の紹介をさせていただきたいと思います。都道府県や政令市の社会福祉法人などの法人格を持つ団体が加盟しております。現在52団体で、その団体はそれぞれ一般市や郡部の各地域で活動を行っている任意団体で構成されています。ちなみに、私の居住している福岡県では33の市郡が地域で活動をしております。現在の会員の数は、昨年の4月時点になりますけれども、7万1866世帯ということでございます。

この団体は昭和25年からありまして、もう73歳になりますけれども、最初の法律の制定から現在の制度改正まで政府の方と一緒に戦ってきたというか活動してきた団体でございます。

身近な地域での声をたくさん集めて持っておりますので、伝えてまいりたいと思います。

よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございます。

次を御紹介させていただきます。埼玉県入間市こども支援部長であります、齋藤忠士委員でございます。よろしくお願いします。

齋藤委員: 皆様、こんにちは。入間市こども支援部長の齋藤忠士と申します。

本市では、昨年の7月にヤングケアラー支援条例を全国初として施行いたしまして、潜在化するヤングケアラーを行政の責務としてしっかりと支援することを目的に掲げまして、現在、学校や事業所、地域等と連携を図りながら、ヤングケアラーを把握し、適切な支援につなげているところでございます。

今回、この部会に参加させていただく中で、皆様の意見などを本市のこども施策にもフィードバックできたらいいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授でおられます新保幸男委員でございます。よろしくお願いします。

新保委員: 新保でございます。

大学ではこどもの福祉についての研究、特にこどもの貧困やひとり親家庭支援についての研究をさせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。日本大学文理学部教授でいらっしゃいます末冨芳委員でございます。よろしくお願いします。

末冨委員: 日本大学の末冨でございます。よろしくお願いいたします。

私自身はもともとのバックグラウンドは教育政策の分析ですけれども、内閣府時代からこどもの貧困対策に関わりまして、足かけ10年になります。

先ほど大石先生も言われましたが、こどもの貧困問題、それから、ひとり親の貧困問題もこども家庭庁の下で抜本的に改善に向かうことを願っております。

あわせまして、委員の皆様には今チャット欄に共有させていただきましたが、昨年度いたしました全国学力・学習状況調査の保護者調査の分析というのがありまして、そちらのほうで明らかになりましたのが、貧困層と準貧困層は合わせて、およそ子育て世帯の6~7割程度はいるという非常に深刻な実態がございます。こどもの問題を考えたときに、こどもの貧困というのは一番のボリュームゾーンに当たりますので、やはり国を挙げて改善をと思っております。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。フリーランスでお仕事をされていらっしゃるお母様でおられる高田まりえ委員でございます。よろしくお願いします。

高田委員: よろしくお願いします。高田まりえと申します。

私自身はこどもが3人おりまして、シングルマザーとしてフリーランスで働いております。NPOのキッズドアさんの支援を利用させていただいていた時期がありまして、民間の資格をそこで取得したり、仕事のあっせんを受けさせていただいたりという経験があります。

また、私自身、地域のボランティア団体に所属しておりまして、職の支援やこどもの居場所づくりという活動をさせていただいております。その中でキッズドアさんのこどもたちの勉強スペースに私たちの職支援を受けているお母さんたちのお子さんたちがそこに通っていたりというつながりを持たせてもらっているような団体に所属しています。

私は、どちらかというと利用する立場として現場の現状とかをお伝えすることができたらいいなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。岩手県盛岡市子ども未来部部長でいらっしゃいます高橋享孝委員でございます。

高橋(享)委員: 岩手県盛岡市子ども未来部の高橋と申します。よろしくお願いします。

盛岡市は平成20年に中核市に移行いたしまして、北東北の観光・文化交流の拠点都市としてさらなる発展を目指しております。

私ども子ども未来部は、こどもの貧困対策、ひとり親家庭支援を担当しており、なかなか先進的な取組と言えるものはないのですが、機会がありましたら行政の現場の状況や課題等をお伝えできればと考えております。

あとは、盛岡市の紹介を若干させていただければと思います。令和5年1月にアメリカのニューヨーク・タイムズの電子版で発表されました2023年に行くべき52か所において、ロンドンに次いで2番目に盛岡市が選ばれております。歩いて回れる珠玉の街として紹介され、内外から多くの観光客の方にお越しいただいている状況です。7月下旬からまち歩き体験など、観光客を対象とした様々な取組を進めておりますので、ぜひ一度おいでいただければと思います。

以上です。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。全国母子・父子自立支援員連絡協議会副会長でいらっしゃいます、髙橋智子委員でございます。よろしくお願いします。

髙橋(智)委員: よろしくお願いします。初めまして、髙橋と申します。

委員名簿にもありますが、私は全国母子・父子自立支援連絡協議会の副会長を務めております。自己紹介を含め、自立支援員の役割を皆様に伝えたいと思います。

所属といたしましては県の機関で、千葉県香取健康福祉センター(香取保健所)になります。ひとり親支援の第一の相談窓口として対応しております。

私たち自立支援員は、相談内容を整理するだけではなく、その相談に寄り添った形で自立に向けて支援をしております。事務的ではない現場の声を今後伝えていけたらと思います。そして、私たち自立支援員の重要性もここで発信していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次の委員なのですけれども、あしなが育英会奨学生の大学生でいらっしゃる谷口和花菜委員になります。

谷口委員は、本日出席することが難しくなったという御連絡をいただいております。本日の会議の議論の状況を事務局から谷口委員にお伝えするようにしたいと思います。

次を御紹介させていただきます。全国児童養護施設協議会児童養護編集委員長、花田悦子委員でございます。よろしくお願いします。

花田委員: こんにちは、全国児童養護施設協議会から参加させていただきます。

私は福岡県にございます児童養護施設、報恩母の家の施設長をしております。どうぞよろしくお願いいたします。

全国の児童養護施設は610か所ありまして、長い間その地域に根差して日本全体の地域を網羅しながら運営してまいりました。入所機能に加えて在宅支援ということで、児童家庭支援センター、フォスタリング機関、それから、こどもの居場所支援も児童養護施設で展開している施設も増えております。また、入所されている大多数が貧困家庭、ひとり親の御家庭であることから、当事者の皆様の声を届けて、地域の虐待予防、子育て支援につながる視点を持ってこの会議に参加させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。北海道大学大学院教育学研究院特任教授でいらっしゃいます、松本伊智朗委員でございます。よろしくお願いいたします。

松本委員: 北大の松本と申します。どうぞよろしくお願いします。

専門としていることは、貧困の研究及び貧困問題、貧困の研究を起点において、こども、家族の福祉と教育について考えているということであります。

このこども家庭審議会でほかに基本政策部会の委員も仰せつかっております。どうぞよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官 ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。全国父子家庭支援ネットワークの代表でいらっしゃいます村上吉宣委員でございます。よろしくお願いします。

村上委員: よろしくお願いいたします。

宮城県仙台市を拠点としまして、父子家庭支援の活動をさせていただいております。平成20年から主に父子家庭に存在しなかった支援制度というものを父子家庭にも対象となるように、東日本大震災を通して政策提言の活動を主にこれまでさせていただいておりました。

今、母子及び父子並びに寡婦福祉法というような形で、支援制度は整ってはいるのですけれども、それ以外に、やはり働き方の問題であったり、生きづらさというような部分で相談業務を主に今はメインで行っているところであります。

あと、私個人というようなところで言いますと、0歳と2歳児の娘と息子を一人で育ててきた経験がございます。その中で、民生委員であったり児童相談所、児童養護施設、あとは小児科、あとは息子が大病をしていたというところもある中で、困窮した父子家庭というような経験というものも併せまして、様々な発言等もしていきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

私のほうからは以上になります。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。一般財団法人あしなが育英会会長代行でいらっしゃいます村田治委員でございます。よろしくお願いします。

村田委員: 初めまして。あしなが育英会会長代行の村田と申します。よろしくお願いいたします。

御存じの方もいらっしゃるかと思いますが、あしなが育英会は1993年に発足し、30年以上にわたりまして大学生、専門学校、短期大学、あるいは高校生の奨学金の活動をしてございます。また、現在はアフリカからの遺児を世界につなげていく、あるいは震災のケアの事業等、様々な活動をしております。

特に奨学金等に関しましては、ひとり親家庭でかつ貧困の家庭を対象としておりますので、ぜひ現場での状況を皆さんにお伝えし、今後のこの部会の意見等に反映させていただければと思ってございます。よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。高知県子ども・福祉政策部長でいらっしゃいます山地和委員でございます。よろしくお願いします。

山地委員: 高知県子ども・福祉政策部長の山地と申します。よろしくお願いいたします。

高知県の現状でございますが、ひとり親世帯の割合につきましては、全国平均の1.3%に対しまして1.86%と高く、また、平成28年度に高知県が独自に実施いたしました高知県子どもの生活実態調査では、生活困難世帯と考えられる割合は約33%と大変厳しい状況となっております。高知県といたしましてもしっかりと取り組んでまいりたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

以上でございます。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。大阪公立大学現代システム科学研究科教授でいらっしゃいます、山野則子委員でございます。よろしくお願いします。

山野委員: ただいま御紹介いただきました、大阪公立大学の山野といいます。どうぞよろしくお願いします。

私は大綱策定の2014年からこどもの貧困の関係の会に参画させていただいています。

専門はこども家庭福祉で、こども家庭庁関係では、今、この会でもずっと発言させていただいていたのですけれども、福祉と教育のデータ連携というところの委員もさせていただいています。

こども家庭福祉の専門の中でも、ヤングケアラーとか貧困とか虐待とか、いろいろなことの実態調査、例えばコロナで言うと、厚労省の依頼を受けて特別研究で全国の調査をさせていただき、9割のこどもたちが何らかのストレスを感じているという2020年のコロナ発生時の調査結果なども出しております。

貧困でいうと、大阪の調査、6割から9割という回収率でこどもと保護者の10万件の回収のあった調査を行いました。先ほどもお話がありました2016年の調査だったのですが、愕然とした、データ数が多いので、外国籍のこどもさん、それから、施設に入所しているこどもさん、10代で出産された親御さん、シングルマザーはもちろんなのですけれども、いろいろな角度でクリアになりました。今年度、ちょうどその2回目の調査を今始めています。これはさらに参画自治体が多くなって、17万件ぐらいの調査規模で現在やっています。

こうして、こどもの実態をつかみ、明らかにしながら、施策につなげていく、支援、プラクティスにつなげていくというところで、スクールソーシャルの研究が私の一番メインとして今やっているところです。

ペーパーも出させてもらって、間に合ったのかどうか分からないのですけれども、ぜひ後でお話しさせていただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

次を御紹介させていただきます。一般社団法人全国子どもの貧困・教育支援団体協議会副代表理事、認定NPO法人キッズドア理事長でいらっしゃいます渡辺由美子委員でございます。よろしくお願いします。

渡辺委員 よろしくお願いいたします。御紹介にあずかりました、一般社団法人全国子どもの貧困・教育支援団体協議会副代表理事をさせていただいております、渡辺由美子です。NPO法人キッズドアの理事長もさせていただいております。

まず、子どもの貧困・教育支援団体協議会というのは、全国でこどもの学習支援や体験活動、狭義の教育支援に取り組むNPO法人や任意団体が入っている団体でございまして、地域の中で非常に皆さん頑張って活動をされております。今、コロナと物価高騰で大変な中、夏休みも皆さん頑張っていらっしゃるところです。

また、NPO法人キッズドアは16年ほどこどもの貧困等に取り組んでおりまして、設立以来ずっとこどもの学習支援や体験活動の支援などに取り組んでおりましたが、加えて、コロナの後は、勉強の前に満足に食事が取れない、御家庭が非常に厳しいということで保護者の支援を始めました。これも足かけで4年目に入っておりますが、そういった中で本当に厳しい状況が起こっております。今、そういった方たちや、年間2,000人ぐらいのこどもたちの学習支援を直接やっておりますので、そういった方へのアンケートなどで皆さんの声を集めておりますので、こどもたち、保護者の代表としても皆さんの意見をお伝えできればなと思います。よろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: ありがとうございました。

委員の皆様、御紹介いただきましてありがとうございました。

御出席いただきました委員の皆様が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。

なお、事務局からの出席者ですけれども、私からまとめて御紹介する形に変えさせていただきます。

事務局の支援局からは吉住支援局長、野村審議官、それから、担当課であります家庭福祉課長と私、宮崎が出席しております。

あと、関係省庁といたしまして、国民生活基礎調査の担当をしております厚生労働省世帯統計室長に出席いただいております。それから、このこどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の政策に関わる関係省庁といたしまして、文部科学省初等中等教育局児童生徒課の課長補佐、文部科学省初等中等教育局財務課校務改善専門官、文部科学省総合政策局男女共同参画共生社会学習・安全課から出席いただいております。

また、こども家庭庁内では、こども大綱の取りまとめをしております長官官房総合政策担当参事官室から出席をいただいております。

以上が事務局になります。

なお、途中、こども家庭庁の大臣であります小倉大臣が出席予定でございますが、11時頃から参加した後、公務のため、途中退席予定でございます。

それではまず、お手元の資料を御確認させていただきます。会議資料になります。

議事次第をお送りさせていただいて、本体資料としましてパワーポイントの横置きのデータや図表が入った資料がありまして、タイトルが「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について」ということになります。

参考資料1が御紹介した構成員名簿になります。

参考資料2がこのこどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の設置の根拠ということで、「部会の設置について」という資料を入れております。

参考資料3がこの設置根拠の関係法令を入れております。

参考資料4が令和3年度全国ひとり親世帯等調査、統計データの調査になります。

参考資料5が、これも統計データになりますけれども、令和4年国民生活基礎調査本体になります。

参考資料6がパンフレットになります。こどもの未来応援国民運動のパンフレットを入れさせていただいております。

参考資料7が、子供の貧困対策の有識者会議で取りまとめていただいた貧困大綱の進捗及びこども大綱策定に向けての意見の資料でございます。

参考資料8がこども大綱の議論の状況ということでございまして、「こども大綱の基本的な施策に係るこれまでの議論」という資料を入れさせていただいております。

以上が事務局で準備させていただいた資料になります。

それ以外に委員提出資料を3点つけさせていただいております。赤石委員、末冨委員、山野委員から資料を提出していただいております。この後、議事の3番目にあります意見交換の中で各委員に御発言いただくときに、提出いただいた資料を基にしながら御発言いただけると大変助かります。よろしくお願いいたします。

以上が資料になります。

何か資料の順番などや資料があるかないかについて、御不明な点がありましたらお伝えいただければと思いますが、よろしいでしょうか。

では、進めさせていただきます。

そうしましたら、事務局を代表いたしまして、支援局長の吉住から御挨拶いたします。

吉住支援局長: こども家庭庁支援局長の吉住でございます。

諸先生方におかれましては、それぞれ大変お忙しい立場で御活躍でございますが、このたび、こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の委員あるいは臨時委員を快くお引き受けいただきまして、大変ありがたく存じます。

まず、簡単にこどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会設置の経緯をお話しさせていただきます。本年4月にこども家庭庁が設置されましたが、そのときに関係の審議会の再編もございました。従来、こどもの貧困対策に関しましては主に子供の貧困対策に関する有識者会議、ひとり親家庭支援に関しましては主に社会保障審議会児童部会ひとり親家庭への支援施策の在り方に関する専門委員会において御議論いただいておりましたが、本年4月に開かれましたこども家庭審議会におきまして、こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会を設置するということをお決めいただいております。

この部会では、こどもの貧困対策に係る施策に関する事項の調査審議、ひとり親支援施策に関する事項の調査審議を行うこととされ、本日、第1回目の部会の開催を迎えることができました。

ひとり親家庭は生計の維持と子育てを一人で担われることも多く、さらには食料品をはじめとした物価高騰等により、様々な困難を抱えていることと存じます。また、こどものいる世帯の約1割はひとり親世帯であり、その約5割が相対的貧困の状況にあるというデータもあります。

こども家庭庁では、ひとり親家庭への支援について、子育て生活支援、就業支援、養育費確保支援、経済的支援の4本柱に基づいて取り組んでおり、現下の物価高騰対策においては、低所得者世帯に対してこども1人につき5万円の給付も行っているところですが、引き続きしっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。

また、こどもの貧困対策につきましては、平成25年6月の子どもの貧困対策の推進に関する法律から、今年で成立10年を迎えました。政府としては、こどもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にあるこどもが健やかに育成される環境の整備に努めてきたところですが、引き続き、学習支援、就労支援など、様々な支援に取り組むことが重要であると考えております。

本日は、この後部会を立ち上げていただくに当たっての手続面で幾つかお決めいただくことがございますが、その後にこどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について御説明をさせていただき、皆様方からこれに関して御意見等を頂戴する。それが本日の会議の一番大事なところであると思っております。そういうところからこの部会の議論をスタートしていただければ大変ありがたいと思っております。委員の皆様方におかれましては、ぜひ忌憚のない御意見をいただきますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 議事を進めさせていただきます。

今回の部会でございますが、傍聴希望者向けにYouTubeでライブ配信をしております。

そのため、これ以降、報道関係者の皆様の録音、録画は禁止させていただきますので、どうぞ御協力よろしくお願いいたします。

頭撮りはこれまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: では、議事を進めさせていただきます。

まず、議事の1点目であります部会長の選任について、参考資料3を御覧いただけるでしょうか。

こども家庭審議会の関係法令・規則を取りまとめて抜粋したものでございます。

このこども家庭審議会令の6条3項です。ページ数で言いますと4ページです。4ページに審議会令の3と書いてあるのですけれども、そちらに「部会に、部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する」と規定されております。

本部会では、こども家庭審議会の委員としまして大石委員、新保委員がいらっしゃいます。あらかじめこの部会の開催に先立ちまして、大石委員、新保委員のお二方に新保委員に部会長をお願いするということで御了解いただいたところでございます。

それでは、これからの議事運営につきましては、新保部会長によろしくお願いしたいと思います。

よろしくお願いします。

新保部会長: 新保でございます。

ただいま、こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の部会長にさせていただきました。

どうぞよろしくお願いいたします。

それではまず、部会長代理の指名をさせていただきます。こども家庭審議会令の第6条の第5項に「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」と規定されております。そこで、大石委員に部会長代理をお願いしたいと考えております。

大石委員、ぜひ部会長代理をお願いいたします。

大石委員: お願いします。

新保部会長: ありがとうございます。

それでは、事務局から本部会の公開について御説明をお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 部会の公開につきましては、こども家庭審議会運営規則に基づき、原則公開といたします。

また、ホームページで議事録を公表させていただく予定でおりますけれども、議事録につきましては、公表前に議事録の案を送付して、各委員の皆様の発言を委員御自身によって御確認いただくという手続を取らせていただいて、各委員皆様の御了解を得た上で議事録をホームページ上に公表させていただきたいと考えております。

新保部会長: ありがとうございます。

ただいま事務局から御説明がありましたような方法で、皆様、進めてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

新保部会長: よろしいですか。ありがとうございます。

では、そのように決めさせていただきたいと思います。

それでは、早速議事に入りたいと思います。

初めに、こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の動向について事務局より説明をお願いいたします。

小松家庭福祉課長: 家庭福祉課長の小松でございます。

私から資料につきまして御説明させていただきます。

右肩に資料「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について」というのがございますので、資料に沿って御説明申し上げます。

1ページおめくりいただきまして、3ページ目になります。

全国ひとり親世帯等調査の概要でございます。この調査は5年ごとの調査でございまして、今回公表させていただくのが令和3年度の調査、15回目の調査ということでございます。

具体の内容につきまして4ページになります。

例えば母子世帯でありますと就業の状況は86.3%、これは28年のデータから若干上昇しているということでございます。父子世帯におきましても28年度調査の85.4%から88.1%に上昇しているということでございます。

細かく申し上げますと、母子世帯の就業者のうち、正規の職員の割合でございますが、44.2%から48.8%。父子世帯の場合、68.2%から69.9%に若干上昇しているということでございます。

次に4番目の平均年間収入でございますけれども、28年は母子世帯の平均収入が243万円だったところが、今回調査、令和3年度で272万円。父子世帯の場合、420万円であった平均年間収入が518万円と若干上昇しております。

次の5ページ目になります。

母子家庭の就業状況を詳しくお示しさせていただいております。

まず、母子家庭の一般女性労働者の状況につきましては、一般の女性労働者と同様に非正規の割合が高いという状況でございます。我々としても、より収入の高い就業を可能にするための支援が必要だと考えているところでございます。

次の6ページ目でございます。

父子家庭の状況でございます。数字を見ていただきますと、父子家庭の父親の中にはやはり就業が不安定な方がいらっしゃいます。そのような方々への就業の支援が必要ということが読み取れます。

それから、7ページでございますけれども、いわゆる母子家庭になる前と母子家庭になった後の就業の状況でございます。母子家庭になる前の就業の状況、いわゆる不就業の状況は2割でございますけれども、母子家庭になった時点、調査時点では9.2%と10%の方々が就業せざるを得ない状況になっているということでございます。

それから、次の8ページ目、養育費と親子交流の状況でございます。

まず、母子世帯につきまして、養育費の 取 り決 めをしている方 々 が前回28年度は42.9%のところ、46.7%。父子世帯の場合が20.8%から28.3%と、決して高い水準ではありませんけれども、上昇しているということでございます。

それから、実際の養育費の受給に関しては、母子世帯につきましては28年度は24.3%だったものが28.1%。父子世帯の場合は3.2%だったものが8.7%で上昇しているということでございます。

あわせて、下の段、親子交流になりますけれども、母子世帯の場合、24.1%が取り決めをしている。それが令和3年度は30.3%。父子世帯の場合は27.3%の取り決め、これが令和3年度は31.4%で上昇しております。実際の親子交流の状況につきましては 、29.8%が30.2%。父子世帯の場合は45.5%から48%と、こちらも決して高い水準ではないのかもしれませんけれども、上昇しているところでございます。

次が10ページ目、こどもの貧困率の推移のデータになります。御覧いただく折れ線グラフで見ていただくと、少なくとも2015年から2018年、平成27年から令和3年度まで貧困率については右肩下がり、下降傾向にはあるといったところが見てとれます。

11ページはいわゆる貧困率の国際比較でありますので、御覧いただければと思います。

次に13ページ目、ここからいわゆる私どもの施策の概要になります。

まず、こどもの貧困対策の施策について御紹介申し上げます。全てのこどもが集う、不登校や虐待など、こどもやその家庭が抱える課題への早期の対応を図るため、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーの配置を充実させているところでございます。

その次、家庭環境等に左右されず、学校に通うこどもの学力が保障されるよう、貧困等に起因する学力課題の解消のための教員定数の加配の措置というのを進めております。

次が、低所得世帯であっても社会で自立し活躍できる人材を育成する大学等において修学できるよう、高等教育の修学支援新制度、いわゆる授業料等減免給付型奨学金でございますが、そういった制度を進めているところでございます。

13ページ目の最後でございますが、ひとり親家庭の親またはその児童が高等学校卒業程度の認定試験合格を目指しまして、ひとり親家庭の高等学校卒業認定試験の合格支援といった施策を展開させていただいているところでございます。

次の14ページでございます。

生活の支援という枠組み、柱の中で実施をしております。児童館、公民館、民家等において、悩み相談を行いながら基本的な生活習慣を習得してもらう。もしくは学習支援、食事提供などを行うといったこどもの生活・学習支援事業というのを実施させていただいているところでございます。

それから、相談窓口のワンストップ化の促進、いわゆる母子・父子自立支援員に加えて、就業支援専門員などを相談窓口に配置させていただいて、そのワンストップ化を進めているところでございます。

15ページ目になります。

就労の支援でございます。就業相談や就業情報の提供、それから、養育費確保や面会交流の支援、こういったものを母子家庭等就業・自立支援事業として実施しております。令和5年度からは、パソコンの貸与を行うことでいわゆる在宅就業できる環境を整備するといった事業も創設しております。

それから、母子・父子自立支援プログラム策定事業、これも令和5年度から児童扶養手当の受給が見込まれる、現に受給している方ではなくて見込まれる方の場合、離婚前から当該事業に支援ができるよう、対象者に加えたところでございます。

それから、ひとり親家庭への高等職業訓練促進給付金でございます。これにつきましては、令和4年度に引き続きまして令和5年度末まで養成機関の修業期間の緩和、1年から6か月以上といったこと。それから、民間資格の対象拡大といった措置を講じているところでございます。

15ページの一番下、ひとり親家庭への高等職業訓練促進資金貸付でございます。いわゆる就職に有利な資格の取得を目指すひとり親家庭の方に対して、入学準備金でありますとか就職準備金を貸し付けるといった事業を実施しているところでございます。

それから、貧困対策の最後でございます。経済的支援としまして、御案内のように低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金、母子父子寡婦福祉貸付といったことを実施しております。

最後、その他になりますけれども、今年度もこどもの未来応援国民運動を展開させていただいているところでございます。

貧困対策については以上になります。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 続いて、ひとり親支援につきまして、私、家庭福祉課の企画官をしておりますけれども、ひとり親家庭支援室長でもございますので、私、宮崎のほうから御説明をさせていただきます。

ひとり親家庭支援の最初のページになります18ページは、ひとり親家庭等の自立支援策の体系ということで、政策の大きな柱ですとか仕組みがどうなっているかというのを御説明した資料になっております。

18ページですけれども、4本柱によって施策を推進しております。

子育て・生活支援、日々の生活、それから、子育てに助かるような支援のメニューです。

2つ目が黄色の箱の2つ目になります。就業支援でございます。これはお仕事に就く、お仕事を通じて、さらに高所得を得ていくための仕事に結びつけていくといった教育訓練ですとか、給付金の事業を実施しております。

3本目の柱が養育費確保の支援でございます。これは追って政策の説明でも御紹介しますけれども、なかなか養育費を受領できていないひとり親世帯があるということでございまして、相談の場やそういった養育費を確保していくための手続について御紹介するなどといった支援を実施しております。

4本目の柱が経済的支援でございます。児童扶養手当の支給、それから、母子父子寡婦福祉資金の貸付などがこちらのカテゴリーに入っております。

基本法としては母子及び父子並びに寡婦福祉法という法律がございまして、国が基本方針を定めて、都道府県などが基本方針に即して自立促進計画を策定していくといった法体系となっております。

下のほうに平成14年以降のこの4本柱というふうに施策を整理した後の大きな動きを書いております。法律の位置づけでございます。平成24年に特別措置法が成立し、平成26年に法改正を行いまして、こちらにあるような支援体制の充実ですとか、子育て支援施策の強化、それから、父子家庭への支援の拡大、児童扶養手当と公的年金の併給調整の見直しなどを実施しております。

それから、児童扶養手当の直近の改正としましては、28年に第2子、第3子以降の加算額の最大倍増ですとか、支払い回数を年6回に増やす。令和2年にも改正を行っておりまして、障害年金との併給調整の見直しなどを実施しております。

今、4本柱ということで御紹介しましたので、この4本柱にのっとって施策の紹介を進めたいと思います。

最初に子育て・生活支援でございます。

施策の紹介を進めるに当たって、現状のデータを再度確認するようにしたいと思います。

戻りまして恐縮ですけれども、4ページの主要統計データです。こちらのほうは一度紹介させていただいたものになります。

ここを見ますと、生活という面で、平均年間収入を見ますと、平均年間収入が母子世帯で272万円。それから、父子世帯で518万円。年間収入のうち、就労収入で見ますと236万円と496万円という形になっております。

この数字をどう捉えるかということなのでございますけれども、一つの見方として、参考資料5につけております令和4年国民生活基礎調査というデータがあります。これは国民の皆様のいろいろな世帯の生活状況を調査しております基礎的なデータになるのですけれども、こちらで所得の状況ということで、必ずしも同じ推移ではないですし、調査がそもそも違うので単純比較はできないという前提はございますが、紹介をさせていただきますと、令和3年の直近のデータの平均所得金額というのを世帯ごとに見ますと、全世帯が545万7000円、高齢者世帯が318万3000円、児童のいる世帯ということで見ますと785万円となっております。そういった数字を見ますと、父子世帯も母子世帯も非常に低い水準、特に母子世帯は低い水準というのがこの生活状況でございます。そういった前提に施策などを御紹介させていただきます。

生活支援としては、まずは相談窓口というところがございまして、それが20ページになります。自治体の相談窓口に就業支援専門員を配置させていただいて、母子・父子自立支援員の方が弁護士などの専門職種の支援を受けながら相談対応を行える体制づくりを進めております。こちらは都道府県などで実施していただくのですけれども、就業支援専門員を配置するということを拡充して進めておりまして、平成27年度では36名ぐらいだったのが徐々に増えていって、相談件数も増えているといった状態になっております。

次のページになりますけれども、相談などのお困りごとというのは結構複層的と申しますか、いろいろな相談がお母さん、お父さんの頭の中で複雑に絡み合っているというケースが多くて、相談員が話していく中でこういうことでお困りなのかということが出てくるというのは本当によくあることでございます。

そうなると、ある程度相談員がお話を聞きながら、こういう支援メニューが使えるのではないかな、こういう支援メニューが使えるのではないかという複数の支援メニューを頭に入れながら相談に応じるということが必要になってまいりまして、そういったワンストップ相談ですね。生活の困りごと、それから、お子さんの学校での困りごともあるかもしれませんし、仕事でということもあるかもしれませんし、いろいろな悩みごとがなるべく今あるメニューにもしっかりつながっていくようにということで、このワンストップ相談体制というのを強化するようにしております。

特に、どうしても人と人の相談ということがこの相談では一番重要ですけれども、最近は人員も限られている中、ITもしっかり活用したほうがいいだろうということで、IT機器を活用したワンストップ相談体制の強化などにも取り組んでおります。

次に進めさせていただきます。

次は相談事業から毛色が変わりまして、生活支援事業としまして、こどもの生活・学習支援事業がございます。これは学習支援・生活支援ということで、児童館とか公民館とかこども食堂などで悩み相談を行いながら、基本的な生活習慣の習得ですとか、基礎的な学力をつけていただくというような学習支援を行う。それから、食事の提供を行うといった支援を実施しているものでございます。
これは学習支援ですけれども、こども食堂なども、25ページにありますように、必ずしも自治体だけではなくて、中間支援法人ということでNPOの力を借りながらも実施しているところでございます。

かなり駆け足になりますけれども、次は就業支援になります。就業支援につきましては、先ほどのデータによりますと、かなり高い割合で既にお仕事をしていただいております。

母子世帯でも86.3%が就業しておりますし、正規の職員従業員の割合が48.8%ということなので、これはいろいろなこどもがいる、いない、年齢にかかわらず、女性で見た場合でも高い水準になっているところでございます。

事業としましては、相談を受けながらというのもあるのですけれども、例えば29ページにございますとおり、職業訓練ですね。民間の専門学校などで看護師ですとか保育士、調理師といった資格を得るための勉強をする際に、講座の受講料を支援するとか、それから、手当を生活費として支援するとか、そういった事業を実施しております。

就業支援のメニューとしては、それ以外にも個人個人の御相談を受けながら自立支援プログラムをつくるといった相談支援も実施しているところでございます。

3本目の柱の養育費確保支援でございますけれども、最初の基礎的なデータを御確認させていただきますと、養育費の受領率につきまして、資料の8ページに戻りますが、教育費については、取り決めをしているという母子世帯が46.7%、父子世帯が28.3%になっております。そういった中で、実際に養育費が受給できているのかというところになりますと、母子世帯では28.1%、父子世帯では8.7%という状況になっています。括弧書きにありますとおり、養育費の取り決めをしている世帯で見ますと、要は取り決めしている世帯に限って見ますと、現在も受給している母子世帯で57.7%、父子世帯で25.9%となっておりますので、支援の方向性としては、まず取り決めを結んでいただけるように支援していくというのが一つの方向性になります。

養育費の受領率につきましては、33ページにあるとおり、こちらで数値目標という形でありますけれども、目標をつくっております。希望する全てのひとり親世帯が養育費を受領できるようにすることが重要であるということで、まずは2031年に全体の受領率を40%、取り決めをしていると受領率が高くなるということがございますので、取り決めをしている場合の受領率を70%にするということを目指すということにしております。

この養育費受領の確保のための支援としまして、離婚前後親支援モデル事業ということで、なかなか取り決めをすると言っても、父親、母親同士がそういった調整とか話合い、相談が難しい状況にあるのが現実的なところでございます。ですので、第三者、専門家が適切に入って取り決めができるようにということで、このモデル事業を実施しております。

養育費を取り決めることの重要性を説明するような講座を行ったり、必要な窓口の情報提供を行うなど、最後、履行を確保していくために、こういった取り決めは公正証書ということで作成することになるのですけれども、作成支援なども行うといった形になっております。

支援メニューの最後になります。経済的支援では、経済的支援の大きなメニューとしまして、児童扶養手当と母子父子寡婦福祉資金の貸付制度の概要をつけております。

最後になりますけれども、今回、こどもの貧困・ひとり親支援の部会ということで構成させていただきましたけれども、前身の会議であります内閣府に設置されました子供の貧困対策の有識者会議で意見ということで取りまとめていただいたものを資料としてつけております。

この有識者会議の意見を引き継いだという形になると思うのですけれども、42ページが有識者会議での意見になります。こども家庭庁に対する期待ということでもあるとは思うのですけれども、冒頭にありますように、令和5年4月にこども家庭庁が創設され、こども基本法においては、貧困に対する大綱の内容も含んでこども大綱を策定するということとされております。それを前提に、有識者会議の委員の皆様がこのこども家庭庁の発足に向けて意見をまとめていただいたものです。

また、有識者会議では、43ページにありますように、各指標を一つの政策進捗の状況ということで、教育の支援、それから、保護者の職業生活に関する支援、経済的支援ということで指標を設定して直近値を管理するといった会議運営で施策の推進を進めてきたところでございます。

資料の最後になりますけれども、こども未来戦略方針をつけております。46ページになります。

これは今年の6月13日に閣議決定した文書でございます。こども未来戦略方針ということで、こども家庭庁を中心に、今後、こどもを中心とした政策というのをどのように進めていくかということを閣議決定したものでございまして、その中で貧困対策ですとかひとり親家庭の支援についてどのように記載しているかということを抜粋してつけております。

重複してしまう部分がありますけれども、今後の方向性としまして、最後の3行になりますけれども、今後、こども大綱の中で具体化する貧困、虐待防止、障害者・医療的ケア児に関する支援策について、今後の予算編成過程において施策の拡充を検討して、全体として3兆円半ばの充実を図ると記載されておりまして、こちらの部会の意見もこういった支援の充実に結びつけていきたいと進めてまいりたいと考えております。

事務局からの説明、大変長くなってしまって恐縮です。以上となります。

新保部会長: ありがとうございました。

小倉大臣が到着されましたので、御議論いただく前に小倉大臣から御挨拶いただきたいと存じます。プレスが入りまして、その後で撮影可能となりますので、少々お待ちください。

(小倉大臣、報道関係者入室)

小倉大臣: 本日は、御多用の中、新保部会長をはじめ、御参加いただきまして、活発な御議論をしていただくことになります。どうぞよろしくお願いします。

こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の議論がスタートしたことを踏まえまして、私から一言御挨拶を申し上げたいと思います。

本年4月にこどもまんなか社会を実現するためにこども家庭庁が発足いたしました。

こどもまんなか社会では、こどもたちがどのような環境にあっても健やかに育っていけるようにすることを目指しております。経済的に困難な家庭のこどもなど、多様な支援ニーズを有するこどもについてはその育ちを保障し、可能性が十分に発揮される環境を整備することが重要だと私どもは考えております。

また、こどものいる世帯の約1割はひとり親世帯でありまして、その約5割が相対的貧困の状況にあることを踏まえれば、なかんずくひとり親家庭の自立と子育て支援は喫緊の課題であると認識いたしております。

先般公表されました令和4年国民生活基礎調査におきましては、こどもの貧困率やひとり親世帯の貧困率が前回2018年の調査より低下したという結果が出ました。貧困率が改善したこと自体は望ましいことでありますが、ひとり親世帯の貧困率は依然として高い水準と言わざるを得ません。

また、こどもの貧困の状況につきましても、所得だけではなく多面的に把握し、対策に取り組んでいくべきであり、引き続き学習支援、就労支援など様々な支援に取り組むことが重要と考えております。

こうした考えの下で、先月に閣議決定をされましたこども未来戦略方針におきましては、ひとり親家庭の自立促進の対応を進めることを盛り込んだ上で、今後、こども大綱の中で具体化する貧困等に関する支援策についてさらなる支援の拡充を検討することといたしております。

このため、こどもや若者たち、子育て当事者の皆様、こどもに関わる有識者の皆様の声をしっかりと伺うことが不可欠だと考えております。どうか委員の皆様には、今後の議論におきましても、それぞれの立場から忌憚のない御意見をいただくようお願い申し上げます。

今日、私、この後予定が立て込んでおりまして、出なければなりませんけれども、先生方の毎度の議論につきましては、議事録なり、あるいは事務方から報告をいただいて、私自身、フォローアップをいたしまして、リーダーシップを持ってこのこどもの貧困対策が前進するよう努めてまいりたいと思っておりますので、引き続きの御指導をお願い申し上げまして、私からの挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

新保部会長: 小倉大臣、おいでいただいて、そして、御挨拶をいただいてありがとうございました。

小倉大臣は、この後公務のため、退席されます。

私どもは議事を続けたいと思いますので、報道関係者の皆様は御退室をお願いいたします。

(小倉大臣、報道関係者退室)

新保部会長: しばらくお待たせいたしました。

それでは、先ほどの事務局からの説明について、委員の皆様から御発言をいただきたいと思います。御発言がございましたら、「手を挙げる」機能を活用して御発言の意思をお示しいただければと思います。また、委員提出資料がある場合は、それを必要に応じて御活用いただければと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。

御発言をお願いいたします。

挙手いただきありがとうございます。最初に挙手いただいた松本委員、お願いいたします。

松本委員: 松本です。

細かいことが2点、あとは議事の進め方というか、この部会の位置づけについて確認の質問が1点です。

細かいことの1点目は、ノイズが入っていて、恐らく事務局のほうのマイクのどれかがオフになるべきがオフになっていないと思うのですけれども、ページをめくるノイズとか、あと、たまにひそひそ話とかが入っておりますので、御確認いただければと思います。ひそひそ話の中身は聞こえておりませんので、御安心ください。これが一点であります。

2点目は、先ほど赤石委員からチャットで確認がありましたけれども、部会長の選任は互選という手続を取るはずではないのかと。その手続について取られたのだろうかという趣旨の確認のチャットだったと思いますので、これは私も同じことを感じましたので、この点について、後に残るものですので、丁寧な手続を取られるということを、結論については全く異論はございません。これが2点目であります。

議事の進め方についてというか、部会の位置づけについてということなのですけれども、続けてよろしいですか。

新保部会長: はい。お願いします。

松本委員: 火曜日に基本政策部会がございました。そこでも基本政策部会あるいは基本政策部会で討議をしている大綱の策定、あるいはその見直しと各こういう部会の関係について質問をいたしました。そのときの事務局からの御説明によると、今作られた大綱の資料にかなり細かい政策の一覧が出る。子供の貧困大綱の後ろに政策と数値目標が出ていますよね。ああいうものがかなり大部に載るという形でこども大綱の議論を基本政策部会で進めておりますけれども、これらの細かい政策にどういうものを盛り込むかという議論については、基本政策部会では議論しないということでありました。それは予算要求との関係があるので、事務局のほうで整理される、付録としてつけるということでしたので、部会の中で議論しないということがありました。

では、それは例えばこどもの貧困関係のところであれば、例えばこの部会とか、それぞれのより専門性の高い人がたくさん集まっておられる部会のところで議論をするのかということでありましたら、それもしないというお答えでありました。見直しもそれぞれのブランチの部会ではしないという御説明がありました。

そういう進め方に私は異論はありますけれども、そういう確認の下でここでのこれからの議論は進められるということでよろしいのかということが一点であります。

もう一つは、仮にここでの議論が今策定中のこどもの貧困大綱及びその付録に予定されているかなり細かい施策なり数値目標のところの議論とリンクしないということであれば、この部会は今年何を議論するのだろうと。何に向けて我々は発言をしたらいいのかいうことについて、今年度、何をこの部会は議論するのかということ、見通しについてもまず確認をいただきたい。でないと、この後の議論がどこに向かって議論したらいいのかということが分かりにくくなるということ。

もう一つは、ここでの議論が大綱の策定のところにリンクするということが必要だと思いますが、もしそういうことをお考えであれば、それはどういう回路でなされるのかということであります。

基本的にこの議論と基本政策部会での大綱の議論の関係ということについて、火曜日の基本政策部会で御説明いただいたことに私は別の異論もございますけれども、ただ、どういうフレームワークで議論しているのかということがここでも共通認識になっていないとまずかろうと思いますので、その点の確認を求める発言であります。

以上、少し長くなりました。

新保部会長: 松本委員、ありがとうございました。

では、事務局のほうから御回答をお願いいたします。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 事務局のほうから回答させていただきます。

まず、最初のノイズの点、不手際があり、失礼いたしました。

今は大丈夫でしょうか。今後とも不手際がないように気をつけさせていただきます。

2点目の委員の互選の点なのですけれども、こちらも事務局の不手際で申し訳ございません。本来であればこちらのほうで部会長案、部会長代理案ということで事前に委員の皆様にお知らせするというような手続が必要だったと認識しております。手続の話でございますので、この会議の後に、メールでのやり取りになりますけれども、おわび方々、そこはフォローさせていただきたいと思います。

それから、松本委員、大きな方向性の点の質問をいただきました。ありがとうございました。

基本政策部会での今週の説明というか議論については、私どもも承知しております。言い方が議論しないということなのですけれども、その点、この施策を担当している私どもの考え、受け止め方としては、こども大綱というのは方針を示すものですので、一言一句に具体的な政策が表現されるわけではないということと、具体的な政策、それぞれの政策課題についての方向性は各部会で議論いただくということだったと理解しております。

一方で、誤解がないようにお伝えしておきたいのが、こども大綱の議論が各部会の議論を完全に射程に入れないということではございません。部会での議論を反映していくという形になります。

ルートとしては2つございます。一つは部会の活動としてということでございますが、こども大綱を議論する基本政策部会で、各部会の部会長とか、あるいは部会員の立場としての意見を発言するという機会を設けることも可能だと聞いておりますので、私ども、この部会の事務局としては、こども大綱の途中段階の案のようなものをこの部会で議論していただいて、それについてこの部会での議論の状況ということで御報告するというのを考えております。これは部会としての動きということになります。

あともう一つは、部会というのは、委員の皆様の御都合もありますので、開催回数というのが限られてまいります。当然のことながら、このこども家庭庁の中で部局が連携してこども大綱を作っていくということになりますので、事務局としてもこの部会での議論の状況というのをしっかり把握して、こども大綱の案といいますか、素案の協議が来たときに必要な意見を盛り込んでいくといったこども家庭庁の中での動きがございます。

今、大きく申し上げるとそういった形でこども大綱への反映というのは考えております。

ただ、位置づけとして、やはり各具体的な政策についてはこちらで議論するということになります。一方で、幾ら考え方を示すと言っても、考え方の裏づけとなる具体的な支援というのが何も対応関係がないということになると、それこそ絵に描いた餅ではないですけれども、単なる文章になってしまいますので、そこは必ず支援メニューの裏づけというのがあるものとして大綱がまとまっていくと考えております。

新保部会長: ありがとうございました。

松本委員、いかがですか。

松本委員: 御説明について理解はしたというか、意見はありますけれども、1点確認なのですが、議論をしないという私の言い方がそれは違うのではないかということでありました。だとすると、例えばこども大綱の後ろに政策なり数値目標の案が出ておりました。

案というか出ておりましたけれども、それの原案のようなものがここに提出されて、それについて意見を述べる機会があるという理解でよろしいでしょうか。私はそれがないと火曜日には説明を受けたと認識しておりますので、私の誤解であれば、案は提出されるということでしょうか。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 具体的な数値とかそちらについて、具体的に一言一句ということをここの部会の議事では予定していないのですけれども、こども大綱の動きという形でこちらに情報を共有させていただくようにします。

松本委員: 基本政策部会でもその案というか一覧のたたきは出ないというニュアンスの御説明だったと理解しておりますので、もし誤解があれば御訂正いただければと思います。

それでいいのかという意見が私にあります。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 承知しました。私どもも事務局として再度確認して、委員のほうにお返しさせていただくようにいたします。ありがとうございました。

新保部会長: ありがとうございます。

それでは、続いて渡辺委員、お願いいたします。

渡辺委員: ありがとうございます。

まず、松本委員もおっしゃっていましたが、この会議は希望としてはぜひオンラインではなくリアル会議で、皆さん参加することは難しいかもしれないのですけれども、やはりオンラインだと聞きづらかったり、なかなか見えないところもあるので、非常に重要な会議だと思いますので、できればリアル開催でやっていただけるとありがたいなというのがまず一点、事務局へのお願いです。

2点目です。こどもの貧困率について11.5%で下がったということがございましたが、現場でやっている実態とはこれは大きくかけ離れておりまして、これについては本当にいろいろな活動をしている団体とも話しておりますし、私も少し発信をさせていただいておりますが、日本の少子高齢化が非常に進んでいる中で、いわゆる高齢世帯の割合が全世帯に占める比率が非常に増えておりまして、高齢世帯は皆様ご存知のように非常に所得が少ない。働いていらっしゃらない方が多いので、そういう中で全世帯の中央値が下に引っ張られているという状況でございまして、これは貧困率が改善したのではなくて少子高齢化が非常に進んでいる。こどもが減っていて児童のいる世帯が減っていて、高齢世帯が非常に増えている、単身高齢みたいなものが増えると、全世代の中央値は当然下がってくるわけでして、これが下に引っ張られてしまっていることで、見え方としては児童のいる世帯の貧困率も下がっているということでございますが、全世帯とこどものいる世帯、児童のいる世帯の平均所得が1.4倍の乖離があるという中で、全世帯の中央値でこどもの貧困率をはかっても、もはや意味がないものではないかと私のほうでは考えております。要は見かけの数字が下がったから良かったということではなくて、本当に苦しんでいる方が非常に増えておりまして、多分末冨委員からこの後あるかもしれませんが、多くの子育て家庭が苦しい中で、どういった御家庭、こどもたちを貧困と捉えるか、こどもの貧困対策のターゲットにしてそこに施策を打っていくのかということは非常に重要だと思っております。

私たちが実施したアンケートでも、困窮子育て家庭、年収が300万円以下の御家庭が9割みたいなところでやると、高校生を持つ家庭の2割が経済的理由でこどもの進路を変更してもらったと。大学に行ってもらうつもりだったけれども就職にしてもらっただとか、専門学校にしてもらったとか、理系に行ってもらうつもりだったのだけれども、やはり学費が高いので文系に変えたとか、本当は県外の大学に行きたかったけれども、一人暮らしができないので家から通えるところにしたとかということがございますし、中高生を持つ家庭の4割が経済的理由で部活に影響が出ていると。部活をやめてもらったとか、運動部はできないので文系を選んでもらったとか、部活に入ることを控えてもらったとか、あとは道具が非常にかかるので、そういったものを我慢してもらっているとかというところで、こういうこどもたちの成長を支えていくのかということは非常に重要だと思っております。

最後になります。養育費について、取り決めを上げていく施策に力を入れているという御説明がありましたが、これは取り決めをしてももらえていないという御家庭の苦しさというのがものすごくあるわけで、これをどうしていくかということも同様にやっていかないと、取り決め率だけが上がっても、せっかく取り決めたのにもらっていないという家庭が本当に苦しい状況です。

もう一点、コロナとかそういったことで払う側の状況が厳しくなると、払わなくなるということが起こるのです。要は今、養育費を払わないことに対して日本では何の罰則もない中で、善意の方だけ払ってそうではない方は払わないという中で、本当に皆さんコロナで苦しいのに、さらに養育費も入らなくなったという方が多い中で、やはり養育費の受け取り率をどう上げていくかということを同様にやっていかないと、ひとり親の問題は解決しないと思います。

すみません。長くなりましたが、私のほうからは以上です。

新保部会長: 貴重な御指摘ありがとうございます。

では、続いて荒井委員、お願いします。

荒井委員: 荒井です。ありがとうございます。

私どもの施設のことに少し触れさせていただきます。皆さん御存じだと思いますが、我々の母子生活支援施設は児童福祉法で規定された施設でありまして、子育ての支援を進めながら母子の生活、自立を支援します。18歳未満のこどもを養育している母子家庭、または何らかの事情で離婚の届出ができないけれども母子家庭に準ずる家庭の女性がこどもと一緒に利用できる施設です。

その上で、我々は先般の社会保障審議会の児童部会の社会的養育専門委員会の中で、3つの提言をしております。全てのこどもが希望を持って生まれ育つ社会に、産前・産後支援ということ。また、地域における子育て世代の支援拠点としてのアフターケアを含む地域支援。また、分離しない支援からつながりの回復を目指してということで、母子関係の再構築支援の3つの支援を柱とした意見を取りまとめて、その背景と現状、また、課題認識を示した上で、地域での切れ目ない支援を実現していくために家庭優先の理念を対応したセーフティーネットとして、こどものパーマネンシー保障とウェルビーイングの実現のために積極的に活用されるように提言をしています。

また、母子生活支援施設はDVのみの保護施設のような取り合いをされているところもありますが、地域の子育てを応援できる施設として、また、社会資源として、我々は市町村が実施し得る国が示す施策を活用した予算や制度を確保して子育て支援、応援をしていきたいということを活動の中で示しております。

ただ、現実のところは、母子生活支援施設自身の充足率は半分程度という現実があります。それは御存じのように、やはり市町村が私たちの措置をする主体となってまいります。

権限移譲ということもあって、本当に市町村の格差、理解の格差もあります。また、様々な相談機関の方々で母子生活支援施設の機能も含めた内容を御存じないという方もおられるようで、なかなかその辺がしっかりと支援につながっていないなというのが私たちは感じているところであります。

今回の部会の議論の中で、ぜひともしっかりと市町村の担当または措置するところまで我々の内容がまずしっかりとつながっていけるような形で議論が進んでいただけるとありがたいなと思っているところでもありますし、また、我々自体、組織としてしっかりと地域の子育て応援はもちろん、ひとり親、母子家庭、父子家庭の方々も含めて応援できるような形で活動を進めていく。また、社会資源として成り立っていけるような形で私たちは進めてまいりたいと思っております。まずは議論の中でしっかりとお示しいただけたらなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

以上であります。

新保部会長: ありがとうございました。

それでは、末冨委員、お話しいただいてよろしいですか。

末冨委員: 私のほうは意見書を出させていただきましたので、そちらを基に話をさせていただきます。

こちらのほうがメモですけれども、時間の都合もございますので、かいつまんで御説明を申し上げます。

先ほども事務局から御説明がございましたけれども、内閣府のときから委員をしております皆様は御承知のとおり、既にこども大綱に向けての意見というのが出ております。それを踏まえまして、今、特にこども家庭庁の体制の下で改めて共有するべきことは何だろうということで、大きく分けて4つのことを申し述べさせていただきたいと思います。

まず一つは、こども政策の最優先課題としてこどもの貧困を位置づけていただきたいということです。やはり該当するこどもたちは相対的に貧困率だけがよく言われるのですが、相対的貧困の外側にいる膨大な準貧困層も合わせると、本当におよそ子育て世帯の6~7割のこどもたち自身が深刻な状況に置かれているというボリュームゾーンが非常に大きい問題であるということを改めて認識していただきたいということです。

それから、内閣府時代からずっと申し上げてきましたが、現金給付がこの国では圧倒的に足りない支援の一つですので、ぜひこの機会に財源の確立をということと、それから、ひとり親関係の皆さんも多いのですけれども、やはりふたり親の困窮世帯ですとか、実は学力・学習状況調査の結果からは、親が不在、きょうだいだけで暮らしているといった世帯もあるということも把握されておりますので、ひとり親、ふたり親、それから、親が不在といった困難な世帯のこどもたち、全てのこどもの貧困対策の前提の共有ということをぜひこの機会にも委員の皆様にも共有させていただければなと思います。

2番目は、先ほど松本先生もおっしゃいましたけれども、こども大綱につきましては、内閣府で一番最初にできた子供の貧困対策の大綱も非常に短い間で一生懸命事務局にお取りまとめいただいたのですが、こうした会議の委員のほうがそれが十分共有されていなかったので、何でこういうことになったのかなということがございました。今回はそうではなくて、やはりどの部会でも期待が高いということですので、ぜひ関連部会との情報共有、大まかな形ではなく、なるべく具体的な内容を伴ったものと、これは非常にいい内容ですよねとか、もう少しこうしたらどうですかというような確認のプロセスを置いていただくことで、オールこども家庭審議会での応援というものが一層可能になると存じます。

あわせまして、こちらの2点は今からの課題で若干ハードルが高い面もありますが、今日お休みでいらっしゃいますけれども、若者の委員というのがこうしたYouTubeの公開の場でしゃべるというのは結構勇気が要ることです。例えばこどもの貧困対策の政策を打つに際しても、家族、それから、当事者ともに心理的安全性やプライバシーを保った形での対話ですとか、あるいはいけんプラスの活用など、多様な意見表明参画を実現いただきたい。公開原則にだけこだわるということではなく、いろいろな形でぜひ調整をいただきたいということです。

あわせまして、この部会は20人委員がいて、私が参加する会議の中でも大きいほうですので、課題に応じてワーキンググループを開催し、それを全体会議でまたさらに洗練させるなどの工夫、あと、対面で会うのも大事ですし、私自身もせっかくですので何か交流企画もと思いますが、委員同士が内実を伴って信頼関係の下で議論を展開できるような企画もできればと提案させていただきます。

あわせまして、こちらのほうは後ほどの山野委員の御発言にも譲りますけれども、とにかくこどもを支える人、特に学校の常勤スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーが足りなさ過ぎるということもございます。

あわせまして、今、渡辺委員の団体をはじめ、各団体が職の支援ですとか現物給付を一生懸命頑張っておられるのですが、これは控除で支えていただきたいということです。

あわせまして、児童扶養手当、それから、児童手当を低所得世帯にも拡充いただきたいということ。そして、こども未来戦略会議で、こどもの支援を増やすならこどもの税を減らす、扶養控除をなくすというようなお話も出ていますが、それが一番子育て世帯にとっては困ることですので、せっかくここまで政策が進んできた今だからこそ、こどもの扶養控除の復活・拡充と現金・現物給付のトータルパッケージの話もできるのではないかと思います。

最後に、EBPM体制、データ連携体制を確立し、支援が届かないこども・家庭をゼロにということで、私自身は以前から全国学力・学習状況調査を活用して、貧困世帯とそうでない世帯、あるいは全体とのギャップを改善するという指標を作っていただきたいと文科省にもお願いしておりましたけれども、こども大綱に向けてぜひ国の関連調査というものを活用して、しっかりEBPMをしていただきたいということです。

あわせまして、今、こども大綱の下で関係者が心配しておりますのが、こども大綱ができたらこどもの貧困対策はやらなくていいのだ、調査はやらなくていいのだということにはならないようにしたいということです。むしろこども大綱の下でこそしっかりこどもの貧困の調査もやって、それをこども計画に反映するということもこども家庭庁でやっていただきたい。

あわせて、こどもの生活状況調査の国の定期実施ですとか、それらを支える専門家登用、こどもの貧困調査の専門家登用のEBPM体制の確立というものもお願いできればと存じます。

以上、急ぎ足でしたが、意見書に基づいて発表させていただきました。ありがとうございます。

新保部会長: ありがとうございます。

残り22分ぐらいですけれども、今、7人の方が手を挙げていらっしゃいます。制約をかけて申し訳ないのですが、これからの御発言はお一人2分をめどに御発言いただきたいと思います。お手数をおかけします。

では、次は山野委員、お願いいたします。

山野委員: 山野です。どうぞよろしくお願いします。

私も初めに、2分ということですから急ぎ足になりますが、松本先生、末冨先生がおっしゃられた、ここの前身である今までの子供の貧困対策の会議は、一人一人の意見を丁寧に確認し合い、拾い合い、文章にし、修正しということを繰り返してきました。初めの大綱は本当に4回で、さっき末冨先生がおっしゃられたとおりだったのですけれども、その後は随分丁寧に議論してきました。そのことでより力強い、これは施策を応援していくもの、施策をみんなで確認していくものですから、こどものためにそういう工夫をもう一度考えていただきたいなと私も思います。

2つ目に、私が出させてもらったこのペーパーに基づいて話します。まず、主な施策の中で配付いただいた文章の中で、教育の支援というところで、スクールソーシャルワーカーは大綱の中で一番初めに出してくださっていたわけですが、なかなか広がっていません。

スクールソーシャルワーカーが常勤で置かれている自治体もありますが、校数に見合いません。常勤であったとしても1人に対して30校も持っているような形ですから、学校から見たら週1回あるいは月2回しか来ない人です。呼ばれて初めて来る特別な人です。今出されていた話もですし、いろいろな事件を見ても学校の一員として事前に関わっていることがほぼない。この間、大阪でも45回入院を繰り返しているというような事件も起きていますが、学校を責めるとか、関係者を責めるのではなく、そこを拾い上げて、全てのこどもたちがリスクを拾い上げていく形になっていない。担任が「どうする」ではなく学校で「どうする」かになっていない。これはデータ連携の話でもありますが、データから異変に気付いて、そこを実際につなぐことや対応を提案するなど動かせる人が要るのです。先ほどのすばらしい母子のITの話も、そこへつなげる人が要る。しんどい人ほどそういった支援には行っておられない、つながっていないというのはひとり親世帯でも貧困の世界でも同じです。そういう意味では、全てのこどもたちを把握している学校でキャッチし、つないでいける仕組みと人材が要る。その人材のところがスクールソーシャルワーカーだということで、ここを正職化すべきではないかと、これはずっとあちこちで出されていますが、補助金予算の話ではないということです。正職として位置づけていくということを、今まで私はあえてあまり言わなかったのですけれども、ここまでの時期に来て、やはり声を大きくしてお伝えしたいと思います。

そのときにいつも言われるのは、スクールソーシャルワーカーがいないということが議論されます。しかし、ここにペーパーを貼っていますが、日本ソーシャルワーク教育学校連盟が出している調査で、養成している大学の数がたくさんあって、毎年1万2000人の社会福祉士が誕生します。その中で、こどもや学校教育に興味を持っているという学生は50%以上いるのです。トップです。だけれども、皆さん就職を諦める。うちの大学でもスクールソーシャルワーカーになりたい人はたくさんいます。でも、就職する人はゼロです。なぜかと言ったら、非常勤で週1回とかの雇用だからです。

こういったことの資料を書いていますので、正職を求めるのが94%、学生は94%正職を求めていて、スクールソーシャルワーカーの実態は非正規が94%だというこのペーパーをぜひ見ていただいて、ワーカーがいないのだという理屈ではなく、考えていただけたらなと思います。貧困との絡みは大きいので、ここで言わせていただきました。

私からは以上です。ありがとうございました。

新保部会長: ありがとうございます。貴重な御指摘をいただき、ありがとうございました。

続いて、赤石委員、お願いいたします。

赤石委員: 赤石です。

先ほどの部会長と部会長代理については、結果についてどうのということではないのですが、ここでリアクションを取るのでも結構ですので、何かの手続が必要であったかなと思っております。よろしくお願いします。

末冨委員、それから、渡辺委員もおっしゃっているように、今のこの段階でのひとり親あるいは貧困なこどもたちの状況は非常に厳しいものがあります。それをまず御紹介したいと思います。

私の資料を御覧ください。

私ども、4,300世帯に食料支援をしているときに、こういった調査をしております。現在の暮らし向きは98%が苦しいと答え、お米を買えないことがよくあった、時々あった方が65%。これは、私ども、食料支援のときに聞いたことがあるのですけれども、2020年は40%ぐらいだったのです。どんどん増えています。こどもの服や靴が買えないときがあった、90%の方がよくあった、時々あったと答えています。親の食事を1食抜かすという方は8割です。

それから、孤独・孤立対策のところなのですが、ひとり親の知り合いがいないという方は4割に上ります。また、就労形態が非常勤の方、パートの方、そういった方はやはり窮迫しておられますし、お子さんが多いほど困難を抱えておられます。

また、声を御紹介したいのですけれども、お腹が空き過ぎて学校を休み、家で寝ていることがよくあったけれども、支援を受けて空腹が満たされるようになったので、友達に会いたいからと学校に毎日通うようになりました。

お弁当が持たせられないときにトイレに籠もっていたと以前息子が言っていました。食料支援でお米が来るようになって、おにぎり1つでも持たせられるようなので、トイレに籠もることがなくなったとうれしそうに言っていてショックでしたというのを、お母さんがお弁当を持たせられていなかったのは御存じだったわけですけれども、おかげでクラスで仲間はずれになっていないですとか、自殺防止に役立っていますとか、こういった声をいっぱいいただいております。

本当に今の状況は待ったなしに厳しい状況でございます。私ども、就労支援もしておりますけれども、景気が回復しているのになぜ困難なところで非常に生活が困難なのか。もう一つの要因は、やはりお子さんの発達障害や不登校、行き渋りというのはやはりコロナで増えているのです。そうすると、親の就労困難になっています。それから、お母さんと病気等で、私、去年、100人の方の就労支援をしましたが、20~30人の方は困難要因を皆さん抱えていた。就労したいと思っている。でも、できない要因を抱える。その方たちを就労に結びつけるのか。本当に四苦八苦しながら、お時間が少し調整できるようなコールセンターのお仕事等を紹介してまいりました。

それから、先ほどの資料の46ページ、最後のところにこども・子育て予算倍増に向けた大枠と言って、最後の最後に入ったこども大綱の中で具体化する貧困、虐待防止、障害児・医療的ケア児などの予算は5000億円というようなことを聞いております。やはりここでひとり親あるいは対象のこども世帯に5万円ずつとか配られました。恒久的にしていただきたいというのが私ども本当に切なる望みです。児童扶養手当をこども1人5万円給付していただきたい。こども1人ずつ加算ではなく、このようにお願いしたいです。

あと、細かいことなのですけれども、やはり母子・父子施策はいろいろなところで非常に旧体制のままです。例えばIT支援とかおっしゃっていますが、母子・父子自立支援員さんにパソコンが支給されているでしょうか。前の会議では、うちにはないですとおっしゃっている方がたくさんいらっしゃいました。ぜひ後で教えてください。

それから、ひとり親の日常生活支援事業、今回発信されていましたけれども、ほとんど使えません。メニューだけあって使えない制度がたくさんあるのです。こういったものをちゃんと使えるものにしていかないと、こどもの貧困は救えないと思っております。

最後に、子供の貧困大綱とこども大綱のどちらにこの部会がひもづくのかということをぜひ教えていただきたいです。

それから、法制審議会で養育費のことなどいろいろ議論されておりますが、ぜひこのこども家庭庁の審議会で法制審議会の議論に教育、医療、税制、こういったものの横ぐしを刺していただくような体制をお願いしたいと思います。

以上です。

新保部会長: 大切な御指摘をいただき、ありがとうございます。

質問が幾つかありましたけれども、質問については最後に時間の範囲で御回答いただこうと思います。

続きまして、村田委員、お願いいたします。

村田委員: ありがとうございます。

それでは、私のほうから手短に1点。

その前に、1つ要望として、何人かの委員がおっしゃっていましたけれども、ぜひ対面でこの会議を開いていただければと思います。聞き取りにくい云々ではなくて、やはり対面でお会いすることによって、皆様の気持ちだとか、それから、情熱だとかというのがお互いに伝わるのではないかと思いますので、ぜひそこはお願いしたいと思います。

私からは1点だけでございます。手短にということでございますので、今日の資料の42ページの子供の貧困対策に関する大綱の進捗状況のところで、一番大きなところの基本方針のところで、「貧困の連鎖を断ち切り」、この言葉は大綱等のこれまでの文章などによく出てくる言葉だと思いますが、やはり貧困をなくしていく、それから、ひとり親の、今回の部会の大きな目的というのは、最終的な目標はこのこどもの貧困の連鎖をなくしていくことなのではないかと。今の世代の貧困をなくしたとしても、次の世代がまた貧困になってしまっては意味がないわけで、この貧困の連鎖をなくすには、やはり教育なのだろうなと。それも高等教育、大学になるべく多くの学生を行かせることが重要で、今日のデータにもありましたけれども、ひとり親家庭の大学進学率は日本の平均は52%ぐらいだと思うのですが、かなり低いわけで、そういう意味では、そこのところをちゃんとしていかないといけない。もちろん、それには高校生あるいは中学生、小学生の支援が当然必要になってきます。お金の問題だけではなくて、いろいろな団体が今お話がありましたようなことも含めてやっていく必要があるのではないかと思います。

1つだけデータを御紹介させていただきますと、2006年にあしなが育英会で大学奨学.生と高校奨学生の母親の年収を調査いたしました。大学奨学生が220万円ぐらい、高校奨学生が160万ぐらいです。現時点で大学奨学生の親の年収は今、210万ぐらいに下がっております。それから、高校奨学生の親の年収は140万から150万に下がってございます。

もちろん失われた30年ということもありましょうが、残念ながら高校奨学生と大学奨学生で大学に行く閾値が160~170万のところにある。まさに貧困層がより貧困になっているというのが現状でございまして、ここをやはり支援していかないと大学に行けない。大学に行けなくなると、就職等のところで非常に厳しい。高卒での就職というのはなかなか厳しいというのは皆さんよくお分かりだと思いますが、そういうことも含めて、貧困の連鎖をなくす方策をトータルで考えていくのがこの部会の仕事なのだろうなと思ってございます。今後ともよろしくお願いいたします。

新保部会長: ありがとうございました。

続いて、大橋委員、お願いいたします。

大橋委員: 恐らくもう2分も持ち時間はないと思うので、端的にお話しさせていただきます。

私から2点だけ、個別の施策という点でお話をしたいと思っております。

まず1点目なのですが、今回、既存の就労支援の施策を御説明いただきましたけれども、やはりひとり親本人の自助努力を求めるような視点が強いという感じを受けております。

当然、ひとり親家庭の貧困率の高い背景として、就労者の半分程度が非正規雇用であるということが影響しているのは明確だと思っていますので、そういった環境を前提として、自助努力を後押しするだけではなくて、そもそもの労働環境の変化を促していくアプローチも大事だと思っております。具体的には厚労省とかとも連携しまして、既存のキャリアアップ助成金をもっと拡充する。例えば非正規のひとり親家庭を正規雇用した場合の助成金をつくったり、子育てと両立しやすい就業規則を導入している場合に助成金を手厚くするだとか、厚労省との連携というのも今後必要になってくると感じております。

もう一点、不登校の小中学生が今、全国24万人を超えているということは御存じだと思うのですが、我々も感じておりますのが、その中でも経済的な問題によってこどもの権利が侵害されているこどもたちというのがやはりいるだろうと感じております。例えば学習権を保障するという点でも、フリースクールだとか、あるいは民間の教育サービスとか、そういったところになかなかアプローチできないこどもたちというのもたくさんいるという実感がありますので、例えばクーポン券の支給だとか、あるいはフリースクールへの通所の交通費の支給とか、そういった面での経済的な支援というのも今後必要ではないかなと思っております。

最後ですけれども、やはり不登校の対応というのは文科省、教育委員会の役割という意識を現場のほうで感じる場面というのは非常に多くあると感じております。一方で、文科省、教育委員会は予算的にも人的にもなかなか制約があって、迅速に十分に動けないということも多いと感じておりますので、やはり不登校の対策についても、福祉サイドが前面に立ってリードしていくぐらいの姿勢というのが必要ではないかなと感じております。

以上でございます。

新保部会長: ありがとうございます。

残り3名の方がおられます。もしかしたら時間が12時で終わらないかもしれませんが、少し延長させていただくことを御容赦ください。

まず、花田委員、お願いいたします。

花田委員: ありがとうございました。

私はこういう部会に初めて参加させていただいたのですけれども、本当に様々な制度とかスキームができているのだなというのは分かったのですが、本当に自治体の差が大きくて、自治体によってはそれを積極的に進めているところと進めていないところ、あるいはこれだけのスキームがありながら周知がやはりなかなかされていないという現状があるのかなというのを感じたところです。なので、自治体の中でも中心となって進めていけるようなところがあるといいなというのは感じたところです。

それと、大綱の枠組み案について、こども、若者、子育て家庭のライフステージに応じて切れ目なく対応ということがあるのですけれども、確かにこども食堂で食事の支援、それから、学習支援、自立支援、様々なスキームが今活用されているとは思うのですが、こどもの貧困はそこだけ手厚くすれば終わるという問題ではなくて、そこに伴走者がいながら、ここが困ったというときにどう相談できて、ではどの制度につなげていくかということがすごく大事だと思うのですけれども、児童養護施設でもこどもが入所してきたらまず自立支援計画というのがあって、こどもの意向、保護者の意向をしっかり聞き取りながら毎年見直しを行っていくのですけれども、その御家族にしっかり伴走できて切れ目なく支援していけるような仕組みがあると本当にいいのにと感じました。

それともう一つは、施設にいるとこどもたちは入所する前の家庭環境が当たり前だと思って育ってきているこどももいます。施設に入ってくるこどもたちは、実際に入所時にこども手当は1円もないとか、家族の方が貧困を抱えておられるとそこの生活費に使われることもあります。こども自身の教育費につながっていくということがほとんどなくて、こどもの貧困というかこどもの声をどうやって拾っていくのかというのを一方ではしっかり考えないと、親支援が充実することと、先ほども御意見が出ていましたけれども、こどもの声を拾うという意味でも学校現場にスクールソーシャルワーカーが必置にならないと、学校の先生方も対応に追われていますし、不登校の数も、それこそ発達障害を抱えるこどもたちの数も、それから、困難な御家庭、いろいろな課題を抱える数も増えています。本当に実情、学童期に入ると、そこをしっかり見られるのは学校の先生方かなと思うので、スクールソーシャルワーカーというのがこれから大きい役割を果たすのではないかなと思います。

以上です。

新保部会長: ありがとうございました。

続いて、村上委員、お願いいたします。

村上委員: 御指名いただきました村上でございます。

もう時間がないというところがありまして、冒頭、手短に伝えたものですが、父子家庭というところに焦点を当てたようなお話になるのですけれども、4つのひとり親家庭を支援する柱がある中で、児童扶養手当の証書を持っていらっしゃる方は行政の窓口にはつながるのだけれども、持っていらっしゃらない方はそういった対象というか、行政の窓口につながらなくて、様々な福祉サービスであったり、民間支援の情報というものを取得できない立ち位置にいますよというところがまず一点。

もう一つは働き方の部分なのですけれども、私、年間約100件、200件近く父子家庭の方の相談を受けていく中で、一番言われるのが、働く職場の中で、やはりキャリアカットであったり、収入の部分が言ってみれば減算されたり、解雇通達を受けるだったり、アルバイト雇用にされたり、派遣に落とされたりというようになっています。資料のほうにもあったかどうだったか忘れたのですが、父子家庭の場合、両親と同居しているケースも非常に多いのですが、両親にこどもを見てもらうのだけれども、そういった中で仕事を一生懸命頑張りますよと。ただ、両親も要介護という状況もある中で、介護もしなくてはいけない、仕事もしなくてはいけない、子育てというような部分にも焦点を当てていかなくてはいけないということの中で、こどもの最善の利益を考えようとしたときに、両親を特養ないし高齢の住宅型施設に預けていかないと、一人で子育てというようなところを第一にしていくというような選択をすることはできないというようなこともあります。
そういった情報というのが、本来であればスクールソーシャルワーカーさんないしというところからすくい上げられていって、高齢であればケアマネ、障害であれば相談支援事業所というところで許容されながら担当者会議というところを行っていって、それぞれの個別支援計画をつくるということにもできるとは思うのですが、ただ、そういった今回のこども家庭庁で行われる大綱というものが、そういった各省庁に横ぐし的にしっかりされていく中で、そういったこどもたち、様々な貧困状態に置かれているこどもたちをまず見つけていくというような部分で、セーフティーネットを広く広げていく必要があるのではないのかなと思っております。

あと、赤石さんないし末冨さんないしがいろいろと言ってくれたのであれなのですけれども、最後に養育費の件なのですが、養育費はこどもの権利として位置づけられているとは思うのですが、実質は監護権を持つ養育者が代理請求するという形になっているかと思います。ただ、養育費は児童の権利であるにもかかわらず、法律上、債務という取扱いにならないのです。こどもが16歳になると、自分で養育費の請求を起こすことができるのですけれども、そういった不払い請求、不払いの養育費を債務として取り立てていけるような意思決定支援であったり、そういった権利がこどもたちにあるというようなことも法律的なところの位置づけとして、やはりこどもの権利、こどもの意思、こどもの人権というところを守る上でも必要な考え方になってくるのではないのかなと思っております。

すみません。長くなりましたが、私のほうからは以上です。

新保部会長: ありがとうございます。大切なことを教えていただきました。

先ほど当事者委員からチャットが入っております。おられるようですから、どうぞ御発言してください。

当事者委員: 時間がいっぱいなのかなと思って送らせていただいたのですが。

新保部会長: 時間で急がせてしまって、申し訳ございません。もし可能でしたら、短く御説明いただければありがたいです。

当事者委員: ありがとうございます。

書かせていただいたように、特別給付金などをいただけるのは本当にうれしいのです。あるのとないのとでは全く別なのですけれども、私の息子は去年地味な部活に入っていて、それでいいのかなと思っていたのですが、ある日やりたいのだと言ったのです。サッカー部なのですけれども、やりたいと言うのであればやらせてあげたいと思って、部活に入部いたしました。ただ、金額がすぐ出ていきます。3万7000円なのですが、もっと出ていきます。スパイクは、すごく頑張るので、大体2か月に一遍駄目になっていって、1万2000円、1万5000円、ちょっといいスパイクだと2万円が飛んでいきます。これが給付金5万円だと、うれしいのですけれども、正直、部活の費用の援助とか、何か助成金があると正直うれしいなと思いますが、それは贅沢なのかなという思いもあります。

ただ、息子はやりたい部活ができて、今は本当に真っ黒に日に焼けて、ぐっすり眠って、去年までは本当にけんかが絶えなかったので、こんなにこどもはやりたいことをやれるのとやれないのでは全く別次元なのだなと。別の人間を見ているような感覚でおります。

なので、こどもの貧困対策は大事なのですけれども、こういったこどもの心の成長の機会、心の貧困対策もカバーしていきたいなと思っていて、本当にやりたいことがやれない、こどもの成長機会を奪ってはいけないなと思っております。

あと、養育費についてなのですけれども、養育費算定表を基にすると思うのですが、こちらも現代に合っていないなと体感しております。なので、養育費と教育費は別にして捉えていただいて、こどもの成長に合わせて、幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校でかかっていくお金は雲泥の違いがあるので、もちろんそれを予測しながらですけれども、それを変化可能なような対応ができるといいなと思っているので、例えば資料の35ページに養育費の親支援講座というのも書かれておりましたが、これもどこかに呼び出すのではなくて、働いていると呼び出されても行けないというのが現状なので、オンラインなどで柔軟に開催していただいて、同様に養育費、教育費を段階的に変更可能なような話合いができるようなものにもしていただきたいなと思いました。
以上です。ありがとうございました。

新保部会長: 急がせてしまってすみませんでした。貴重な意見をありがとうございます。

お待たせしました。最後になります。大石委員、お願いいたします。

大石委員: 延ばしてしまいましてすみません。

今、私はこども家庭庁の会議室から参加させていただいているのですけれども、お昼の時間を過ぎまして、でも、多分今日お昼御飯を買うお金に困る人はここの場にはいないと思っております。一方、お昼御飯を食べられないこどもが今この夏を乗り切ろうとしていると考えながら、感じながら、この部会を進めていかなくてはならないと思います。

この部会を例えば年間数回開いたくらいではなかなか物事は進まないのではないかと思いますので、やはり実質化のためにも、トピックごとのワーキンググループを設置するという末冨委員の御提案に私も賛成いたします。

省庁連携をする場はやはりここしかなくて、こども家庭庁に対しての期待は非常に大きい半面、非常に厳しい目が今注がれていると私も一委員として感じております。こども家庭庁あるいはこの部会が何をするのか、あるいはしないのかということに対する評価というのは非常に厳しいものが待っていると覚悟しておりますので、その上でぜひ結果を残せるように御協力いただきたいですし、私も貢献できればと考えております。

以上です。

新保部会長: 大石副部会長、どうもありがとうございます。

幾つか質問がございましたが、御回答いただいてよろしいでしょうか。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 質問が幾つかございまして、意見もたくさんいただきまして、ありがとうございました。

全ての質問にこの場でお答えするというのもまた時間の制約がございますので、質問いただいた委員には後ほど事務局からやり取りさせていただいて、事実確認をさせていただいた上で御回答させていただきます。

いろいろな意見、質問の中でも、会議の持ち方に関するものについて、今お答えできる部分を2点だけお伝えさせていただきます。

こども大綱については最初に松本委員から質問いただいて、私もその場で回答させていただきましたけれども、その後も何名かの委員から御質問をいただきました。これにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、こども家庭庁の中できちんと整理しまして、次回までにきちんと整理をしてお答えさしあげるようにしたいと思います。よろしくお願いします。

それから、会議の持ち方として、今、大石委員からワーキンググループとか、そういった御提案がございました。末冨委員からもございました。確かに人数もあって、あと、オンラインということもあって、今回も全員の委員の皆様に御発言いただけなかったなというのが事務局としても心苦しいところでございます。オンラインと対面の組合せ、あと、会議でどういうことを議論していくのか。それぞれの団体で活動されている方にとってはいろいろな要望があると思うのですけれども、そこを受け止める場とこの会議の場ということの仕分けも、会議の持ち方も改めて整理させていただきたいと思います。

以上になります。

新保部会長: ありがとうございます。

10分強過ぎてしまいました。本日の議論はここまでとさせていただきたいと思います。

松本委員: 新保さん、1点確認させてください。

次回はいつ頃の開催でしょうか。というのは、こども大綱の草案というものが8月の末ぐらいにまとまって、9月に基本政策部会で議論してからヒアリングに入るというスケジュールかと思います。先ほどですと、ここでの議論がこども大綱の議論に一応反映されるような回路はあるという御発言でした。次がいつなのだろう、それは何を話すのだろうということが少し気になりましたので、確認させてください。

以上です。

新保部会長: ありがとうございます。

次回の日程については、事務局からこの後お話しいただく予定ですね。

宮崎ひとり親家庭支援担当企画官: 次回の日程は、先ほど松本委員からこども大綱のスケジュールのお話がございましたけれども、そういったものを見据えながら、委員の皆様方に後ほど事務局から御相談、御連絡をさしあげるようにいたします。よろしくお願いします。

新保部会長: ありがとうございます。

今日御発言いただけなかった方がたくさんおられます。申し訳ないなと思います。

大切なテーマを扱う審議会の部会ですので、丁寧に進めていくことができればありがたいなと思っています。委員の皆様もぜひそれぞれのお立場から御尽力いただければありがたいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。本日はお忙しい中、お集まりいただき、本当にありがとうございました。

失礼いたします。

以上