こどもの居場所づくりに関する検討委員会(第3回)
概要
- 開催日時:令和4年11月14日(月)15時00分から17時00分まで
- 開催形式:オンライン・対面開催
議事
- 報告書のとりまとめに向けて
- こどもへのアンケートの調査設計について
配付資料
- 資料1:報告書のとりまとめに向けて(PDF/369KB)
- 資料2-1:こどもや若者へのアンケートの調査設計案について(PDF/630KB)
- 資料2-2:こどもや若者への調査の全体像(案)(PDF/630KB)
- 参考資料1:第2回検討委員会議事要旨(PDF/428KB)
議事要旨
(1)開会
○ 小倉將信内閣府特命担当大臣、和田内閣府副大臣より挨拶。
(2)議事
○ 事務局より、「報告書のとりまとめに向けて(資料1)」について説明。
○ 委員より、以下の意見あり。
「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」の取扱説明書にあたるものが必要ではないか。居場所は主観的なものであることをふまえれば、人によって居場所と感じるものが異なり、また支援団体ごとに価値観も異なるので、(3)は、今回の調査結果を踏まえた、色々な人の居場所になりそうな要素をリスト化したものであるということを記載してはどうか。冒頭に、居場所の要素として相互に矛盾した項目も含まれるが、共通に大事にしたい要素の最大公約数を整理することを意図したものであることなど、表記されると良いのではないか。
居場所づくりを目的に活動している団体等もいれば、居場所づくりを直接目的にしていないけれども、結果として誰かの居場所になっているという団体もある。後者の団体においても、(3)で挙げられている要素があった方が良いと思うし、それが読み手に伝わると良いのではないか。たとえば、もし(3)の取扱説明書にあたるものを記載するとしたら、まずは、居場所が沢山ある社会にしていきたいということ、その上で、居場所と呼ばれない場所も含めて、このような要素が社会全体に広がっていくと良いという二段構えで記載してはどうか。
「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」について、「参加する場-支援する場」 という区分けはイメージしやすい一方で、参加もするし支援もされることもあるので、日本語としては改良の余地があるのではないか。例えば、ヨーロッパのユースワーク大会において「ユースワーク」を定義した際には、「スペースとブリッジ」という表現を用いてきた経緯があり、「場を用意すること」と「何かやりたいことや成長への橋を架けること」の意味がある。このように、居場所の機能に注目して整理すると良いのではないか。ユニバーサルかターゲットかという整理は、機能ではなく、対象についての整理になると思う。
「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」や「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」のいずれにも関連するが、居場所を説明する際に、「○○(学校、学童、病院など)とは異なり、居場所は・・・」という書き方をしない方が良いのではないか。その方が、より多様な居場所に関わる人にも意識してもらえると思う。
「(5)居場所の課題」について、居場所が目的的な場所になってしまうことへの懸念について言及があっても良いのではないか。居場所において、色々な学びや成長に繋がることは素敵なことであるものの、それを目的として、学びや成長のための場所として居場所を捉えることには危険性もある。居場所が多様な可能性に開かれていることをどのようなさじ加減で実現していくかは、ワーカーや支援者にとってとても重要なことだと思うので、その難しさと重要性がきちんと書かれているといいのではないか。
本報告書は、地域や社会の中に、居場所的なもの(結果として誰かの居場所になっているもの)が増えていくための指針にもなる方が良いのではないか。その意味で、現状の「(5)居場所の課題」は、居場所づくりを行う人たちの課題になっているが、地域や様々な社会の中に、居場所的なものを普及させることも今後の課題であると言える。また、居場所は、評価や成果という表面的な KPI で測れるものではないということについても何らかの形で言及してはどうか。
居場所をつくるところから、こどもたちと一緒につくることが大事な視点である。つくるプロセスの中に必ずこどもが入ってくるような作り方・意識が大事ではないか。
資料1の2ページ目の「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」について、 大きさの異なるものが並列されている。最も重要なものが理念であり、その理念を実現するために視点が重要で、その視点を具体的に実現するには、このような要素がある、という流れではないか。その意味で、「視点・理念・要素」は、「理念・視点・要素」となり、その上で、どれが理念、視点、要素に該当するのかを構造化して整理する必要がある。
冒頭の大臣挨拶にて、居場所のモデル事業を今年度補正予算(案)として要求していると伺ったが、居場所については、掲げる理念や実現されるものが1つではないということを、これまでの調査過程で確認してきたので、居場所のモデル事業においても、そのような居場所の多様性を受け入れる設計であってほしい。
居場所の要素について、客観的要因と主観的要因に分けられると思うが、大人が環境整備すべきところは客観的な部分になる。客観と主観の区別は難しいが、味方になってくれる大人がいることや、対面のコミュニケーションができること等は、客観的要件として列挙できるのではないか。また、多様な居場所の運営団体がいる中で、たとえば特定非営利活動促進法のような形で、自団体はどの事業を実施するのかを確認できると、今後居場所のモデル事業を実施する上でも活用されるものになるのではないか。
行政の委託事業やモデル事業を実施する際に、委託先の仕様に基づいて実施されるが、民間側で実際に行いたいと考えている内容と異なることが多い印象もある。本当に必要なものが見える化され、行政側と民間側のギャップが埋まっていくと良い。
「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」の各要素について、こどもの権利条約と対応する形で整理すると良いのではないか。こどもの権利条約に位置づく形で、こどもの居場所を考えているということを見える化できるのではないか。
圧倒的多数のこども・若者は、こども食堂や児童館にも行っていない中で、オンラインやゲームの存在感は大きい。本調査研究の報告書で、ネットや友人関係、SNS 等、こどもたちのリアルな生活世界の全体像までを記載するのか。生活・世界の全体と、支援者が関わる領域のようなものを図のような形で可視化したらいいのではないか。
- そういったこどもが多いことは事実だが、こどもの居場所づくりをその生活・世界全体の中に位置づけて議論していくことは、本調査研究のスコープではないと考えている。あくまでこどもの居場所づくりという取組について、行政や民間が実施しているものを多く取り上げながら、そこでの共通の想いや要素を整理するということを、政府として今初めて手掛けているという段階である。こどもの居場所 づくりという取組自体も相当多様であるので、まずは、その多様性や共通性を挙げていくのが本調査研究の役割ではないか。
「(5)居場所の課題」について、ハード面とソフト面での課題を位置づけてもらいたい。まず、ハード面の課題について、70~80 年代の建物が経年劣化し、児童館や公民館が維持できなくなるという問題が起きている。行政側で新しく建て直す余裕はなく、今後さらに、これらの公的施設や社会教育施設が減少するリスクが高まっていく。また、ソフト面の課題については、居場所を運営する民間団体が、どのように自主財源を獲得できるようにしていくか、それを応援するかということも課題ではないか。自主財源の獲得しやすさについては、運営団体の規模によっても異なり、団体間の格差が大きいことも課題と思われる。さらに、居場所だけでないが、自主財源以外の財源について、継続的な活動を可能にするような設計も必要ではないか。
(3)に「こども・若者の意見・希望を反映できる機会があると良い、あってほしい」という記載があるが、誰に発信したいのか、誰に聞いてほしいのかという内容が補足されると良い。日頃こどもたちと話す中で、社会に声を発信したいというこどもも多い。こどもたちの政策提議等も含めて、こどもが参加する機会に関して具体的に記載いただくと良いのではないか。
「(1)居場所が求められる背景」において、前提として世の中全てが居場所となりうるという発想、ただ今回調査するのは、いわゆる「こどもの居場所づくりの取組」である、という見せ方が必要ではないか。そのような記載があると、支援者が作っている居場所が 社会から孤立しているのではなく、きちんと世の中に繋がっており、居場所を通して、こどもたちも世の中に繋がっているということが見えてくるように思う。
「6.その他」について、居場所づくりにおいては、居場所をつくる段階から、こどもたちと一緒につくるというのが、こどもと大人の想いが乖離しないための、重要な視点ではないかと感じる。
-「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」は、報告書のコアな部分になると思われる。現状、ヒアリング調査結果を列挙しているが、それをそのまま、視点・理念・要素として掲載することについては懸念している。例えば、対面が必要という団体もいるが、そのような表現が視点・理念の中に入ってしまうと、非対面の支援を実施している団体の取組など、新しい形で居場所支援をやっていこうとする動きともかなり矛盾する。一方で、支援団体や当事者が話している視点・理念・要素がすべて正しいかと言われると必ずしもそうではないケースもありうるので、視点・理念に含める表現についてバランスを考えて慎重に検討する必要がある。「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」について、全国のあらゆる支援団体に調査して、幅広く意見を聴取し、傾向や課題を分析して、それらを全部掲載するのであれば理解できるが、こちら側で選定した団体にヒアリングした意見を全て掲載することで、ある程度要素を把握したとすることには違和感がある。むしろ、ヒアリング 調査結果を踏まえ、本検討会で、ある程度、要素を抽出・整理していく方が自然ではないか。
日頃こどもたちの相談を受ける中で、支援団体に繋がっている人はほぼおらず、ゲーム等で他人と繋がっているというケースが圧倒的に多い。大人から見ると安心・安全でない場であっても、こどもたちは安心・安全と感じている場合や、安心と感じてなくても、ここに居れば何でも話せるということで居場所と感じている場合もある。また、ユニバーサルやターゲットアプローチという前に、そもそも居場所づくりに参画していない団体や企業、特に民間企業のサービスが、副次的に居場所を提供しているという現実がある。政府としても、民間企業を含め社会のあらゆる存在が居場所を作っていく方向性を打ち出していくのであれば、そのような要素についても含めて頂きたい。
「(5)居場所の課題」については、政府として、こどもの居場所をどのようにしていきたいかによって記載内容が変わる。地域性や国境も関係ない、オンライン上でのセーフティネット等が、ある種の居場所として機能するようになった現代で、オンラインの中だけで完結する居場所を目指していきたいのか、それとも、地域に繋げていきたいのか、その方針を明確に決めると、課題が見えてくるのではないか。オンライン上の相談窓口では、その後の継続支援や、衣食住の支援までは難しいため、オンラインからオフラインに戻す・繋げるということも、これまで課題として挙がっている。政府の方針次第だが、オンラインの支援を増やしていく一方で、対面支援という選択肢も残した上で、そのバイパスを作る必要性について、課題として列挙しても良いと思う。
「(5)居場所の課題」について、現在、匿名相談も居場所として機能しているものの、今後、この匿名相談から、地域や対面の居場所等に繋いで継続支援を行っていく際に、具体的なガイドラインやルールが全くない状況である。居場所同士の連携という観点から、実名も含めた個人情報の取扱いをどうしていくべきかについても課題として挙げさせて頂きたい。
こどもの権利条約において、こどもの能力を最大限まで発達させるという言葉があるが、こどもたちが自分たちのやりたいことだけで、そこまで行けるかどうか分からない。関わる大人と一緒になって、見つけていくこともあると思う。こどもたちを学びに誘い、学びの架け橋をかけていくような存在としての支援者、また、学びの架け橋をかけるということそのものも、居場所の重要な視点であり、「(3)居場所の視点・理念・要素に ついての整理」に含めていただきたい。
「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」について、結果としての居場所と、目的としての居場所という整理もあるのではないか。地域で居場所づくりを行う際は、イメージ図として挙がっている豊中市のようなマッピングになるかもしれないが、こどもにとって塾やゲームが居場所になっている場合もある。そのように、結果としての居場所になっているところにも、今回の居場所の概念が届くと良いのではないか。
「(5)居場所の課題」について、まず、こどもの政策間連携をしっかり図ってほしい。こどもの居場所施策はいくつかあるが、これはここの役割ではないのでやらない等ではなく、広く、こどもの居場所としての役割を考えていくようにしてほしい。また、市町村の力によって、居場所のモデル事業を実施できるかどうかが変わってくることも課題である。国と、居場所の支援団体である NPO 団体が直接つながったり、小規模なNPO団体には、広域的に活動する NPO 団体が中間支援をしたり等、市町村で違いが出ないような取組をしてもらいたい。居場所の担い手をどう育成していくか、ということも大変重要である。担い手の雇用環境や、どのような人が担い手になっているのかといった現状調査を今後行っていく必要があるのではないか。
「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」について、大人が邪魔という印象を与える表現が多い。経験上、大人との関わりの中で学ぶことも多いと思う。こどもと大人との関わりは難しいけれども、それを大切にすることも重要ではないか。
「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」について、親子あわせて支援すべき場と、こどもだけ支援すべき場があると思うので、そういった整理もあるのではないか。
第1回検討委員会で、当時の野田大臣からも話があったが、居場所というとどうしても 箱のイメージがあるが、箱のイメージに引っ張られてしまうと、どのような箱を用意すれば居場所になるのかという話になってしまうので、そこに居る人との関係性が重要になる。同じ場所であっても、そこに居る人との関係性により、居場所になったりならなかったりするという意味で、「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」では、居場所とは、人と人との関係性を含んだ概念であるということは押さえておきたい。
「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」において、居場所とは、家庭や学校に居場所がないこどもはもちろん、家庭や学校が居場所になっているこどもにおいても、第3、第4、第5、第6の居場所といったようにたくさんあった方が良いということは押さえておきたい。こども・若者白書においても、居場所が多いこどもほど自己肯定感が高いという調査結果もあるため、本検討委員会で議論している第3の居場所なりこどもの居場所というのは、決して家庭や学校と対立するものではなく、相互にこどもの育ちをより豊かに応援するものである。
「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」では、基本的に、居場所の分け方を特定する方向性ではなく、このようなタイプ分けの考え方もある、という提示が良いのではないか。
「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」について、居場所をいかなるタイプに分けるとしても、それを地域全体で見た時に、面的にコーディネートするという観点が重要になるのではないか。1 つ 1 つの居場所を作っている方々は、たまたま、そのこどもに出会ったので、居場所を作っているという方が少なくなく、だからこそ愛着を感じられる場になっている。ただそれが故に、地域的に、居場所に偏りが生じてしまう。居場所がない地区ではどうすればよいのかといった地域をコーディネートする視点が必要である。
「(5)居場所の課題」について、まず、居場所資源の配置に関しては、モニタリングが重要となるのではないか。居場所について評価するのが良いかどうか、するとしたらどのような評価が良いのかも含めて、現状をモニタリングすることが課題と思われる。その上で、地域で居場所を面的にコーディネートしていくことが重要ではないか。
居場所とこどもをつなぐという点も、非常に重要。こどもに居場所の情報を届けるという観点では、こどもの居場所の情報の把握、公開、伝達等が課題になると思われる。また、こどもにその情報を届けるという意味では、教育委員会や学校との連携が大変重要。現在、GIGA スクール構想で、タブレット端末が配布されており、そこに情報を入れてみるという考えもあるかもしれない。DX も含めて、こどもに情報を届けるという観点からできることはまだかなりあるのではないか。
スクールソーシャルワーカーやケースワーカー等、学校や公的機関の職員等が課題のあるこどもの個人情報を有しているので、そのこどもたちを居場所に繋いでいく時には、これら職種の役割は大きくなると思う。個人情報を民間に提供することはできないので、情報を持っている方々が、居場所を必要とするこどもを、居場所に繋ぐことか重要ではないか。
居場所を継続する上での課題として、安全性の確保も含めてもらいたいい。非常にオープンな居場所においては、多様な方と出会える、触れ合えるというオープンならではのメリットがあるが、不審者への対策等も必要で、そのバランスをどのように確保していくかは課題と考える。
「6.その他」について、「運営者にとっての自己実現の場になる」という表記はその通りではあるものの、自己実現は自分のためではなく、誰かが居場所と感じられるような場を作りたいという思いであり、それは基本的に利己と利他のような話では必ずしもない。したがって、自己実現の内容を明快にしておいた方がいい。
論点は、誰が見る想定で、今後どのように活用していくイメージか。今後の国の政策にも反映され、こども自身や支援団体も見る可能性があるものであり、国がこのような居場所が必要と考えているものになるという理解で良いか。こどもが見るのであれば少しフィルターをあげて確認した方がよいと考えている。
- 本調査研究の報告書の中に論点として記載することをイメージしている。なお、こどもの居場所づくり指針については、来年4月にこども家庭庁が設立されてから政府で検討を進めるが、その議論に際して、本調査研究事業でまとめた内容が土台になる。また、こども家庭庁では、こどもの参画を重視しており、本調査研究においても、こどもへのヒアリング等を実施しているため、報告書もこどもにフィードバックできるものとして整理していければと考えている。
「(3)居場所の視点・理念・要素についての整理」の内容を構造化するに当たり、まずは、抽象的な内容と具体的な内容で分けるのが良いのではないか。「こどもや若者 が主体である」、「自己表現ができる」というのは抽象的な内容で、それを実現する要素や環境が具体的な内容として整理される。また、具体的な内容は、このような環境構成を用意すると良いというリストで括ると良いのではないか。
経験上、居場所とは、こどもたちにとってどういう場にすべきか、支援者である大人が絶えず振り返り、自分たちの行動を見直していくということが大変重要と考えている。そのため、支援者がこども主体で学び続けたり、振り返ったりする必要があるという要素も、どこかに含まれると良いのではないか。
「(4)こどもの居場所のタイプについての整理」について、「参加する場-支援する場」 という整理軸だけでなく、「オンライン-全国」のような軸もあると良いのではないか。
「(5)居場所の課題」について、まず、既存の居場所や施策がなぜ使われないのか、既存の居場所にどのような課題があるのかといった既存の居場所分析をしても良いのではないか。また、居場所に関わる人材育成は非常に重要であり、民間の居場所の担い手のみならず、行政の担い手の育成や待遇改善等も課題ではないか。
「(5)居場所の課題」について、何をもって、居場所の質と量がこの地域で充足しているかを検討するのは非常に難しい。資金や人員も限られる中で、どのようなロジックで、居場所の質と量の充足を測るのかについても議論しなければ、地域において、何を目指して具体的に居場所を作れば良いのか分からないのではないか。
○ 事務局より、「アンケートの調査設計、こどもへの調査の全体像(資料2-1、資 料2-2)」について説明。
○ 委員より、以下の発言あり。
- アンケートの冒頭で、居場所を定義した上で、居場所があるかどうかを回答してもらう設計になっているが、回答者にとって答えるのが難しいと感じる。また、居場所がないこどもに対して、居場所がない理由を尋ねているが、回答が難しいのではないか。それよりも、居場所の定義をせずに、まずは問7の設問から開始し、このように感じる時間や場所があるかどうかを尋ねて、その後で、問6の選択肢のような場所に、どれくらいの頻度で行っているか、問8のように感じる時間があるか、等と質問してはどうか。サンプルが偏る可能性を踏まえると、そのような方法で傾向を見た方が実態に近いのではないか。また、「居場所」という言葉のイメージもかなり人によって異なると思うので、「いつでも行きたいときに行ける場所はありますか。」や「安心して過ごせる場所はありますか。」といったように、居場所ではなく、中身をとって聞く方が現実的だと考える。
- アンケートについて、物理的な居場所をベースに考えられており、オンラインの居場所があまり想定されていないような印象を受けた。例えば、設問(10)で、住んでいる地域にそのような場所がないという表記があるが、物理的空間を想定した選択肢になっている。また、設問(6)の選択肢10について、SNS とオンラインゲーム、オンライン匿名相談では質が異なるので、分けた方が良いのではないか。
- オンラインのセーフティネットは、国外に住んでいる日本人も対象になってくるので、 設問(4)の住んでいる地域については、「国外」という選択肢を追加してほしい。
- 設問(5)以降について、選択肢が多すぎる印象。類似の内容、同じような表現は、まとめた方が良いのではないか。
- 設問(5)について、「家や学校以外に」と限定されているが、居場所と感じる場所があるかをまず尋ねて、その後の選択肢に、家や学校を含めてはどうか。
- 設問(5)の前に、「居場所を必要だと思いますか」という質問を含めてはどうか。
- 低年齢層のこどもが回答することを想定した文言になっているため、20 歳半ばの若者が回答する想定で、若者対応のバージョンを作成した方が良いのではないか。
- 委員も調査に協力するが、サンプルの偏りについて懸念している。アンケート調査の結果をどのように扱うのか、難しいようにも感じる。
- 学校等経由・居場所等経由で調査協力を依頼し、可能な限り、回答するこどもの属性が偏らないようにできればと考えているが、結果として偏りが生じてしまうことも想定される。今回のアンケートでは、居場所があるこどもとないこどもの割合を直接比較する訳ではなく、あるこどもとないこどもで、その他の調査項目についての傾向を比較することを考えている。また、今回の調査結果については、この属性のサンプルで調査を行った場合に得られる結果であり、日本全国の傾向をそのまま示すものではなく、あくまで一例という扱いになるのではないかと考えている。
(3)閉会
○ 事務局より、今後の予定について説明。
○ 小倉將信内閣府特命担当大臣、和田義明内閣府副大臣、自見はなこ内閣府大臣政務官より挨拶。