P1 旧優生保護法補償金等支給法に関する都道府県説明会 資料2 個別通知の実施状況等について 令和8年5月26日 こども家庭庁成育局母子保健課 P2 旧優生保護法補償金等に関する個別通知の実施状況調査(概要) 1 趣旨・目的 令和7年8月に個別通知に係る調査を行ったところであるが、その後の各都道府県の取組状況を把握するとともに、その取組の後押しとなる情報の収集・共有を図る観点から、本調査を行うもの 2 調査対象・期間等 ・対象:47都道府県 ・調査期間:令和8年2月16日〜令和8年2月27日 ・調査対象期間:〜令和8年1月31日(土) ・調査方法:Microsoftフォームを活用したアンケート形式 3 主な調査項目 以下の主な調査項目について調査。 ・個別通知の実施状況(一時金既受給者、未受給者別に実績、対面による実施状況) ・個別通知に資する記録調査の実施状況 ・障害の特性を踏まえた情報保障の状況 ・個別通知の実施における個人情報保護への配慮等について ・転居等により個別通知が困難な事例への対応状況 P3 個別通知の実施状況 〇 一時金既受給者に対する個別通知はすべての都道府県が着手しており、そのうち令和8年1月末時点に把握している対象者への個別通知を 35県が今年度中に終了(予定)である。 〇 一時金未受給者に対する個別通知は、28県が着手(そのうち9県は実施完了)しており、未実施の自治体は、その理由として「対象者情報の収集・整理ができないため」(5件)が最も多い。 (作業者注・以下、図) この図は、一時金の対象者に対する個別通知の実施状況を、「既受給者」と「未受給者」に分けて示したものです。 単位は、いずれも都道府県数です。 既受給者に対する個別通知 既に一時金を受け取っている人に対しては、35の都道府県で通知が完了、12の都道府県では、調査や検討、通知を実施(対応)中となっています。 未受給者に対する個別通知まだ一時金を受け取っていない人に対しては、状況が3つに分かれます。 通知が完了している都道府県が9件、調査や検討、通知を実施中の都道府県が19件、未実施の都道府県が19件となっています。 未実施の理由 未実施の理由としては、主に次のような点が挙げられています。 ・対象者情報の収集や整理ができていない ・対象者への影響、特に心理面や社会的な影響への配慮が必要である ・個人情報保護の観点で課題がある ・対象者を特定できていない ・通知方法の検討が必要である ・通知に必要な人員や体制が不足している ・その他の個別事情 また「その他」の理由として、県が把握している対象者は、県による審査において、優生手術を受けることが適当とされた方であ り、実際に手術を受けたかどうかまでは判断できないこと、家族にも手術を伝えていない場合や当時を思い出したくない場合もありえること等から、個別通知の実施は慎重な判断が必要であるといった事情も示されています。 (作業者注・図終わり) P4 参考3 旧優生保護法補償金等に関する個別通知の実施状況調査の結果(一時金未受給者に対する個別通知の実施状況(47自治体別)) (作業者注・以下、図) この図は、個別通知の実施状況について、令和7年7月31日時点と、令和8年1月31日時点の2つの時点を比較して示したものです。 単位はいずれも都道府県数です。 この図から、時間の経過とともに、通知を完了した自治体が増え、未実施の自治体が減少していることが分かります。 また、未実施から、調査や検討、実施中の段階へ移行している自治体も多く、全体として取組が進展している状況が確認できます。 令和7年7月31日時点の状況 この時点では、把握した対象者に対して通知を完了している都道府県は5です。 通知を実施中の都道府県は5あります。 未実施ではあるものの、調査・検討を実施中としている都道府県は12です。 一方で、実施予定がない都道府県は25となっています。 令和8年1月31日時点の状況 その後、令和8年1月31日時点では、通知を完了している都道府県は9に増えています。 通知を実施中の都道府県は6です。さらに、調査や検討を実施中の都道府県が13あります。 未実施の都道府県は19となり、減少しています。 (作業者注・図終わり) P5 対面による個別通知の実施状況 〇 対面による個別通知を行ったことがあるのは、一時金既受給者に対し11都道府県、未受給者に対し13都道府県があり、対面による通知を必要としたのは、「本人(対象者)の理解支援が必要なため」(7件)、「プライバシーへの配慮」(6件)を理由としたものが多く、障害や心情に配慮した寄り添った対応が行われている (作業者注・以下、図) この図は、対象者に対する「対面による個別通知」の実施状況と、その理由を、一時金既受給者と未受給者に分けて示したものです。 単位は都道府県数および件数です。 この図から、対面による個別通知は一部の自治体で実施され、本人の理解支援やプライバシーへの配慮、連絡手段の制約などがその理由として挙げられています。特に丁寧な説明が求められるケースにおいて活用されています。 ・一時金既受給者に対する対面通知の実施状況 既に一時金を受給している人に対して、対面での通知を実施したことがある都道府県は11あります。 一方で、対面での通知を実施したことがない都道府県は36となっており、実施していない自治体の方が多い状況です。 ・既受給者に対し対面通知が必要とされる理由 既受給者に対して対面での通知が必要とされた理由としては、本人の理解を支援する必要があるという理由が最も多くなっています。 そのほか、電話や書面での連絡が難しい場合や家族や支援者を交えた説明が必要な場合などが挙げられています。 具体例として、聴覚障害のある人への対応や、郵送や電話では連絡が取れなかったケースなどが示されています。 ・一時金未受給者に対する対面通知の実施状況 まだ一時金を受給していない人に対しては、未実施の自治体を除くと、対面での通知を実施したことがある都道府県は13、実施したことがない都道府県は15となっています。 ・未受給者に対し対面通知が必要とされる理由 未受給者に対しても、主な理由は同様で、本人の理解を支援する必要があることが挙げられています。 加えて、プライバシーへの配慮や、家族や支援者を交えた丁寧な説明の必要性も理由とされています。 その他の理由としては、被害を受けた本人に対し、県が直接謝罪する機会をいただくためや、一時金不認定者であったため、丁寧な対応が必要と判断されたケースが挙げられています。 (作業者注・図終わり) P6 個別通知の対象者把握に資する記録調査等の実施状況 〇 個別通知の実施にあたっての対象者把握に資する記録把握や調査について「法施行後実施した」(21県)、「法施行前に調査実績があるが法施行後実施無し」(24県)、「法施行前を含めて未実施」(2県)であった。 〇 把握された記録は、「昭和41年〜昭和50年」頃の記録が29県で最も多い一方、「把握記録なし」が9県あった。 (作業者注・以下、図) この図は、個別通知の対象者を把握するための「記録の把握や調査の実施状況」と、保有している記録の年代別の状況を示したものです。 単位はいずれも都道府県数で、一部は複数回答となっています。 記録の把握・調査の実施状況 円グラフでは、調査の実施状況が3つに分けて示されています。 ・法施行後に調査を実施した都道府県は21です。 ・法施行前には調査実績があるものの、法施行後は実施していない都道府県は24です。 ・法施行前も含めて調査を実施していない都道府県は2です。 保有記録の状況(年代別) 折れ線グラフでは、保有されている記録の年代別の状況について同一の都道府県が複数回答している結果が示されています。 ・昭和20年から昭和30年頃の記録を保有している自治体は12です。 ・昭和31年から昭和40年頃は25です。 ・昭和41年から昭和50年頃は29と最も多くなっています。 ・昭和51年から昭和60年頃は20です。 ・昭和61年以降は11に減少しています。 (作業者注・図終わり) ※本調査で設定した期間すべての記録を保有しているとは限らないため、結果の解釈に際しては留意されたい。 P7 個別通知における記録の活用状況 〇 個別通知に向けた対象者の把握・検討において実際に活用している記録は、都道府県にて保管している「優生保護審査会の記録」(29県)が最も活用されており、次いで「優生手術等の名簿記録」及び「管内福祉施設への照会記録」(それぞれ11県)、「管内医療機関(県立・市立病院)への照会記録」(10県)の順に多く活用されている。 (作業者注・以下、図) この図は、対象者の把握や検討を行う際に、都道府県が活用している各種記録の状況を示したものです。 単位は都道府県数で、複数回答となっています。 主に活用されている記録 最も多く活用されているのは、「優生保護審査会の記録」で、29の都道府県が活用しています。 その他の主な記録 そのほかにも、以下のような記録が活用されていることがしめされています。 優生手術等の名簿記録、管内福祉施設への照会記録、管内医療機関への照会記録、都道府県への相談記録、市区町村が保有する関連資料、公文書館・図書館・資料館の所蔵調査、沿革資料・周年誌・白書等、管内関係団体への照会記録、県保健所の訪問記録 (作業者注・図終わり) P8 障害の特性を踏まえた情報保障の状況 〇 各都道府県にて取り組んでいる情報保障については、「リーフレット(わかりやすい版)の提供」(42県)、「筆談対応」(23県)、「同行する手話通訳者の確保」(18県)、「点字版リーフレットサービスの活用」(15県)、「ふりがな付きリーフレットの作成・提供」(11県)、「音声読み上げアプリの活用・案内提供」(9県)、「文字の大きい媒体での資料作成」(7県)、「電話リレーサービスの活用」(5県)、「図解付きリーフレットの作成・提供」(4県)となっており、令和7年8月の調査結果から1.4〜5倍に増加している。 (作業者注・以下、図) この図は、都道府県における情報保障の取組状況を示したもので、令和7年8月時点と令和8年2月時点の調査結果を比較しています。 単位はいずれも都道府県数で、複数回答となっています。 この図から、すべての取組項目において、令和7年から令和8年にかけて実施している都道府県数が増加しており、情報保障の取組が全体として強化されていることが分かります。 特に、分かりやすい表現の工夫や、コミュニケーション支援に関する取組が広がっている点が特徴です。 主な取組内容と傾向 最も多く実施されている取組は、「リーフレットの分かりやすい表現」で、令和8年2月時点では42の都道府県が実施しており、前回の29から大きく増加しています。 次に多いのは、「筆談対応」で23、「同行する手話通訳者の確保」で18、「点字版リーフレットサービスの活用」が15、「音声読み上げアプリの活用・案内提供」が9です。 いずれも前回調査より増加しており、取組が広がっています。 資料作成に関する取組としては、「ふりがな付きリーフレットの作成」が11、「図解付きリーフレットの作成」が4、「文字サイズや色の配慮などの改善」が7となっています。 これらも前回より増加しており、情報の分かりやすさ向上が進められています。 その他の取組として「手話通訳や筆談対応の確保」、「電話リレーサービスの活用」の取組も実施され、いずれも前回調査より増加しており、取組が広がっています。 (作業者注・図終わり) P9 個別通知の実施における個人情報保護への配慮等について 〇都道府県の取組は大きく5つに区分整理でき、通知時における配慮等として「郵送方法による配慮」、「情報伝達における配慮」、「直接訪問・対面説明」、「関係機関等との連携・協力の獲得」が行われている。また、「個別通知以降への配慮」を行っている都道府県もあり、秘密保持や社会的ステグマへの配慮が行われている。 〇また、送付・訪問先が特定できない場合、無用な情報漏えいリスクを回避するため送付しない等慎重な対応を行っている意見もみられた。 (作業者注・以下、表) この表は、個別通知を行う際に配慮している主な取組内容を、項目ごとに整理したものです。 この表から、個別通知にあたっては、プライバシーの保護と本人への丁寧な配慮を最優先に、郵送方法、情報の伝え方、対面対応、関係機関との連携など、さまざまな工夫が行われていることが分かります。 ・郵送方法による配慮 郵送にあたっては、簡易書留かつ親展で郵送し、確実に本人に届くよう配慮しています。 また、同居家族に知られたくない場合もあるため、本人限定受取郵便を活用するなど、プライバシーに配慮した送付方法が取られています。 ・情報伝達における配慮 通知文書には、対象者の具体的な情報は記載せず、まずは専用窓口への連絡を促す内容にとどめ、連絡があった場合に、本人確認を行ったうえで詳細な情報を伝える方法がとられています。 また、個別通知の前に電話連絡を行い、本人確認や通知の意向を事前に確認する取組も行われています。 ・直接訪問・対面説明 本人が生存している場合には、通知前に訪問して意思確認を行う場合があります。 さらに、県の職員が直接面談を実施し、可能な限り対面で丁寧に説明する取組も行われています。 ・関係機関との連携・協力の獲得 対象者の状況を把握している施設職員と連携し、慎重に対応しています。 また、市町村や施設の協力を得ながら、本人の状況や意向を把握し、不利益が生じないよう配慮しています。 施設入所者に連絡する際には、施設に協力を依頼し、守秘義務の確保にも留意しています。 さらに、事前連絡では通知の詳細は伝えず、本人が郵便を直接受け取るよう依頼するなど、細かな配慮がなされています。 個別通知後の配慮 通知時にはアンケートを同封し、今後の連絡方法について本人の希望を確認しています。 また、相談や申請の過程において、本人の情報が他者に知られないよう配慮しています。 (作業者注・図終わり) P10 転居等により個別通知が困難な事例への対応状況 〇 対象者の転居・所在不明により個別通知が困難な事例が各地で発生しており、各自治体はその対応として「公用請求による調査」(12県)、「電話・郵便による連絡」(10県)、「訪問」(3県)により個別通知に繋げている。また、転居先が確認できた際は「転居先の自治体(関係部署)との連携」が行われている。 〇 その一方、「公用請求による調査を行っても所在を確認できなかった」(2県)、「電話不通、郵便物も受け取られず返送」(8県)という事例報告もされており、所在や本人確認ができず通知を中止せざるを得ない状況も生起している。 【個別通知に至った好事例】 〇 一時金既受給者へ本人限定郵便の個別通知を行ったところ、受取されず返送され本人が逝去していることを確認 その後、一時金請求時の住所を訪問し、遺族に対して説明・個別通知を実施 〇 個別通知送付前に(転居による不在等を未然防止するため)住民票を取得し、最新の居住地を確認 【個別通知が困難であった事例】 〇 県保有資料で把握した対象者情報を基に公用請求による戸籍、住民票調査を実施したが、筆頭者名、世帯主名が県保有資料に記載がないため、所在確認ができなかった。 〇 保有する古い資料(昭和30年代)を基に公用請求を行ったが、対象者の記録が見つからず追跡が困難な事例があった。