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児童虐待防止対策部会(第1回)

概要

日時:令和5年5月12日(金)9時00分から11時00分

議事

  1. 開会
  2. 部会長・部会長代理の選任について
  3. 児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会の設置について
  4. 令和4年改正法の施行に向けた検討状況
  5. その他

資料

議事録

河村虐待防止対策課長:それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「こども家庭審議会児童虐待防止対策部会」を開催いたします。

皆様、とりわけオンライン接続の皆様、音声は聞こえておりますでしょうか。

大丈夫ですね。

ありがとうございます。

本日は御多忙のところを御参集いただきまして、誠にありがとうございます。

本日、対面とオンラインの併用の形で開催をさせていただいております。

部会長が選任されるまでの間、支援局の虐待防止課長の河村のほうで司会進行を務めさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

まず、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきたいと思います。

配付資料の右上に番号を付しておりますけれども、資料1として、こども家庭審議会の関係法令と規則、資料2として、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会の設置の資料、資料3として「こども家庭福祉をとりまく現状と対応」という表題の資料、資料4として「改正法の施行に向けた検討状況」、そのほか、参考資料が5点ございます。

皆様、お手元にございますでしょうか。

会場の方の一部の方はタブレットで御覧になっていただいておりますけれども、オンラインの方も資料が届いているかと思います。

大丈夫でしょうか。

続いて、委員の皆様方の御紹介に入らせていただきたいと思います。

大変恐縮なのでございますが、第1回で顔合わせではあるのですけれども、後半の議論の時間をしっかり取りたいこともございまして、時間の都合上、お一人一言ぐらいの御挨拶でお願いできれば大変ありがたいと思います。

それでは、五十音順で相澤先生からお願いいたします。

相澤委員:おはようございます。

大分大学の相澤でございます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

秋山委員:三鷹市で小児科を開業しています、あきやま子どもクリニックの秋山です。

よろしくお願いいたします。

伊原委員:松戸市の子ども部長の伊原でございます。

よろしくお願いします。

大久保委員:滋賀県の中央子ども家庭相談センター、児童相談所の大久保です。

よろしくお願いいたします。

上鹿渡委員:早稲田大学の上鹿渡と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

川松委員:明星大学の川松と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:北川先生、お願いいたします。

北川委員:社会福祉法人麦の子会の北川です。

障害児支援をしています。

どうぞよろしくお願いします。

河村虐待防止対策課長:久保野委員、お願いします。

久保野委員:東北大学で民法や親権法を研究しております、久保野と申します。

よろしくお願いします。

河村虐待防止対策課長:倉石先生、お願いします。

倉石委員:武庫川女子大学の倉石でございます。

よろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:佐藤委員、お願いします。

佐藤委員:淑徳大学短期大学部の佐藤と申します。

よろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:中村委員、お願いします。

中村委員:中村みどりといいます。

よろしくお願いします。

河村虐待防止対策課長:橋本先生、お願いします。

橋本委員:国際医療福祉大学の橋本です。

よろしくお願いします。

河村虐待防止対策課長:畑山委員、お願いします。

大変失礼いたしました。

川村委員が名簿上、私の「あいうえお」順で飛んでしまっておりまして、申し訳ございません。

川村委員、先にお願いいたします。

川村委員:出遅れました。

大分県のNPO法人おおいた子ども支援ネットの職員をしております、川村涼太郎です。

お願いします。

河村虐待防止対策課長:よろしくお願いします。

畑山委員、お願いします。

畑山委員:おはようございます。

NPO法人GivingTreeの畑山麗衣と申します。

どうぞよろしくお願いします。

河村虐待防止対策課長:浜田委員、お願いします。

浜田委員:大阪で弁護士をしております、浜田真樹です。

よろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:藤林委員、お願いします。

藤林委員:西日本こども研修センターあかしの藤林でございます。

よろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:増沢委員、お願いします。

増沢委員:子どもの虹情報研修センターの増沢と申します。

よろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:藥師寺委員、お願いします。

藥師寺委員:大阪府中央子ども家庭センターの藥師寺と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:山縣委員、お願いします。

山縣委員:関西大学の山縣です。

よろしくお願いします。

河村虐待防止対策課長:本日ですけれども、久保野委員が10時頃、佐藤委員が10時半頃に御退出があるとお伺いしております。

よろしくお願いいたします。

以上の19名の方々に本部会の委員として御就任をいただいております。

どうぞよろしくお願いいたします。

それから、私どもの審議官の野村が公務のため少し遅れて参加をさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

それでは、事務局を代表いたしまして、支援局長の吉住から御挨拶を申し上げます。

吉住支援局長:本年4月1日付でこども家庭庁支援局長を拝命した吉住と申します。

諸先生方におかれましては、それぞれ大変お忙しい立場で御活躍でございますが、このたび、こども家庭審議会児童虐待防止対策部会の委員あるいは臨時委員を快くお引き受けいただきまして、大変ありがたく存じます。

まず、簡単にこの児童虐待防止対策部会設置の経緯をお話しさせていただきます。

今年4月にこども家庭庁が設置されましたが、そのときに関係の審議会の再編もございました。

従来、児童虐待の対策に関しましては、主に厚生労働省の社会保障審議会児童部会において御議論をいただいておりましたが、本年4月に開かれましたこども家庭審議会において、児童虐待防止対策部会を設置することをお決めいただいております。

ここで児童虐待防止対策に関する調査審議、児童虐待による死亡事例等の検証等、その他、児童虐待防止対策全般に関する調査審議をしていただくことになりまして、本日、1回目の児童虐待防止対策部会の開催を迎えることができました。

こどもや家庭を取り巻く環境は、少子化の中でもいろいろな意味で変化をしてきております。

具体的には、子育て家庭が孤立して負担感も増している中で、そのことが児童虐待につながっていくような養育の難しさにさらされているとの指摘もございます。

この児童虐待につきましては、児童相談所や市区町村の児童福祉部局を核にいたしまして、関係機関とネットワークをつくり、予防から早期発見、そして、児童虐待発生時の迅速・的確な対応として、傷ついたこどもたちの特に心理面を含めたケアや、加害者である親に対するカウンセリング相談などの一連のことを総合的に対応するべく取り組んでおり、その一環として、令和4年に成立した児童福祉法等改正法の施行に向けた検討などを進めております。

本日は、この後、部会を立ち上げていただくに当たっての手続面について幾つかお決めいただくことがございますが、その後に特に改正法の施行に向けた検討状況を説明させていただき、皆様方からこれに関して御意見等を頂戴する、そこが本日の会議の主要なポイントであると思っております。

まずはこうしたところから本部会の議論をスタートしていただければありがたいと思っております。

委員の皆様方におかれましては、改正児童福祉法の円滑な施行に向け、ぜひ忌憚のない御意見をいただきますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

河村虐待防止対策課長:本日の部会でございますけれども、傍聴希望者の方向けにユーチューブでライブ配信をさせていただいております。

ここ以降の録音・録画につきましては、傍聴の方々、禁止の取扱いとさせていただきますので、どうぞ御協力のほうをよろしくお願いいたします。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきますので、メディアの方々は退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

河村虐待防止対策課長:続きまして、私から事務的な御説明をさせていただいて、部会長の選任の手続に入ってまいりたいと思います。

まず、部会の位置づけについて最初に少し御説明させていただきたいと思いますけれども、先ほど支援局長の吉住から申し上げましたとおり、これまで厚生労働省の社会的養育専門委員会で議論してきた児童虐待防止対策について、今年度よりこども家庭庁の虐待防止部会で御議論いただくことになっております。

資料1にこども家庭庁の設置法等の資料がございますけれども、少しめくりいただいた3ページ、こども家庭審議会令の第6条のところでございますけれども、第6条に部会の規定がございまして、審議会というのはこども家庭審議会、親審議会のほうでございますが、審議会に部会を置くことができると。

第3項のところで、部会に、部会長を置き、部会に属する委員の互選により選任をするということとなっております。

また、第5項のところで、部会長に事故があるときは、部会に属する委員、臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、職務を代理するということで、職務代理の規定がございます。

この辺りの規定を踏まえまして、部会を進めるに当たって、部会長の選任を皆様方にしていただきたいと思っております。

今、御紹介させていただきましたとおり、委員の互選ということでございますので、委員の皆様方に部会長の推薦等の御選出をお願いできればと思います。

どなたか御推薦がありましたら、挙手でお伝えをいただければと思います。

上鹿渡先生、お願いします。

上鹿渡委員:厚労省の社会的養育専門委員会の委員長も務めておられて、この領域もずっと牽引されてきた山縣委員にお願いできればと思います。

河村虐待防止対策課長:上鹿渡委員から山縣委員の御推薦をいただきましたけれども、ほかに御意見等はございませんでしょうか。

それでは、本部会の部会長は山縣委員にお願いできればと思います。

山縣委員、部会長の席に御移動をお願いしてよろしいでしょうか。

(山縣委員、部会長席へ移動)

河村虐待防止対策課長:それでは、山縣委員、御挨拶をお願い申し上げます。

山縣部会長:改めまして、皆さん、おはようございます。

御指名でございますし、事務局からあまり時間がないということですので、ここで抵抗せずに気持ちよく引き受けさせていただきたいと思います。

皆さん方御存じのように、新しい庁ができて、多くの方々は厚生労働省でお仕事をしていただいていましたけれども、今回こちらに来ていただいて、一緒にこどもたちのための議論ができたらと思っています。

この会場に集まっておられる方々の平均年齢は従来とあまり変わらないような感じなのですが、画面の向こうには非常に若い方がたくさんいらっしゃいまして、このこども家庭庁の趣旨である「こどもまんなか」というところで、こどもの声を直接聴こうよというところですね。

そういう意味では、それに近いところで経験されてきた方あるいは支援をしておられる方々がメンバーにたくさんいらっしゃるというのは、本当に心強く思っています。

川村委員も含めて誰一人取り残さないという感じで、大切にしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

早速ですけれども、資料にありますように部会長の代理を選任しないといけないということで、これは部会長が指名するということになっております。

できましたら、同じ関西人ですけれども、私とは違って非常に真面目な倉石委員にお願いできたらと思っております。

いかがでしょうか。

(拍手起こる)山縣部会長:では、倉石委員、よろしくお願いしたいと思います。

倉石委員:よろしくお願いいたします。

山縣部会長:では、審議に入っていきたいと思いますけれども、まず、この会議の公開等について、事務局から説明をお願いしたいと思います。

河村虐待防止対策課長:ありがとうございます。

先ほど、委員名簿がぱっと出てこなくて「あいうえお」順の確認を漏らしてしまいまして、大変皆様失礼いたしました。

川村委員も本当に申し訳ございません。

それでは、部会の公開の関係を少し御説明させていただきたいと思います。

先ほど御参照いただいた資料1の5ページにこども家庭審議会の運営規則がございまして、この運営規則自体、こども家庭審議会の親審議会の運営のルールを書かれた形になっているのですが、一番下の第4条のところで、こういった規定について部会の運営についても準用するということになっておりまして、まず、第2条のところで会議の公開として会議公開とする、会長のほうでその他正当な理由があると認めるときは、非公開とすることができるという取扱いになっております。

また、第3条の議事録のところ、特に第2項でございますけれども、議事録、配付資料は公開とする、同じように、正当な理由があると認めるときに、会長のほうで非公開とすることができるという規定になっております。

ですから、そういった形で基本的に進めさせていただいた上で、議事録に記載させていただく当日の委員の発言につきましては、事務局で議事録案を事前に御送付をいたしまして、御確認いただいて、了解いただいた上で、公表をするという取扱いにさせていただければと思います。

これで部会の取扱いとしていかがでしょうか。

皆様にお諮りをしたいと思います。

山縣部会長:ありがとうございます。

公開については従来どおりのやり方でということですけれども、何か御意見はございますでしょうか。

特段意見はないようですので、今の提案どおりの形で進めさせていただきたいと思います。

続きまして、本日の配付資料等について、内容の説明をお願いしたいと思います。

河村虐待防止対策課長:ありがとうございます。

続きまして、資料2に基づきまして、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会の設置関係の御説明をさせていただければと思います。

この要保護事例の検証の専門委員会でございますけれども、設置の趣旨は1.のところにありますとおり、平成16年の10月の改正法の中で「児童虐待を受けた児童がその心身に著しく重大な被害を受けた事例の分析を行う」ということが国・地方公共団体の責務として法律上に規定されております。

これを踏まえて、これまでも厚生労働省のときに同様の検証の専門委員会が置かれてきたところでございますが、こども家庭庁に引っ越した後におきましても、同様の趣旨で要保護事例の検証に関する専門委員会、こちらを設置させていただきたいと考えております。

専門委員会の委員でございますけれども、2.のところにありますとおり、別紙のとおりとして2枚目に構成員の名簿を掲げさせていただいております。

部会の先生方にも一部お入りをいただいているところでございます。

このような形で設置をさせていただければと事務局として考えておりますので、お諮りをしたいと思います。

山縣部会長:ありがとうございました。

専門委員会の設置につきましての提案でございます。

特段御質問等はないでしょうか。

よろしいでしょうか。

では、この部会の中から参加いただける委員と外部委員を含めてという構成になりますけれども、必要事項についての検討をお願いしたいと思います。

では、専門委員会の設置についても御承認をいただいたということにさせていただきます。

続いて、議題(4)ですね。

昨年度改正法の施行に向けた検討状況について、よろしくお願いしたいと思います。

河村虐待防止対策課長:ありがとうございます。

続きまして、資料3と資料4に基づきまして、来年の4月に施行を予定しております改正児童福祉法の施行準備の関係について、御報告、御説明をさせていただければと思います。

まず、資料3でございますけれども、表題に「こども家庭福祉をとりまく現状と対応」と書かせていただいておりますが、こちらの資料につきましては、多くの委員の方々はおなじみの初歩的なデータ等をつけさせていただいておりますので、お時間の都合上、説明を割愛させていただいて、適宜御覧になっていただければ大変ありがたいと思います。

資料4が、主に本日御説明させていただければと思っている資料でございます。

おめくりをいただきますと、最初の1ページに、先般成立した改正法の概要を書かせていただいております。

改正の趣旨はもう皆様方もよく御承知のとおり、年々この虐待の相談対応件数が増えてきて、核家族化ですとか、地域社会の変化がある中で、子育てに難しさを抱えている世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況を踏まえて、虐待に至る手前のところの子育て世帯の子育てそのものに対する支援体制としての強化を図っていこうというところが、今回の改正法の大きなコンセプトでございます。

それに基づいて、改正の概要として1番から7番まで柱がございますけれども、詳細の御説明は一旦割愛をさせていただきまして、2ページにお移りをいただければと思います。

施行に向けた準備状況の今後のスケジュールも含めた表がございます。

まず、改正事項としては、左側の「施行」という縦の列のところにございますとおり、多くのものは来年の4月施行になっておりまして、下のほうの司法審査のところのみ、令和7年度に入っての初頭の時期での施行を予定している形になっております。

この多くの来年4月施行のものの改正事項でございますけれども、まず、大きな柱として、こども家庭センターの設置、また、そこで作成するサポートプランの在り方ですとか、こども家庭センターと連携をしながら、地域のブランチの相談機能としてどういった在り方を考えていくかが一つの固まりとしてございまして、さらにこども家庭センターの作成するサポートプランの主要なメニューにもなる、各家庭の困難を支える事業にもなります、家庭支援事業関係の項目がございます。

それから、こどもの権利擁護の意見聴取、意見表明等支援等と、親子再統合支援事業として親子関係の再構築の支援の事業、それから、一時保護所の基準をはじめとする在り方の問題と、さらに認定資格の創設の関係が来年の4月施行になっていると。

この来年の4月施行のグループにつきましては、認定資格は検討会を設置して既に取りまとめをいただいているところで、後ほど内容をざっと御紹介させていただければと思います。

それ以外の上の項目一式につきましては、昨年度調査研究事業を進めてきておりまして、昨年度の調査研究事業の内容を本日の部会で御報告をさせていただいて、そこにいろいろな主要な事項の方向性が示されておりますので、それに対する御意見や留意点等を、本日、御意見をぜひ頂戴できればと思っております。

一番下の司法審査のところにつきましては、現在も進行中の実務者の作業チームが置かれております。

本部会の委員にも何人かお入りをいただいておりますけれども、そちらについて1年施行が遅いこともありまして、今、検討の途中の段階でございますけれども、本日、中途経過の御報告をさせていただきたいと思います。

上のほうに書かれております令和6年4月以降の部分ですけれども、本日、御意見をいただいて、それを一生懸命私どもで受け止めさせていただきながら、この後はもう来年度が施行になっておりますので、この後、夏の段階で来年度の予算要求の形である程度煮詰めていったものを、8月の末に概算要求として出していくと。

その前後の時期のあたりで、政省令の公布や実際の運用のイメージをまず案として固めていって、それを提示する形を夏、概算要求の前後あたりで何とか取れればと現時点で考えております。

その辺りで自治体の皆様にも夏時点の考え方としてお示しをした上で、通知等の発出、運用の細則を決めるのを冬からできるように準備を進めていく、それで、春を迎えて施行に至るという段取りで今後は考えております。

認定資格関係につきましても、夏から秋の頃に認定機関の発足を目指していろいろな基準等の政省令の公布等に入っていければと考えているところでございます。

全体に特に本部会で御審議いただきたい項目は以上のところでございますけれども、なお、家庭支援事業につきましては、家庭支援事業の在り方そのものをメインで御検討いただくのは、社会的養育・家庭支援部会という別の部会がございまして、そちらの委員も兼ねていただいている先生方もおられますけれども、そちらで在り方全体を御検討いただくことになっております。

一方で、家庭支援事業はこども家庭センターがつくるサポートプランの非常に中核となるコンテンツになってきますので、こども家庭センターの在り方やサポートプランの在り方とよくよく連携を図る必要があると考えておりまして、本部会についても家庭支援事業関係の報告を成育局からもしてもらって、在り方について部会の委員の皆様からも御意見をよくお伺いをして、よく連携してやっていければと思っているところでございます。

続きまして、次のページ以降が、改正法の施行に向けた検討状況について、主に調査研究の昨年度御尽力いただいた分の御報告をさせていただければと思います。

分量がございますので、かなりはしょりながら早口の説明になってしまうかと思いますが、お許しをいただければと思います。

4ページ、まず、こども家庭センター関係の検討事項でございます。

おめくりいただいて、5ページに昨年度のこの調査研究の概要紙がございます。

左下のような検討事項について、右側にこちらの調査研究の検討委員会の構成を書かせていただいております。

川松委員、佐藤委員、藤林委員、増沢委員にもお入りをいただいて、昨年度、御尽力いただいて、進めさせてきていただいております。

6ページ以降、こちらの調査研究の中でお示しをいただいたこども家庭センターの設置運営要綱の案としての概要でございます。

「趣旨・目的」や「業務内容」のところは、基本的には法改正の審議時に前身となる社会的養育専門委員会でも御議論いただいてきた内容で書かせていただいております。

その上で、特に一番下の○のところでございますけれども、サポートプランの性質として、こどもと保護者との関係性をしっかりつくることを前提にして、こどもや保護者との協働で作成をしていくと。

当然ながら、その支援の受け手となる当事者の方と共有をしていく性質のものが基本だということを整理いただいております。

一方で、なかなかそういった信頼関係、相談関係ができていない場合には、作成に向けた働きかけ等の過程の中でしっかりと関係性を構築していくことで考えていくということと、支援を拒否されてしまう等その実施が困難な場合に、利用勧奨をする、措置をする、あるいは児童相談所に送致する等の相談関係をつくっていくこと自体についても、センターの内部や要対協の個別ケース検討会議で検討していくことが重要であるということもお示しをいただいております。

当然ながら、定期的にサポートプランの内容自体の追加や変更等の見直しを行っていくということをお示しいただいております。

続いて、7ページの実施体制でございますけれども、実施体制としては、従来の議論の延長であります、まず、責任者としてのセンター長の1名の配置と、あとは母子保健分野と児童福祉分野の双方を束ねられる統括支援員の1か所当たり1名の配置を前提として考えていくということをお示しいただいているところでございます。

続きまして、8ページ、サポートプランの作成の重要な理念をお示しいただいておりますが、特に2つ目の○のところですけれども、当事者との協働において、傾聴をする、そして、共感をして、子育ての努力等を承認していく姿勢が重要であることと、本質的なニーズの把握をするためには、当然ながら当事者との信頼関係をしっかりつくっていくことが重要だということをお示しいただいているところでございます。

次の「サポートプランを活用した支援の充実」として、要対協との効果的な協議等に加えて、利用勧奨や措置の今回改正法で新しく加わったツールを十分に活用していくということですとか、児童相談所との連携等々についてお示しをいただいております。

それから「こども家庭センターと要対協との関係」として、複数の関係機関の連携が重要になってくる場合が当然想定されますので、要対協を積極的に活用していくことが重要である等、お示しをいただいているところでございます。

「統括支援員に求められる資質」のところでございますけれども、当然ながら母子保健と児童福祉のそれぞれの分野を束ねる責任者ですので、双方のマネジメント能力がきちんと持てることに加えて、切れ目ない支援を行っていく観点で、一連の支援の流れを理解しているとか、支援にそもそも活用できる社会資源を熟知している、また、支援内容についてのモニタリングや評価見直しに関しての適切な判断ができるということを求めていく必要があるであろうということですとか、そういった十分な知識を担保するためにも、必要な研修を受けていく、研修内容について検討を深めることが重要だということをお示しいただいているところでございます。

こういった方向性を踏まえて、この後でございますけれども、一番下の行ですが、市町村のこども家庭支援指針、それから、子育て世代包括支援センターのガイドライン、これらの改正をした上で、新しく創設をされるこども家庭センターとしての運営のガイドラインを検討していくことが必要だと考えているところでございます。

続きまして、9ページでございますけれども、身近な相談先としての利用者支援事業として、地域の中で一番近いところのブランチとなる相談機能について、こちらの調査研究で御検討いただいてきております。

右下にございますとおり、本部会からも倉石委員にお入りをいただいております。

10ページが、こちらの調査研究の報告書の概要でございますけれども、①の「担い手・区域について」、相談体制がきちんと持てるということですとか、こども家庭センターとの連携体制の構築を要件としていった上で、中学校区を目安に置いていくことを目指していくことが重要ではないかという点ですとか、②の「情報発信・情報提供」のところでございますけれども、市区町村においてほかのポピュレーション的な性質を持つ事業ときちんと連動した上で、地域子育て相談機関に関する情報を各家庭にきちんと届けていく、市町村がやっていくことが望ましい、必要ではないかということが言われています。

それから、③の子育て世帯ときちんとつながっていくための工夫として、こども家庭センター等の機関と連携をしながら、能動的に子育て世帯とつながるような工夫が重要ではないかと。

そういった工夫の一例として、例えば乳児家庭全戸訪問事業等と連携をして、見守りが必要な子育て世帯の状況を把握した上で、戸別の訪問や積極的な能動的な情報提供等をやっていくことが考えられるのではないかということをお示しいただいております。

④のところでございますけれども、子育て世帯が1つ以上の相談機関を選択して登録していくような仕組みを考えてはどうか、かかりつけの相談機関としての趣旨を踏まえてやっていくことが重要ではないかということをお示しいただいております。

⑤の「行政や関係機関との連携」として、地域子育て相談機関と関係のいろいろな機関の間での相互のきちんとした連携が重要であって、市区町村で定期的な情報共有の場の整備を主導していく必要があるであろうということをお示しいただいているところでございます。

続きまして、11ページ以降が家庭支援事業でございます。

家庭支援事業につきましても、12ページで調査研究の概要を示させていただいておりますが、本部会からも佐藤委員に御尽力をいただいております。

13ページが家庭支援事業関係の報告書の概要でございますけれども、1点目として、新規の3つの事業ですけれども、「子育て世帯訪問支援事業」、こちらにつきましても、訪問支援員について、必ずしも有資格者だけではなく、資格を有さない子育ての経験者も対象とした上で、市町村が適当と考える研修を修了していることを要件にしていってはどうかということと、適切な利用者負担減免等を検討しないと、特に支援が必要な層の利用控え等が起こってしまうのではないかという論点をお示しいただいております。

こういったガイドラインについては、研修のガイドラインとして令和5年度の調査研究でこれから議論を進めていこうということでございます。

次の「親子関係形成支援事業」ですけれども、こちらもきちんとその場で受けただけではなくて、学んだことを家の中で実践をして、さらに次のプログラムのときに振り返るような形を目指していこうということと、1講座当たりおおむね4回以上のイメージを御提案いただいております。

また、同様に、適切な利用者負担減免を検討していく必要があると。

続きまして「児童育成支援拠点事業」でございますけれども、従来、基金事業において週5日以上の開所を基本として考えてきたところでございますが、全国への広がり等も勘案した上で、開所日数について週3日以上の開所も可としてはどうかと考えてお示しをいただいております。

また、必要に応じてソーシャルワークの専門職員や心理療法の担当職員等の配置を考えていくと。

こちらも令和5年度の調査研究において、各事業のガイドラインの検討を行っていくというようにお示しをいただいております。

次の利用勧奨と措置のところでございますけれども、とりわけ利用措置のところに関しましては、利用勧奨を実施したにもかかわらず、なかなか心境の変化が見られないのだけれども、明確に拒絶をしている場合ではないという場合に実施するものだと。

逆に言いますと、明確な拒絶がある場合に利用を強制することはなかなか難しいという、これは法案の当時からの整理でございます。

また、利用措置等について、その運用を市町村に対して十分に説明することが重要だということをお示しいただいております。

続きまして、14ページ以降、一時保護所の設備・運営基準関係でございます。

こちらも15ページの右下にございますとおり、川松委員と藤林委員にお入りをいただいて御検討いただいております。

16ページ、調査研究の概要でございますけれども、まず「一時保護所に求められる支援」として、一時保護所に入っているこどもたちの様々な心理行動上の特徴に関して、これらを指導・管理すべき対象として捉えるのではなくて、背景にあるトラウマ、アタッチメントの問題等の表れとして捉えて、支援をしていく姿勢が求められるという点ですとか、あとは「適正なこどもの生活規模」として、職員がこども一人一人と向き合うことができる規模が適正だと。

一方で、あまり小さくなると関係が密になり過ぎる等の御意見もお示しをいただいております。

その上で、下の職員体制のところでございますが、不安定な状況にあるお子さんを受け止める施設であることに鑑みると、さらにアセスメントのための行動観察も重要でございますので、児童養護施設と同等の職員体制では不十分であるというお考えをお示しいただいております。

また、17ページに「居室の在り方」や「こどもが教育を受ける権利の保障」関係の事項をお示しいただいた上で、一時保護所内におけるこどもの権利制限・ルールに関しても、管理を目的とした規則を最小限にとどめていかないといけないと。

あとは、ルールがかなり所によって大きく異なっていることに関して、きちんと説明ができるようにしていくことですとか、各所における「当たり前」を定期的に見直していくこと等が必要であると。

「面会・通信制限」についても、可能な限り本来的にはこどもの権利なので、希望に添うようにしていこうという姿勢をお示しいただいております。

続きまして、親子再統合支援事業、18ページ以降でございます。

こちらも19ページの右下にございますとおり、上鹿渡委員にお入りをいただいております。

20ページのところに、再構築のガイドラインの案としてお示しいただいたものをおつけしております。

親子再構築関係の定義については、上のところでお示しをいただいておりまして、下の2.のところに原則として、当事者である家族と一緒に考えるという姿勢でありますとか、こどもを支える人・機関と連携をして援助指針等をつくっていくという考え方をお示しいただいております。

21ページも、同様のガイドラインについての内容についてお示しをいただいております。

続きまして、22ページ、こどもの意見聴取関係でございますけれども、意見聴取に関しましては、権利擁護のスタートアップマニュアル、言ってみれば、都道府県として事業をこれから始めていくに際してのマニュアルの調査研究としてと、アドボケイトの研修プログラムの策定の関係で御検討いただいてきております。

23ページ、「検討委員会の構成」としておつけしておりますが、本部会からも相澤委員、中村委員にお入りをいただいております。

24ページ以降のところに、権利擁護のスタートアップマニュアルの案をお示しいただいております。

まず、Ⅰの「こどもの意見聴取等措置」のところですけれども、意見聴取を行う者として、原則、児童相談所の職員が実施をするということ。

前半の重要な点を飛ばしてしまいまして、失礼しました。

「意見聴取等措置が必要となる場面」のところですけれども、法律上規定された①に加えて、②でございますが、自立支援計画の策定・見直しですとか、契約で入所をする自立援助ホーム、母子生活支援施設への入居・入所、それから、面会・通信制限等に関しても実施が望ましいという点をお示しいただいております。

その上で「意見聴取等を行う者」として、児相の職員が原則ということをお示しいただいた上で、意見表明等支援事業の活用も有用であるという考え方をお示しいただいております。

また、下のところで「こどもへの説明・意見聴取」の流れ等をお示しいただいているところでございます。

25ページにつきましても同様に、意見表明等支援事業の実施場面ですとか、意見表明等支援員の確保の内容についてお示しをいただいてきているところでございます。

26ページも同様に、アドボケイト関係で、研修のプログラムの策定と好事例の収集の調査研究をいただいております。

こちらも相澤委員と中村委員にお入りをいただいております。

27ページに意見表明等支援員の求められる要件等、それから、その到達目標についてお示しをいただいた上で、28ページで研修カリキュラムとして、左側が基礎編で、右側がさらに深めていくための養成編でございますけれども、それぞれ研修カリキュラム例をお示しをいただいてきているところでございます。

続いて、29ページ、認定資格の関係でございます。

こちらも30ページの右側にございますとおり、検討体制として検討会を設けてやってきたところですが、倉石委員、藤林委員、増沢委員、山縣委員にもお入りをいただいてきております。

31ページのところが、こども家庭福祉の認定資格の検討会の取りまとめの概要でございますが、まず、資格取得に向けて研修を受ける対象者のところ、1.でございますけれども、下の図のところで御覧になっていただければと思いますが、一番左側に有資格者のルートがございますが、そこの部分については、こども関係の相談援助の実務経験に関して、こども家庭福祉自体の相談援助について、業務量を問わず一部として行ったことがある人も対象にした上で、そういった方には追加研修の受講を求めていこうということが御議論をされております。

それから、右側の現任者のルート、保育関係者のルートのところは、おおむね法案のときのものを詳細化した状況でございます。

その上で、この上に乗ってくるこども家庭福祉の指定研修、共通の研修が100時間程度ということで、時間数等もお示しをいただいているところでございます。

32ページ、研修体制の確保のところでございますが、研修や試験を受けやすい仕組み、財政的なインセンティブが必要ではないかという御指摘を頂戴しております。

それから、名称につきましては「こども家庭ソーシャルワーカー」とすべきという考え方をお示しいただきまして、33ページのところ、検討会の中で下の3つ、新たな認定資格の専門性の柱をお示しいただいております。

こういった専門性を身につけるための研修カリキュラムとして、34ページのところでございますが、まず、共通の全ての受講者が受けていく100時間の研修の科目のラインアップ、時間数等をお示しいただいております。

また、35ページは、有資格者ではないルートのほうのソーシャルワークに関する研修カリキュラムをお示しいただいております。

続いて、36ページ、全体の流れとして、まず、私どものこども家庭庁から認定機関の認定をさせていただいて、研修の実施機関は認定機関が研修実施機関を認定する形を取って、それらの準備を整えた上で、資格の取得を志す方に研修を受講いただいて、さらに試験を受けていただいて、登録に至るという流れを整理させていただいております。

時間がかかってしまって申し訳ございません。

最後の司法審査関係、37ページ以降でございます。

38ページは、法案のときの流れを主に載せさせていただいております。

39ページが、現在進行途中であります実務者作業チームの概略をお示しさせていただいております。

本部会からも大久保委員、藥師寺委員、浜田委員、中村委員、橋本委員と、大変多くの部会の委員に御参画をいただいております。

40ページのところが、ちょうど4月の末の実務者作業チームでお示しをした一時保護の要件となる案でございます。

ポイントとしまして「次に掲げる場合」と一号から七号まで列挙をした上で、いわゆる緊急保護と言われている安全性の迅速な確保、また、あるいはアセスメント、このいずれかを目的とする場合として一時保護の要件を規定した上で、第1号のところで、虐待を受けた場合、そのおそれがある場合に加えて、さらに、今後受けるおそれがある場合を規定して、養育力の不足等による懸念等についても拾えるように、今、行われている一時保護は可能な限り全て拾えるようにということで、規定を列記していっております。

第4号、第6号などは、児童自らですとか、保護者が求める場合等も記載をしておりまして、最後に第7号のところでバスケットクローズとして、なかなか現時点で想定されないようなケースまで含めて重大な事案を拾えるようにということで規定が示されております。

41ページのところは、一時保護状の請求の流れについて、左側に事後請求の場合、こちらのほうがケースとしては多いかと思いますが、主な流れを示させていただいております。

また、そのほかの児童の意見の酌み取り、親権者の同意の取得等々の詳細について、42ページと43ページですけれども、今後具体的な書式や詳細をマニュアルとして整理してお示ししていこうという段階になっております。

御説明に時間を使ってしまいまして、申し訳ございません。

以上でございます。

山縣部会長:ありがとうございました。

本日の案件、ここを皆さん方委員からたくさん意見をいただきたいということですので、資料の説明に少し時間がかかりましたけれども、残った時間は基本的に1時間強ここに全て投入したいと思っています。

よろしくお願いします。

ただ、先ほどの事務局の説明にもありましたように、来年4月に施行となり実施されるものがほとんどになります。

ということは、準備状況ですね。

こども家庭庁の準備だけでなくて、都道府県あるいは市町村の準備も必要になるということになりますと、実質、時間を取って意見を言えるのは今日が最後とは言いませんけれども、回数は限られているということを御理解いただきたいと思います。

その上で、今日は本当に自由にいろいろな角度から、特にパートも決めずに意見をいただこうと思っていますので、御意見のある方は、この会場にいらっしゃる方については挙手や声で結構ですし、リモートの方々は手を挙げる機能もしくは直接声を出していただいてもフォローしていきたいと思います。

もう一つ、今の説明にもありましたように、この委員のほとんどの方々がどこかのパートで事前の検討に入っていただいていたということ、感謝を申し上げます。

では、御自由に御発言をいただきたいと思います。

増沢委員、お願いします。

増沢委員:御説明ありがとうございました。

児童福祉法の改正の一番柱が重症化しない早期支援ということは、本当に重要だと思います。

そうすると、早期支援するということは市町村レベルの支援力を上げるということで、今、いろいろな事業が国から打ち出されていますが、問題は、こうした事業が、大体が国が2分の1、市町村が2分の1で予算分担で実施するということになっていて、そうなるとその事業を行わない、あるいは行えない市町村が結構あるのですね。

そうすると、笛吹けども踊らずという事態が起きていて、そこは少し検討していかなくてはいけない、てこ入れしなくてはいけないとも思います。

それと、早期支援の中で、支援というと大体親御さん対応とか、あるいはこどもだけといった支援になりがちですけれども、親子一緒という考え方を中心にすべきと思います。

特に周産期においてはそれが重要で、そういった意味ではショートステイで親子一緒にできるようにした、これは非常に重要と思います。

さらには一時保護においても親子一緒の保護ということを、特に乳児に関しては検討すべきではないかということを思います。

こういった事業を展開するときに、当然資源が必要で、様々な資源の掘り起こしが重要になります。

その中で、例えば母子一緒のショートステイとか、そういったところは生活の場を持っている乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設等が非常に重要になるわけですね。

ところが、ここも一つ課題だと思うのは、市町村の児童福祉担当の職員の方で、児童養護施設や乳児院を知らない方、見学もしたことがないという方がたくさんおられるのです。

施設も措置権者が児童相談所なので、児童相談所との連携は非常に密にしていても、市町村との連携はまだ非常に弱い。

だから、今、施設は多機能化を進めて、市町村支援にも貢献しようとしても、施設と市町村が遠い関係になっていて手が届かない。

こういった状況を改善しなくてはいけない。

ここにある問題は何かというと、乳児院や児童養護施設というのは設置主体が県レベルなので、市町村と都道府県の縦割りの問題が背景にあるということです。

その間の壁が厚い。

こども家庭庁がこうやってできたというのは、こうした壁を突破するという非常に重要な理念がベースにあるわけで、こうした問題も改善していくべきということです。

それと、乳児院で一時保護するケースなどは、精神疾患のお母さんがすごく多いのですね。

市の保健センターの母子保健もこの予防的支援にすごく貢献されていて、でも、精神疾患のお母さんに対する対応はとても難しく感じられている。

そういうときに、精神保健福祉センターとの協働はすごく大事になるのですが、これもまた都道府県と市町村なのです。

ここの間の連携、協働も進めるべきと思います。

以上です。

山縣部会長:新しい提案を含めて、基本を押さえていただきました。

ありがとうございました。

10時に久保野委員、御退席予定と伺っております。

もし御発言がありましたら、優先的に御指名しようと思いますけれども、何かございますでしょうか。

久保野委員:ありがとうございます。

一言だけ申しませば、こどもの意見表明や権利擁護を重視していく中で、親権者との関係をどうするかということについて、現場が困難を抱えるケースが増えるのだろうと予想しています。

それらについて、情報収集や指針の発信を特に精力的に進めていけるとよいのではないかと思います。

そのようにしていただくことによって、親権について、基本を定める民法のさらなる改正といったことにも結びつきやすいと思いますので、自分の専門に限ってのお話で恐縮ですけれども、その点について、意見を申し上げさせていただきます。

以上です。

ありがとうございます。

山縣部会長:ありがとうございます。

こども基本法も含めて、こどもの意見を尊重する、最善の利益を尊重する、いわゆる優先的に考慮するという文言がたくさん出ておりますので、今の久保野委員の御意見も頭の中に置きながら準備をいただきたいと思います。

ほかはいかがでしょうか。

川松委員、お願いします。

川松委員:ありがとうございます。

3点申し上げたいと思います。

昨年の法改正で、家庭に支援を届けながら予防や再発防止をしていくということで、そういう取組を広げることができるようになって、とても画期的な改正だったと思うのですけれども、問題は、実質化していくことが大事だと思います。

増沢さんがおっしゃったことと同じになるのですけれども、家庭に支援を届けるという点では、行政と民間団体、民間機関、民間セクションとの連携・協働がとりわけ重要だと思うのですけれども、特に家庭に直接入っていって支援を届ける訪問型の支援と、居場所、こどもたちが様々な形で伸び伸びとできる、安心できる居場所を広げていって、そこに児童相談所や市町村が直接関わってつなげていく、それで一緒に取り組んでいく、情報共有しながら進めていくことがとりわけ大事だと思うのです。

進んでいるところでは様々な取組をされていますけれども、一方で、民間団体が見いだせなくて困っているところもあるし、民間団体との連携に躊躇している行政の方もおられたりして、なかなかそこが共有されていないところがあると思うので、まず様々な取り組みの共有が必要だと思います。

そして、民間団体の方たちに対する行政からの支援も併せて必要だと思います。

行政と民間団体の方とが情報を共有することにもハードルがあって、そこが壁になっている場合もありますので、そういった点が解消できるように、衆知を集めて改善を図っていけるといいなと思います。

特にその民間団体の中でソーシャルワーク機能を高められるようなところ、地域のこども食堂の核になるようなところがあって、そこに例えばソーシャルワーカーが配置されていて、そこが直接家庭に支援を届けるだけでなく、ほかのこども食堂とも連携をするようなところもできるといいなと思いますので、こうした取り組みに予算をかけていただいて、てこ入れが必要なのではないかと考えています。

2つ目で、そういったことを進める上で、市町村の体制の強化が何よりも大事だと思います。

要対協、要保護児童対策地域協議会があるけれども、実効性がどうかという点では、様々な課題を抱えていると思います。

十分情報が共有されていなかったり伝わっていないことも多いし、そこで見解の相違があるまま、それが調整されないままに過ぎていっている事例も多かったりします。

民間団体も含めて要対協だと思うのですけれども、要対協に民間団体が入っていないところが多いのも実態ですが、それは要綱を改正すればできると思うのですけれども、民間機関が要対協に入っていけるようになっていくといいなと思いますし、また、市町村の体制が伴っていないとそういうことを進めていけないのですが、市町村の体制が本当に弱い。

皆さん御苦労されてますが、十分な体制がないと思うので、市町村の体制強化は何よりもてこ入れをしていただいて、財政支援していただいて、人員配置基準もアップされていくことが必要ではないかと思います。

要対協も実効性を伴って行っていくためには、エリアが大きいと十分な進行管理や検討が行えていかないし、いつも顔を合わせている人たちで一緒にケースの相談をしていけないので、できるだけエリアを小さくしていく、一つの自治体の中で中学校区ごとにネットワーク会議があるような形が理想だと思うのですけれども、それをするためには、市町村の体制が伴わないとそれができないので、何よりも市町村の体制の強化を図っていただきたいということが2つ目です。

3つ目は、一時保護所のことですけれども、昨年の調査研究でこどもさんたちのアンケートをすると、結構よかったということもたくさん出てくる一方で、嫌だったことも出てくるのですけれども、特徴的だったのは、2か所以上の保護所を経験している子が4分の1ぐらいいるのですね。

その子たちの感想が、あっちの保護所ではこういうことができていたのに、こっちの保護所ではできないのはなぜというのがあります。

できているところが結構あるということで、それをこどものほうが知っている状況です。

保護所の職員はそこでやっていることは当たり前と思っていらっしゃると思うのですけれども、実は他のところではできていることもあるということが共有されていないのだと思うのですね。

結構いろいろなことができている保護所、例えばお小遣いを渡して買物に行っている保護所もあるぐらいですし、私物がかなり持てているところもあるわけなので、こういった保護所の取組の共有の場が必要だと思います。

保護所の改善については、できるだけ小規模化が必要だと思うのですけれども、それをするために、既にできている構造、建物があるので、なかなか改善につなげていくことは難しいと思うので、ここもお金をかけ、財政の支援をしていただきたいと思います。

そしてその前提として、自治体が保護所の在り方を根本的に見直すという姿勢で進めていただくようにお願いしたいと思いますし、保護所の職員の意識変革が必要なのではないかと思っています。

皆さん、とても苦労されていて、大変な中で業務を進められているのですけれども、意識を変革していけるような、皆さんで情報を共有していけるような場があるといいのではないかと思っています。

以上です。

ありがとうございました。

山縣部会長:3つのポイントに絞って御意見を伺いました。

ありがとうございました。

ほか、いかがでしょうか。

藤林委員、お願いします。

藤林委員:私からも3点、川松委員と関連するところもありますので、早めに意見を述べさせていただきたいと思います。

6ページのこども家庭センター、サポートプランの調査研究に携わった者として、少し感じているところをお話ししたいと思います。

今回のこども家庭センターの機能というのは、今までの拠点と比較しまして、サポートプランを協働して作成するとか、一体的な支援とか、地域資源の開拓とか、利用勧奨・措置ということを考えますと、従来よりも量的にも質的にもより高度なものが求められていると思っております。

これを実践として具体化するためには幾つかの課題があると思って、今、3点ほど整理してみました。

1つ目は、市町村の職員体制の問題ですけれども、川松委員が言われましたように、現状の基準の職員数でいいのかという課題が非常に大きいのかと思います。

2つ目が、支援の質と研修の問題です。

よりバージョンアップした支援を提供するとなりますと、市町村職員の研修、特に統括支援員も含めまして、研修がさらに必要になってまいりますけれども、市町村は小規模なところが多くありますので、市町村そのものが自ら研修を行うことがなかなか困難な場合が多いです。

ですから、おのずと都道府県や、または増沢委員や私のところのような研修センターの役割がとても重要になっていくと思います。

そうなりますと、都道府県が行う研修と研修センターが行う研修をどのように有機的に体系化していくのかという課題、これは我々の課題でもあるのですけれども、重要な課題かと思っております。

3つ目ですけれども、市町村の支援の質をバージョンアップしていくためには、外部の研修だけで事が足りるわけではないと思っておりまして、本当にこども家庭センターが機能するためには、日常的なスーパーバイズ機能が重要と思っておりますが、現状では内部にスーパーバイズ機能を持つ、スーパーバイズができる人材を配置している自治体は10%しかないことが調査研究で分かっております。

今回の資料では統括支援員の役割が書かれておりますけれども、俯瞰して判断することが期待されているという意味では、統括支援員は一体的支援を推進するキーパーソンでもあり、かつスーパーバイズ機能も期待できるのではないかと思っております。

こども家庭センターが全国全ての市区町村で本当に機能するためには、統括支援員は非常に重要な役割を担っていると私は思っております。

その意味で、8ページに書かれておりますように、統括支援員も都道府県や研修センターが主催する系統的な研修に積極的に参加いただきたいということは言うまでもありませんが、危惧するのは、7ページに書いてありますように、全ての市区町村に統括支援員が本当に配置されるのだろうか。

まだまだ配置されていない現状がある中で、ぜひ令和6年以降、全ての市区町村に配置されることを強く要望したいと思います。

2点目です。

家庭支援事業についてですけれども、この調査研究に私は参画しておりませんが、これもとても重要な課題と思っております。

今後こども家庭センターにおいて支援業務が充実し、サポートプランがつくられるようになっていきますと、実際に提供できる支援がないと、本当に絵に描いた餅になっていきます。

そこで、13ページに新規3事業の詳細が紹介されていますけれども、この利用者負担の考え方です。

ここには利用控えがないよう適切な減免等を検討する必要があると書かれておりますけれども、具体的にどのような要件を今後考えていくのかは非常に重要なところで、単なる所得制限だけではなくて、本当に必要な方に必要なサービスが届いていくことが重要と思っておりますので、ここはしっかりと御検討いただきたいと思っております。

特に要保護児童、要支援児童、支援が必要なこども家庭に利用控えがないように、全ての市町村、都道府県に、その趣旨を踏まえてどこの市町村においても利用控えがないような運営をできるように働きかけていただきたいと思います。

もう一つ危惧するのは、実際にこども家庭支援センターの支援の質が向上していきますと、ニーズに沿ったサービス量がかなり増えていくのではないかと思います。

現状の2倍、3倍となるのではないかと思いますし、そうなりますと、はるかに多いサービス量が必要になっていくと思いますので、それに伴った予算を十分国、都道府県、市町村において確保していただきたいと思います。

現状においては、市町村によっては限られた予算しか持たなくて、結果的にサービスが届いていない現状があると聞いております。

また、市町村内にサービスがないといった事態もあると聞いております。

サポートプランが絵に描いた餅にならないよう、必要な家庭にサービスが確実に届くような家庭支援事業の予算を十分に確保いただくことも強く要望したいと思います。

次に、一時保護所の設備・運営基準ですけれども、私は児童相談所長を長年やっておりまして、先ほど川松委員が言われましたように、一時保護所の生活にポジティブな意味を見いだす、本当に来てよかったなという方もいらっしゃいますけれども、反面、非常にネガティブな感想を持つこどもも少なくありません。

一時保護所にずっといるぐらいであれば、家に帰ったほうがましという声も聞いてまいりました。

現在でも聞くこともあります。

そういったことがないように、本当に一時保護所というのは、こどもにとって初めて福祉的な支援と出会う場であり、ポジティブな経験になるためには、児童福祉法三条の二に沿った、「できる限り良好な家庭的環境」として一時保護所の運営基準を実施に移していただきたいと思います。

この調査研究においてまとめられた提言というのは、私どもにとってはとても当たり前のことです。

生活規模や居室についてもそうですが、16ページにある児童養護施設と同等の職員体制では不十分、これは本当にそう思います。

この記載はとても重要なところと思います。

様々な背景、自傷や衝動行為、多様な精神症状を持つこどもが本当に入れ替わり立ち替わり入所してくるわけですから、考えればよく今までこれだけの職員体制でやってきたと思います。

私は児相長として、本当に職員とこどもに大きな負担をかけてきたと反省するわけなのですけれども、一時保護所に来てよかった、今までのことを振り返り、将来のことを考えるきっかけになった、と一時保護所に来た全てのこどもが思えるような一時保護所になるよう、この調査研究の報告書を基にぜひ十分な予算の確保、施策化を要望したいと思います。

以上でございます。

山縣部会長:同じく大きく3点ですね。

詳細についてはかなり細かいところの御指摘、検討事項をいただきまして、ありがとうございました。

次ですけれども、リモートの方々、現在6人手が挙がっております。

佐藤委員、浜田委員、畑山委員、藥師寺委員、川村委員、中村委員です。

順次、先に次はリモートの方を優先に指名をさせていただきたいと思います。

私の画面との関係で行きますので、順は不同だと思ってください。

申し訳ありません。

では、佐藤委員、お願いします。

佐藤委員:貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。

私からは、一つはこども家庭センターについてです。

このこども家庭センターは、ソーシャルワークの中心的な役割を担うことが期待されるわけですけれども、従来の子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターの機能を一体化するということが一つ大事なことかと思います。

ただ、この一体化がどのような意味合いを持っているかということについては、一体的に相談支援を行う機能がもう少し丁寧に関係の方々に説明されることは不可欠と感じています。

また、関係される方々がそれぞれ対応している専門の事業の範囲ですとか、あるいは情報の共有等にとどまらず、こどもと家庭のニーズに対してそれぞれの領域が持っている支援の特性を、こどもや家庭のニーズに合わせる形で支援を統合していくことが、こども家庭センターの役割としてとても大切と考えます。

そういう意味では、こども家庭センターが関わることによって、在宅支援が十分にこどもと家庭に届いているかどうかという観点を、改めて設置運営要綱等の中で説明することも大切だと思います。

また、こども家庭センターに関連して、要対協との関係整理についても大きな課題があると認識しています。

特に支援の進行管理とかなり個人情報を扱うということでの守秘義務についての徹底も、要対協を活用することでそれが一定図られることになりますけれども、その関係性について十分に示し、関係機関の方々にこども家庭センターの役割や、その中で要対協がどのように協働していくことになるのかを整理して示す必要があるのではないかと思います。

さらに、ほかの先生方もおっしゃっていましたけれども、そもそも市町村の体制において相談対応に必要な人的な資源が量的にも質的にも担保されることが、まず前提として必要だと思います。

人を募集してもなかなか雇用することが難しいですとか、あるいは財政的な問題で人を手当てできないということもお聞きしています。

そうした人を確保する、質的にも量的にも確保することについての手当てをぜひお願いしたいと思っています。

現状では、相談窓口の職員の方もかなりいろいろな業務を兼務しておられるということで、役割が多いということがありますし、短期間での異動もあります。

そうしますと、組織的にも十分にノウハウが蓄積されていかないということになります。

これは今後目指されている切れ目のない支援というところでいいますと、包括的に継続的に実施するということに課題を残すことになると思いますので、こうした人事の在り方についても本来は配慮が必要なところかと感じています。

併せて、市町村の地域における社会資源の状況を適切に把握していくことも必要となりますので、地域で支援する方々がどこにどのくらいどういった方がいるのか、そして、サービスとしてはどのぐらいの量がニーズに対して届けられる状態にあって、今、どれぐらい不足しているかを確認していくことが重要かと思います。

そういう意味でも、専門性のある方を十分に確保していくというところでは、市町村の役割も重要ですけれども、民間の社会福祉法人やNPO法人との協働についても重要かと感じます。

それから、家庭支援事業についても社会的養育・家庭支援部会で検討されるということでしたが、こちらに関わっていたということもありますので、1つだけ申し上げておきます。

今度、家庭支援事業として6つの事業が位置づけられることになりますけれども、新規3事業にショートステイあるいは一時預かり事業や養育支援訪問事業を入れて6事業となります。

もともと持っている子ども・子育て支援事業の間口が広くて敷居が低い、活用しやすくてアクセスのよい事業の特性と、家庭支援事業のように特に支援が必要な方たちに届かなければいけない事業が、できる限り滑らかにつながっていくような配慮が必要かと感じています。

以上です。

山縣部会長:ありがとうございました。

できましたら、今日は初会合ですので、全ての委員から最低一言ぐらいお聞かせ願いたいと思っておりますので、3分を超えない範囲でお願いできたら、急にここから絞って申し訳ありませんけれども、浜田委員が弁護士さんですので、スタートで権利の規制をしたいと思います。

申し訳ありません。

では、浜田委員、よろしくお願いします。

浜田委員:浜田でございます。

3分に入るか分かりませんが、頑張ってやってみたいと思います。

細かい点に移りたいと思いますが、何点か。

まず、資料4の7ページの総括支援員のところです。

関わりのある自治体から、こんなスーパーマンはどこからどう探してきたらいいでしょうかというお話をよく聞くところであります。

実際に統括支援員がきちんと役割を果たそうと思うと、また、自治体として大きなところになればなるほど、生身の人間1人がこの役割をきちんと担えるのかというところ、それが果たして適切なのかというところについては、若干懸念もあるような気がいたします。

また、仮にスーパーマンが1人いたとしても、その自治体がスーパーマンを例えば2年ごと、3年ごとにずっと輩出していかなければならないというのは、なかなか大変なことだろうと思います。

この意味で、もちろん研修が大切になるのは間違いないわけですけれども、仕組みとして例えば統括支援員が1人なのだけれども、その下に統括支援員をサポートする職員を何人か配置をして、統括支援員部局みたいな形を取る必要がある自治体もあるのではないかと考えます。

何が言いたいかというと、そこは自治体の実情に応じて、より適切な体制、実効性のある体制を取れるようにできるほうがいいのではないかということであります。

それは結局のところ、予算を伴う必要が出てくるわけですので、自治体でそういった柔軟なかつ有効な体制を取れるような予算措置も検討いただきたいと思っております。

2番目、違うお話を申し上げますが、資料17ページのところです。

これは中身の話ではないような気もしますけれども、ここの中で「面会・通信制限」のところで、一時保護中の面会・通信は本来こどもの権利という記載がございました。

一番下のところですけれども、大枠では異存はないのですけれども、記載として可能な限り希望に添うことが原則とか、こどもから面会・通信に関する希望があった場合には、禁止せざるを得ない事情がある場合を除き、実現すべきとなると、私からするとかなり強い表現で、やや危惧を覚えるところがございます。

具体的には、虐待を受けたお子さんで、それでもお子さん自身は例えば親御さんに会いたいということを要望としては言うかもしれませんが、それがあったとしても、それを止めるべき場面、そこに関わる大人が責任を持って止めるという場面は必要だと思うのです。

お子さん自身が要望しているのだということが、言い方が悪いですけれども、錦の御旗のようになって、それで安易に面会を進めることが、逆にお子さんの傷つきを深めたりとか、何なら虐待の再発につながったりする危険も留意されるべきだと考えます。

ここはもちろん何ゆえに駄目なのか、何ゆえに大人側としては駄目だと思っているのかを丁寧にお子さんに説明することはセットだろうと思っております。

その辺は意見聴取とかの関係でも出てくるところだろうと思います。

「駄目なものは駄目」と言うだけでは駄目だということですね。

それを申し上げておきたいと思います。

あと一つ、27ページの意見表明支援員のところです。

いろいろおまとめいただいていて、ありがとうございます。

ここに書いてあることに加えてといいますか、アドボケイトさんがやることは何かということに加えて、やらないことは何なのかも国としての考え方をお示しいただけるととてもありがたいと思います。

何となれば、各地の今までの実践で、弁護士がアドボケイトを務めているところもあるのですけれども、もともと弁護士はこどもの意見を聴く、それを伝達する、そこで果たされなかったら、そこで交渉を始めてしまうのですね。

そこで何ゆえにできないのだと、まさにそれが弁護士の交渉活動であるわけですけれども、そこまでをアドボケイトさんがやるのかどうなのか。

これももちろんいろいろな在り方があってもいいというところだろうとは思いますけれども、大枠、こう考えるのがいいのではないですかみたいな枠をお示しいただけると、あとのアレンジは各自治体ということができるかと思いますので、そういったところも御検討いただければ幸いです。

長くなりました。

以上です。

山縣部会長:ありがとうございました。

続いて、畑山委員、お願いします。

畑山委員:ありがとうございます。

簡単に自己紹介だけさせていただきますと、私自身、もともと乳児院であったり、児童養護施設といった社会的養護のケアを受けた経験を持っていますので、こういった社会的養護の経験を持つ者として、また、今、ケアを離れた若者を支援する立場として、また、地域の中で子育てをする母として、日々出会う方々の声も含めながら、一つでも多くの声をお伝えできたらうれしいなと思って、今回参加させていただきます。

私から3点あるのですけれども、最初は家庭支援事業についてです。

藤林委員も述べていたところではあるのですけれども、子育て世帯訪問支援事業や親子関係形成支援事業の利用者負担額について、ぜひ御検討いただきたいと思っています。

資料にも書いてあるとおり、特に支援が必要な層に利用者負担を理由に利用を控えることがないようにとあるのですけれども、全ての子育て世帯がなるべく気軽に利用できるようにしなければ、虐待の予防という位置づけにある支援事業としては機能しないのではないかと思います。

支援につながる機会を増やすためには、サービスを利用するためのハードルを下げなければいけない。

つまり、利用者負担は極力取らないという検討も必要ではないかと考えます。

というのも、私たちが関わるGivingTreeのところで、子育て支援に来られるお母様の悩みの多くは、離乳食についてどうしたらいいのか分からないとか、夜、こどもがぐずるのをどうしたらいいかとか、イヤイヤ期について困っていますとか、こどもの発達の遅れについて困っている、日々の何げない悩みではあるのですけれども、この悩みが、本当にいつぐずるか分からないこどもたちをだっこして電車に乗って役所に行って相談するほどでもないと思っていたりとか、そういった不安やしんどさを積み重ねて爆発して子育てに影響することがあって、この方々も支援が必要なさそうに見えても、サポートをすごく必要としている状態には変わりはないのですね。

だけれども、お金を払ってまで支援を受けるほどでもない、また、そういった状態にあっても家族で何とかしなければいけないというような、家族主義であるからこそ支援にたどり着きにくい状態があります。

そうしたことによってこどもが不利益を被ることを考えたときに、箱やサービスをつくるだけでなく、どう届けるのかをしっかり考えなければいけないのではないかと思います。

2点目が、一時保護開始時の司法審査についてですけれども、不安定な状況にあるこどもたちの真の声を聴くことはすごく難しいとは思うのですけれども、そうした中、こどもの意見や意思は、状況であったり、環境の変化の中で日々移り変わっていくものです。

司法審査においては、いかにこどもの自己決定のプロセスに寄り添うのかがすごく重要であるということで、これまで議論されてきたかと思うのですけれども、こどもの権利擁護という観点で、こどもの意見に添えない決定をする場面もきっとあると思うのです。

でも、そのこどもの人生にとったら、その一時的な決定であってもすごく大きなことであって、決定をした人を恨み続けたり、その後のこどもの人生でかなり引きずってしまったりということが起きるかと思います。

そうしたときに、司法審査での決定が終結というものではなくて、その後の移り変わり続けるこどもの意見であったり、意思であったり、そのこどもに伴走し続ける仕組みをしっかり検討していただきたいです。

さらに、意見聴取、意見の反映、その後、こどもたちへのフィードバックをどうやって行ったのか、それがよかったのかどうかも含めて、それぞれの場面で評価を行って改善していく仕組みをしっかりつくらなければいけないのではないかと思います。

最後に、私が社会的養護の若者に関わるというところで、自立支援の部分もぜひ一部述べさせていただきたいと思うのですけれども、ほかの部会で議論をされているところではありますけれども、社会的養護の経験を持つ若者も、若年でシングルで子育てをされている方も本当に多くいます。

ケアを離れて地域に戻った後、福祉につながっていない、だけれども、本当は支援を必要としているケース、本当に多くあるのですけれども、地域に戻った後の生活支援が必要だと思う一方で、その中でよく議論されている特定妊婦の支援にもつながってくる部分もあるかと思います。

特定妊婦という言葉がいいかどうかも含めて議論が必要ですが、地域の中の生活支援を考えたときに、退所後の支援が児童相談所だけ、責任がそこになるだけではなくて、市町村も積極的に意識を持っておくべきではないかと思います。

以上です。

ありがとうございました。

山縣部会長:ありがとうございました。

続いて、藥師寺委員、お願いします。

藥師寺委員:児童相談所の立場で2点述べたいと思います。

一時保護所につきましては、先ほどの説明にもありましたように、来年度に向けて一時保護所の設備・運営基準が示されることになっております。

ここ数年の状況を申し上げますと、警察からの身柄付通告が増加しておりまして、大阪府では夜間・休日の入所が6割ということで、開庁時間よりも多くなっておりますので、夜間・休日体制の強化が必要な状況となっております。

また、日々、一時保護所に入所してくるこどものほとんどが虐待通告を受けて一時保護となっておりまして、調査研究にもありましたように、虐待の影響から精神的に不安定な状況にありまして、自傷や暴力など行動上の課題のあるこどもが増えてきています。

そういったこどもたちが安心・安全な環境で生活するためには、職員の支援の専門性の確保は当然のこと、職員配置の充実が切実な問題となってきております。

国の基準を示されるに当たっては、全国の一時保護所の状況や児童相談所の意見を十分に聞いていただきまして、人員や予算要求につきまして、来年度に間に合うような時期までにお示しいただきたいと考えております。

1点、よろしくお願いいたします。

2点目なのですが、先ほどこども家庭センターで、実際に今まで要対協で見守ってきた親子につきましては、見守りだけではなくて本当に必要な支援をしっかりと届ける体制がこれから構築されていくのではないかと非常に期待をしております。

ただ、現実の要対協の機能・運営について、かなり課題があります。

代表者会議や実務者会議、個別ケース検討会議という形で構成されておりますけれども、児童相談所としても効果的な運営の在り方を市町村と連携して協働して取り組んでいるところなのですけれども、実際にマネジメントをするケースが700~800ケースとか1,000ケースという形で、マネジメントするだけでも、実際にアセスメントするだけでも非常に困難な状況にございますので、そういった要対協における情報収集、リスクアセスメント、ニーズアセスメントをどういう形でするのか、支援プランの作成をどんな有効な形でやっていくのかを、こども家庭センターの支援が行われていくことも踏まえまして、要対協の在り方について、いま一度議論をしていくべきではないかと考えております。

以上です。

ありがとうございます。

山縣部会長:ありがとうございました。

では、川村委員、お願いいたします。

川村委員:私からは社会的養護経験者の視点で発言をさせていただきたいのですが、家庭支援事業の中の児童育成支援拠点事業と、今回のテーマではないのかもしれないのですけれども、社会的養護自立支援拠点事業、こういった拠点事業に今、注目していて、例えば家庭引取りになって児童養護施設から在宅に戻ったお子さんや、あるいは一時保護されて施設には行かないけれども在宅に戻った、そういった家庭に戻ったこどもたちというのが、社会的養護自立支援拠点事業のターゲットでもあるだろうし、児童育成支援拠点事業のターゲットにも、両方に重なると思うのです。

やっているところは都道府県、市町村と違っているというのはあるのですけれども、先ほどから何回もお話の中に出てくるように、都道府県と市町村の間の情報連携の壁や溝などの厚みを取り払っていかないといけない。

市町村の職員の中には児童養護施設のことを知らないみたいなお話もありましたけれども、リスクのあるような御家庭、お子さんという情報はつないでいって、切れ目のない支援を、こどもがどこに行っても見守りが届いて、こどもたちが支援に手を伸ばしやすい、あるいは周りの大人が気づきやすい環境をつくらないといけないのかと思っています。

そういうためには、いろいろな拠点事業が整備されてきているので、各スポットにいる大人たちが情報をつなげ合うことが一番大事なのかと感じているところです。

以上です。

山縣部会長:ありがとうございました。

では、現在リモートで挙手されている方の最後になります。

中村委員、お願いします。

中村委員:中村です。

よろしくお願いします。

私からは大きく2つありまして、その前に、増沢委員の情報に補足する形で情報提供させていただけたらと思っています。

増沢委員が親子のショートステイなどというお話をされていたかと思いますが、今、一時保護も乳児に関しては里親家庭での一時保護も増えていると思いますし、福岡市の実践では、親子を受け入れる里親の開拓ということでモデル的に実践が始まっています。

施設だけではなくて里親という既にある資源も活用した実践がスタートしつつあるという情報提供でした。

私も川村委員、畑山委員と同じく社会的養護を経験しているというところと、今、まさに里親支援ということもさせてもらっている中での御意見をお話しさせていただけたらと思っています。

昨年度、これまでは畑山委員と2人の体制でしたが、今年度、川村委員にも参加していただいて3名体制になったこと、本当に心強く思っています。

ありがとうございます。

まず1点目なのですけれども、在宅支援のプランの作成の理念について、事務局から御説明されていたかと思いますが、この作成の理念に関しては、私は本当に賛成というか共感をしておりますし、当事者が一緒に考える計画は本当にとても大切なポイントだと思っていますし、ぜひ実践レベルでも浸透させていただけるといいかと思っています。

これは視点の問題になるかもしれませんが、このプランを考えるときは、乳児期にサービスを提供する場合は、乳児期のみのサービスの提供の計画を考えることになるかと思いますが、こどもの育ちというのは乳児期だけにとどまらないためパーマネンシーの保障という視点でサービスプランを考えてもらうことが大切かと思っています。

今、私は仕事でショートステイにも携わっており、今後プランを考えたときに、その時期だけの計画になりがちだと思います。

例えばその子が小学生になったら、中学生になったら、そのまま地域で生活できるのかとか、そういう長い目で見て、今のこどもや家庭に対して提供するプラン作成という視点を持っていただけると、より良いのではないかと思っています。

先ほど川村委員がおっしゃっていたアフターケアの部分もそうですし、幅広く全てのこどもの拠点事業を考えると、つながりがあって、継続してこどもたちがどこにいてもサービスを受けられるということが大切かと思いますので、こどもの育ちという視点を持っていただけると嬉しく思います。

もう既にほかの委員の方からもお話がありましたが、サービス提供者である民間団体と行政の連携は、私も仕事の関係で、なかなか難しく感じています。

親子を支援するためには支援者同士がしっかり手を取り合ってサポートする、連携することがすごく大切ですが、ここがなかなか今の時点では難しいので、新たなセンターで新たなサポートプラン作成のときは、ぜひ民間のサービス提供者との協働もイメージしていただけるといいのではないかと思います。

2つ目が、こども家庭福祉の認定資格の件です。

資料を拝見して、これまで多くの委員の皆様に議論していただいたおかげでここまで詰められたのだと感じました。

大きく2つあって、1つ目は、カリキュラムの中の当事者参画の視点とか、あとは教える側の専門性の担保についてです。

どう機能しているのかをチェックするような、実際にされる機関の方々が講師を組まれると思いますが、その講師が適任化どうか、当事者の声はちゃんと入っているか、当事者の参画はされているかみたいなことをどこかで誰かがチェックできると質の担保が図られるかと思います。

もう一つが、例えば、私が今、里親支援をしているので資格を取りたいとなったときに、実際に研修を受けやすい仕組みが重要で、今、働きながら時間を取って学んでいく中で、費用面や時間面が気になっています。

資料にも書かれてあったと思いますが、私も自分事として捉えて、より実践者にとって受けやすい仕組みになると良いなと思っています。

以上です。

ありがとうございます。

山縣部会長:ありがとうございました。

では、再び全員で。

上鹿渡委員、お願いします。

上鹿渡委員:ありがとうございます。

私からも4つ提案したいと思います。

まず1つ目は、パーマネンシー保障という考え方をもっとみんなで共有することが大事だろうと思います。

私も委員となって実施したこの親子関係再構築に関する調査研究について最初に紹介していただきましたけれども、そのガイドラインの中でもそういったことを明確に入れました。

それは文言としては、「親子関係再構築支援に当たっては、こどもの権利に根差して、こどもの健やかな育ちのため、パーマネンシー保障を目指す中で、こどもの最善の利益の実現を目的として実施する必要がある。

」ということを最初に共有して、そこからこの親子関係再構築というものをどのように考えていくかが重要だとガイドライン案として挙げています。

親子関係再構築は都道府県だけではなくて市町村が必ず関係してきて、ケースによって度合いというか、入り具合が変わるというのがこの調査研究を通して具体的に示されておりますけれども、市町村の方々は、現時点ではパーマネンシー保障というのはほぼ概念にないというか、分からないと思います。

それどころか、もしかしたら児童相談所の方々の中にも、若い職員の方などだとそこは明確には理解されていない、聞いたことはあるけれども、具体的にそれはどういうことを意味し、こどもにとってどれだけ大事なことであるか、こどもというか人にとって大事なことだと思うのですが、そういったことがまだまだ共有されていないと思うのです。

かつての社会的養育専門委員会が今回の児童虐待防止対策部会と社会的養育・家庭支援部会の2つに分かれているのですけれども、この2つを通す考えの一つがこのパーマネンシー保障だと思いますので、いろいろな取組においてこの考えをまずは共有した上で、例えば里親支援に関するものでも、このパーマネンシー保障ということが先にあって里親委託をどうするかという話になっていきますし、この辺りをしっかり共有できるようなことをしていかなければならないと思っています。

特に児相の方や市町村の方にこれをどう広めていくかを、国にも取り組んでいただきたいと思います。

2つ目が、新しいことにたくさん取り組んでいくというか、先進的なところではやっているのだけれども、多くの場所にとっては非常に新しい取り組みがたくさん必要とされてくるのですけれども、それに取り組むときに、横のつながりがとても重要になると思います。

これも国から最近よく言っていただいているのですが、具体的に繋がれる機会をしっかりつくっていくことが必要だと思います。

これも先ほどの調査研究の中で、シンクタンクが非常によい取組をしてくださって、自治体に意見を聞くのも全てグループディスカッションにして、ブロック8か所で対面等も入れて実施してくれて、市町村と県と、本庁と児相が参加する形で実施できました。

勉強会という形でも3回実施し、最後の研修会はオンライン開催だったのですが、アカウントで377の参加があり、うち市町村は191参加とのことでした。

このようなテーマで400近くの参加があるというのはすごいことだと思います。

機会があればそこに参加して何とかしたいという市町村の方も190ありましたので、場があれば、市町村の中の全員はそういった関心はないかもしれませんが、その中でも特に関心を持ってくださっている方をつないでいくような機会をしっかりつくっていけたらと思います。

年に1回などではなく、ある程度定期的に実施できたらよいのではないかと思います。

国で実施するのが難しければ、どこか民間にこういったことを委託する形で、このような横に繋がる機会が、特に新しいものをつくっていくこれからの数年間はとても大事ではないかと思います。

お互いに共有し合って自分たちでできることも多いのではないかと思いました。

3つ目は、市町村がなかなかうまくできないというか、人材が足りなかったり、人がいたとしてもそういうことが分からないということがある中で、社会的養護の領域はでは施設の多機能化、機能転換ということが進んでいて、この動きとしっかりリンクしていくことが必要だと思います。

特に親子関係再構築などでは、誰がやるのかとか、プログラムはどうするのか、プログラムだけでやれる問題ではないのではないかといったことが非常に大事な考えでもあるのですけれども、その実施体制をつくっていくのに例えば乳児院や母子生活支援施設などはかなりこういった方向で多機能化が進み始め、フォスタリング機関としての部分だけではなくて、予防的な部分でどういったことができるか、こどもにとってはより必要なことですので、そういったことに取り組もうとしている例がいっぱい出てきています。

ぜひそのような施設の動きをもっと活発にできるように、そういう挑戦をしやすくなるような経済面や様々なところでの支援や機会を設けていただきたいと思います。

さらに細かく言うと、これが4つ目になりますが、プログラムについてです。

これもいろいろなものが日本では既に実施されているのですけれども、提供してくださる方々と、それをやりたいと思って、どこに行ったらそれができるのだろうと思っている方々が結びついていない現状もあります。

私が所長をしている早稲田大学社会的養育研究所で、黒田公美先生が理化学研究所におられた際に中心になって作られたネットワークを引き継いで、主なプログラムを提供する団体のネットワークとプログラムを必要としている現場とを結びつけるようなことをできたらと思っています。

そういったものもより活発にできるような取組がなされると、先ほどの都道府県や市町村のネットワークとこういったものも結びつけていくと、みんなで新しいものをつくっていけるのではないかと思います。

このような中で、大きなマンションでCAREとトリプルPを実施する取組をしました。

それは自治体でというよりはコミュニティーですね。

たくさんの世帯が入居されている大きなマンションなので、その中で共有スペースを使って実施しています。

これは本当に新しい取組だと思いましたが、実施後かなりよい感想も出ています。

民間は本当に必要とされる様々な取り組みをつくっていけるのではないかと思っています。

以上です。

ありがとうございます。

山縣部会長:ありがとうございました。

では、橋本委員。

橋本委員:私、一時保護時の司法審査の検討会のメンバーなのですけれども、その立場から一言言わせてもらいます。

この司法審査というのは、一番大事なところは、こどもや保護者の権利をどう守っていくかも一つ大きな柱であると思うのですけれども、一方、一時保護の緊急保護あるいはアセスメント、こういうところも忘れてはならない。

両方というのは非常に相反することかと思うと実はそうではなくて、両方大事なところで、両天秤が非常にバランスがとれているということが求められているのだろうと思うのです。

このバランス感覚がないと、どうも支援者と保護者あるいはこどもが敵対関係になったり、支援が入っていかなくなったりというところがあると思うのです。

だから、ここら辺の感覚を忘れずに、今後マニュアルをどうつくっていくかが我々の役割かと思っているところです。

また、枠が中身を規定していくということはよくあると思うのですね。

今後そのマニュアルをつくって、枠をつくって、次に何が大事かというと、中身をどうやってやっていくかというところの連続性みたいなものを考えながらやっていきたいと思っているところです。

感想程度になりましたが、以上です。

山縣部会長:ありがとうございました。

リモートのほうで、大久保委員、手が挙がっておりますので、大久保委員、お願いいたします。

大久保委員:ありがとうございます。

大きく2点なのですけれども、先ほどから話がありましたように、市町が地域支援をやっていくに当たって、施設や里親さんの役割は、私も機能とすると非常に大きいものがあると思っています。

ただ、現状、お話を聞くと、特に里親さんに関しては、市町村は登録している方の情報までは知っているのだけれども、どのような方なのだということが分からないということをよく聞きます。

ただ、個人情報の関係もあるのですけれども、貴重な社会資源としての里親さんの活用は、ある程度そういう形で情報を共有できる仕組みが一つ要るのかということは思っています。

施設側の滋賀県での一つの動きなのですけれども、都道府県である施設が地域支援をやっていこうということで、自分たちで立地しているところと隣接している市町の行政の職員を集めて、こういうことをやっているのですよという説明をしたら、ショートステイの数が一気に増えたという事例がございましたので、そういう取組も含めて、各施設の取組を全国レベルで共有できると、またそういう動きも広がっていくのではないかと思っています。

もう一点は、一時保護所のことで、本来あまり長期化することはよくないのですけれども、長期化してしまって、そうなると、学習保障のことは常に非常に悩ましく思っています。

これに関しては、こちら側で考える必要もあるのですけれども、何か教育サイドとICTを活用した形であるとか、保護されたこどもさんの個人のプライバシーを守りながら、何とか学習の機会を提供できる方法が考えられないかということを思っております。

以上です。

山縣部会長:コロナでリモートを使った教育も大学等は当たり前のようになってきましたので、一時保護所もそういうものもアイデアとして、ありがとうございます。

ほか、いかがですか。

北川委員、お願いします。

北川委員:たくさんの説明をありがとうございます。

また、それに関わった研究などの先生方、御尽力をありがとうございました。

今の大久保委員の発言で、里親の活用ということがあったので、私も里親もしていますので、本当に資源として活用していただけたらと思いました。

私から2点です。

障害のある子を支えている立場で、障害のある子の子育ては特別な思いや育児負担がある、スペシャルニーズがありますので、今までの研究からも虐待のリスクが高くなる場合もあります。

出生前診断などでも90%以上陽性と分かったら妊娠を中断されることがありますので、私はこども家庭センターで行われるサポートプランを通して、まず一丁目一番地のスタートのところ、社会から温かい支援が受けられるのだと、そういう日本にしていってほしいと思います。

先ほどから市町村の人手不足などいろいろあるとは思うのですけれども、障害児相談支援などの民間との協働も含めて、その仕組みを考えていただきたいと思っています。

2点目ですが、本当にこのこども家庭ソーシャルワーカーのできるまではすごく大変だったのですけれども、今日見て、このように研究の中で具現化していただいて、ありがとうございます。

着実に進んでいるということが、中村委員と一緒にうれしく思っています。

障害のこどもの特性が理解できないばかりに虐待になってしまったり、こどもに対して何度言っても分からないというようなことで虐待のリスクも高くなりますので、この中に入っているかもしれないのですけれども、心理的発達と心理支援、またこどもの成長と発達と生育環境とか、障害特性についてのカリキュラムもこの中にぜひ入れていただきたいと思いました。

ソーシャルワーカーが障害特性などを分かっていることが大事だと思います。

以上です。

山縣部会長:ありがとうございました。

秋山委員、お願いします。

秋山委員:秋山です。

ゼロ歳の虐待による死亡が多いことから、虐待の予防の観点から幾つか述べさせていただきます。

まず、親子関係形成支援事業、これは全ての親子に実施していただきたく、それも妊娠中からやっていただければと思います。

ペアレントトレーニングなどを活用して、体罰禁止や発達障害児への適切な対応への学びにつながると思います。

2点目は、居場所支援や一時預かり事業は、産後から児童生徒に至るまで各時期に合わせて用意する必要があると思います。

産後ケア、乳幼児健診で出会った親の要望として、休息のための一時預かりとこどもと一緒に出かけられる場所が欲しいという要望が多くあります。

3点目です。

サポートプラン、これは全ての親子に用意をしていただきたいと思います。

今の子育て支援は、私のイメージは、親子が一斉にマラソンをスタートしているというイメージがあります。

給水ポイントがありますけれども、その給水ポイントに手が届かない、あるいは知らないということがあります。

そこで、陸上でいくとレーンを分けていただいて、1コース、2コースというコースを選ぶことで妊娠中から給水ポイントがここにあるということがわかり、そして、コースを自由に利用者が変更でき、また、相談機関、乳幼児健診等を利用したる伴走型支援の活用をして、親子のニーズが変化しているのであれば助言して変えていくという流れのサポートプランができればと思っています。

もう一点はアドボケイトですけれども、施設や関係機関の質の担保として、今回の仕組みの整備は非常に必要だと思っています。

しかし、こどもたちがすぐに話せるようになるために、こどもたちが幼少期から自分の話を否定されることなく受け止めてもらえるという経験を日頃から積ませておくことが必要です。

家庭、園、学校、そして、私どもの医療機関を含む関係機関への啓発もお願いしたいと思います。

最後です。

相談機関として、かかりつけ医も加えていただきたいと思います。

医療機関は急性疾患だけではなくて成長発達、メンタルに対し、小児科、内科、精神科、心療内科、産婦人科など、連携して長期に関わることが可能です。

こどもたちが自立したときに医療機関を利用できるということも教えておいていただきたいと思っています。

以上です。

山縣部会長:ありがとうございました。

では、倉石委員。

倉石委員:ありがとうございます。

手短に2点で、こども家庭センターと親子再統合のところなのですけれども、大きな話なのですが、先ほど浜田委員もおっしゃったのですけれども、印象ですけれども、こどもと保護者を一体化させることが大事であるというニュアンスが感じられます。

むしろこどもの意見をどう尊重するかということであったり、親子再統合のところにはこどもの最善の利益を尊重するということが明確に示されているのですけれども、こども家庭センターのほうにはそれが抜けているということですね。

ですから、浜田委員もおっしゃったように、こどもが親と会いたいとか、親と過ごしたいと言っても、それをどう捉えていくのかというところの意味をしっかりケアをしながら、こどものケアをしながら、発言の意味をしっかり受け止めなければ、親子で過ごすことがいいだろうとか、再統合することがいいだろうとなりますと、これがこどものためにならないということがありますので、書き方次第によっては、現場の方がまず親子再統合や親子支援と、一体化のほうに支援が流れないようにしていくことは一つ大事であろうと、大きなお話なのですけれども、思っています。

もう一点は、これは細かな話なのですが、かかりつけ相談機関のところで、個人情報のことが出ています。

私はここの委員をさせていただいていて、実は内実はかかりつけ相談機関で情報共有を優先してしまうと、かかりつけのハードルが高くなって、相談しない親子が出てくる可能性があると。

つまり、ぽろっとお話ししたことが、相談で一言漏らしたことが、それは大変だということで保健師さんやドクターやソーシャルワーカーに共有されてしまうことを恐れる、そういう親子、親御さんもいらっしゃるのではないかということなのです。

この情報の共有と、一方では情報管理ということも書かれているのですけれども、ここを丁寧にしっかりと現場レベルでこのかかりつけ相談機関における情報共有と情報の管理というのはどういうことなのかを、例えば情報の概念を共有するとか、情報共有することの意義と課題がどういうところにあるのかということと、情報共有の方法をしっかりと意味づけていかないと、法的なことだけを書いてしまうと現場は非常に混乱して、具体的にいうと、行政機関が情報を持っていて民間機関に流さないとか、情報共有が行われないとか、これは個人情報の管理のほうのお話ですけれども、情報共有のほうが進んでしまうと、先ほど言ったような利用抵抗が起きるということもありますので、この点はより慎重に今後検討していただきたいと思っております。

以上の2点です。

山縣部会長:基本的なところを押さえていただいて、ありがとうございます。

では、相澤委員、お願いします。

相澤委員:私からも何点かお話しさせていただきたいと思います。

まず、この部会ですけれども、冒頭、座長が「こどものために」と発言されましたけれども、「こどもとともに」という部会にしていくことがとても大切だと思っています。

そういう意味では、例えば今日の会議の議事概要みたいなものをこどもが読めるように作成、提供して、それに対してこどもから意見を求めて、次の部会のときにそれを紹介していただくとか、そういったことはできないのか御検討いただければ非常にありがたいと思います。

それから、今回の改正は一度の改正で行う範囲を大幅に超えているだろうと思っております。

この施行について、調査研究を実施しながら準備を整えてきたわけですけれども、新規の法定事業も多くて、実践の積み上げもなければエビデンスもないような中で実施することになるわけでございますけれども、これだけの新規事業を自治体に実施してもらうために、ハードルを低くして、実施要項やガイドラインを作成して実施することになると、それはこどもが不利益を被ることにつながる場合も出てくるだろうと。

したがいまして、こういうことはあってはならないということでございます。

例えば被虐待のあるこどもに対しては不適切な不十分な対応がこどもに決定的なダメージを与えかねないということを考えて、それぞれの事業でセーフティーネットがきちんと確保されているのか再点検をしながら通知等を発出していただいて、そして、新たな事業を開始する必要があるのではないかと。

そして、実施した場合も定期的かつ必要に応じてモニタリングを実施すると。

そういうときに、こどもの声を聴きながらモニタリングを実施していくことを、こどもから確認をして、こどもが不利益を被ることがないようにする必要があると思います。

これは全体的なことに対する意見です。

もう一つは、例えば市町村などで人材育成や確保などとても大変な状況にあるわけで、複合的な問題などは、例えば虐待の問題でこどもの場合は児相に保護者の方に精神疾患があれば精神保健福祉センターに、DVなどであれば女性センターにと、こういうものを市町村がそれぞれの相談機関に相談されるというのはとても大変ですね。

ですから、例えば県レベルの、児相とか、女性センターとか、精神保健福祉センターなどが一堂に会して、各相談機関のスーパーバイザーによってスーパービジョンを受けるとか、人材を有効活用するような相談事業みたいなものも考えていただくと、市町村にとってはいいのではないかと思います。

もう一つは、認定資格ですね。

現役の方がこども家庭ソーシャルワーカーを受けるに当たって100時間の研修を受けるということですけれども、これはかなりインセンティブを働かせないと手を挙げて受けないだろうと。

そういった意味で、せっかく専門性を高めるということでつくったシステムでございますので、受けられやすくインセンティブが働くような、そういう点についても御検討いただければと思っているところでございます。

あとはほかの人たちがいろいろ言ってくださいましたので、私からは以上でございます。

ありがとうございました。

山縣部会長:ありがとうございました。

冒頭、私の発言に対して相澤委員から御指摘いただきまして、全くそのとおりだと思っています。

学生にはソーシャルワークを英語で言うときにはソーシャルワーク・フォー・パーソンではなくてソーシャルワーク・ウィズ・パーソン、「誰々のためのソーシャルワーク」ではなくて、「誰々とともに進めるソーシャルワーク」というのですよ。

御指摘をありがとうございました。

前言を取り消したいと思います。

あと1分ちょっとですけれども、伊原委員だけの声が聞こえておりませんので、もし何かございましたら、伊原委員、よろしくお願いいたします。

伊原委員:ありがとうございます。

私からは実際の市町村の現場の話をさせてもらいますと、今、地理的にも都市部なので、児童相談所のほうの建設が東京23区のほとんどの区に建設が予定されていたりとか、千葉県ですと県の児相が2か所増設になって、隣接の船橋と柏というところも市で独自の児相をつくるということで、児童相談所の職員が全然今は不足してしまっている状況がありますので、市町村としては、我々としては、児相に送致しないような予防のところをきちんとやっていかなくてはいけないと思っております。

そういった意味で、平成29年4月から子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターは同じ組織で運営をしているので、我々のほうでは、今、こども家庭センターをこの4月から設置しまして、統括支援員も置いてやっているのですけれども、これから先ほどもあったように子育て世帯訪問支援事業も予算化しておりまして、その辺の利用者負担などについても問題提起がありましたので、スーパーバイザーの権限で必要な人には無償で使わせるとか、そういったことも今後枠組みとして考えなくてはいけないと思っていますので、また皆様の御意見を伺いながら進めていきたいと思っています。

ありがとうございます。

山縣部会長:ありがとうございました。

ちょうど予定の11時になりました。

本来ならば委員同士の議論をもう少しして深めたかったところなのですけれども、冒頭に言いましたように、かなりスケジュールが込んでおるということで、事務局には一人一人の意見でございましたけれども、今後の制度設計あるいは通知等をつくる際に、そういう委員から意見があったということを踏まえて設計をいただけたらと思います。

今日はこれで終わりたいと思いますけれども、次回、今後の予定等について、事務局から何かありましたらお願いします。

河村虐待防止対策課長:たくさんの点を御指摘いただきまして、ありがとうございます。

本日の議論を踏まえて、この後、私どもは令和6年度の施行に向けた予算要求の詰め等を行ってまいりたいと思っております。

次回の日程は、そういった予算等の対応の進捗もよく見ながら、適切な時期を座長とも御相談をさせていただいて、改めて皆様方に御連絡をさせていただければと思っております。

山縣部会長:ありがとうございます。

次回については全体状況を見ながら再度調整ということで、委員にまた連絡をさせていただきたいと思います。

よろしくお願いします。

どうぞ。

増沢委員:御質問だけ、すみません。

今日のこういった重要な意見が幾つも出たと思うのですけれども、こども大綱をこども家庭庁がつくられますね。

いろいろな部会があって、こういった意見はこども大綱にはどのように反映されていくのかという、そこら辺の見通しを教えていただければと思うのです。

山縣部会長:ありがとうございます。

河村虐待防止対策課長:4月に組織が立ち上がった後に、こども大綱の取りまとめ自体は長官官房の部局で全部の分野をカバーしてやっていくわけなのですけれども、十分にこども大綱のいろいろな立てつけをどうするのかとか、議論の進捗としてこの後どうやって進めていくのか、まだ中の調整がよくできていないところがございまして、私どももこの後コミュニケーションを取りながら、またそちらとの関係については改めて整理をしていきたいと思います。

今の時点でこういうスケジュールでこう進行しますというものがお伝えできる状況になっていなくて恐縮です。

増沢委員:全体から見ると貧困対策や少子化の問題などが前面に出てきて、こういった虐待の問題が後ろ側に行ってしまったら困るという思いから、今、ご質問させていただきました。

山縣部会長:北川委員、どうぞ。

北川委員:私も3月の末までこども大綱をつくる有識者か意義に上鹿渡先生と関わらせていただいたのですけれども、全体的には今、増沢委員がおっしゃったような少子化、貧困、こども・若者で、本当に虐待を予防するとか、親子を支えるとか、社会的養護の視点が非常に薄い感じがします。

委員をやっていて、一応発言はしましたが申し訳ないのですけれども、こども家庭審議会の親会に山縣先生とかが行かれて、ぜひこの辺りのこの部会の意見を反映させていただきたいと思います。

山縣部会長:分かりました。

心して向かいたいと思います。

ありがとうございました。

よろしいでしょうかね。

では、5分ほどオーバーしましたけれども、第1回の部会、これで閉じたいと思います。

ありがとうございました。

次回、またよろしくお願いします。